戦争の体験談でも語る (泣ける体験談) 49842回

2010/06/02 21:11┃登録者:えっちな名無しさん┃作者:祐希 ◆.0dKn/WD26
戦争の体験談を語るわ


1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/19(水) 12:57:06.07 ID:sViwJ6eP0
    15 年以上昔の出来事だから、よく知らない人が多いかもしれないけどさ。




4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/19(水) 13:02:19.57 ID:sViwJ6eP0
    少し長くなるから、先に何が起きたから軽く書いておくね。
    今から20年近く前の話だから、多少忘れてたり、間違ってたりするかもしれない。
    そこは許して欲しい。

    先に結論というか、書いておくけど。
    今から話す内容に出てくる子がどうなったか、先に書いておく。
    ソニアは殺された。
    サニャは爆発に巻き込まれて死んじゃった。
    メルヴィナはレイプされて連れ去られた。
    メフメット・カマル・ミルコはわからない。
    カミーユも死んでしまった。
    ドラガンって子は、裏切ったと思っていたけど、実際は違った。

    それじゃ、書いてくね。わからない事あったら聞いてください。


5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/19(水) 13:04:37.75 ID:sViwJ6eP0
    あー、書き忘れてたorz ユーゴスラビア紛争の話ね。

    俺は色々あって、母親に捨てられちゃってさ、海外に単身赴任している
    父親と一緒に暮らす事になったんだ。


9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/19(水) 13:06:45.15 ID:sViwJ6eP0
    トルコ経由で向かったわけだけれど、機内から見る空は美しかった。というより眩しかった。
    途中で降りた空港には、飛行機の中とは比べ物にならない程の異国の人々がごった返していた。

    そこから首都まで乗り換えて向かい、初めて降り立った外国の地というものは、少し気持ち悪かった。
    日本と違い、建物はみな似たような作りと色合いで、何で?と疑問に思ったものだ。外国人も背が高く怖いし、
    そもそも日本語ではない言葉を話している。


13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/19(水) 13:07:32.11 ID:wFaDn/qj0
    ノーマンズランド


8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/19(水) 13:06:31.41 ID:VHzbDDmi0
    セルビア人さん怖いって話ですか


14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /19(水) 13:08:21.16 ID:sViwJ6eP0
    >>8
    俺はスルツキの人達を悪く言うつもりは無い。
    実際、どっちが悪いと言えるような状況じゃなかったんだ。
    どちらも同じ事をやって、そしてお互いに殺しあってた。
    だから、俺が話す内容は、どの民族が悪かって話にはならないように
    書くつもりだよ。スルツキの人々を悪とするつもりは毛頭ない。


15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/19(水) 13:10:06.72 ID:sViwJ6eP0
    俺が父親と住む事になった街は人口数千人ぐらいか。日本と比べたら
    人口密度はかなり低い場所だった。
    周りは山に囲まれてる盆地で、建ち並ぶ統一された住居は、
    とても綺麗だった。オレンジ色の屋根は当時日本(といっても俺の地元)では
    目にする事が無かったから、初めは奇抜だと思ったよ。


16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/19(水) 13:13:17.32 ID:sViwJ6eP0
    子どもが親についていき、海外で暮らす場合、多くは日本人学校等に
    入る事になると思うのだけれど、俺の住む街には日本人学校どころか日本人すらいない。
    いや、俺と父さんの二人はいたけどさ。
    不安を抱きながら学校へ行っても、皆何を言っているのか理解出来ないわけだ。
    当然、俺は一人ぼっちだった。
    自己紹介すらきちんと出来なかったからな。
    もう少し年を取っていれば、ノリで仲良くする、フレンドリーに接するなんて事が出来たかもしれない。
    だけど、当時の俺にそんなスキルがあるはずもなく、どうしようもなかったんだ。
    その為、最初の2週間ほどは非常に苦痛だった。


17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/19(水) 13:15:27.06 ID:sViwJ6eP0
    遊びたい盛りの当時の俺にとって、こうした寂しさを我慢するというのは、
    限界が近づきつつあったんだ。だから、何か遊ぶものを探そうと思って、休みの日に
    ふらっと一人で街を散策していたんだ。一人で街中に行くのは初めてだったから、
    少し迷ったりしたけれどね。街を行きかう人々を見ながら、学校の方へと歩いていくと、
    道の端にある空き地で子ども達がサッカーをしていた。

    とても羨ましくて、「いいなぁー。」と思ったわけだけれど、「いーれーてっ!」といった言葉は
    かけられない。というより、その言葉が話せないからな。だから、何も声に出せず、
    もじもじしながら、その子ども達が遊んでいるのを空き地の端っこでぼーっと眺めていたんだ。


18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /19(水) 13:19:32.84 ID:sViwJ6eP0
    そうとう入れて欲しそうな顔をしていたのかもしれない。サッカーをしている
    男子の輪の中にいた一人が、じっと見つめている俺に気づいてさ、「一緒に遊ぶ?」と
    聞いてきてくれたんだ。実際には、そう言ったのだろうというレベルで、俺にはまだこの子が
    何を話しているのか理解できなかったけれどね。

    仮にその男の子をカミーユとしておく。最初は「?」状態だった俺も、ジェスチャーで身振り手振りで
    話してくれたおかげで、俺を誘ってくれているんだと理解してさ。とても嬉しくなった。
    これが現地の子と初めて会話?した日だったと思う。やっと友達が出来るってウキウキしたよ。


19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /19(水) 13:19:40.52 ID:uKzE7YX+0
    戦争のくだりは何時頃になるのか不安です


20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /19(水) 13:22:59.41 ID:sViwJ6eP0
    >>19
    まだ先が長い。俺が暮らしていたのはボスニア・ヘルツェゴビナだったんだけど、
    その時はまだユーゴスラビア連邦の構成国だったんだ。
    そこには大体3つの民族、ボシュニャチ(ボスニア人)、スルツキ(セルビア人)、
    フルヴァツキ(クロアチア人)が混在して一緒に暮らしてたんだ。

    そこからどうやって泥沼の紛争になったかを書かないと意味がないと思うから、
    まだ長くなる。今話してるのは戦争が始まる2年前の話。


22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /19(水) 13:24:32.75 ID:sViwJ6eP0
    お互いに言葉は通じなかったけれど、子供同士、皆で一緒に遊ぶサッカーは最高に面白かった。
    子どもの頃はさ、身長や体格といった差は人種が違えどさほど変わらないもので、
    意外とサッカー中にはボールを触ったり、奪ったり出来た。これも、カミーユがパスをくれた
    お陰だとは思うけどね。泥まみれになって遊ぶのは楽しい。遊びつかれて夕方家に帰ると、
    久しぶりに父さんが早く帰ってきていてさ。「どうしたんだ?友達でもできたのか?」みたいな事を
    聞いてきて、「もちろん!」ってニコニコしながら答えたよ。思えば、この街に来て初めて笑った日だった
    かもしれないなー。



21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /19(水) 13:23:47.10 ID:YWuqNrNI0
    書き溜めてるって訳ではないのか


23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /19(水) 13:26:42.94 ID:sViwJ6eP0
    >>21
    一応、書き溜めてあるよ。
    ただ、全部で20万字くらいあるから、その中から必要そうなのを選んで
    今書き込んでる。本当は手記を出そうと思ったけれど、もう時間がないんだ。
    だから、この場を借りてぱぱっと書くよ。


24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /19(水) 13:28:35.02 ID:sViwJ6eP0
    次の日学校へ行ったらさ、小さい街だからやっぱり同じ学校だったわけよ。
    放課後に校庭でカミーユ達がサッカーしているのを見つけて、そこに駆けていったね。
    カミーユも俺を見るなり駆けてきてさ、「サッカーやろう!」って誘ってくれたんだ。
    昨日いたメンバーの他にも、クラスの子とかがいたりして、
    身振り手振りのコミュニケーションしかできなかったけれど、仲良くなるきっかけになったよ。


26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/19(水) 13:30:09.21 ID:XOMQgpMnO
    時間が無いとか意味深すぎる


25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /19(水) 13:28:54.04 ID:C4wlKxOPi
    時間がないと書かれると先が短いと理解していいのか?


27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /19(水) 13:31:19.58 ID:sViwJ6eP0
    >>25
    うん。今仕事も引き継ぎ終えて、来週ぐらいには多分、日本にも居ないよ。
    その前に、約束を果たさなきゃいけなくてさ。

    その日以降から、言葉は殆ど通じなくても、一緒に鬼ごっこしたりサッカーしたりして遊んでさ、
    クラスでも徐々に一緒に過ごす友達が増えてきて、学校がとても楽しかった。
    特にカミーユとかドラガンはクラスが違うっていうのに、休み時間になると俺のクラスまで
    来てくれてさ、一緒にくだらない遊びしてたな。昼休みはワンバンっていって、
    サッカーボールを一回のバウンドだけでキャッチして相手に蹴るゲームとかやったりしたなー。
    何でここまでカミーユ達、特にカミーユが仲良くしてくれるのかはわからなかったけれど、
    ありがたかったよ。その理由がわかった時は、すごく辛かった。


30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /19(水) 13:33:47.44 ID:sViwJ6eP0
    とはいってもさ、学校のない日はやっぱ暇な時が多い。毎回カミーユ達と遊べるわけじゃないしね。
    それで色んな所を一人探検したりしてた。高原っていうか平原が無限に広がってる感じで、
    なかなか面白かったよ。

    そんなある日、カミーユ達はモスクだとか教会がどーのこーので遊べないから、
    いつものように一人で探検してたんだ。
    そしたらさ、少し丘を登って過ぎたあたりに、家があったんだよね。結構ぼろっちい。
    最初廃墟かと思って、潜入を試みたわけなんだけど、庭に入ったところで同い年位の女の子と
    ばったり鉢合わせちゃったんだ。
    二人同時に「ビクッ!」ってなったね。ヤバイ。人が住んでたってわかった俺は、そのまま逃げれば
    いいものをさ、慌てちゃって何故か自己紹介しちゃったんだ。日本語でだけどね。


32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /19(水) 13:34:19.90 ID:/m92g2yW0
    カミーユなんて女みたいな名前だな


36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /19(水) 13:35:53.31 ID:sViwJ6eP0
    >>32
    バリバリあっちだと男だよw日本のアニメとかで付けられる名前は変だと思う。


    そしたら、俺が大体何言ったのか理解したっぽくて、名前を教えてくれてさ、豆?みたいな
    お菓子をくれたwあ、仮にこの女の子をソニアってしとくわ。

    街の中心からソニアの家までは子どもの足で大体1時間か2時間ぐらいなんだけど、
    ソニアは同じ学校じゃないんだよね。同じ学年なのになんでだろうって思ったけど、
    当時はまだ何も知らなかったから、ふーんって位にしか思わなかった。
    それから夕方ぐらいまで近くの丘で花摘んだりしながら遊んでたんだけど、
    気づいたら暗くなってきてたんだ。このまま歩いて帰っても、また1・2時間かかっちゃう。
    どうしようって思ってたら、丁度ソニアパパが帰宅してさ、ソニアと何か話した後に
    俺をソニアと一緒に車で街まで送ってくれたんだ。


37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /19(水) 13:37:35.83 ID:AGBuz6HR0
    スレブレニツァじゃないよな?



39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /19(水) 13:38:29.51 ID:sViwJ6eP0
    >>37
    あそこは悲惨だったと思う。でも、俺はカリノヴィクだ。

    家の前まで送ってもらった後に、
    「ドビジャニヤ!ハンデダゼニカジェネチェニデルデ!」って感じで、
    バイバイ、また遊ぼうねって約束して別れたんだ。

    送ってもらう途中、言葉話せないってアピールしてるのに、ソニアパパが
    笑顔で色々と話しかけてきて少し困った覚えがある。
    ソニアはソニアで一緒に作った花の輪を俺の頭にのせてきたりしてた。


38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /19(水) 13:38:29.11 ID:3TzxK/Q00
    手記データにしてあるなら最後にそれアップして欲しいかも


40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /19(水) 13:40:20.54 ID:sViwJ6eP0
    >>38
    わかった。最後にアップするよ。

    その日は父さんの夕飯食ってる最中に、ソニアの話ばっかりしてたなー。
    思い返せば、この時既に俺はソニアに一目ぼれしてたんだと思う。

    それからは、学校ある日はカミーユ達とサッカーしたりして遊んで、
    休みの日は毎回2時間位歩いてソニアの家まで遊びにいってた。
    学校も楽しかったけど、週に1度ソニアのトコに遊びに行くのは
    もっと楽しかった。楽しいと言うより、楽しみだった…だな。


41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/19(水) 13:40:41.34 ID:Hu8APTN70
    そっちいた頃は主に何食ってたの?


