誤解の末に (笑える体験談) 31199回

2005/03/23 19:24┃登録者:えっちな名無しさん┃作者:名無しの作者
小さい頃、じいちゃんが死んだ。俺は小さいから死というものがよく理解できず、 
両親が変な服(喪服)を来て泣いてばかりいるのが不思議だった。じいちゃんは 
箱に入れられて、変な服(白装束)を着せられていた。出棺後、車の中で「これから 
どこへ行くの?」と聞くと、母は「おじいちゃんを焼きに行くのよ」と答えた。その答えが 
何だか恐くて、母の膝に顔を埋めていたら、そのまま寝てしまった。 

目が覚めるとすべてが終わっていて、俺は自宅の布団にいた。起き出していくと 
両親は普段通りの姿で、母は夕食の準備をしていた。おかずは、豚の生姜焼き 
だった(じいちゃんが生前好物だったらしい)。準備が整って、いざ食べようとした 
とき、父がじいちゃんを思い出したのか「お父さん・・・」と言って泣き出した。 

俺は、車中での母の話と合わせて、これはおじいちゃんを焼いた肉だと思い込んで 
しまった。それでも両親が食べ始めたので、俺も食べた。旨かった。俺が「おじいちゃん 
おいしいね」と言うと、母が「**ちゃん、おじいちゃんが見えるの?」と驚いた。俺は 
目の前の肉の事だと思って「うん、ぼくの前にいるよ」と言った。その答えに両親が 
再び激しく泣き出したので、これは間違いなくじいちゃんの肉だと確信した。 

誤解が解けたのは小学生になってから。 
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