男「…へ?」姉「だからさ」 (恋人との体験談) 122312回

2010/12/26 15:28┃登録者:李 安成┃作者:1
姉「部屋を片付けなさいって」 

男「そりゃ確かに散らかってるけど・・・何の脈絡もなしにいきなり言われても訳分からないんだけど」 

姉「明日、アンタの部屋が綺麗になってないとあたしが恥ずかしいのよ!」 

男「まったく以って訳分からん…」 

姉「…あたしの友達に女っているでしょ?その女があんたに興味あるんだってさ」 

男「女さん…って、姉貴の友達とは思えない程おとなしそうな?」 

姉「ちょっとアンタ…それどういう意味よ!!」ジロッ 

男「何でも……いやいやいや!ありえないっしょ!!」 

姉「ん?なにが??」 

男「…だって俺中3だし…姉貴の友達なら姉貴と同じ二十歳でしょ?」 

姉「歳のことは言うなー!」ベシッ 

男「痛っ!…それに俺、顔もたいしたことないし、この性格だよ?どこに好きになる要素があr」 

姉「はいそこー! 誰も好きだなんて言ってないよ〜だ」ニヤニヤ 

男「!……」 

姉「『興味がある』って言ってただけもんね〜」ニヤニヤ 

男「………性格悪」ボソッ 

姉「なんか言った?」ギュー 

男「いたいいたいいたいいたい!脇つねるな!!」 

姉「それにね、アンタの顔、言うほど悪くないよ?」 

男「そんなことないだろ?姉貴、身内補正入ってない?」 

姉「んー、それはあるかもね。でもあたしの弟だもん。そこそこいいとこいってるよ?」 

男「いやいやいや、そりゃないって」 

姉「だってアンタさぁ、近所の女の子に声かけられるでしょ?モテないオトコに声かける女の子なんていないからさぁ。それなりにそれなりなんじゃない?」 

男「…意味がわからん」 


※ちなみに始まりは1980年の11月15日(土)の設定。 
 だからケータイは無い。電話は親子電話。学校も会社も週休1日制。 
 一部の言葉は分かりやすくするために今風に置き換えてます。 

男「で、それがどう展開すると俺の部屋を片付けることになるんだ?」 

姉「んふふ〜、明日、家であたしと女と姉友1と姉友2の4人でクッキー焼くんだけどさ〜」 

姉「女とお話してやってほしいのよ」 

男「はぁ?なんで??」 

姉「だーかーらー!女がアンタに興味を持ってるって言ってるでしょ!?」 

男「は、はぁ」 

姉「で、あたしの部屋だとギャラリーがいるから話しづらいかな〜って」 

男「ちょいまち!俺は仮にも男だし?ひとつの部屋に閉じ込めたりしたら襲うとか考えないの?」 

姉「隣の部屋にはあたしらがいるし、第一アンタに女を押し倒す勇気なんて無いじゃん。ヘタレだし」 

男「うぅ…反論できないのが悔しい…」 

姉「……それだけにね、アンタなら大丈夫かなって」ボソッ  

男「ん?なんか言った?」 

姉「なんでもなーい」 

男(しっかり聞こえてたんですが…) 

〜11月16日(日)・男の家〜 

姉彼「おはようございます」ガチャ 

男「あ、姉彼さん。おはようございます。今呼んできますね」 

姉彼「ん、ありがと」 

男「おーい姉貴ー。姉彼さん来たよー」 

姉「分かったー、今行くー」 

男「じゃ、掃除機掛けてくるわ」 

姉「はいよー、じゃあたしらも行ってくるわ」 

男「姉彼さんも大変ですね。姉貴の友達を迎えに行くとか…」 

姉「なんだってぇ〜」ジロッ 

姉彼「それぐらいたいした事じゃないさ。掃除より車の運転のほうがマシだろ?」 

男「確かに…」 

姉彼「じゃ、行ってきます」 

男「いってらっしゃーい」 

男「さて、掃除機掃除機…と」 

〜男の部屋〜 

男「んー、昼前か…掃除機も掛け終わったし、疲れたし、一休みするかな?」 

男「ちょっとベッドで横になって…ふぅ…」 

男「………zzz」 
  ・ 
  ・ 
  ・ 
男(…ん?……なんか…いい匂いが…) 

男(…ああ…姉貴達がクッキー焼いてんのか…) 

男(…でも…クッキー以外の…匂いもする…) 

男(…なんだろ…なんか…いい匂いだなぁ…) 

男(…そろそろ…起きないと…) 

男「…」パチクリ 

女「!?」 

男「……あー…えー…っとぉ?」 

女「…あ、あの!…え、えっとぉ…おはよう…ございます…」ペコリ 

男「あ、お、おはようございます」ペコリ 

女「……や、その、えっと…」アタフタ 

男(なんかパニクってるなぁ…おかげで落ち着くけど…) 