43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /19(水) 13:43:29.19 ID:60HAO/620
    >>41
    ブレクだとかたまに、ボサンスキ・ロナッツ。
    ただ、父さんは仕事から帰ってくるの遅いのが多いから、
    豆とか多かった気がする。

    大体する事と言ったら、花を摘んだり、オママゴトしたりさ、
    人形遊びしたり、ソニアパパの猟にくっついていったりぐらいなんだけどね。
    ソニアのパパもママも、毎回来て迷惑だろうにソガンドルマとか作って
    お昼に食べさせてくれた。あの味は今も忘れられないよ…本当に。
    野菜嫌いだった俺に野菜の美味しさを教えてくれたよ。


45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/19(水) 13:44:27.15 ID:8Pid8Aty0
    これは…


46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /19(水) 13:44:44.63 ID:0/cUsgWH0
    >>4を読まなけりゃよかったと後悔してる


44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/19(水) 13:44:01.41 ID:ny91FMOy0
    強姦のオンパレードじゃねえか


47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /19(水) 13:46:34.19 ID:60HAO/620
    >>44
    だけど、本当に辛い出来事は、カリノヴィクから脱出してフォチャそしてゴラジュデに向かう途中で
    おきたんだ。はっきりいって、感動とかの話じゃない。人が死んで、そして殺しての話だから。
    だから最初に、皆がどうなったか書いたんだ。苦手な人が読まないようにね。

    夏休みに入った時期だったかな。学校で普段一緒に遊んでたメンバーと
    飽きずにサッカーしてたんだ。まだこっちの気候に慣れていない俺にとって、
    乾燥した夏ってのはそれはそれで辛いものだった。喉が凄い渇く。
    日本のじめじめした夏が懐かしかったな。

    少しサッカーして、休憩した後にさ、俺が休みの日に何してるのかって話しになって、
    ソニアって同い年の女の子の家に遊びに行ってる事を話したんだ。俺らの居る街は
    人口も少ない。だから子どもは殆ど同じ学校に通っているわけだけれど、ソニアは
    通っていない。じゃあ、俺らで遊びに行っちゃうか!?という話へ自然となったんだ。



48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/19(水) 13:48:12.56 ID:60HAO/620
    ただ、女の子の家に男だけで行くのも少し恥ずかしいらしい。そういうわけで、他に学校の
    女の子二人と俺を含めて6人の男子、8人でソニアの家に向かったわけだ。
    当時ペットボトルとかいう画期的な容器はないから、重い水筒らしきものを背負って
    皆で高原を歩いていったわけだ。日本に比べて気温は高くないんだけどさ、
    日によっちゃ凄い熱くなったり、夏なのに気温低かったりしてな。その日は
    凄く暑かった。皆汗だくになってヒーヒーいいながらも、何時もより時間かけつつも
    到着したわけだ。


49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /19(水) 13:50:13.60 ID:60HAO/620
    あー、俺以外の7人は、
    カミーユ
    ミルコ
    メフメット
    カマル
    ドラガン
    サニャ
    メルヴィナね。

    ソニアの家の前でさ、皆で
    「ソニャー!ハンデダゼニカフゥバルサマナー!」って呼んだんだ。
    少ししたらバタバタしながらソニアが出てきてさ、俺達みた瞬間目が点になった様に固まってた。
    俺はさ、学校の友達連れてきたから、皆で遊ぼうって言ったんだ。
    そしたらソニアは少し怯えながら
    「こんなに大勢で遊んだことないから怖い」って言うんだよ。


50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/19(水) 13:53:24.94 ID:vW+HEIyl0
    その時点では言葉はなせたのか


53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /19(水) 13:56:36.69 ID:60HAO/620
    >>50
    俺が来たのが1990年4月で、この夏っていうのはその年の7月の事なんだ。
    カタコトではあるけれど、多少理解できるようになってたよ。まだ6歳ぐらいだったから
    覚えるの早かったのかもしれない。


    そうなのかーとは思ったけど、なら良いチャンスだ!というわけで、
    皆でサッカーをする事にしたんだ。実際は、男子6人がサッカーをして
    ソニアたち女子は3人で花を摘んだりしてたわけだけどさ。

    帰り際にソニアが目をキラキラさせながら、今日は楽しかった!ありがとう!と
    言っていたのが印象的だった。帰り、街までソニアパパがいつものように送ってくれると
    言ってくれたんだけど、8人は流石に乗れないので、サニャとメルヴィナだけ車で送ってもらって、
    カミーユや俺といった男子は歩いて帰る事にしたんだ。夏だからまだ外も明るいしね。


52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /19(水) 13:54:52.50 ID:0/cUsgWH0
    >>1
    たぶん大丈夫だと思うがIDかわると偽物とか出てくるかもしれないんでトリップつけてもらえると助かる


56 名前:祐希 ◆fyiPNhmVqk :2010/05 /19(水) 13:58:27.57 ID:60HAO/620
    この年の夏は、俺がこの国に滞在した期間の中で最良の夏だった。
    毎日何も心配せずに遊び、疲れたら寝て、そして朝起きて遊ぶを延々と繰り返していたよ。
    ただ、金曜と日曜は殆どの子達がモスクやら教会に行く為暇なんだ。
    だから、その日は大体ソニアの家で過ごしてたな。
    当時は宗教というものをよく理解していなかったし、何かのイベント程度に思っていた。


58 名前:祐希 ◆fyiPNhmVqk :2010/05/19(水) 14:01:33.57 ID:60HAO/620
    初めて皆で遊んでから少し経った金曜日、この日も毎週と同じく非常に暇を持て余していた。
    じゃあ、またソニアの家に遊びに行こう!と考えた俺は、水筒を担いで向かったんだ。
    家に行っていつもの様に遊んでいると、お昼ぐらいになった。
    ソニアパパとママは礼拝があるからと言って、お昼を準備した後、
    ソニアと俺を残してモスクへ出かけていった。
    この日は普段と違って特別な昼食だったよ。

    いつもはご飯の後にデザートなんて出ないんだけど、この日はバクラヴァが出たんだ。
    最初は、ただのデザートだと思っていたんだ。だけど、ソニアがニコニコしながら、
    「特別なんだよ」って教えてくれた。


57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/19(水) 14:00:21.82 ID:LAjnRD+4i
    >>1
    同い年か
    当時はファミコンでロックマンしてたなぁ


59 名前:祐希 ◆fyiPNhmVqk :2010/05 /19(水) 14:02:55.15 ID:60HAO/620
    >>57
    今 26歳?


    このバクラヴァは今でこそ日本にもあるらしいけれど、現地では特別な日に
    食べられる事が多いデザートなんだ。何故、この日が特別なのかは
    最初俺にはわからなかった。だから、「何で?」と質問したんだ。

    すると、ソニアは少しモジモジと照れながら、
    「祐希が私の友達になってくれた。一杯のお友達を連れてきてくれた。そのお礼の日だから。」
    確かこんな事を言われたんだ。当時の俺は気づかなかったんだけど、前にも書いたとおり、
    ソニアは俺達と同じ年齢にも関わらず学校へは行っていなかったんだ。学校自体に通っていな
    かったのか、それとも不登校だったのかは未だにわからないけれどね。


63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /19(水) 14:07:12.40 ID:LAjnRD+4i
    ごめん下げわすれてた
    そそ26
    11の時の被災体験くらいしかないから戦争なんて想像が出来んぜ


61 名前:祐希 ◆fyiPNhmVqk :2010/05/19(水) 14:05:26.68 ID:60HAO/620
    だから、ソニアには全然友達が居ないんだ。俺はソニアにとって、
    初めて出来た異性の友達で、そして久しぶりに出来た友達だったんだ。
    こんな目と鼻の先、数キロしか離れていないのに、
    不思議だよな。おかしな話だ。でも、それがこの国の現実だったんだ。
    この時は、そういった事を何も知らなかった俺には、そうなんだー位にしか思わなかった。

    そういった事もあって、ソニアパパは、一ヶ月前に出会った日の帰りの道中、
    ニコニコしながら俺に一杯話しかけてくれたし、遊びに行くたびに歓迎してくれて、
    そして帰りはわざわざ車で送ってくれていたんだ。
    この時は謙虚だとか遠慮だなんて言葉すら知らなくてさ、ソニアパパやママには
    図々しい事を沢山してしまったなと思う。


62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /19(水) 14:06:16.69 ID:ABhAIbvT0
    なんで先に>>4書いたんだ・・・なんで・・・っ!


64 名前:祐希 ◆fyiPNhmVqk :2010/05/19(水) 14:09:05.27 ID:60HAO/620
    バクラヴァを食べながら「美味しいね。」ってソニアに言うと、
    ソニアは照れくさそうにしながら、
    「私も作るの手伝ったんだよ。」と言ったんだ。

    そしてこの日、俺は夕飯前に帰ろうと思っていたんだけど、ソニアパパやママの勧めで
    夕飯を食べていくことになったんだ。ソニアのパパやママは朝と昼のご飯を食べていなかったから、
    夕飯はとても豪勢だった。お肉はなかったけれどね。ソニアも笑顔で笑っていてさ、
    とても幸せな食卓だった。優しい家族だった。


    >>62
    先に書かないと、読んでいて辛い気分になる人が出てくると思う。
    だから、最初に書かせてもらった。最初に書いてあったほうが、
    皆も辛くないと思ったんだ。ごめん。


65 名前:祐希 ◆fyiPNhmVqk :2010/05/19(水) 14:11:29.05 ID:60HAO/620
    夕う事を伝えた。
    すると、「今夜は遅いから、家に泊まりなさい」と言われたんだ。

    飯を食べ終わった後はソニアの家族と日本の話はこの国の話をしたりしてた。
    気づくと時間も遅くなっていたんだ。父さんに連絡して早く帰らなければと、
    慌ててソニアパパにそろそろ帰るとい
67 名前:祐希 ◆fyiPNhmVqk :2010/05 /19(水) 14:15:41.53 ID:60HAO/620
    流石に一緒のベットではなかったけれど、俺とソニアは夜遅くまでおきて、
    ベットの横にある窓から、澄んだ夜空を見上げて、色々と話していた。
    初めてヒジャブを外したソニアを目にした。照らされた褐色の髪が
    キラキラしていた。
    この時だったと思う。漠然としたソニアに対する自分の好意が、
    ソニアに対する恋だと気づいたのは。月明かりに照らされたソニアの顔は、
    とても綺麗だった。短い6年という人生しか歩んできていなかった俺にとって、
    この時のソニアは美しすぎた。そして、こうして26 歳になった今でも、
    この夜のソニアを超える美しい女性とは出会えていない。


70 名前:祐希 ◆fyiPNhmVqk :2010/05 /19(水) 14:16:54.12 ID:60HAO/620
    ずっとこうしていたいと思っていたよ。二人で顔を手を繋ぎながら、
    「ずっと一緒にいたいね。」、「ずっと一緒にいようね。」
    そう約束したんだ。


71 名前:祐希 ◆fyiPNhmVqk :2010/05 /19(水) 14:18:39.53 ID:60HAO/620
    ごめん。書いてて気持ち悪くなってきたぜ。少し休憩させて下さい。
    何かわからない事あったら、答えられる範囲で答えるよ。ごめんよ。


72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /19(水) 14:20:49.48 ID:5swMK0ox0
    そんなに書き溜めてあるなら本でも出せばw


73 名前:祐希 ◆fyiPNhmVqk :2010/05 /19(水) 14:22:51.64 ID:60HAO/620
    >>72
    出さないし、出せないよ。もうすぐ俺死ぬしさ。
    時間がないんだ。書くのは約束を果たす為だからなんだ。


74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /19(水) 14:23:39.14 ID:hZv16Vja0
    なんだよその約束って
    復讐でもするのか?


75 名前:祐希 ◆fyiPNhmVqk :2010/05 /19(水) 14:26:47.94 ID:60HAO/620
    >>74
    復讐は何も生まないよ。それを身をもって体験したつもり。
    約束は、俺が経験した事を何時か遠い国の人にも伝えろって事なんだ。
    だから、今それを果たさなきゃいけなくてさ。


    続き書くね。


76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /19(水) 14:27:03.94 ID:Hu8APTN70
    病気か何かなの


77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /19(水) 14:28:16.15 ID:YzltUJCP0
    >>75
    じゃあ癌かなんかか?


80 名前:祐希 ◆fyiPNhmVqk :2010/05/19(水) 14:29:56.01 ID:60HAO/620
    朝になったソニアママに起こされた時、俺とソニアは同じベットで寝てた。
    多分、話している途中で寝ちゃったんだろうな。
    ソニアママは少し驚いていたけれど、俺達の頭を撫でながら、
    パパには内緒だね。と微笑んでくれた。その意味は当時理解できなかったけどね。

    >>76 >>75
    いや違う。健康だよ。ただ耐えられなくなったからさ。
    とりあえず、この件についてはこれでおしまいで。


82 名前:祐希 ◆fyiPNhmVqk :2010/05 /19(水) 14:32:29.51 ID:60HAO/620
    気持ちとしては、家に帰りたかったのだけれど、ソニアパパがフォーチャの街に
    買い物に行こうと言うので、一緒に付いて行く事にしたんだ。
    フォーチャまでは基本的に一本道で、高原を抜けた後は延々と山と
    山の間の道を通り抜けていった。途中で沢山の木を積んだトラックが
    かなりゆっくり走っていたりしたな。トラックは相当年季が入っていた。


83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /19(水) 14:34:24.60 ID:5swMK0ox0
    子供の頃の話なのにそんなに鮮明に覚えてるんだな


84 名前:祐希 ◆fyiPNhmVqk :2010/05 /19(水) 14:37:20.61 ID:60HAO/620
    フォーチャの街が、ドリナ川の対岸に見えた時は、その景色がまるで絵画の
    ように綺麗で、感動したよ。街にはカリノヴィクと比べて沢山の人たちがいて、
    活気があった。日用品を買ったりしたり、ご飯を食べたりしたよ。


    >>83
    そりゃ日記を書いてたからね。そうじゃなきゃ、殆ど覚えてないと思う。
    とはいえ、記憶違いな部分もあるかもしれないから、最初に忘れてたり
    間違えてたりするかもって書いたんだ。


85 名前:祐希 ◆fyiPNhmVqk :2010/05/19(水) 14:38:57.05 ID:60HAO/620
    昼食を済ませた後だったと思う。結構古い雰囲気のモスクがあって、
    まだきちんとしたモスクを実際に目にしていなかった俺は、
    「あれは何?」って聞いたんだ。
    そしたら、歴史あるモスクだから、見学してみるか?ってソニアパパが言ったんだ。

    俺は当然異教徒なわけだけれど、丁度礼拝みたいのをやっていてさ、
    俺も混ざっていい?って聞いたら、勿論って言われて、
    一緒にアッラーフアクバルーみたいな言葉を唱えた。
    貴重な経験だった。まさかこの場所にまた来ることになるとは、
    この時はまだ想像もしていなかった。


87 名前:祐希 ◆fyiPNhmVqk :2010/05 /19(水) 14:41:10.28 ID:60HAO/620
    8月になると、9人で一緒に遊ぶことが多くなった。
    ソニアの家が遠いから、殆どソニアの家かその付近で遊んでいたけれどね。
    ソニアの家から少し歩いた所にある山に、秘密基地のような場所を
    作って遊んでいたよ。カミーユが持ってきた立派な双眼鏡みたいなのを
    使って、街を見たり、遠くを眺めたりしてよく遊んだなー。
    この双眼鏡のせいで、後であんな事になるとは思いもしなかったよ。


86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/19(水) 14:40:50.16 ID:9pMfAS1c0
    なんですぐ死ぬとかいうの!(`;ω;´)


88 名前:祐希 ◆fyiPNhmVqk :2010/05 /19(水) 14:44:18.91 ID:60HAO/620
    >>86
    すぐ言ってるわけじゃない。15年だよ。15年も耐えてきたよ。毎晩のようにソニアとか
    メルヴィナとかサニャが死ぬ夢を見て、それでも生きなきゃって思って生きてきたよ。
    ドラガンを憎んでさ。それだけが俺の支えだったよ。
    だけど、その支えもなくなって、もう耐えられないんだよ。もうこんなに頑張ってきたのだから、
    ゆっくり休みたいんだ。


91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /19(水) 14:48:03.43 ID:yPxP10p20
    自殺するつもりか


92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /19(水) 14:48:27.65 ID:5swMK0ox0
    おいおい早まるんじゃねーよ


89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /19(水) 14:45:57.48 ID:ABhAIbvT0
    これどうしたらいいんだ。どんなテンションで読めばいいの?ねぇ


93 名前:祐希 ◆fyiPNhmVqk :2010/05 /19(水) 14:48:53.73 ID:60HAO/620
    あー、そうそう。山と言えどもこの地域は木が少なくて、動物もあんまりいなかったな。
    今はどうか知らないが。

    確かドラガンだったと思う。ドラガンが敵の攻撃に備えるといって、
    草を結んで罠を作ったりしていたんだ。そしたらサニャがそれに
    引っかかってしまって転んでさ。そこにカミーユがすっ飛んできて、
    「サニャが怪我したらどうするんだー!」ってすごい怒っていたよ。
    それでサニャを慰めていたんだけど、それを見た俺以外の男子は
    皆で「カミーユはサニャが好きでーす!みなさーん!カミーユはry」
    ってからかったりしてたな。


    >>89
    笑ったり、馬鹿にしながら読んでくれて構わない。俺の妄想話だと思ってくれ。
    その方が、俺も書きやすいし、精神的に楽だからさ。
    自分だけが書いてると、気が滅入ってくる。


94 名前:祐希 ◆fyiPNhmVqk :2010/05/19(水) 14:51:23.88 ID:60HAO/620
    カミーユはそんな事ない!って怒って否定してたけどさ。
    当時の俺達にはそういった行為は格好のからかいのネタだった。
    見かねたメルヴィナが「やめないよ!」って怒ったから、
    収まったけどね。オロオロしていたソニアは、
    後でこっそり俺の所に近づいてきて、
    「内緒だよ。内緒。」と言ってきた。
    俺は理由がよくわからなかったけれど、
    「うん。」と答えた気がする。


95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /19(水) 14:53:27.84 ID:P0/+v6OY0
    補足
    こんな場所です
    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9C%E3%82%B9%E3%83%8B%E3%82%A2%E3%83%BB%E3%83%98%E3%83%AB%E3%83%84%E3%82%A7%E3%82%B4%E3%83%93%E3%83%8A


96 名前:祐希 ◆fyiPNhmVqk :2010/05 /19(水) 14:53:48.13 ID:60HAO/620
    メルヴィナも俺達と同い年なわけだけれど、かなり精神が大人だったな。
    仲良くても、子どもだからほんのささいな事でどうしても喧嘩をしてしまう。
    そんな時は、いつもメルヴィナが間に入って、「喧嘩しちゃだめ!」って言うんだ。
    どっちも悪いって言ってね。ドラガンやミルコ達がイタズラをしても、
    危ないから駄目って叱ったりして、俺達のお姉さんみたいな存在だったな。


97 名前:祐希 ◆fyiPNhmVqk :2010/05/19(水) 14:54:34.53 ID:60HAO/620
    ソニアは大体オロオロしてて、小動物みたいだった。男だから母性本能みたいのは
    ないはずなんだけどさ、守ってあげなきゃって自然と思ったりしたな。


98 名前:祐希 ◆fyiPNhmVqk :2010/05 /19(水) 14:56:00.43 ID:60HAO/620
    ああ。ごめん。何で戦争が起きたかとか、そういうのを説明しなきゃ駄目だよな。
    後で説明しようと思っていたけれど、先に簡単に書くね。
    いや、後の方がいいか・・・。皆さんに任せます。


99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /19(水) 14:56:29.02 ID:P0/+v6OY0
    >>1の視点で今頼む


100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/19(水) 14:58:22.45 ID:ny91FMOy0
    >>98 時間は腐るほど持て余してるから好きなように長々書いてくれ



101 名前:祐希 ◆fyiPNhmVqk :2010/05 /19(水) 15:00:02.47 ID:60HAO/620
    じゃあ、軽く書くね。補足とかあれば言ってください。

    この国一体はさ、昔はキリスト教圏だったのだけれど、15世紀くらいにオスマントルコの支配下に
    入ってさ、非キリスト教徒であった人とか、現地のスラブ人がムスリムに改宗したりして、
    ムスリムの比率が高まったんだ。


103 名前:祐希 ◆fyiPNhmVqk :2010/05 /19(水) 15:03:47.22 ID:60HAO/620
    その後、セルビア王国だったかな。当然、スルツキ(セルビア人)を優越して、他の
    フルヴァツキ(クロアチア人)やらボシュニャチ(ボスニア人)は長年不満を抱いていたんだ。
    特に、フルヴァツキの人々は民族意識が高くてね。

    そして各民族の民族意識の高さが、第一次世界大戦へと繋がっていくんだ。
    この事は、皆知っていると思うので書かないけどね。


104 名前:祐希 ◆fyiPNhmVqk :2010/05/19(水) 15:08:34.70 ID:60HAO/620
    そして第二次世界大戦期、この地域の大半がナチスドイツの傀儡国家としてのクロアチアの
    支配下に組み込まれたんだ。この支配下ではさ、フルヴァツキの民族主義組織、確かウスタシャだ。
    ウスタシャによってスルツキの人々は激しい迫害を受けて、数十万人(30〜100万?)の人々が殺害されたんだ。

    また、これに対してスルツキの民族主義者チェトニクによって、フルヴァツキやボシュニャチの人々が殺された。
    つまり、この時期、フォーチャをはじめとする各地で、ウスタシャとチェトニクによる凄惨な民族浄化の
    応報が繰り広げられたんだ。チェトニクはさ、フルヴァツキやボシュニャチの人々を徹底的に虐殺して、
    犠牲者はフルヴァツキ20万人、ボシュニャチ9万人ぐらいって、チェトニク側から公表されてる。

    この民族浄化っていうのはさ…つまりは市民を襲うんだ。村を。女や子どもはレイプしたり殺したりして、
    男は喉を切って殺したりして。


106 名前:祐希 ◆fyiPNhmVqk :2010/05 /19(水) 15:12:24.28 ID:60HAO/620
    何でここまで殺しあうんだ?って思うかもしれない。これはWW1以前の因縁もあるけれど、
    やはりWW1後に誕生したユーゴスラビア王国による政策に問題があったと思う。
    建国当初からさ、スルツキによって国は占められていてさ、民族意識の強いフルヴァツキの
    反発が絶えなかったんだ。

    そこにウスタシャがつけこんで、反セルビア、打倒セルビアへと支持を拡大しながら突き進んでいったんだ。
    これは、ユーゴ崩壊につながるフルヴァツカ紛争(クロアチア紛争)やボスニアの紛争にも繋がっていくんだ。

    一方で、チェトニクは大セルビア主義という、西部バルカンの大半はセルビア人の土地っていう認識を
    持って痛んだ。


108 名前:祐希 ◆fyiPNhmVqk :2010/05 /19(水) 15:13:42.75 ID:60HAO/620
    この主義は、セルビア人とセルビア人の土地をひとつの国家に統一するという第一の目標があり、
    中にはセルビア人が少数であっても、セルビアの土地という認識があるものもあった。
    セルビア国家にとって、大セルビアは必要不可欠であり、セルビアの歴史的格言「統合のみがセルビア人を救う」
    との事で、正当性・必要性を訴えていた。第一次世界大戦ではこの主義が原因となり、国境外各方面で
    セルビア人たちが統一セルビアの建設の為に戦い、1990年代の紛争では統一されたセルビア維持のために戦った。
    また、ユーゴスラビアはWW2以降もセルビア人以外を軽視しており、それが各民族を刺激してしまった。


109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /19(水) 15:15:02.99 ID:YzltUJCP0
    そんなことがあったのか・・・


110 名前:祐希 ◆fyiPNhmVqk :2010/05 /19(水) 15:15:08.61 ID:60HAO/620
    現在においても、セルビアのセルビア急進党という右翼政党では、ボスニア・ヘルツェゴビナとクロアチアの
    大部分のみならず、ルーマニア、ブルガリア、ハンガリーの一部をも含めた大セルビアを建設すべきという
    綱領を掲げている。この方針によって、クロアチアではユーゴ紛争時にクライナ・セルビア人共和国、
    ボスニア・ヘルツェゴビナではスルプスカ共和国が建国された。(スルプスカ共和国は現在も
    ボスニア・ヘルツェゴビナとの連邦制を採用し残っている)
    セルビア人からすれば、歴史的仇敵であるクロアチア人などの、敵対勢力の支配下を避けることで、
    これらの地域におけるセルビア人の権利を守る必要があったんだ。


111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /19(水) 15:16:16.55 ID:omajNTMq0
    フルヴォッキに見えた


107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /19(水) 15:12:47.19 ID:1ep46tes0
    セルビアってマジキチ民族だよね
    スラブ系ってみんなマジキチだけど


112 名前:祐希 ◆fyiPNhmVqk :2010/05 /19(水) 15:17:56.29 ID:60HAO/620
    >>107
    待って。スルツキの人々を貶めるつもりも、批判するつもりもないんだ。
    だって、歴史を見れば、他の民族の勢力下にいたスルツキは、何度も
    虐殺とかの犠牲になってるんだ。だからこそ、自分たちによる自分達の国家を
    作ろうって、そして守ろうって考えたんだ。

    皆、殺したくて殺してるんじゃなくて、殺さなければ殺されるって意識の下で戦ってたんだ。
    だからこそ、単純に誰が悪いとは言えなくて、そして未だにバルカン半島が火薬庫である
    理由なんだ。


114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/19(水) 15:26:21.64 ID:WrBrvmSI0
    >>1よ
    こんなところで話したって
    この話がこの先多くの人の目に留まる可能性は低いぞ


116 名前:祐希 ◆fyiPNhmVqk :2010/05 /19(水) 15:30:06.60 ID:60HAO/620
    >>114
    それでも構わないんだ。
    例え本を出したとして、日本人の誰が買う?誰が読む?
    ブログで書いたとして、誰が見に来る?見に来ないよ。

    だって、世界は深刻な状況になって初めて動いたんだ。
    日本でだって、そんなに報道されていなかったと思う。
    自分達に関係ない話だから。それでもいい。
    これは俺のわがままで書いてるだけだから、多くの人が見てくれなく居ても構わないよ。