男「どうしました、女さん?」 

女「!?…な、なんでもないです!」 

男(赤くなってる!…って視線の先は…)アサダチーン 

女「………」ボンッ 

男「…」\(^o^)/オワタ 

男(…気を取り直して…)「お、女さん、想像は付くけどなんでここに?」 

女「や、あの、姉さんに…クッキーを持っていくように言われたから…」 

男(やっぱり…)ハァ 

女「そ、そしたら…男さん寝てて…起こしたら悪いかなって…」モジモジ 

男「…ありがとうございます」ペコリ 

女「え?いえ、そんな…なんで?」キョトン 

男「いや、気を使ってくれたんでしょ?起こさないように」 

男「だからありがとうございます」ニコッ 

女「……い、いえ」 

男「で、クッキーはどこですか?」 

女「あ、はい。机の上に」 

男「ああ、これですね。で、女さんが作ったのはどれですか?」 

女「あ、これです…」 

男「綺麗な形してますね」 

女「いえ、そんなことないです」 

男「しかもうまい」 

女「でも、味のほうは同じ生地を使って、一緒にオーブンで焼いたからどれも変わらないですよ?」 

男「いやいや、見た目も味のうちってね。例えばこっちの歪な奴なんて見るからに味が悪そうでしょ?」 

男「一目で誰が作ったかすぐに分かりますよ。姉友2さんですね、これは」 

壁の向う『アトデシバク』 

男「…やっぱり聞き耳立ててたか」 

女「…」クスッ 

男「あ、クッキーありがとうございます。」 

女「あ、いえ、こちらこそ…そろそろ隣の部屋に行きますね」 

男「え?」 

女「さっき寝てたでしょう?まだ眠いんじゃないですか?」ニコッ 

男「ええ、まぁ」 

女「じゃ、おやすみなさい」ペコッ 

〜夜・居間〜 

姉「ほれほれ〜♪女の電話番号だぞ〜♪」ノシ フリフリ 

男「……」 

姉「掛けちゃうぞ〜掛けちゃうぞ〜♪」ノシ フリフリ 

男「……俺は出ないぞ?」 

姉「ノリ悪いな〜、その日のうちに連絡しないと女の気持ちが醒めちゃうよ?」 

男「ふ〜ん…」 

姉「なにその反応。いいじゃん、電話するぐらい…」 

男「姉貴が電話するのは構わないけど俺は出ないからな!」 

姉「およ?なにその反抗的な態度。あたしに喧嘩売ってんのぉ?」ギロリ 

男「…!滅相もない!」フルフル 

男(姉貴に喧嘩うって無事ですむわけがない…)ガクブル 

姉「ん、じゃあいいけど…」スッ 

男「…いつの間にメリケンサック装備してたんだよ、姉貴…」 

男「てか、女さん、俺のどこに興味があんの?」 

姉「お!アンタも女に興味ある?」ニヤニヤ 

男「…正直に言うとね。女さんっておとなしそうで言葉使いも丁寧だし声もかわいいし、それに可愛くて綺麗だろ?乳は小さいけど」 

姉「最後の一言余計! でも意外だわ、アンタがまともに感想言ってる…」 

男「いやまあ、好意を持ってくれた人のことは一応まじめに考えるもんでしょ?」 

姉「『好意』じゃなくて『興味』ね」 

男(やけにこだわるなぁ…)「…まあいいや。とにかく、今まで俺の周りにいた人とは全然違うタイプだし?」 

男「恋愛感情は抜きにしても、興味があるのは当たり前じゃないか?」 

姉「ふぅ〜ん、ちょっと引っかかるけど。ま、アンタの言うこともなんとなーくわかるわ。女のこと、知りたい?」 

男「どっちかってーと……知りたい…かな?」 

姉「じゃ、なんか飲み物持ってあたしの部屋においで」 

男「へ〜い」 

※ここで軽く人物紹介 

男 :中3、170cm、60kg。ヘタレで生真面目で楽観主義者。顔は姉曰く中の上以上。割と筋肉質な体格は毎日の犬の散歩の賜物。 

女 :20歳、155cmぐらい、痩せ気味。会社員。姉の元同級生。思い遣りがあって大人しくて奥手で真面目。童顔で可愛い。殆ど化粧をしない。きれいな黒髪ストレートのセミロング。Bカップ。 

姉 :20歳、160cmぐらい、やや痩せ気味。会社員。ブラはD。明るく楽観的でノリが良い。見た目は可愛くて綺麗系なので高校時代はファンクラブまであった。いろいろと最強。栗毛の髪がちょっとコンプレックスでショートヘア。 

姉彼:23歳、リーマン。割とクール。結構マッチョ。いざという時に活躍するタイプ。 

姉友1&2:ここでは空気。姉の元同級生。会社員。姉友1は170cmぐらい、遠目で見るとスーパーモデル級の容姿なれどお肌がゲ゙フンゲフン。姉友2は155cmぐらい。ヤンキー。顔の造りは上の下。姉には頭が上がらない。 

兄 :地方の無名私大1回生で下宿中。盆と正月しか実家に帰ってこない。 

女妹:高3、155cmぐらい。チョイ痩せ気味。可愛い。黒髪ロングのストレート。普通の女子高生。顔は上の中。 




〜姉の部屋〜 

姉「で、何から聞きたい?誕生日?家族構成?それともスリーサイズ?」 

男「おい最後の…いや、知りたいです」 

姉「このスケベ!それは最後の楽しみに取っておいて…」 

男「知ってるのかよ!で、聞きたいのは俺に興味がある理由なんだけど…」 

姉「おぉう、それはあたしも知りたかったんでばっちり聞いてるぜい!」 

男「さすが姉貴」 

姉「…アレは3年前の冬だった…」 

男「なんでやねん!」ビシッ 

姉「ナイス突っ込み!」グッ 

男「…頼むからまじめに…ねぇ?」 

姉「って言ってもねぇ…ん、まいっか。あたしの友達がうち来るときさ、いつもアンタに犬を押さえといてって頼んでたでしょ?」 

男「姉貴に頼まれるからな。それにうちの犬、結構吠えるし」 

姉「他にはお菓子を持ってきたり」 

男「姉貴に言われて買いに行きました」 

姉「…飲み物持ってきたり」 

男「姉貴に(ry」 

姉「な・ん・か・文・句・あ・る・の?」ギギギ 

男「…!ギブッ!ギブです、姉貴殿!!」メキメキッ 

姉「まったく…おつりは小遣いであげたのに…」 

男(毎回チロルチョコぐらいしか買えなかったんですが) 

姉「とまあ言うわけで、女は徐々に男に『興味を持った』のでした〜チャンチャン♪」 

男「なにが『と言うわけ』なのかは分からないんだけど…要約すると、姉貴のパシリしてる俺に興味があると」 

姉「…あんたその言い方、失礼じゃない!」ドスッ 

男「(鳩尾!)…い…き…が…」チーン 

姉「…まあそれがきっかけで女は男を見るようになったんだけどさ、興味を持ったのはそこじゃなくて」 

姉「他の男とは違うって思えるところがあったからなんだってさ」 

男「なんだよ、それ?」 

姉「ん〜…教えない、て言うかあたしも聞き出せてないんだな〜」 

男「はぁ?それじゃわかんないって」 

姉「こうじゃないかなーってのはあるんだけどね」 



姉「ところで男。アンタの方はどうなんよ?」 

男「どうって?」 

姉「女のことをどう思ってるか聞いてんの」 

男「そんなのわかんねぇって。…後姿は綺麗だとは思ってたけどね」 

姉「そういえばアンタ後姿フェチだった!」 

男「それに今日は差し障りのないことをちょっとしか話してないし」 

男「まあ、姉貴の友達だし、失礼の無いようにしてたつもりだけどね」 

姉「そっか。で、どうする?これから電話するけど、アンタも話する?」 

男「いや、しないって」 

姉「照れるな照れるな♪」 

男「…それもあるけど…相手のこともロクに知らないのに、どういう会話をせよと?」 

姉「そんなこと言ってたらいつまでたっても話なんてできないんじゃない?ここは一発自己紹介からいってみよう!」 

男「……ハァ、どうしてこうなった…」 

〜21時・姉の部屋〜 

姉「んじゃ、今から電話するから」 

男「…」 

姉「覚悟決めて、ちゃんと話しすんだよ?」ジロッ 

男「…『御茶と御花と御琴を少々』でいいんだっけ?」 

姉「まじめにやれ!」ペシッ 

男「あたっ!デコピンかよ…」 

姉「まったく…あ、もしもし。女さんのお宅ですか?はい、お願いします………」 

姉「あ、女?うちの男があんたと話したいんだって」 

男(無理矢理話をさせようとしているオーラが…) 

姉「ほれ、後は思うとおり話しなさい。失礼のないようにね」 

男「あー…ごめんなさい、姉貴が強引に電話したもんで…迷惑じゃないですか?」 

女『…いえ、そんなことはないです』 

男「そう?だったら少しお話しませんか?」 

女『えっ?……はい』 

  ・ 
  ・ 
  ・ 
女『〜〜〜…それじゃ、おやすみなさい』 

男「おやすみなさい」ガチャ 


男「ふぅ〜、んー…」ポキペキッ 

姉「おーい、そろそろ交代…って、もう終わってたの?まだ20分ぐらいしか経ってないんじゃ…」チラ 

男「そんなもん?もっと話してたように感じてたけど」 

姉「で、どうだった?ん?んん?」グリグリ 

男「肘で脇を押すなって!まあ、今日のお礼と、新情報は好きなものと嫌いなものぐらいかな?」 

男「絵を見るのが好き、本を読むのは苦手、ミカンとりんごは好きだけどスイカは嫌いとか、他には…」 

姉「………」 

男「ん?どしたん姉貴?」 

姉「あたしゃアンタに呆れてんの!なにやってんのよ!!」 

男「だって何にも知らないもん同士なのに仕方ないだろ?それに収穫はあったし」 

姉「収穫?」 

男「うん、好きなものが分かった」 

姉「あー、うん、それは収穫・・・って言うか、それぐらいならあたしも知ってるわー!」 

男「あー…でも話のネタにはなったし…で、次の日曜に会う約束もしたし」 

姉「ふぇえ?アンタ、ヘタレの癖にそこまでやるとは…さすがの私もビックリだわ!」 

男「いやいやいや、たまたまだよたまたま!今○○美術館で特別展示やってるから、それを見に行こうって」 

男「期間は11月末までだからまだ見れるよって事で、行ってくる」 

姉「…アンタ、そんなことよく知ってたね」 

男「ああ、購買部にポスターと割引券があったからね。じゃ、風呂入って寝るわ」 

姉「はいよ〜、あたしゃ今から彼に電話♪」 

男「へいへい」 

男(女さんか…意識しなきゃ普通に話せるのかなぁ…) 