117 名前:祐希 ◆fyiPNhmVqk :2010/05 /19(水) 15:31:02.14 ID:60HAO/620
    続き書くね。

    楽しい夏休みはあっという間に過ぎ去ってしまい、
    気づけば9月になっていた。学校が始まると、
    それまで毎日のように会っていたソニアとも会えなくなり、
    とても寂しかった。それでも、一つ変化があったんだ。
    今までは、平日は学校の8人で遊び、休みの日には
    ソニアの家に俺一人で行っていたのだけれど、
    夏休み明けには、土曜日には皆でソニアの家に行くようになってた。
    俺の場合は、次の日の日曜日にも一人で遊びに行っていたけれど。


119 名前:祐希 ◆fyiPNhmVqk :2010/05 /19(水) 15:32:24.97 ID:60HAO/620
    今考えると行き過ぎだったと思う。でもソニアと会いたくて、
    遊びたくて仕方が無かったんだ。ソニアやソニアのパパ・ママも
    また来週って帰り際に言ってくれてさ。出会って数ヶ月だというのに、
    まるで小さい頃から一緒だった幼馴染のようだったな。


122 名前:祐希 ◆fyiPNhmVqk :2010/05/19(水) 15:33:50.26 ID:60HAO/620
    9 人で遊ぶ時は秘密基地で、ソニアと二人で遊ぶ日曜日は
    ソニアの家で過ごしていた。たまに学校の別の子と遊んだり
    もしたけどね。

    今と違って携帯電話とかがなかったから、遊んだ日に大体次の約束をして、
    どうしても行けない時はソニアに電話して伝えてた。


123 名前:祐希 ◆fyiPNhmVqk :2010/05 /19(水) 15:35:04.44 ID:60HAO/620
    12月に入るとスルツキやフルヴァツキの人々が慌しくクリスマスの準備をして、
    小さい街ではあるけれど、少し華やかになったのを覚えている。
    ボシュニャチの人たちは基本的にムスリムだから、普段と変わらない生活だったんだけどね。


125 名前:祐希 ◆fyiPNhmVqk :2010/05/19(水) 15:41:18.83 ID:60HAO/620
    俺と父さんは久しぶりに休日を一緒に過ごした。
    休みの日は殆ど家に居なかったからね。父さんは色んな料理を
    作ってくれたよ。どれもやっぱり美味しくなかったけれど、
    それでも嬉しかった。
    「外国で生活させてしまってごめんな。」といった事を言われたけれど、
    俺にとっては、既にこの国が故郷のように感じていたし、何より俺に
    居場所があるというのが嬉しかった。だからこの国で一生暮らしたいって
    言ったよ。


126 名前:祐希 ◆fyiPNhmVqk :2010/05 /19(水) 15:42:06.73 ID:60HAO/620
    父さんは笑いながら、ここしか仕事ないし、永住するかみたいな事を言ってた気がする。

    新年が過ぎ、冬の季節になった。日本と比べてそこまで寒いわけではないと思っていた
    けれど、実際には急に冷え込んだりするから常に厚着をして、厚い時は脱いで手に
    持ったり、リュックに入れたりしていた。


127 名前:祐希 ◆fyiPNhmVqk :2010/05 /19(水) 15:43:32.11 ID:60HAO/620
    皆で雪だるまを作ったり、丘から雪だるまを落としたりして遊んでいた。
    周りは広い平原というか高原、そして山々に囲まれた盆地だったから、
    本当に一面が真っ白で、ソニアの家から見る景色は綺麗だった。

    確かこの時雪合戦をしたんだ。皆で雪の壁で陣地を作って、
    4・5に別れてさ。ドラガンの奴が雪をかなり硬く固めてさ、痛かった。
    あぶないなぁーなんて思ってたら、それが丁度サニャの目に当たっちゃったんだ。
    サニャは涙ぼろぼろ流しながら大丈夫、大丈夫って言ってたんだけど、
    それを見たカミーユがぶち切れてしまって、ドラガンにつかみ掛かってた。
    止めなきゃって思ったんだけど、この時はメルヴィナが好きにさせときなって言ってさ。



129 名前:祐希 ◆fyiPNhmVqk :2010/05/19(水) 15:45:20.68 ID:60HAO/620
    「男の子なんだから、たまにはああやって喧嘩しないと分かり合えない。」
    みたいな事を言っていたよ。やべーメルヴィナやべー。って皆で口々に言ってた。


131 名前:祐希 ◆fyiPNhmVqk :2010/05/19(水) 15:46:45.14 ID:60HAO/620
    少し経つとさ、二人とも青タン作りながら喧嘩をやめて、ドラガンがサニャに謝った。
    「怪我をさせるつもりじゃなかった。ごめんね。」みたいな事言ってたな。
    メルヴィナが俺の後ろでぼそっと言ったんだ。
    「悪いと思えば、悪いと思うほど、素直に謝れない時があるよね。
     あそこで二人が喧嘩をすれば、ドラガンは素直に謝れる。良かった。」
    ってね。


132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /19(水) 15:48:03.36 ID:P0Xxg9cJ0
    メルヴィナに惚れた


133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /19(水) 15:48:07.93 ID:SdMM970R0
    >>131
    やべーメルヴィナやべー。
    でも後に・・・ああああああああああああ


135 名前:祐希 ◆fyiPNhmVqk :2010/05 /19(水) 15:50:55.72 ID:60HAO/620
    >>132, 133
    うん。メルヴィナは長女でさ、弟が確か何人かいたんだ。
    だからかもしれないけど、色々と観察して、何時も一人冷静に
    俺達の見守り?じゃないけど、注意とかしてくれた。
    とても優しくて、強い子だった。


134 名前:祐希 ◆fyiPNhmVqk :2010/05 /19(水) 15:48:09.65 ID:60HAO/620
    サニャは大丈夫って言ってたけど、結局雪合戦は近くで座って見てることになってさ。
    カミーユも雪合戦をやめて、サニャと一緒に座ってたな。
    今思えば、子どもって素直で正直だなぁ。


137 名前:祐希 ◆fyiPNhmVqk :2010/05 /19(水) 15:55:25.97 ID:60HAO/620
    この時期は、ソニアママの言いつけで、危ないから秘密基地には行かないって
    皆約束させられてたな。

    そして気づけば5月。この国で過ごして1年が経過していた。
    毎日が充実して、予定が一杯あって、忙しい日々だったと思う。
    それでも、当時の俺にとっては、この一年がとても長く感じた。
    充実した一年ではあったけれど。


138 名前:祐希 ◆fyiPNhmVqk :2010/05 /19(水) 15:56:33.48 ID:60HAO/620
    俺の家に8人を招待して、皆でお祝いパーティーみたいのをしたんだ。
    父さんは料理が下手だっていうのに、気合を入れて日本料理を作ったりしてさ、
    でも皆の口には合わなかったらしく、全員引きつった顔をしていたよ。
    俺も不味くて引きつった表情してしまったけれどね。
    それでも、父さんは俺が友達を作って、そして毎日仲良く過ごしている事に
    喜んでくれているようだった。


139 名前:祐希 ◆fyiPNhmVqk :2010/05/19(水) 15:57:45.51 ID:60HAO/620
    この時は、ずっとこの幸せな期間が永遠と続くと思っていたよ。


140 名前:祐希 ◆fyiPNhmVqk :2010/05 /19(水) 15:58:52.24 ID:60HAO/620
    6月末頃だったと思う。隣のフルヴァツカで戦争が始まったんだ。
    隣国だけれど、自分達には特に関係がないものだと思っていた。


141 名前:祐希 ◆fyiPNhmVqk :2010/05 /19(水) 16:00:47.75 ID:60HAO/620
    しかし、実際にはそう簡単な問題ではなかったんだ。
    街だけでなく、学校のクラスにおいても、
    スルツキ・フルヴァツキ、そしてボシュニャチの間で
    気まずい状況になり、ついにはクラスの席が民族ごとに
    別れる様な状態になってきた。


143 名前:祐希 ◆fyiPNhmVqk :2010/05/19(水) 16:02:14.63 ID:60HAO/620
    言うまでも無く、今までのように放課後一緒に遊ぶ事は出来なくなったんだ。
    ただ、それでもまだ大きな紛争にはなっていなかった。
    まだフルヴァツカだけの話で済んでいたんだ。


144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/19(水) 16:03:57.15 ID:Yev7RVh40
    おいついた。>>1がんがりんさい


145 名前:祐希 ◆fyiPNhmVqk :2010/05/19(水) 16:04:32.35 ID:60HAO/620
    だから、民族間の陰での対立が始まる兆候が見えてからも、
    俺達は大人に隠れてこっそりと秘密基地に集まっては、
    9人で遊んでいた。自分達には関係ない話だったんだ。
    俺達にとって大切なのは、民族や宗教じゃなくて、
    目の前にいる友達だった。だから、何があっても俺達は
    仲間だ。一緒に助け合っていこう。ずっと一緒だ。
    そういった約束を交わしたんだ。

    >>144
    ありがとう。


146 名前:祐希 ◆fyiPNhmVqk :2010/05/19(水) 16:06:44.06 ID:60HAO/620
    ごめん。言い忘れてたけど、
    俺は日本人で、
    ソニア、サニャ、メルヴィナ、カミーユ、メフメット、カマルはボシュニャチでムスリム
    ミルコはフルヴァツキでローマ・カトリック
    ドラガンはスルツキでスルプスカ・プラボスラニナ


147 名前:祐希 ◆fyiPNhmVqk :2010/05 /19(水) 16:08:02.12 ID:60HAO/620
    あ。スルプスカ・プラボスラニナっていうのは、セルビア正教ね。

    俺達は友達であり、お互いに信頼し合う仲間だったけれど、
    同じ言葉を話しているとはいえ、違う民族、そして違う宗教を信ずる集まりだったんだ。


148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /19(水) 16:10:10.99 ID:j7kn5CxM0
    なんでこんなゴミ溜めのVIPなんかに投下したんだよ

    >>148
    ここがゴミ溜めなら、外は偽善者ばかりの地獄だからだよ。


149 名前:祐希 ◆fyiPNhmVqk :2010/05 /19(水) 16:10:15.12 ID:60HAO/620
    夏休みに入っても、去年のように一緒に表立って遊ぶという事は出来なくなっていた。
    少しずつではあるけれど、着実のこの国でも民族間の対立、宗教の対立、そして過去の
    負の因縁の対立が次第に高まってきていた。大人たちは違う民族間で極力話さないように
    なっていたし、話してはいけない雰囲気になっていたんだ。


150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /19(水) 16:11:20.22 ID:JeXMzKRoP
    ドラガンだけがセルビア人なのか。


151 名前:祐希 ◆fyiPNhmVqk :2010/05 /19(水) 16:13:27.96 ID:60HAO/620
    >>150
    うん。実際、俺達の地域は5割くらいがボシュニャチで、4割がスルツキ、1割がフルヴァツキ
    みたいな感じだったと思うんだ。だから、俺の地域では少なくともスルツキは少数派では
    なかったよ。


152 名前:祐希 ◆fyiPNhmVqk :2010/05/19(水) 16:14:19.09 ID:60HAO/620
    父さんは、もしかしたら戦争になるかもしれない。お父さんは仕事をやめる事が出来ないが、
    祐希は日本へ帰りなさい。って何度も言われた。でも、俺は友達を残して自分だけ日本に
    帰るなんて出来なかった。それに戦争というものを理解していなかったんだ。
    戦争にならないようにすればいいでしょ。そんな風に思っていた。

    基本的に同じ民族、殆ど同じ宗教の人々が暮らす日本で育ったから、
    理解できなかったんだ。民族間の対立というものを。子どもだったしね。


153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/19(水) 16:16:22.71 ID:P0/+v6OY0
    親父の仕事聞いてもいい?


161 名前:祐希 ◆fyiPNhmVqk :2010/05 /19(水) 16:22:17.73 ID:60HAO/620
    遅れてごめん。
    >>153
    研究者だった。といっても、自然科学系だったんだけど、資料がある部屋とかには
    入っちゃ駄目って言われたりしてたから、ボスニアの研究機関で仕事してるってことしか
    知らなかったよ。


162 名前:祐希 ◆fyiPNhmVqk :2010/05/19(水) 16:23:29.67 ID:60HAO/620
    そして9月になった。今まではフルヴァツキの軍と
    フルヴァツカ在住のスルツキの人々との衝突だった紛争が、
    9月末頃にはフルヴァツカ軍とスルツキを主体としたユーゴ連邦軍の戦争へと
    発展したんだ。

    この国では、ボシュニャチが人口の過半数を占めていて、
    俺の住んでいたカリノヴィクも例外じゃなかった。
    日が経つに連れて、街の中ではフルヴァツキとスルツキの人々の
    関係が悪化して、時々通りで大人同士が喧嘩をするようになってきていたんだ。


165 名前:祐希 ◆fyiPNhmVqk :2010/05/19(水) 16:25:43.22 ID:60HAO/620
    そして10月に入ると、ボシュニャチが大半を占めるこの国では、
    連邦から脱退しようという声が広がって、
    ついに政府が主権宣言みたいのをしたんだ。つまり、
    連邦内の国家じゃなくて、一つの独立した主権を有する国家となるという宣言なんだ。

    父さんから説明されても、当時は理解できなかったけれどね。
    その宣言によって、街の中はさらに緊迫した状況になった。
    学校の中でも、子どもであるにも関わらず、民族どうして一緒に行動して、
    そして喧嘩が起きたりしていたんだ。つい最近までは一緒に遊んでいたのに。


166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /19(水) 16:26:42.12 ID:SdMM970R0
    横文字が多くて頭が痛くなってきたがまだ大丈夫だ進めてくれ!