〜11月22日(土)・夜〜 

姉「おっとこー!」 

男「はいはい、なに?」 

姉「明日デートでしょ?アンタの服適当に買ってきたよ」 

男「え?俺の服?」 

姉「後で請求するからね♪」 

男「…勝手に買っといてそれはないだろ…まあ出すけど」 

姉「冗談冗談、出さなくていいから、その分明日のデートで女に奢ってあげなよ」 

男「およ?いつになく太っ腹!妊娠何ヶ月?」 

姉「そろそろ臨月でーす♪ってちがーう!そんなこと言うなら服代出せ!」 

男「すみません私が悪うございました。で、なんで服買ってきてくれたの?」 

姉「そりゃあねぇ、女に紹介した手前もあるし、アンタまだ中3だし…」 

男「いやまあ、正直助かるよ」 

姉「まあ、姉としては身内に恥を晒してほしくないんだよねぇ」 

男「金がないだけでそこまで言われるかな?」 

姉「デートのお金は男が出すもんなの!アンタはまだガキだから分かってないだろうけど」 

男「ちょ、それ言うか。まぁ確かにガキだわな。自分で稼いでるわけじゃないし」 

男「ていうかデートじゃないし!絵を見に行くだけだし!」 

姉「チッチッチ。それを世間ではデートと言うのだよ」 

〜11月23(日)・朝〜 

姉「ふぁあ〜…おはよー…」ポリポリ 

男「…姉貴、乳丸見えだって。もうちょっと恥らいを持とうよ…パジャマの前ぐらい留めてさ?」ハァ 

姉「いいのよ、家族に見られてもノーカンだから。歯磨き粉ちょーだい」 

男(何がノーカンなんだ?)「ほい」 

姉「さんきゅー」 

男「じゃ、俺そろそろ行くから」 

姉「んほ?もうひふの?」シャカシャカ 

男「なに言ってるか分からんけど、○○駅前に11時待ち合わせだし」 

男「1時間以上あるけどバス停まで距離あるし、ちょっと早いけど行ってくるわ」 

姉「ほーい、いってらっしゃーい。ちょっとぐらい待たされても怒るんじゃないよー」ニヤニヤ 

〜○○駅前〜 

男「ん、約束の10分前に着いたか。ちょうどいい感じだな」 
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男「11時か…来る気配なし…」 
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  ・ 
  ・ 
男「11時半。姉貴だとそろそろ来る頃…あ」 

女 キョロキョロ 

男「おーい、こっちこっちー」ノシ ブンブン 

女「あっ…ごめんなさい!」タタタ 

男「ああ、別になんともないですよ?」ニコ 

女「でも…遅れてごめんなさい!」ペコッ 

男「いえいえ、あ、お腹すいてないですか?」 

女「え?」 

男「混まないうちに昼飯、先に済ませちゃいましょう」 

女「あ、は、はい」 

〜喫茶店〜 

女「…あの…ここって…」 

男「すみません、こういうのって慣れてないもんで…喫茶店はダメですか?」 

女「いえ、そうじゃなくて…喫茶店に入ったのが学校に知れると良くないんじゃないですか?」 

男「ああ、注意はされますが、保護者同伴なら問題ないですよ?」 

女「…保護者…ですか…」 

男(あっ、マズッたかな?)「と、とにかく、注文しましょう」 

  ・ 
  ・ 
  ・ 
男「結構イケますね、この店」 

女「そうですね。ピラフおいしいです♪」 

男「自分のナポリタンも中々…」 

女「…男さん、慣れてる感じがしますけど、いつもこういうお店に行ってるんですか?」 

男「いえいえ、こういうところは姉貴に引きずられていくんですよ」 

女「引きずられ…」 

男「姉彼さんの前じゃ思いっきり食えないからって」 

男「デートで気に入った店があると俺をつれていって、いっぱい注文して平らげて…」 

女「…」クスッ 

男「ってことで、小マシな店も多少は知ってます」(今は姉貴に感謝…かな?) 

女「じゃあ、いつもはどんなところに行くんですか?」 

男「いつもは駅地下の軽食コーナーとかダイエーのドムドムですかね?」 

女「駅地下のたこ焼きっておいしいですよね〜」 

男「…ひょっとして姉貴ですか?」 

女「そう。やっぱり引きずられて…」フフフ 

男「…そうですか」ハァ 

女「イメージ崩れちゃいました?」クスッ 

男「うーん、というより姉貴に呆れてるんです」 
  ・ 
  ・ 
  ・ 
男「そろそろいい時間だし、美術館に行きますか」 

女「そうですね。バスですか?」 

男「いえ、15分ぐらいだし歩きましょう」 

女「そうですね。そのほうが…っぽいですね」ゴニョゴニョ 

男「?…あ、疲れたら言って下さいね」 

女「大丈夫ですよ。こうやっていれば」ギュッ 

男(!…手握られてる!) 

女「疲れたら引っ張っていってくださいね♪」ニコッ 

男(うーん…これは脈あり…かな?) 

〜○○美術館〜 

男「…意外と…」 

女「…混んでますね」 

男「逸れないように手を繋いで行きましょう」ギュッ 

女「はい♪」ギュッ 
  ・ 
  ・ 
  ・ 
男「なんか、ゆっくり見れたような見れなかったような…」 

女「私は割りとゆっくり見れましたよ?」ニコッ 

男「あれでですか?」 

女「こういうときは、一旦全部の展示物を流し見してから、ちゃんと見たいもののところに戻るんです」 

男「なるほど」 

女「そうするとゆっくり見た気になれますよ」ニコッ 

男「分かりました。覚えておきます」ニコッ 

女「男さん、見たいものがあったら今からでも戻りましょうか?」 

男「んー、でも見たいものは見れたからいいですよ」 

男(女さんの後姿、じっくり堪能させていただきました♪) 

女「そうですか?…じゃあ、これからどうします?」 

男「あ、時間があるならそこの公園を散歩しませんか?」 

女「いいですよ」ニコッ 

男「っとその前に、手洗いに…」 

女「はい」ニコッ 

〜結構広い公園・遊歩道〜 

男(美術館からの流れでずっと手を繋ぎっぱなしなんだが…) 

男(いまさら離す理由もないし…このままでいっか) 

男「…結構落ち葉が多いですね」 

女「もうすぐ12月ですもんね」 

男「……」フッ 

女「?…どうかしました?」 

男「いえ、なんか…こんなの初めてです」 

女「なにがです?」キョトン 

男「身内じゃない女性と公園で散歩って言うのが、です」 

女「…そういえば私もそうですね」 

男「なんか、新鮮な気分ですね。今まで経験したことのないような」 

女「そういわれると…何か意識してしまいますね」ニコッ 

男「意識されると困ります」 

女「あら?どうしてですか?」 

男「普通に喋れなくなりますから」 

女「うふふふ」 

女「でも、男さんも結構意識してるかも…ですよ?」 

男「え?」 

女「ほら、手のひらの汗」パッ 

男(!?俺、こんなに汗をかいてたのか…) 

男「なんか…すみません」フキフキ 

女「いえ、私の汗も混じってますから」フキフキ 

男「…とりあえず、あそこのベンチが空いてるから座りませんか?」 

女「そうですね」 
  ・ 
  ・ 
  ・ 
男(しかし…こうやって見ると可愛いな。女子高生って言っても通じるぞ絶対) 

女「どうかしました?」 

男「いや、可愛いなあと思って」 

女「え?いえ、その…恥ずかしいです」カァ// 

女「それに私より姉さんのほうが可愛いのに…」 

男「女さんのほうが可愛いと思いますよ。というか、姉貴は身内だからそういう風に見たことなくてですね」 

男「でも結構な数の男たちが家の周りでウロウロしてたこともあるし、世間一般的には可愛いのかも」 

女「…もってまわった言い方ですね」 

男「まあ、実態を知ってますから。といっても口外する気はありませんが」 

女「私も実態は今と掛け離れてるかもしれませんよ?」 

男「それはそれで受け入れますよ。それも含めて女さんですから」 

女「…そんなこと言われると…嬉しいですよぉ」テレッ// 

男「そういうとこも可愛いです」ニコッ 

女「んもう!」 

男「いたいいたい、腕つねらないで!」 

男「…日が陰ってきましたね」 

女「そうですね、ちょっと肌寒くなってきました」 

男「じゃ、そろそろ戻りましょうか」 

女「…そうですね」 

男「それじゃ」ギュッ 

女「はい」ギュッ 

男「手のひら、汗かいたらごめんなさい」 

女「…いえ、私のほうこそ…」 
  ・ 
  ・ 
  ・ 
男「今日は電車かバスですか?」 

女「いえ、ちょっと前に軽四を買ったので、練習もかねて…」 

男「そうですか、そのうち乗せてくださいね」 

女「…生命保険に入ってます?」 

男「…しばらくは乗せていただかなくていいです」 

〜駐車場〜 

男「休日なのに結構空いてるもんなんですね」 

女「この駐車場は駅からちょっと離れてるからでしょうね」 

男「不便じゃないですか?」 

女「でも、広いし空いてるから車の練習にはちょうどいいんですよ。車庫入れとかバックとか」 

男「なるほど」 

キュルルル ブルン 

女「それじゃ、今日は楽しかったです。ありがとうございました。」 

男「こちらこそ。また遊びに行きましょう」 

女「そうですね、それでは、また」 

男「じゃ、またね」 
  ・ 
  ・ 
  ・ 
男「…さぶっ!俺も帰るか」 

男(女さん…姉貴から電話番号聞き出さなきゃ) 




〜12月20日(土)・男の部屋〜 

姉「それで?」 

男「は?『それで』とは?」 

姉「とぼけんじゃないの!明日も女とデートするんでしょ?」 

男「いやいや、そもそも明日はお互い都合が付かないから会う予定はないよ?」 

姉「お?それでいいのか?いやいや、ダメでしょ!」 

男「しょーがないだろ?プレゼントも買いに行かなきゃいけないしさ」 

姉「クリスマスの?」 

男「そ。24日の夜に、プレゼント交換だけでもしようってことになって」 

男「女さんの仕事が終わってから会う予定なんだわ」 

姉「…まいっか。アンタまだ中坊だし、おしゃれな店でディナーなんてこともできないだろうからね」 

姉「なんせ今までのデートで行ったところってのが映画と本屋とデパートって、ガキの遊びかってーの!」 

男「中学生の健全なお付き合いってのはこんなもんです」 

姉「…はぁ、あたしゃ情けないよ。我が弟はこんなにもヘタレだったのかと」 

男「ヘタレは今に始まったことじゃありません。それより、アクセサリー屋さん教えてくれる?」 

姉「ん?女にプレゼントするやつ?何買うつもり?…いっとくけど安物はダメだかんね!」 

男「ネックレス。予算1万ぐらいなんだけど…ダメかな?」 

姉「んー、ギリギリってとこかな?っていうか、アンタ結構金持ってんのね?」 

男「小遣いを貯めてたって言うか、この辺は駄菓子屋もないし、使うような所がないからね」 

男「でも最近は女さんとのデートで大分使ってるんで、これぐらいしか出せないんだけど…」 

女「ん、じゃ、明日一緒に店に行こ。午前中ならあたしも空いてるからね」ニコッ 

男「すんません、お世話になります」ペコッ 

〜12月21日(日)・アクセサリーショップ〜 

姉「…っと、最近の流行は大体こんなもんかな?」 

男「うぅ…目移りして何がなんだか…」 

姉「なに情けないこと言ってんの!で、なにかいいのはあった?」 

男「そんなのすぐに見つかるわけないだろ?今説明してもらったばっかなのにさ…」 

姉「もう!」 

男「もういっぺん店の中をまわってみるよ。自分で選びたいし」 

姉「お?もう姉ちゃんの助けは要らない?」 

男「あとで意見はほしいけどね。でも、選ぶのは自分でしないと女さんに悪いしさ」 

姉「ふーん…」 

男「昔姉貴が言ってただろ。『人にプレゼントするときは自分が気に入ったものを贈らないと失礼になる』ってさ」 

姉「あ、なんだ。まだ覚えてのか」 

男「当然。あの言葉には共感できたからね」 




男「姉貴ー、大体決まったよ。ちょっと意見ちょうだい」 

姉「おー、どれどれ?…あー、シルバーばっかり?」 

男「予算の都合です。あと、ペンダントトップもh(ry」 

姉「あっちにゴールドのがあるよ」グイグイ 

男「どれどれ?…あーでもあの辺りのやつだとネックレスだけで予算オーバーだし」 

姉「いいよ、あたしが貸してやるよ。一万ぐらいでいい?」 

男「え?…あ、いや、いいよ、そこまでしなくても…」 

姉「いいのいいの、これはアンタのためだけじゃないからさ」 

男「へ?」 

姉「アンタは中坊だけどさ、女は社会人だから安くても『本物』でないと見栄えが悪いでしょ?」 

男「あ…」 

女「それにアンタ、女にずっと身につけててほしいんでしょ?だったらなおさらだよ」 

男「う…」 

姉「いいものを送るっていうのは…例えばアンタさ、もし女がアンタのほしかったものと違うものをプレゼントしたらどう思う?」 

男「そりゃ…でもプレゼントしてくれる気持ちが嬉しいから」 

姉「そりゃ偽善だね!いや、妥協かな?あんまり嬉しくないけど喜ばなきゃって妥協して、嬉しいって言葉で偽善をする」 

姉「だけどね、それがもし自分が思ってたより高価なものだったらどうよ?欲しいものじゃなくても相手が頑張って用意してくれたものだって思ったら…」 

男「それは…嬉しいな」 

姉「そ。だからさ、ここは素直に言うこと聞いときなよ」 

男「…ありがと、姉貴」 

男「あ、このネックレス見せてください」 

店員「こちらですね。かしこまりました」 

〜喫茶店・昼前〜 

男「今日はありがとな、姉貴」 

姉「どういたしまして。ってか貸しだからね」 

男「了解してます。出世払いだけどな」 

姉「自分で言うなー!」ペシッ 

男「痛っ!」 

姉「で?そのプレゼントには満足してる?」 

男「もちろん!自分にしてはえらく背伸びしたと思ったけどな」 

男「やっぱ女さんの喜ぶ顔が見たいから」 

姉「…そっか」 

男「ん?」 

姉「いや、やっぱ女をアンタに引き合わせてよかったなぁってさ」 

男「…すごく感謝してるよ。自分でもこうなるとは思わなかったし」 

姉「すぐに別れると思った?」 

男「うん。だって女さんは5つも年上だし俺はまだまだガキだし話も合いそうにないし、続くって思うほうがおかしいっしょ」 

姉「あたしも最初はそう思ったんよ。でも彼がね」 

男「姉彼さん?」 

姉「そ、彼が『男君なら何とかなるんじゃないか?』って言うから…」 

男「何とかなるって…どういうこと?」 

姉「…ちょっと長くなるけど…いい?」 

男「『昔々、あるところに…』ってのは勘弁な」 

姉「ちっ!先を越されたか…」 

男「ははは、で?」 

姉「じゃあ、出来るだけ簡単に言うね。」 

姉「女ってさ、大人しくて可愛くて薄幸の美少女系でしょ?だから前の会社に入ったときに色々な男に言い寄られてさ」 

姉「で、女もそういうのに慣れてないってのもあって、ちょっと危ない事になりかけたことがあったのよ」 

男「!」ガタッ 

姉「落ち着いて!そのときはあたし達がうまく処理したし、そのあと女も転職して何ともなかったんだけど」 

男(『うまく処理した』って…何やったんだよ、姉貴…) 