168 名前:祐希 ◆fyiPNhmVqk :2010/05 /19(水) 16:28:33.35 ID:60HAO/620
    街や学校、恐らく国内全域で、フルヴァツキ(クロアチア人)・ボシュニャチ(ボスニア人)と
    スルツキ(セルビア人)の間で緊迫した状況になっていたんだと思う。
    親には外で遊ぶのは辞めなさいと言われるようになっていたし、一緒に
    遊んでいた8人も親から同様の事を言われていた。

    大人は、例え子どもであったとしても、他民族の子には冷たくするようになってきていた。
    今の東京の比じゃないくらい、寂しく悲しい街へと変わっていたんだ。


    >>166
    ちょっと違和感あるけど、日本語の読み方で書くように努力する。


170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /19(水) 16:32:02.74 ID:SdMM970R0
    >>168
    おお、わざわざ配慮ありがとう!


169 名前:祐希 ◆fyiPNhmVqk :2010/05/19(水) 16:29:28.89 ID:60HAO/620
    年が明けて1992年になっても、状況は好転せず、ますます混迷を極めてきていた。
    民族ごとに武装の準備を始めたり、時には街中で銃を持ってあるく市民も出始めていたんだ。
    初めて目にする銃は、とても怖かった。でも非現実的な光景に見えて仕方が無かったんだ。
    まさか、そんなのを使うわけ無いでしょってね。


173 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/19(水) 16:34:18.94 ID:NktdfYpe0
    お前らに分かりやすいように説明すると1992年は
    幽遊白書のアニメが始まった年な


171 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/19(水) 16:32:57.26 ID:5swMK0ox0
    フルヴァツキとスルツキが対立してるのは分かったけど、この時のボシュナチの立場ってどういう状況なんだ?
    よく分からなくてごめん


174 名前:祐希 ◆fyiPNhmVqk :2010/05 /19(水) 16:36:06.40 ID:60HAO/620
    >>171
    俺もこの時は何でボシュニャチ(ボスニア人も?)って思ったんだよ。
    だけどさ、最初のフルヴァツカ紛争(クロアチア紛争)の発端は、どっかの競技場?で
    ボシュニャチ(ボスニア人)がスルツキ(セルビア人)を殺してしまった事から始まったらしい。
    勿論、それ以前から問題はくすぶっていたんだけど、それが爆発するきっかけを作ってしまったんだ。

    そして、第二次世界大戦中、ボシュニャチ(ボスニア人)も、スルツキ(セルビア人)を殺してたんだよ…。

    そして、今から書くけど、連邦からの独立をセルビアは反対していた。そしてボスニア・ヘルツェゴビナの
    セルビア人も。しかし、ボスニア人とクロアチア人は独立に賛成していたんだ。


172 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /19(水) 16:33:11.90 ID:LNH50PAKP
    >>1は何故そこまで日本に失望したのか後で教えてくれ


175 名前:祐希 ◆fyiPNhmVqk :2010/05 /19(水) 16:36:48.84 ID:60HAO/620
    >>172
    日本には失望していないよ。
    自分に失望しただけ。


177 名前:祐希 ◆fyiPNhmVqk :2010/05 /19(水) 16:38:48.89 ID:60HAO/620
    そして2月に入って、ついに独立の国民投票が始まった。ドラガン達のような
    スルツキ(セルビア人)の人々は、この投票に怒りをあらわして、投票を棄権したんだ。
    それと同時に、俺達が住んでいた地域は
    スルツキ(セルビア人)や連邦軍によって、ボスニア・ヘルツェゴビナからの離脱が表明されたんだ。

    つまり、連邦からの独立に反対する人々と、独立を推し進める人々によって、俺達が居た国は
    三つの勢力にわかれた。言うまでも無く、ボシュニャチ・フルヴァツキ・スルツキの民族ごとの
    三勢力にね。


181 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/19(水) 16:40:14.19 ID:QEpo97Sr0
    >>1
    今時間ないんだけど、夏なり冬なりにこれサウンドノベル化してもいい?
    誰かから金とったり戦争を茶化したりしないから。

    >>181
    何に使ってくれても構わないよ。転載してくれても、それでお金を儲けてくれても構わない。
    俺はたとえ少数であっても、伝えることが出来ればいいから。
    何かを作る時には、やっぱり時間と労力がかかると思う。
    作ったのであれば、それはもう貴方のものだから、それに対する報償が
    生まれるのは当然だと思うよ。
    こんな暗い話でお金儲けるなんて無理だと思うけどね・・・。


178 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /19(水) 16:39:10.27 ID:35C/73760
    クロアチア人も独立に賛成していのか


182 名前:祐希 ◆fyiPNhmVqk :2010/05 /19(水) 16:40:50.28 ID:60HAO/620
    >>178
    賛成していた。だからこそ、クロアチアとしてユーゴから独立を宣言して、クロアチア紛争が始まったんだ。
    そして、ボスニア領内でも、彼らは自分達の国を作ることを望んでいた。

    自分達の国を持って、自分達で国を動かし、自分達が自分達を支配する。それが最も安全だったんだ。


183 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /19(水) 16:42:25.39 ID:VuFB5nuv0
    >>1の妄想力ぱねぇwwwwwww

    昔の思い出を妄想する
    http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1274223598/
    1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/05/19(水) 07:59:58.62 ID:sViwJ6eP0 [1/10] (PC)
         /ニYニヽ
        /( ゚ )( ゚ )ヽ
       /::::⌒`´⌒::::\   今から思い出を妄想するっていうw
      | ,-)___(-、|   最後の華咲かせるっていうていうw
      | l   |-┬-|  l |    長いから気長に待てっていうw
       \   `ー'´   /    

    2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/05/19(水) 08:00:47.19 ID:sViwJ6eP0 [2/10] (PC)
    ・始めに
    この妄想に登場する人物や団体・国家は全て想像上のもので、
    現実のものとは何ら関係がないっていう。
    どちらを賞賛・批難・中傷するものでもない。(理由は最後に書く)
    妄想の中では歴史的背景・宗教が絡んでくるがスルーしてくれっていう。
    どうしても気になるという人が多い場合は、歴史的背景等の補足を
    入れるかもしれないっていうていう。
    先に結論を書いておくっていうw
    ソニアは殺されたっていうw
    サニャは爆風で死んだっていうw
    メルヴィナはレイプされて連れ去られたっていうw
    メフメット・カマル・ミルコは行方不明ていうw
    カミーユはミーを庇って殺されたwうはwっていう
    ドラガンは裏切り者だと思ってたっていうていうw

    それじゃ、妄想スタートするっていうw
    わからない所は俺の脳内想像しとけっていうwていうw


184 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /19(水) 16:44:37.66 ID:SdMM970R0
    >>183
    は?


185 名前:祐希 ◆fyiPNhmVqk :2010/05 /19(水) 16:44:43.19 ID:60HAO/620
    >>183
    最初妄想として茶化しながら書こうとしたんだよ。
    でも誰も読んでなくて、寝たらスレが落ちちゃってたから、
    真面目に書こうと思った。


186 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /19(水) 16:45:55.94 ID:SdMM970R0
    >>185
    把握w
    続きお願いします


187 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/19(水) 16:46:30.45 ID:Wjv0Sgv+0
    どっちでもいいから最後までたのむよ


188 名前:祐希 ◆fyiPNhmVqk :2010/05 /19(水) 16:46:31.92 ID:60HAO/620
    続き書くね。

    つまり、俺達が住んでいた国、即ちボシュナは連邦から独立を宣言したんだ。
    それと同時に、このボシュナは三つの国にわかれた。

    一つはボシュニャチの人々のボシュナ。もう一つはフルヴァツキの人々のヘルツェグ=ボシュナ。
    そしてスルツキを中心とするスルプスカに。俺達の居たカリノヴィクはこのスルプスカの領内だったんだ。


190 名前:祐希 ◆fyiPNhmVqk :2010/05/19(水) 16:47:43.88 ID:60HAO/620
    この時点で、もうこの国において、民族同士の衝突、戦争は避けられない状況になっていた。
    俺達の街からも、首都サラエヴォに向けて脱出する人がちらほらと出てくるようになった。
    あ、脱出したのはボシュニャチの人々ね。


戦争の体験談を語るわ 避難所


2 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2010/05 /20(木) 20:40:17.28 ID:8fLIoVIo
    ユーゴスラヴィア紛争
    http://adolf45d.client.jp/kousyoukosovo.html


90 名前:祐希 ◆.0dKn/WD26:2010/05 /21(金) 00:55:37.54 ID:c1y0p92o
    ごめん。既にこちらで書き込んだ内容をまとめてくれていたんですね。
    では、続きから書いてきます。原稿の文が長いので、要約します。
    その為、少し時間がかかりますが、気長に待ってください。

    ※前スレの>>1の書き込みをコピペしてた方が居られたですが不要なので削除してます。


97 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2010/05 /21(金) 01:00:22.26 ID:Dl0w/yY0
    kita
    ゆっくり書いてくれてかまわん
    待ってるぜ


99 名前:祐希 ◆.0dKn/WD26:2010/05 /21(金) 01:00:38.53 ID:c1y0p92o
    ただ、まだ血で血を洗う戦争には発展していなかった。スルプスカ共和国(セルビア人共和国)となったとはいえ、
    実際にそれを世界に向けて宣言したわけでもないし、まだ平和的に解決出来るかもしれないという希望があった。
    俺はまだ小さくて理解しきれていなかったのだけれど、こんな状況でも9人でこっそり会い、秘密基地で遊んだり
    出来ていた。以前のように堂々と遊ぶことが出来なくなっても、俺達の友情というか結束みたいのは少しも崩れて
    無かったんだ。むしろ、大人たちや周りから、もう遊ぶなって言われれば言われるほど、強くなっていったように思う。



    こっちもスレッドがストップしたら、恐らくもうそういった運命だと思うので、書くのは辞めるね。


109 名前:祐希 ◆.0dKn/WD26:2010/05/21(金) 01:09:26.26 ID:c1y0p92o
    そして3月後半になってくると、首都サラエヴォの方でスルツキの民兵達が何かをするらしいという噂が、
    街で耐えなくなった。とはいっても、この時はまだ民兵という言葉自体を理解していなかったから、
    何かあるんだーといったような感じで、気にも留めていなかったんだ。


102 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2010/05/21(金) 01:04:59.71 ID:JjpLQsco
    >>99
    なんで50行まで書き込めるのにフルに使わないの?ねぇ馬鹿なの?


112 名前:祐希 ◆.0dKn/WD26:2010/05/21(金) 01:12:40.05 ID:c1y0p92o
    >>102
    データを間違えて上書きしてしまったから、原稿用紙の文を要約しながら書いてるんだ。
    原稿用紙の文そのままだと↓こうなってしまうし、原稿用紙の文は入力しなおしてて、まだ今話してる所まで
    追いついていないんだ。


    原稿用紙の文そのままのやつね。まだ今話している段階に追いついてない↓

     お読みいただく前に

     これから書き進めていく体験談は、筆者が可能な限り客観的な視点に基づきつつ書き記したものである。フルヴァツカ紛争やスロベニア紛争に端を発した一連の所謂ユーゴスラビア紛争に関して、筆者はどの国家・民族・宗教・勢力に対しても賞賛や批難・中傷を行う旨はないと予め表明しておく。
     これから読み進めていく読者の中には、見知らぬ言葉や表現を多々目にすると思われるが、それに対して出来る限りの補足を付け加えていく。この中では、多くの歴史的背景や宗教が絡むが、どうか一つの物語のように読んでいただけると本望である。
     なぜなら、これは戦争の悲惨さや愚かさを伝え、平和主義の啓蒙を行う為のものではなく、そこで何が起きたかを一つの体験談として記し、読者の方々に何かしらのものを感じて頂きたいからである。そして、一般的なマスメディアが活字や映像といった媒体を通して語りかけてくる途方もない情報群の中において、絶対というものはないという事を感じていただきたい。戦争とは悪であるかもしれない。しかし、戦争において絶対的な悪というものは存在し得ないのだ。全ての勢力や人々に、各々が信ずる正義や大義名分というものが存在しており、それがぶつかり合い、折り合うことが不可能になる故に戦争が形となって現れてくるのだ。以上の事を、どうか読み進めていく前に考えて欲しいのである。


     はじめに

     これから先読み進める前に、読者の方々へは登場する人物がどのような結末を迎えるか先に記しておく。

     ソニア…彼女はスルツキ(セルビア人)民兵によって殺害される。
     サニャ…彼女は爆発に巻き込まれ死亡する。
     メルヴィナ…彼女はスルプスカ警察によって強姦された後、連行される。
    メフメット・カマル・ミルコの三名は行方不明となり、生存は未だ不明である。
    カミーユ…彼もまた、スルツキ(セルビア人)民兵によって殺害される。
     ドラガン…彼は裏切り者であったと筆者は誤解をしていた。


     本章  第一部

    一、 始まりの日

     年は先帝の昭和天皇が崩御あらせられた日より一年程経過した頃である。保育園卒業を間近に控えていた私は、卒園式にて披露する歌の練習を行っていた。その後、練習が終わり多くの園児が母親の迎えによって帰宅したのであるが、私は一人教室内にて紙ヒコーキを作り、絵を描きながら母親の迎えを待っていた。私の母は、設計事務所においてパートタイムの仕事に勤めており、保育園へ迎えに来る時間は大変遅かった。この日も、迎えの時間は夕方の六時をとう当に過ぎており、途中から保育士である先生と共に待っていた。この時間にもなると、保育園に残っている園児は私一人になっており、母の迎えをまだか、まだかと心待ちにしながらそわそわしていた覚えがある。

     以前は、私が当時楽しみにしていた戦隊シリーズであるターボレンジャーが、保育園の休みの日である土曜日に放送されていた為、待つ寂しさはあれど不満というものはなかった。しかし、放送の途中より金曜日の五時過ぎへと放送曜日・時間が変更されてしまい、私はこの楽しみにしていた番組を見る事が出来なくなってしまったのだ。当時においては、ソニーより発売されていたベータシリーズのビデオデッキが自宅にはありはしたが、予約機能のような多機能搭載の機種ではなく、私はなくなくシリーズ途中から番組の視聴を諦めざるを得なかった。

     この日も曜日は金曜日であった。
    「今日だけでもいいから。母さん早く迎えに来て。」
    そのように祈っていた記憶が残っている。しかし、夕方五時を過ぎ、六時になり、普段と変わらない時間にまでなってしまったのだ。

    「ああ。今日もか。」

    そう考え、私は保母である先生に駄々をこねてしまっていたかもしれない。少しばかり時間が経過した頃であった。私は普段と違う異変に気がついたのだ。普段の日であれば、例え仕事が長引いてしまったとしても、母は六時半過ぎには迎えに来ているはずなのだ。しかし、私が時計に目をやると時計の針は既に七時近くを指していたのだ。先生も私と同様に異変を感じたのであろう。

    「今日はお母さん遅いね。」



113 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2010/05 /21(金) 01:13:16.01 ID:cBJvl1Ao
    ここはVIPと違って落ちることはほとんどないからね
    だけどVIPじゃないから新しく人が来ることはほとんどないよ
    だからより多くの人に見てもらいたいならVIPでやるべきだと思う
    それで見れなかった人がここで補完しあえるように「避難所」にしたんだけどなあ

    >>113
    でも、あっちだと書けなくなってしまうんだ。


114 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2010/05/21(金) 01:15:09.39 ID:Cy8es0Eo
    頼むから煽りはスルーして自分のペースで投稿してくれ

    >>114
    ごめん。


115 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2010/05/21(金) 01:15:20.04 ID:NNSgcXUo
    そういや、手記にする予定だったんだっけ

    >>115
    そう。ただ、その時間的猶予もないから、スレを立てて書いたんだ。


117 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2010/05 /21(金) 01:16:57.23 ID:yuaiZ6wo
    手記にして出版したら買うんだけどな


118 名前:祐希 ◆.0dKn/WD26:2010/05 /21(金) 01:17:19.95 ID:c1y0p92o
    4月に入って、どうやらボシュナが国連に加盟するといった情報が流れてきた。
    その意味が理解できなくても、周りの大人たちが深刻そうに、そして民族ごとに緊迫した空気を出している事から、
    俺達子どもも、かなり不安になってきていた。俺達子どもは、昔この地域でおきた民族同士の争いや悲惨な歴史を
    殆ど知らなかったんだ。



119 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2010/05/21(金) 01:17:51.59 ID:AwsbTi6o
    実話詐欺の手法はもう限界かもしれない

    >>119
    よくわからないけれど、これは俺の妄想だと思って読んでくれて構わないんだ。
    それをどう判断するかは、全て読んでくれた人次第だからさ。
    俺にとっては、書ければそれだけで十分だよ。信じてもらえなくても、
    それがここだけで終わろうともね。


123 名前:祐希 ◆.0dKn/WD26:2010/05 /21(金) 01:21:53.12 ID:c1y0p92o
    特に、親からそういった事を聞かされる機会があるはずもない日本人の俺には、
    こうした状況を理解できるはずもなかった。
    だけど、俺以外の8人は、ある程度理解しているみたいだった。
    ドラガンが「何か起きたら、一旦皆で秘密基地に集まろう。俺達はずっと仲間だ。」みたいな事を
    言っていた。皆も「うん。そうしよう。」って相槌を打って、約束したんだ。約束したんだよ。



124 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2010/05/21(金) 01:22:34.84 ID:dGGNRgso
    gdgd書く前にテキストデータ全部うpしてくれ


126 名前:祐希 ◆.0dKn/WD26:2010/05 /21(金) 01:25:38.49 ID:c1y0p92o
    父さんは、この緊迫した状況を考えて、俺だけでも日本に帰国させようとしていた。
    当然、俺はそれを断固拒否するだろうと考えたらしく、俺には内緒で、仕事でサラエヴォに行くと言って、
    俺をソニアの家に預けたんだ。今思えば、あれは俺を一人残して、航空券を買いにいったんだと思う。
    一人だったのは、サラエヴォが危険だったからなんだろうな…。
    「明日になったら、帰ってくるから、いい子にしていなさい。」と言ってた。


    >>124
    全スレでも、このスレでも書いたと思うのだけれど。昨日のサーバーが落ちた時に、自分のPCの
    不調かと思って弄っていたら、今までスレに書いた文章を、データ化した文章に上書きしてしまったんだよ。
    だから、今から書く文は原稿用紙のものを見ながら、要約しているんだ。
    ごめんね。もう同じこと何度も言うのは疲れるから、これ以降はこういった内容には
    答えないよ。ごめん。


131 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2010/05/21(金) 01:29:58.49 ID:r4dtDT2o
    >>126
    変なのは相手にせず、自分のペースで書いてくれていいよ


135 名前:祐希 ◆.0dKn/WD26:2010/05/21(金) 01:31:56.05 ID:c1y0p92o
    翌日の4月5日だったな。俺は父さんが帰ってくるまで遊んでいようと思って、秘密基地でいつものように遊んでたんだ。
    ただ、この日に限ってドラガンだけは来なかった。用事があるとか言って。
    夕方近くになった頃だった。街の方から大きな音がしたんだ。皆びっくりして、急いで丘を駆け上がったんだよ。そしたら、
    街から黒い煙が上がっていて、時々小さな乾いた甲高い音が聞こえてきてた。俺は何の音かわからなかったんだけど、
    ミルコが「銃の音だ!」って叫んだんだよ。


139 名前:祐希 ◆.0dKn/WD26:2010/05/21(金) 01:34:22.81 ID:c1y0p92o
    血の気が引いたのを覚えてる。ソニアやサニャ達はおろおろして泣き出しちゃってさ。
    ミルコやメフメット、カマルは家に帰らなきゃって叫んで、街に向かって走っていった。
    止めればいいものを、状況が理解できていなかった俺はぼーっと立ち尽くしていたと思う。

    多分、30分位そこでぼーっとしていたかな。もっと長くそこで立ち尽くしていたかもしれない。
    大きな音を出しながら、何台かの車がソニアの家の方向に向かって来てた。
    あれって何だろうって思っていたんだけど、カミーユが
    「スルツキの奴らだ…。」って呟いたんだ。


143 名前:祐希 ◆.0dKn/WD26:2010/05 /21(金) 01:37:24.27 ID:c1y0p92o
    ソニアは家に帰ろうとしたんだけど、カミーユや俺で必死に止めた。それで、様子を見ようってことで、
    カミーユが何時も持ってきていた双眼鏡でソニアの家を覗いてたんだ。
    最初は、「スルツキの兵士が家の中に入ってる、外にも何人かいる。」って感じで説明してたんだけど、
    途中で「あっ。」って言った後、カミーユは何も言わなくなっちゃったんだ。

    メルヴィナと一緒に、どうしたの?って何度聞いてたんだけど、何も言わなくてさ。
    おかしいな?って思って、少し身をを乗り出して見たんだ。
    そしたら、さっきの車二台が俺達の方向に向かってきてるんだよ。


141 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2010/05 /21(金) 01:35:50.64 ID:yuaiZ6wo
    バックアップを取ってないのが悔やまれる
    つかこんな大事なものなんでバックアップとらねえんだww

    >>141
    こんな急に書かなければいけない状況になるとは思っていなかったからだよ。
    出版なら原稿用紙でもいいしさ。


142 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2010/05/21(金) 01:36:22.39 ID:WIt8eWgo
    というかまとめてあったんならそれを自費出版するなりそのままアップすればよかったんじゃないか



146 名前:祐希 ◆.0dKn/WD26:2010/05/21(金) 01:39:26.13 ID:c1y0p92o
    >>142
    そのままアップしたところで、国語の教科書みたいで誰も読まないよ。
    少なくとも、俺は読もうと思う文体じゃない。くどくどと長いしさ。

    同じ質問に答えるのもうやめるね。ごめんよ。


149 名前:祐希 ◆.0dKn/WD26:2010/05/21(金) 01:40:51.01 ID:c1y0p92o
    「何で!?何でわかっちゃったの!?」って口々に言ってたんだけどさ、
    カミーユが涙目になりながら、わからないけど目が合っちゃったって言うんだ。

    今考えれば、その理由はすぐわかるよ。でも当時はそんなのわからなかったんだ。
    ただ、カミーユは俺のせいだ。俺のせいだ。って泣いてた。

    このままだと、もしかしたら俺達は捕まってしまうかもって思ったんだ。考えてみれば、
    敵かどうかもわからない。それなのに、俺達はもうそのスルツキ達を敵だと思ってた。
    多分、あれは直感というか本能的なものだったと思う。だって、味方は銃を持って来ないでしょ。


152 名前:祐希 ◆.0dKn/WD26:2010/05 /21(金) 01:42:43.50 ID:c1y0p92o
    少しずつ車が近づいてくる音がして、この場所にいるのは不味いと思ったんだ。
    俺は4人に急いでこの場所を離れて隠れようって言った。俺は泣いているソニアの手を引っ張って、
    カミーユとメルヴィナはサニャの手を引っ張って、急いで走った。だけどさ、結局俺達は8歳そこそこの
    小学三年生ぐらいの子どもだった。例え俺達が必死に走ったところで、逃げ切れるわけがなかったんだ。


151 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2010/05/21(金) 01:42:31.49 ID:yuaiZ6wo
    双眼鏡の反射か。狙撃手の基本だがガキじゃ仕方が無い


153 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2010/05/21(金) 01:43:04.26 ID:n1..lig0
    >>151
    お前何者だよ


158 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2010/05/21(金) 01:46:21.92 ID:yuaiZ6wo
    >>153
    いや、双眼鏡で光が反射すると場所バレるじゃん。それかなと思った


162 名前:祐希 ◆.0dKn/WD26:2010/05/21(金) 01:49:03.82 ID:c1y0p92o
    >>158
    そうだったのか…。てっきり相手と目があったからだと思ってた。


167 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2010/05 /21(金) 01:51:58.23 ID:b6ypcago
    いくらなんでも双眼鏡越しに目が合ったりはしないだろう
    反射で丘に敵がいると思ったんじゃないの


168 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2010/05/21(金) 01:52:51.67 ID:7jC0MvUo
    双眼鏡越しに目が合うとかどこの超人だよww


157 名前:祐希 ◆.0dKn/WD26:2010/05 /21(金) 01:45:32.37 ID:c1y0p92o
    200Mくらい離れた小さな木の下に隠れたけれど、ゆっくりと車が近づいてくるのがわかった。
    心臓が高鳴って、次第に息苦しくなってきたんだ。頭の中では落ち着け。落ち着けと言っているのに、
    体中から汗が出てきて、静かにしなきゃいけないのに、鼻から息が吸えなくてさ。口で音を出しながら
    息をしてた。すぐ隣のソニアやサニャ達は、泣かないように必死に口を押さえてるんだよ。
    でも、カチカチって歯の音がしちゃってさ。止めようとしても、その音が止まらないんだ。


159 名前:祐希 ◆.0dKn/WD26:2010/05 /21(金) 01:48:04.83 ID:c1y0p92o
    正直に言って、俺はもうだめだと思った。殺されるとか、そういうのはまだわからなかったのに、
    ああ。もう終わった。そんな感覚に陥っていた。多分、皆も同じ感覚だったと思う。
    車の音も大きくなってきて、スルツキの民兵達の声も、鮮明な声ではないけれど、聞こえてきた。
    何か恐ろしいことを言っていた気がするけれど、恐怖でそれを理解するほど、覚えているほど
    その時の俺には余裕がなかったように思う。


164 名前:祐希 ◆.0dKn/WD26:2010/05/21(金) 01:50:52.47 ID:c1y0p92o
    見つかるのも時間の問題だったんだ。そしたらさ、少し離れた所に隠れていたカミーユが俺を後ろに引っ張って、
    小声で囁いたんだ。他の女の子には聞こえないようにしながらね。

    「このままだと見つかってしまう。俺がスルツキを引き付けるから、その間に皆を連れて逃げてくれ。」

    それを聞いて驚いたよ。そしてもしかしたら助かるかもなんて考えてしまった。でも、それをやったら
    カミーユはどうなる?
    「危ないよ。ここで皆で静かに隠れてよう。」
    俺は慌ててそう言い返したんだ。だけど、カミーユは、それだと見つかるって。皆殺されるって言うんだ。
    「引き付けた終わったら、後を追いかけるから大丈夫。」
    俺はわかったって答えた。もうそうするしかないように思えたんだ。
    そしたらカミーユはニコって笑ってさ、良かったって言うんだ。そしてさ、
    「サニャの事、俺が戻るまで守ってあげてね。」って。


163 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2010/05/21(金) 01:50:47.39 ID:jFTn8Qg0
    スルツキの連中がそこまで過激な手段を取った背景は何なんだろうな
    いつも疑問だったわ


173 名前:祐希 ◆.0dKn/WD26:2010/05/21(金) 01:53:53.18 ID:c1y0p92o
    >>163
    それはさ。禍根が次世代に引き継がれるからなんだ。
    殺さなければ、殺される。今までの歴史がそれを証明してきた。
    じゃあ、子どもは?