姉「でも、それ以来女は男性恐怖症というか、男達の視線を怖がるようになったのね」 

姉「最初のうちはまだよかったんだけど、そのうち女友たちにも彼氏ができたりして」 

姉「一緒に遊ぶときに女が怯えたりしてさ、さすがにこれはまずいんじゃないかなって」 

男「…彼氏同伴だと一緒に居れないってことか…姉彼さんも?」 

姉「あ、彼については女が高校の時から面識があるから大丈夫みたい」 

姉「で、彼にそのことを相談したら、彼の答えがさっきの発言だったのよ」 

男「…姉彼さんの発言の意図が読めん…」 

姉「簡単に言うと、『女』にとって自分より弱い存在の年下の『男の子』と付き合えば、恐怖心も小さくて怯えないんじゃないかって」 

男「それで女さんをうちに連れて来るようになったのか?」 

姉「そう…女の家は町の反対側で遠いし犬が苦手だから、それまではうちに誘うのは控えてたんだけどさ」 

姉「でもよく考えたらさ、アンタってまだガキのくせに『オンナ』に幻想を抱いてないし」 

男「まあ、姉貴を見てるからな」 

姉「…それどういう意味?まあ、普通の『オトコ』はそうじゃないんだけどね…。で、生真面目なくせに楽観的だしヘタレだし」 

男「…なんかバカにされてる気がするんだけど?」 

姉「イヤチガウヨ。で、女を家に連れてきたんだけどさ」 

姉「彼が言うように、女も怯えてなさそうだったし…これはいけるかなって」 

姉「で、何回か連れてきてるうちに女のほうもアンタに興味を持ち始めたって訳」 

男「…でもその話だと俺は…あて馬だったのか?」 

姉「……怒った?」チラッ 

男「………いやいや、ちょっとまてよ?これって怒るところか?」 

姉「え?」キョトン 

男「プレゼント一つ選ぶのにさ、こんなにドキマキしていろんなこと考えてさ、女さんの反応を想像したりしてさ」 

男「今の俺ってさ、これまでの人生の中で最強に浮かれてるんだぜ?」 

姉「…」パチクリ 

男「まあ、キッカケはどうあれ、今の俺は女さんと出会えてよかったって思ってる」 

男「そのキッカケを作ってくれたのは姉貴たちだろ?感謝してるよ」 

姉「…エグッ…ヒック…」 

男「ありがとう、姉貴。俺と女さんを出会わせてくれて」ニコッ 

姉「…ウック…うう…うぇぇぇ………;;」ポロポロ 

男「あ、いや、泣くようなとこじゃないだろ」アセアセ 

姉「だって…ヒック…ずっと…ヒック…気になってたんだもん…アンタを…騙したみたいでさ…」ズビッ 

男「まあ、あて馬だったとしても、本命馬になれば万事解決!ってことで姉貴殿!」 

男「協力よろしく!」ビシッ 

姉「…おう!まかせろ!!ヒック…」ビシッ 

〜12月24日(水)・○○駅前〜 

男「う〜、あっちを見てもこっちを見てもカップルだらけだぜぃ」 

男「6時半に待ち合わせだから来るのは7時頃だろうなぁ」 

男「襟元立てとかないと体温が逃げるし、だんだん寒くなってきた…あ」ノシ ブンブン 

女「お待たせしました〜」タタタ 

男「仕事のほうは大丈夫ですか?今日はいつもより早いから…」 

女「今日はクリスマスイブだからって若手と女性陣は早々に帰されたんです」 

男「なるほど。いい会社ですね。とりあえずサテンに行きましょう。体が冷えちゃって…」 

女「はい」クスッ 

〜喫茶店〜 

男「ふぅ〜、やっぱホットコーヒー最高ですね♪」 

女「…ひょっとして、ずいぶん待ったんですか?」シュン 

男(うっ!俯き加減で下から見上げられるといろいろとヤバイ!) 

男「い、いやいや、5分ほどしか待ってなかったんですが」 

男「マフラーを忘れたせいで、首元から熱が逃げちゃって」ポリポリ 

女「なぁんだ!」パァッ 

男「?」 

女「私の今日のプレゼント、何だと思います?」ニコニコ 

男「ずいぶん大きな袋ですね…なんだろう?」チラッ 

女「うふふふ、これ、開けてみてください♪」 

男「…いいんですか?」ゴソゴソ 

女「♪」ジー… 

男「…!これは…手編みのマフラー!?」フサァ… 

女「久しぶりに編んだから、ちょっと目が揃ってないかもしれないけど…」テレッ// 

男(ベージュのマフラーに赤のイニシャル…なんかすげえ嬉しいぞ!) 

女「…あ、あの」 

男「ありがとう!すごく嬉しい!!」ダキッ 

女「あっ…//」 

男「あっごめんなさい!調子に乗っちゃいました…」アセアセ 

男(でも、女さんの体、柔らかくていい匂いがしてた…) 

女「…いえ…私も…その…嬉しかった…です」カァ// 

男「…え?」 

女・男「「…」」カァ// 

男(あっ!俺もプレゼント渡さなきゃ!!) 

男「あの、女さん」 

女「は、はぃ!」 

男「これ、俺からのプレゼントです!」 

女「え?あ、ありがとうございます」 

男「開けてみてもらえますか?」 

女「あ、開けていいんですか?」 

男「ぜひお願いします」 

女「は、はい、では…」ガサガサ 

男(ドキドキ…) 

女「…!?」カパッ 

女「…ネックレス?…え?…これってゴールド?…ええ?」 

男「…ひょっとして…ネックレスは好きじゃなかったんですか…?」 

女「いえ、違うんです!…男さん中学生だし…こんな高いものは想像してなくて…」 

女「ネックレスは前から欲しかったんですよ。でも、なかなか気に入ったものがなくて…」 

女「…嬉しい…グスッ…嬉しいです、男さん。ありがとうございます」ヒック 

男「…良かったぁ…ホントに良かったぁ…」ホッ… 

女「…グスッ…プレゼント、首繋がりですね」 

男「あ、そういえば」 

女「…ふふふふ…グスッ」 

男「あははは」 

〜駅前の駐車場・女の車の前〜 

女「それじゃ、今日はありがとうございました」ペコリ 

男「こちらこそ、ありがとうございました」ペコリ 

男「マフラー、暖かいです♪」ニヨニヨ 

女「…巻きが緩んでますよ?」 

男「え?そうですか?」 

女「直しますから、ちょっと屈んでください」スッ… 

男「こうでs…んっ!」チュッ 

女・男「「…」」 

女「…それじゃ、おやすみなさい!」カァ// 

バタン!キュルキュル ブロロロ… 

男「…」ポー 
  ・ 
  ・ 
  ・ 
〜30分後〜 

男「…ひぇっくしゃい!…あ、あれ?俺、こんなとこで何してるんだ?…」 

〜男の部屋〜 

男「…キス…したんだな…女さんと…」ニヘラ 

男「唇、柔らかかったな…」ニヘラッ 

姉「おっとこー!」ガラッ 

姉「今日の戦況報告をしろー!…あれ?」 

男「…」ポー… 

姉「…うーん、この様子だと撃沈かぁ…よしよし、一緒に次の手を考えよう、ね?」ポンポン 

男「…ん?…ああ、姉貴か。お帰りー…」ポー… 

姉「なあに、一回ぐらいの失敗ならまだ取り返しがつくさ!今日何があったのかお姉さんに話しな?」ナデナデ 

男「…女さんに…キス…された…」ポー… 

姉「そうかそうか、女にキスされたかー…ん?…チョットマテ。『シタ』んじゃなくて?『サレタ』ってこと?」 

姉「女にキスしようとして嫌われたってんじゃなくて?女にキスされた?」 

姉「…ちょっとアンタ!顔みせな!!」グイッ 

男「…」ポー… 

姉「…ダメだこりゃ。魂吸い取られてるわ…」ジー… 

姉「よし!女に電話してくる!!」ニヤニヤワクワクトタタタタ… 

男「…女さん…」ポー… 
  ・ 
  ・ 
  ・ 
男「……zzz」ニヘラッ 

〜12月25日(木)・男の家〜 

男「おはよ…」 

姉「…あれ?早いじゃん。冬休みでしょ?」 

男「…あ、そっか。忘れてたわ」 

姉「こりゃ相当舞い上がってるわ…ま、昨日は女のほうも珍しくよく話してたからねぇ…」 

男「もう一度寝てくる…」 

姉「で、次はいつ会うの?」 

男「…あー…約束するの忘れてるわ。今夜にでも電話しよう…」 

姉「…アンタ、大丈夫?」サスリ 

男「…今なら空も飛べそう」ニヘラッ 

姉「もう…どうしようもないな、こりゃ」ハァ 

男「それより姉貴、仕事は?」 

姉「あぁ!やばいいいいぃ!!」ドタタタタ 

男「…寝よう」 

〜12月28日(日)・駅前〜 

男「あ、女さん」 

女「…お待たせ」ニコッ 

男(あー…やばい、まともに女さんの顔が見れない…)チラッ 

女「…どうしました?」ジー… 

男「いや、その…上目遣いで見られると…照れます…」カァ// 

女「…あら」フフッ 

男「…と、とりあえず、サテンに行きましょう」 

女「はい!」ギュッ 

男(!) 

女「…手、暖かいです♪」ニコニコ 

男(…なんか、女さんに振り回されてる感じが…こんなに積極的だったっけ?) 

〜喫茶店〜 

男「女さん、なんか、ちょっと変わった感じがしますね」チラッ 

女「そうですか?」ジー… 

男「なんか…その…明るくなって…積極的ですね」 

女「イメージ、変わっちゃいました?」 

男「うん。あ、悪い意味じゃなくてですね、なんかこう…すごく素直になって可愛さ倍増というか…」 

女「え?そんな…」カァ// 

男「いえ、本当に…一緒に居るだけでなんか…ドキドキしてしまって…」 

男「…ごめんなさい。一人でテンパってます」ペコッ 

女「いえ、そんな。私もちょっと…」モジモジ 

男「でも女さん、本当に可愛くなりましたよ、クリスマスの時から。いや、その前から可愛かったんですけど」 

女「褒め言葉として取っておきますね?」ニコッ 

男(ヤバイ!心臓が暴走しそう!!) 

男「以前の女さんもいいけど、今の女さんもすごくいいです」 

女「あの…私が変わったとしたら、それは男さんのせいですよ?」 

男「え?俺、なんかしちゃいました?」ドキッ 

女「男さん、よく姉さんの話をするじゃないですか」 

女「それでね。私、姉さんに嫉妬したんです。」 

男「嫉妬?でも姉貴は身内だからそんなんじゃ…」 

女「いえ、私が嫉妬したのはそういうことじゃなくて…」 

男(?) 


女「男さん、気付いてないかもしれないけど、姉さんの話をしてるときって、すごく…素敵な優しい笑顔になってるんです」 

男(…そうなのか?) 

女「なんかこう…愛しい人っていうんですか?そんな感じで話す男さんを見て…」 

女「私も、男さんのあの笑顔で見つめてほしい…って思ったんです」 

女「自分でも我侭だって思いましたけどね」クスッ 

女「…変でしょ?でも、嫉妬してることに気付いたのはクリスマスの時なんです」 

男「え?」 

女「…男さんに抱きしめられた時なんです」カァ// 

男「あっ…」カァ// 

女「あのときね、心臓がドキドキして苦しくって…でも離れたくなくって…このまま男さんの温もりを感じていたいって…」 

男(あのとき俺は無意識に抱きしめちゃって…) 

女「そのあと駐車場に着いた時、ああ、このあと男さんは姉さんのいる家に帰っちゃうんだな…」 

女「そう思ったらなんだか寂しくなって…男さんにずっと想ってもらうために、自分の出来る事ってなんだろう?って…」 

女「その…キスしちゃったんです」カァ// 

男(俺のこと、そこまで想ってくれてるなんて…) 

男「…なんか、すごく嬉しいです」 

女「え?」 

男「女さん、本当は今の話はしたくなかったでしょ?」 

女「…」コクリ 

男「それでも話してくれた。すごく勇気のいることですよ、それって。そして…」 

男「…俺、そんな女さんを誰にも渡したくないです!」 

男「女さん、こんな奴ですがお付き合いしていただけますか?」 

女「い、いえ!こちらこそお願いします!」ペコッ 

男「あ、ありがとうございます!女さん!!」 

女「…えへっ」 

男「女さん、泣いてますよ?」グスッ 

女「男さんも…ですよ?」グスッ 

男「…嬉し泣きです」グスッ 

女「私もです…」グスッ 

〜1月1日(木)・男の家〜 

男「年賀状、年賀状…と」ガサゴソ 

男「今年は13枚か。あ、女さんからも来てる」 

男「…この妖怪、ひょっとして酉のつもりか?」 


〜1月3日(土)・男の家〜 

姉「どう?この振袖♪」 

男「ああ、可愛い可愛い。あとは襟巻きだな」 

姉「うぅ〜…あれ苦手…狐の顔が…」 

男「でも、振袖に毛糸のマフラーじゃミスマッチもいいとこだぜ?」 

姉「くそう、そんなこと、あんたに言われるまでもなく分かってるわよ!」 

男「…外に出るときだけ巻きゃあいいんじゃね?」 

姉「…そうするわ」ハァ 

男「じゃ、そろそろ出るよ?姉彼さん、家の前で待ってるし」 

姉「そだね。女の家にも寄らなきゃいけないからね♪」 

〜姉彼さんの車・移動中〜 

姉「…でもアンタ達、本当に付き合うようになるとは思わなかったわ」 

男「何だよ、うまくいくって思ったから紹介したんじゃないのかよ?」 

姉「や、まあ、うまくいくとは思ってたけど…正直、半々ぐらいだったんよ?」 

姉彼「俺はそうでもなかったけど?」 

姉「あー!この裏切りモノー!!」ペシペシ 

姉彼「やめろって。事故るぞ?」 

姉「むー…」プクー 

男「…まあ、自分でもこんなことになるとは思わなかったよ」 

男「でも俺、ホントに今幸せって思えるから…皆に感謝です」 

姉・姉彼「「…」」 

姉「…よーし!今日は皆で楽しむぞー!初詣のあとは家でカルタ大会だぁー!」 

男「おーっ!」 

〜女の家の前〜 

ピンポ〜ン 

?『はーい?』 

姉「あ、姉です。女さんはいますか?」 

?『あー、ちょっと待ってくださいね。今準備してますから』 

姉「はい」 

姉彼「なんだって?」 

姉「もうすぐ出てくるって」 

男(…女さんの家・・・初めてみたけど、庭なんかも手入れされててきれいな家だな…) 

ガチャッ 

女「お待たせしました〜」ソロソロ 

姉「おーっ!女、可愛いよぉ!」 

男(うわぁ!振袖の女さん、いつにも増してむちゃくちゃ可愛い!) 