    子どもはさ、次世代の敵になるんだ。だから、[ピーーー]しかない。
    そういう考えなんだ。多分、平和の中で暮らしていたら一生共感出来ない
    考えだと思う。俺も理解は出来るけど、共感は出来ない。

    スルツキだけでなく、フルヴァツキもボシュニャチも同じ考えだよ。
    そして、その考えの元で行動した。


183 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2010/05 /21(金) 01:57:07.29 ID:brK.4VYo
    子供も容赦しないのが民族浄化


189 名前:祐希 ◆.0dKn/WD26:2010/05 /21(金) 01:59:32.33 ID:c1y0p92o
    えっと。違うんだ。えっとね。

    原稿だと、最初になんでボスニアに行くことになったか書いてあるんだけど、
    二回目に立てたvipだと、そこを省略して、カリノヴィクに着いてからの話を
    書き始めたんだ。それで、それも消えちゃったから、
    じゃあわかりやすいように、何でボスニアに行くことになったかも書こうってことで、
    それを書いたんだ。
    つまり、始めのくだりは、天皇陛下が崩御あらせられた〜からはじまって、
    カリノヴィクについてからの話になって、今に至るって流れなんだ。
    わかりにくくてごめんね。


190 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2010/05/21(金) 02:00:01.20 ID:jFTn8Qg0
    >>173
    そうか やらなきゃいつかやられる状況だったのか
    当事者にしかわからない事なんだろうけど、一度タガが外れると想像も出来ない事が起こるんだな


193 名前:祐希 ◆.0dKn/WD26:2010/05 /21(金) 02:04:37.14 ID:c1y0p92o
    >>190
    タガは外れてないんだ。皆罪悪感はあるんだよ。でもその罪悪感をも超越する程の、
    他民族への恐れ、怒りや憎しみがあったんだ。だから、自分達の民族のためと
    自分に言い聞かせながら殺したりしたんだ。中には本気で楽しんでいた人もいたかもしれないけど
    スルツキの人たちだけが野蛮で殺戮をしまくっていたってわけじゃないんだ。

    現に、それに反対するスルツキもいたんだよ。でも、民族の敵といって、
    そういったスルツキの人も殺害の対象になってしまったんだ。
    戦場の中は、皆普通の心理状態じゃないんだ。もしかしたら、
    他の民族に同情した同胞が、自分達に銃を向けてくるかもしれない。
    それほど疑心暗鬼に陥る状態だったんだ。
    今までの歴史とか宗教とかが絡み合って、想像できない状態になってたんだ。


194 名前:祐希 ◆.0dKn/WD26:2010/05/21(金) 02:05:35.31 ID:c1y0p92o
    続けるね。

    そう言い終わると、俺の返事を聞かずにカミーユは俺達が隠れている方向とは反対側に身を低くしながら走っていったんだ。
    俺は3人に、カミーユが引き付けるから、その間に逃げるって伝えたんだ。
    ソニアやサニャは駄目駄目って言うんだけど、メルヴィナは「そう。」って呟いただけだった。


195 名前:祐希 ◆.0dKn/WD26:2010/05/21(金) 02:07:12.32 ID:c1y0p92o
    スルツキの民兵が俺達まで20、30メートルぐらいまで近づいた時だったと思う。向かい側の離れたところから、
    カミーユの声が聞こえたんだ。たしかスルツキを馬鹿にするような言葉を発していたと思う。
    それに気づいたスルツキの兵士たちが大声を出しながらそっちに走っていってさ。
    俺達はそれを見て少し経ってから急いでその場から逃げたんだ。


201 名前:祐希 ◆.0dKn/WD26:2010/05/21(金) 02:09:36.07 ID:c1y0p92o
    メルヴィナがサニャを、俺がソニアの手を引きながらガムシャラに走った。そしたら、後ろの方から乾いた音が何回か聞こえたんだ。
    パパン、パパンだったかな。それと同時に、さっきまで叫んでいたカミーユの声が聞こえなくなった。
    俺は、まさかと思って、立ち止まりそうになったんだ。引き返さなきゃって。

    そしたら、メルヴィナが
    「止まっちゃ駄目!」って言ったんだ。引き返したら、カミーユの行動が無駄になるって


204 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2010/05/21(金) 02:14:03.29 ID:nPJq9wAO
    メルヴィナ・・・(;ω;)


205 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2010/05/21(金) 02:15:30.52 ID:R7G5OE2o
    映画みたいだな
    6,7歳の子供がやってると言うのがまた悲劇的


202 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2010/05 /21(金) 02:09:52.68 ID:i.JGRRAo
    こんなところで晒し者にされちゃってるなんてみんな(´・ω・)カワイソス


211 名前:祐希 ◆.0dKn/WD26:2010/05 /21(金) 02:19:52.38 ID:c1y0p92o
    >>202
    かわいそうだよ。その通りだよ。
    でも約束だからね。そして紛争前は民族が混在していたけれど、
    今は違う。ボスニア・ヘルツェゴビナ領内でもボシュニャチとフルヴァツキで住んでいる場所が
    わかれているんだ。そして連邦のもう片方、スルプスカ共和国にはスルツキが住んでいる。

    スルプスカにいたボシュニャチはどうなったと思う?逃げたか、殺されたかだよ。
    逆もまたしかり。そして今、スルプスカでは連邦から独立したいって考える人が
    再び増えてきた。だから、戦後にあっちの国の人がいったんだよ。

    「現在でもバルカン半島は世界の火薬庫だ」って。
    これを書くのは皆に悪いことかもしれない。でも絶対悪にされたスルプスカやセルビアの人々の
    禍根は、未だに消えてない。そして、それが恨みとなっていつ爆発するかもわからないんだよ。

    俺が最初にどの勢力も賞賛・批難・中傷するつもりはない。って言ったのは、
    俺が1995年1 月にオーストリアへ脱出するまでの間、ボシュイニャチの民兵とも、
    そしてスルツキの民兵とも行動を共にしたからなんだ。それは後で書くつもりだったけどさ。

    でも、俺には止められないんだよ!そういうのをもう起こしたくないから、体験を広めてと
    言われたのにさ!何も出来ないんだよ。無力なんだよ。出版してどうだ。
    誰もわざわざ買って読まない。アップロードしてどうだ。誰も読み出そうとしないよ。
    だって面白いものは沢山転がっていて、そしてこの紛争は日本にとって遠い国で起きた
    自分達には関係がない話だから。

    出版はね、ぶっちゃけていえば、何社か持ち込んだけど断られたんだよ。売れないってね。
    今ではそれでもいいと思ってる。いつか誰かに読んでもらえればって。
    でもそんな時間ももうないんだ。だからこんなとこで、大切な仲間の死をさ、面白おかしく
    書くしかないんだよ。それで、何かを感じてくれて、あわよくば、もっとバルカン半島の現状に
    目を向けてくれれば、それでいいんだよ。無力なんだよ。俺はさ。


215 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2010/05/21(金) 02:26:04.89 ID:NNSgcXUo
    >>211
    無力じゃないよ
    昨日スレ立ててなきゃ、それこそ誰にも読まれなかったんだから


    多分、>>1が想像する以上に多くの人がROMってる


212 名前:祐希 ◆.0dKn/WD26:2010/05/21(金) 02:22:02.39 ID:c1y0p92o
    ごめん。ちょっと言い過ぎた。202が悪いわけじゃないのに。少し頭冷やしてきます。


214 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2010/05 /21(金) 02:25:58.71 ID:RX9akwAO
    >>212
    典型コピペの一つだから気にするな

    レスに反応するにしても、出来たら本編投下後にしてもらいたい



227 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2010/05/21(金) 02:38:15.04 ID:Dl0w/yY0
    >>212
    無駄でも無力でもないさ
    お前の気持ちを全部理解することは到底できないけど、みんなに少しずつ思いを伝えることはできているはずだ


232 名前:祐希 ◆.0dKn/WD26:2010/05 /21(金) 02:47:12.09 ID:c1y0p92o
    ごめん。気を遣わなくていいです。どうせこれは俺の妄想なんだ。
    妄想だから、罵倒して不謹慎な作り話しやがってと思ってくれ。
    そしてもし、何があったのか気になったら、ネットでもいいし
    書物でもいいから、良かったら読んで欲しい。

    憎しみというかシコリがある民族同士じゃ解決できないことが一杯あるんだ。
    それが出来るのは誰?麻生元首相が、パレスチナとイスラエルの子どもを
    日本に招待して交流の場を設けたり、橋渡しをしようとしていたよね。
    日本なら出来る事もあるかもしれない。

    この俺の不謹慎な妄想を読んで、もし気になったら、小さな力でもいいから、
    橋渡しの土台になってほしいんだ。小さな柱でも、それが集まれば丈夫な橋、
    広くて長い橋になると思うんだ。他人の力まかせで本当に申し訳ないけど。

    それじゃ続き書きます。明日も会社に行かなければいけないので、3時になったら
    寝るね。書き込めるのは、もしかしたら8時過ぎるかもしれない。そして、
    明後日もやらなきゃいけない事があるから、明後日は夜の12時には書くのやめて寝るよ。
    予定狂って、もしかしたら書き終わらないかもしれないけど、その時は許して欲しい。


233 名前:祐希 ◆.0dKn/WD26:2010/05/21(金) 02:48:24.18 ID:c1y0p92o
    メルヴィナがサニャを、俺がソニアの手を引きながらガムシャラに走った。そしたら、後ろの方から乾いた音が何回か聞こえたんだ。
    パパン、パパンだったかな。それと同時に、さっきまで叫んでいたカミーユの声が聞こえなくなった。
    俺は、まさかと思って、立ち止まりそうになったんだ。引き返さなきゃって。

    そしたら、メルヴィナが
    「止まっちゃ駄目!」って言ったんだ。引き返したら、カミーユの行動が無駄になるってね。

    息が続く限り走ったと思う。それでも、移動した距離は1キロにも満たなかっただろうけれど。
    肩で息をしながら、もう大丈夫だね。って言い合った。


235 名前:祐希 ◆.0dKn/WD26:2010/05 /21(金) 02:49:03.92 ID:c1y0p92o
    そこからは歩いて山の下まで行ってさ、夜になるまでカミーユを待ったんだ。だけど、結局カミーユは来なかった。
    薄々皆気づいていたよ。あの音がしたときに、カミーユは殺されちゃったんだって。でも、信じられなかった。
    もしかしたらって思ってさ。口にする事が出来なかったんだ。

    気づいたら、皆涙流しててさ、人が死ぬって事はまだそんなに深く理解できる年ではなかったけど、
    それでも涙が一杯出てきたんだ。カミーユがさ、サニャの事が好きだってのは気づいてた。
    それに、サニャもカミーユが好きっていうのは知ってたんだよ。俺は。
    だけど、怖くて止められなかった。カミーユが引き付けてくれれば、助かるかもしれないって思って。


237 名前:祐希 ◆.0dKn/WD26:2010/05 /21(金) 02:51:46.24 ID:c1y0p92o
    泣きながら、サニャに「ごめん。ごめん。」って何度も謝った。俺が殺したようなもんじゃないか。
    そしたら、サニャはさ、自分だって悲しいはずなのに、無理して笑顔作って、
    「祐希は悪くないよ。」って言うんだ。


    太陽が沈んで、辺りが暗くなった頃、夜の山に子どもだけだと危ないからといって、
    山から出て道をあてもなく歩いた。何でこんな事になってしまったんだろうとか考えながらさ。
    沢山の星が綺麗に輝いてるのにさ、下は地獄だって思ったよ。