女「えっと…その…どうかな…?」チラッ 

男「…すみません、めちゃくちゃ可愛くて昇天しそうになりました」カァ// 

女「ダメですよ!昇天するのはまだ早いです!!」ペシッ 

男「あたっ!…目が覚めました」 

女「よろしい」クスッ 

男「着替え、トランクに入れとくね」 

女「うん、お願いします」 

女母「……」ジー… 

姉「…女、乗って乗って。初詣に行くよー♪助手席はあたしのものだからねー」 

女「あ、はーい。じゃあ、行ってきます、お母さん」 

女母「…いってらっしゃい」 

姉「………」 

男「頭、気をつけて」 

女「はい、ありがとう、男さん」 

〜地元のちょっと有名な神社〜 

姉彼「まずはお参りを先に」 

姉「えぇ〜!?おなか空いたー!」 

女「あ、姉さん、たい焼き半分あげる」 

姉「お、サンキュー♪ってか、いつの間に買ったの?」 

女「男さんが…ねぇ?」ニコッ 

男「だって俺も腹減ってたし…ねぇ?」ニコッ 

女「でも、たい焼き食べてると」チラッ 

男「手を繋げないのがちょっと…ねぇ?」チラッ 

姉彼「…ハァ、もういいから早くお参りしよう」 

姉「ホント。この二人見てると呆れてしまうわ…」 

  ・ 
  ・ 
  ・ 
男「うわっ!おみくじ最悪!!」 

女「うわぁ…私、凶のおみくじって初めて見た…」 

男「うぅ…慰めてください」シクシク 

女「よしよし」ナデナデ 

男「で、女さんはどうだった?」 

女「私は…ナ・イ・シ・ョ♪」 

男(!唇に人差し指を当てる女さんが可愛すぎる!) 

姉彼「はいはい、二人とも。写真撮るからそこに並んで」 

女・男「「え?」」 

姉「早くしてよ。次はあたし達も撮ってもらうんだからね!」 

男「あー、うん。了解」 

姉「ほらもっとくっつい…これ以上くっつき様がないわね…」 

姉彼「じゃ、撮るよー。はい、ちーず」 



  ・ 
  ・ 
  ・ 
女「ね、あっちに絵馬があるよ。行ってみよう?」 

男「オッケー。合格祈願だな!」 

姉彼「おーい、30分後に車のところに集合だぞー!」 

男「了解でーす」 

姉「あれ?女は?」 

男「あぁ、お花摘んでくるって。姉彼さんは?」 

姉「雉撃ってくるってさ。…アンタ達、うまくいってるみたいね」ウリウリ 

男「あー、おかげさんで♪」ニコッ 

姉「女、変わったよねぇ。明るくなったし、敬語もあんまり使わなくなったし」 

男「うん、それでますます可愛くなったし」ニヘラ 

姉「惚気まくりだね…ハァ…アンタ、女のエリアの中に入れてもらえたみたいだね?」 

男「エリア?何それ?」 

姉「自分の大事なものはさ、他の人に手出しされないように、いつでも守れるところに置いておくでしょ?」 

男「うん」 

姉「その『いつでも守れるところ』っていうのが『エリア』なのよ」 

男「なるほど。でも、守られるより守りたいなぁ。よし!俺も女さんをエリアの中に…」 

姉「はいはい…でも、気になることがあるんだ…」ボソッ 

男「え?」 




〜男の家・居間〜 

姉彼「久しぶりのお泊まりだな」 

男「今日は親も兄貴を連れて親戚巡りで帰ってこないですし」 

姉彼「親御さんたちがいないときにお泊りってのも気が引けるんだが」 

男「まあ、俺が居ますからあまり気にせずに。お茶、入れますね?」 

姉彼「ああ、頼む。」 

男「コーヒーでいいですか?」 

姉彼「問題なし」 

男「…テレビも三が日が過ぎるとつまらないですねぇ・・・」コポコポ 

姉彼「…なあ、男くん」 

男「なんですか?」 

姉彼「進学はどうするんだ?」 

男「…姉貴…ですか?」 

姉彼「いや、俺が聞きたいだけ」 

男「去年、兄貴が私大に行ったのは知ってますよね?」 

男「…うちは貧乏だし、親にも昔から高校を卒業したら家をでて働けってずっと言われてたから…」 

姉彼「やっぱり工業高校…か」 

男「はい。手に職を就ければ食いっぱぐれはないですし」 

男「姉貴にも借金を返せますからね」ニコッ 

姉彼「…偏差値60だっけ?普通科でもそこそこの進学校に行けるのになぁ…」 

男「仕方ないですよ」 

男「…それに、早く金を稼げるようになって一人前になりたいですし」 

姉彼「まあ、自分で選んだんなら後悔しないようにな」 

男「はい」 

トントントントン ガチャッ 

姉「おまたー♪」 

女「…」モジモジ 

姉彼「お、こりゃまた可愛い服だな」 

男「?…どうしたの?女さん」 

姉「女ってさ、結構ドジッ娘なんだよ?」 

男「ん?そうかなぁ、そんなこと無いように思うけど?」 

姉「だってさぁ」チラッ 

女「…姉さん!」コソッ 

姉「下着持ってくるの忘れてるんだもん」ニヤッ 

女「!?」カァ// 

男「!?でも、問題ないんじゃないか?下着なんて風呂入るときぐらいしか着替えないだろうに」 

姉「チッチッチ。アンタ知らないの?着物のときは下着を着けないって言うのが常識なんだよ?」 

男「え?…っていうことは…つまり…」ドキドキ 

女「もう!男さんのエッチ!!」ベシベシ 

姉「あははは。あたしのやつ貸したわよ。いくらなんでもそりゃないわ」 

男「…そ、そうか…びっくりしたよ。でも、何で女さん赤くなってんの?」 

姉「ああ、ブラはサイズが合わなかったからねぇ?」 

女「もう!知らない!!」 

男「あー…えーとぉ、その…女さんぐらいのほうが好きだよ?」ポンポン 

女「慰めになってないですよぉ…ふえぇぇぇ〜ん;;;;」 

姉(ちょっ、アンタ!チッパイ認めてどうすんのよ!!)コソコソ 

男(いや、だって嘘はつけないだろ?)コソコソ 

姉彼「…とりあえず、たこ焼き食べようよ」 

〜男の部屋〜 

男「もう、姉貴も姉彼さんもはしゃぎ過ぎ!」 

女「うふふ。あとのほうなんかカルタ札の取り合いで家中走り回ってたね」 

男「…あの二人、なんだかんだ言ってお似合いだよなぁ」スッ 

女「そうだね…」ダキッ 

男(…なんか…肘に当たってるような気が…) 

女「…」ジー… 

男(うわぁ!めっちゃ上目遣い!!これって…アレだよな?) 

女「感じる?」 

男「え?へ?」ドキドキ 

女「私、こんなに胸がドキドキいってるの…」ムニュ 

男(うぅ…やっぱりこのやわらかい感触は…女さんのオッパイだよ) 

女「でもね、気持ちはすごく安らいでるんだよ?」 

男「え?」 

女「こうして…男さんの腕にしがみついて…男さんを感じながら…」ジー… 

男「…」チュッ 

女「…お返し」チュッ 

壁の向う『ソコダオシタオセ』 

女・男「「…ぷっ」」 

女「うふふふ」 

男「あははは」 

男「姉貴ー!聞こえてんぞー!」ドンドン 

〜夜・居間〜 

男「やっぱ大勢で食べる晩飯はうまいなぁ♪」 

女「これ、私が作ったの。ブリの照り焼きなんだけど」ヒョイ 

男「ん」パクッ モグモグ 

女「あっ」 

男「うん、うまい!」ニコッ 

女「よかったぁ。でも『あーん』って言うまで待ってね?」ニコッ 

男「あ、ごめんごめん。ところで女さん、和食が得意なの?」 

女「男さんが好きだって言うから…頑張ったんだよ?」ニコッ 

男(うわぁ、すげえ可愛いぞ!) 