    1・2時間くらいかな。それくらい歩いてたと思う。いきなり草むらから音がして、何人かの大人が出てきたんだ。
    またスルツキかと思って、びっくりして逃げようとしたんだ。だけど、ソニア達のヒジャブを見たからか、
    俺達がボシュニャチだとわかったみたいでさ、ボシュニャチの大人がこっちに来なさいって言ってくれたんだ。
    あ、俺は日本人だけどね。


239 名前:祐希 ◆.0dKn/WD26:2010/05/21(金) 02:54:02.73 ID:c1y0p92o
    その人たちは、街で起きたことを教えてくれてさ、これからフォーチャへ向かって、
    それからゴラジュデに向かうから一緒に来なさいって言ってくれた。
    ソニアやサニャは家に帰りたいって言ったんだ。だけど、街にはスルツキの民兵や軍が来て
    ボシュニャチやフルヴァツキの人たちを連れて行ってしまったから、行っちゃ駄目だって。
    首都のサラエヴォでも戦争が始まったって言っててさ。
    俺達は黙ってついていくしかなかった。


240 名前:祐希 ◆.0dKn/WD26:2010/05 /21(金) 02:56:06.37 ID:c1y0p92o
    ライトを着けないで、街の反対側の山から向かったんだ。車の中でさ、俺はまた泣きながら、
    カミーユに親切にしてもらったのに、俺は…って泣き言を言ってたんだ。
    そしたら、サニャが俺の背中を擦りながらさ、
    「カミーユが小さい頃に死んじゃったお兄さんが祐希とそっくりだったんだよ。
     初めて会った日にカミーユは嬉しそうに話してて、友達になりたいって。
     大丈夫だよ。カミーユは怒ってないし、悲しんでもいないよ。安心して。」って。


242 名前:祐希 ◆.0dKn/WD26:2010/05 /21(金) 02:57:57.14 ID:c1y0p92o
    そんな感じの事を言われたんだ。その時、俺が空き地で眺めていた時に何で話しかけてくれたのかとか、
    何で休み時間に教室に来てくれたり、一緒に沢山遊んでくれたり、優しくしてくれたりしたのかとか、
    不思議に思っていたことが繋がってさ…。
    好きだった子が死んじゃって、俺よりも長く一緒に過ごしてた子が死んじゃったっていうのに、
    メソメソしている俺を慰めてくれてるサニャを見てさ。
    あの時俺が勇気を出して行ってればって。俺が行けば良かったって後悔した。
    それと同時に、カミーユとの約束、サニャを今度は俺が守らなきゃって。
    何かあったらカミーユのようにしてでも守らなきゃって誓ったんだ。


245 名前:祐希 ◆.0dKn/WD26:2010/05 /21(金) 03:01:31.53 ID:c1y0p92o
    そんな感じの事を言われたんだ。その時、俺が眺めていた時に何で話しかけてくれたのかとか、
    何で休み時間に教室に来てくれたり、一緒に沢山遊んでくれたり、優しくしてくれたりしたのかとか、
    不思議に思っていたことが繋がってさ…。
    好きだった子が死んじゃって、俺よりも長く一緒に過ごしてた子が死んじゃったっていうのに、
    メソメソしている俺を慰めてくれてるサニャを見てさ。
    あの時俺が勇気を出して行ってればって。俺が行けば良かったって後悔した。
    それと同時に、カミーユとの約束、サニャを今度は俺が守らなきゃって。
    何かあったらカミーユのようにしてでも守らなきゃって誓ったんだ。

    まさか、これからさらに悲惨な未来が待っているとは、想像もしていなかったよ。




    車で舗装された道の近くまで来たところで、大人たちがここから先は歩いて向かうって言ったんだ。
    俺達は、何で歩いていくの?まだ遠いよって言ったんだけどさ、フォーチャへ向かう道はここしかなかったんだ。
    サラエヴォでは、スルツキ(セルビア人)の警察や軍が都市を包囲して戦いが始まっててさ、
    この道にもスルプスカの軍がいるかもしれないから、歩いて山を越えることになったんだ。
    とはいっても、実際に山中を登って下ってというわけではなくて、道から数百メートルはなれた木々の中を
    歩いていったんだけどね。まだ夜で周りは真っ暗でさ、すぐ目の前もよく見えなかったんだ。

    月明かりだとか、星空だとかで案外見えるんじゃないかって気もしてたんだけど、木々に覆われた中では
    光が枝や葉に遮られてしまって、本当に暗かった。周りは風で揺らされた枝や葉がこすれる音とか、
    時折鳥か何かの声がしたりして、とても不気味だった。それでも、例え怖かったとしても、
    進まなきゃいけなかったんだ。サラエヴォに向かうのは危険なんだ。だから俺達に残された道は、
    ゴラジュデしかなかったんだよ。

    幼い俺達にとって、夜寝ないで歩き続けるって言うのは、想像以上に辛いものだった。
    家族がどうなったかわからないし、俺も父さんがサラエヴォでどうなったか、生きているのか、
    それとも俺がカリノヴィクを脱出した後に戻ってこれたのか、心配してないか、
    色々と不安だった。不安という一言では伝えきれないほど、頭の中では色んな事がごちゃごちゃと
    渦巻いていたように思う。体力的にも、限界は近づいてきていて、足は重いし、足元も良く見えなくて
    おぼつかない。時折、ガサガサと音がするだけで皆が伏せてさ、常に周りを警戒しながら歩いてた。
    真っ暗でよく見えないお化け屋敷の中を延々と歩くようなものかな。いや、起伏に富んでいて、
    足元が悪く、そして見つかったら殺されるかもしれないという不安が追加されているけれどさ。

    もう歩きたくなかった。大人におんぶしてもらえたら、どんなに楽だろうって何度も思ったよ。
    でも、俺達は言い出せなかったんだ。なぜなら、俺達よりも小さい子が歩いてるんだよ。
    俺達よりも辛いはずなのに歩いてるんだ。だから耐えるしかなかったんだ。
    とはいえ、徒歩で山中を歩くのは時間がかかる。


    空が赤くなり、少しずつ夜が明けてきた頃だったと思う。フォチャ途中にある
    ミジュヴィナという街のすぐ近くまで来ていたんだ。内心、やっと休めると
    安心したよ。だけど、周りがどんどん明けてくるに連れて、その考えが甘かった事に
    気づかされたんだ。小さな街なのだけれど、そこからは黒い煙が立ち上っていた。
    誰も口には出さなかったけれど、カリノヴィクと同じ状況になったというのは
    明白だった。


255 名前:祐希 ◆.0dKn/WD26:2010/05/21(金) 03:08:50.90 ID:c1y0p92o
    しかし、このままフォーチャに向かうのは不可能だったんだ。俺達のグループは、
    大人数名に子ども数名、そしてまだ1歳ほどの赤ちゃんまでいたんだよ。
    まだ4月とはいえ、喉はカラカラに渇いていたし、お腹もすいていた。
    赤ちゃんに至っては、もう元気がなくてぐったりしていたんだ。

    だから、一人の男性が街に行って、食料とかを調達してくることになった。
    もしスルツキ(セルビア人)に見つかったら殺されてしまうのではないか?といった
    疑問もあったけれど、彼はスルツキ(セルビア人)とボシュニャチ(ボスニア人)の
    ハーフだったから、大丈夫だよといって出かけていった。

    待っている時間はとても長く感じた。もし帰ってこなかったらこのままフォーチャに向かうしかない。
    そして、向かったとしても、このミジュヴィナと同じ状況になっているかもしれない。
    未来が見えなかった。希望の光が見えなかったんだ。幼い俺ですらその状況なのだから、
    大人たちはもっと深刻に感じたいたかもしれない。まだ肌寒い季節なのに、
    そういった変な興奮状態からか、体は火照っていたように思う。恐らくは、
    疲労の為に体が熱くなっていたのかもしれないけれどね。






    ごめん。もう無理だ。スレで人を煽るのは大丈夫だったのに、煽られると、
    思っていた以上に辛いんだな。あー、もう正直無理だ。
    父さんに原稿託して終わらせる事にするよ。

    これは妄想でした。不謹慎な作り話してしまって申し訳ありませんでした。
    これでいいよね。

    ただ、もし良かったらユーゴ紛争について調べてみてください。
    そして関心を抱いてくれたのであれば、どうか彼らの力になってあげてください。
    それが出来るのは、バルカン半島の民族感情だとか宗教だとか、利害だとかと
    あまり関係のない第三者、日本・日本人だと個人的に思うんだ。
    皆に押し付けてしまって申し訳ないけれど、どうかよろしくお願いします。
    子ども達が安心して暮らして、そして笑って大人になれるような世界を、
    彼らにもどうか見せてあげて欲しいのです。それでは、おやすみなさい。


256 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2010/05 /21(金) 03:10:41.00 ID:C7l4E/Yo
    おいちょっと待て


257 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2010/05 /21(金) 03:11:02.95 ID:yuaiZ6wo
    内容について煽られたわけじゃないのになんだこの>>1ww
    そんなだからお友達(笑)もみんなレイプされて殴られて爆発して死んじまってテメーだけ生き残ってんだよ


268 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2010/05/21(金) 03:16:22.92 ID:yuaiZ6wo
    所詮構ってちゃんだったってこったな

    >>257、268
    はは。だから言ったじゃないか。俺は生きる価値ないってな。
    悔い改める機会も与える価値がないってさ。

    だから死んで一人地獄に行くからいいんだよ
    天国の皆に会えないけどそれは俺の所業から来るものだからいいんだよ。
    もう俺に構わなくていい。忘れてくれ。構ってちゃんはおしまいさ。


269 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2010/05/21(金) 03:18:05.78 ID:7Qo4ecE0
    約束したんだろ?
    誰とかわからないけど

    おまえ今あとちょっとってとこまできてるんじゃないか?
    おまえのためにも書いてほしい

    俺?俺は自分が読みたいだけだけど・・・


285 名前:祐希 ◆.0dKn/WD26:2010/05 /21(金) 03:26:54.09 ID:c1y0p92o
    >>269
    まだ4分の1も書いてない。別に一言でうんざりしたわけじゃない。
    積もり積もって、そしてどうだ。旧ユーゴについて関心を持ってくれたと
    思いきや、そんなだからお友達(笑)もみんなレイプされて殴られて爆発して死んじまって だぜ。
    はは。俺にはそんなのに耐えながら書くのは無理だったって話さ。
    だからこんな糞みたいな人生歩んできたんだろうな。
    約束はもうここらへんでいいでしょ。妄想ってことでいいでしょ。
    何人かの人は関心を持ってくれたからいいよ。ありがと。
    逃げる俺を好きなだけ批難してくれ。卑怯者で地獄に行く人間に相応しい贈り物だ。


273 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2010/05 /21(金) 03:19:41.57 ID:nPJq9wAO
    約束より自分ですか?


276 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2010/05/21(金) 03:23:31.96 ID:Dl0w/yY0
    wktkスレからガッカリスレへの移行が急すぎるぜ
    むしろバルカン半島への興味をそがれた感があるんだが…


281 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2010/05 /21(金) 03:25:07.18 ID:ROun.8co
    ここは>>1のためにあるスレだから、>>1がこれで終わりというなら、
    そうなんだろう。

    ただ、一つだけその体験を抱えて生きていくのは凄く辛くて、
    終わりのない苦悩だろうから、それを終わらせるのには
    死ぬしかないと思ってるのかもしれないけど、自殺しても
    お友達は向こうで再会を喜んでくれるかな?あなたが
    与えられた天寿を全うして、愛する人に囲まれて見送られたとき、
    みんなと笑って会えるんじゃない?なにも知らない、わからない自分が
    こんなこというのはおこがましいけど、1には絶対に死んで欲しくない。お願いだよ。


293 名前:祐希 ◆.0dKn/WD26:2010/05 /21(金) 03:31:53.21 ID:c1y0p92o
    >>281

    彼らと再会できるなんて思ってない。俺は地獄行くからさ。
    ドラガンが俺達の場所ちくったと思って、ずっと憎んで生きてきたんだっつうの。
    それだけが俺の生きる支えだったつうの。俺は何かを憎まなきゃ生きれない弱虫なんだよ。

    それがどうだ?Facebookでミルコ達が生きてるかもって調べてたら、ドラガンの弟がいるじゃねぇか。
    恨みを言おうとコンタクト送ったらどうだよ。笑えるよ。ドラガンは俺らの事庇おうとして、俺らが襲われた日に
    殺されてるんだからな!裏切り者って恨んでた俺は何なんだよ。俺らの為に犠牲になった奴をずっと
    15年以上もうらんでたんだぜ。生きる価値なんてねぇんだよ。苦悩を終わらせるんじゃなくて、
    未来だとか希望だとかがあるってわかっていながら生きるのが許せないだろ。
    だから自分を自分で死刑にするんだって。これは俺への罰なわけ。
    俺は屑なわけ。



出典:戦争の体験談を語るわ 前編
リンク:http://runxz.blog4.fc2.com/blog-entry-1097.html
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