姉「男ー、このから揚げ食べてみ?」 

男「姉貴が作ったのか?ん…おっ!姉貴も腕をあげたじゃん!!」モグモグ 

姉「お?美味しい?えへへへ、やったね♪」 

男(なんか…いいなぁ…久しぶりだな、こんな楽しいのは…) 

  ・ 
  ・ 
  ・ 
姉「おさきー」 

女「お風呂空きましたよー」 

男「ほーい、姉彼さん起きてくださーい」ユサユサ 

姉彼「…んー、風呂かぁ?」 

男「そうです。先にチャッチャと入っちゃってください」 

姉彼「んー…」ポリポリ 

姉「もう!シャキっとしなさい!!」ペシペシ 

姉彼「んー」ガチャッ パタン 

姉「さて…っと。布団敷いてくるわ。女も手伝って」 

女「うん」パタパタ 

姉「…男、これ渡しておくね?」コソッ 

男「ん?…これって…」コンドーサン 

男「!?何考えてんだよ、姉貴!」 

姉「いいからいいから♪」 

男「いや、だから!俺と女さんはまだそんなんじゃないんだって!!」 

姉「ありゃ。まだヘタレのままなの?」ニヤニヤ 

男「だから…」 

姉「いいから持っときな。今日使わなくてもいつか使うんだろうし。備えあれば憂いなしだって♪」ポン 

男「あのねぇ…」ハァ 

女「姉さん、どうしたの?早く行こうよ?」ガチャッ 

男・姉「「!」」ビクッ 

女「…?どうしたの?」 

男・姉「「ナンデモナイヨー」」 

姉「よし!チャッチャと敷いちゃおう!」 

女「うん」ガチャ パタン 

男(うーん…)コンドーサン 

男「いやいやいやいや!まだ早いって!!」アセアセ 

姉彼「何が早いって?」ガチャ 

男「!?な、なんでもないです!風呂入ってきます!!」ドタドタ 

姉彼「…?」 

〜1月4日(日)・男の部屋〜 

男「…んー…ん?」 

女「…」ジー 

男「………おはよ」ボー… 

女「おはよう」ジー 

男「…どしたの?」ボケー 

女「…2回目の目撃です…」ジー 

男「…へ?」 

女「これって正常な男子の生理現象だって教えてもらったから…」ジー 

男(…えーっと?つまり…)アサダチーン 

女「…今度から恥ずかしくない様に…今のうちに見慣れておかなきゃ…」ジー 

男「いやいやいやいや!見慣れなくていいから!!俺が恥ずかしいから!!」ガバッ 

女「あ!布団で隠さないで!!」グイッ 

男「男子存亡の一戦、今ここにあり!」ドタバタ 

隣の部屋『ウルサイゾー!』 

〜朝食中〜 

女・男「「…」」モグモグ 

姉「まったく…朝立ちぐらいで大騒ぎしすぎなのよ、あんた達」 

男「いやだってさ…」 

姉「で?昨夜はどうだったのよ?」 

男「なにが?」 

姉「ナニよ」 

男「言ってる意味が分からん」プイッ 

女「?」キョトン 

姉「…アンタらの反応、分かりやす過ぎ!…まあ、ヘタレと奥手じゃあねぇ…」ハァ 

女「……あっ」カァ// 

姉「女もようやくわかったみたいね。ホントにこの二人は…いつになったら結ばれるのやら」ハァ 

姉彼「まあ、焦らずとも良いんじゃないか。男君が我慢できるのならな」ニヤリ 

姉「せっかくのチャンスだったんだけどなぁ…」ショボン 

男(何を期待してたんだ、姉貴!) 

〜ボーリング場〜 

順位 :1位 姉彼、2位 男、3位 姉、4位 女 

男「惜しかったね、姉と2ピン差だったよ」 

女「…でも…悔しい…」 

男「…ま、まあ、ゲームなんだし、楽しんでやらないと…ね?」 

女「そうだけど…どうせなら勝ちたかったなぁ」 

男(…うーん、何とか気をそらさなきゃ…) 

男「そういえば姉彼さん、すごかったな!」 

女「うん、びっくりしちゃった!あんなことってあるんだね!!」 

男「すげーダイナミックなフォームでさ」 

女「うんうん!すごい勢いで玉が転がっていって!」 

男「ピンが真っ二つだもんな!」 

女「係りの人が飛んできたもんね!」 

男(良かった…とりあえずうまくいったみたいだな…) 

姉「おーい、ソフトクリームだぞー」 

〜夕方・男の家の前〜 

姉「んじゃ、女を送ってくるね」 

男「ああ、安全運転でお願いしますね」 

姉彼「わかってるよ」 

男「それじゃ、また」ノシ フリフリ 

女「うん、またね」ノシ フリフリ 

姉「…このヘタレ」 

男「ん?なんか言ったか、姉貴?」 

姉「なんでもなーい」 

ブロロロロ… 

男「…」ノシ ブンブン 

男「あ、次会う日を決めるの忘れた」 

〜2月11日(水)・男の部屋〜 

姉「今日はうちで手作りチョコを作りまーす♪」 

姉「ってことで、姉友たちが来るから犬のほう、ヨロシク♪」 

男「了解」 

姉「女も誘ったんだけどねぇ…予定があるらしくってさ」 

男「そうなのか…んじゃ、めんどくさいから今のうちに犬を裏庭に移動しとくわ」 

姉「おぉ!アンタ頭いいねぇ」ナデナデ 

男「いやあ、それほどでも」ポンポン 

姉「てかさ、それって女がいたら犬を抑えていいとこ見せようってことかい?」 

男「…さあ?ナンノコトダカ」 

姉「おぬしも悪よのう」 

男「いえいえ、お代官様には遠く及びません」ホッホッホッ 

姉「よし!じゃあついでにみんなのオヤツ買ってきてよ!!」 

男「チョコでいいか?」 

姉「胸焼けするわボケー!ポテチにしろー!!」 

男「分かった分かった。後は適当に買ってくりゃいいか?」 

姉「お願いー。あ、ちょっと待って。お金出すわ」 

姉「で?アンタ達はあれからどこまで行ってんの?」ゴソゴソ 

男「どこまで…とは?」 

姉「とぼけんじゃないわよ!AとかBとか言うやつよ!!」 

男「えー」 

姉「早く吐け!でないと姉パンチが」 

男「だから…えー」 

姉「…えー…エー…A?」 

男「…」コクッ 

姉「……こんのヘタレ!」バシッ 

男「痛っ!」 

姉「アンタねえ…女と付き合って何ヶ月たつのよ?3ヶ月よ3ヶ月!!」 

男「いいじゃん…俺たちのペースでさ…」 

姉「あーもう!正月の時も手ェ出さなかったし!見ててもどかしいのよ!さっさとヤッちゃいなさい!!」 

男「…いや、今の発言…年頃の女性が言うものではないと思うのですが…」 

男「それにさ、俺一応受験生なんだぜ?受験勉強しなきゃいけないしさ」 

姉「じゃあ受験が済んだらヤッちゃいなさい!」 

男「いや、だからな?俺だけじゃなくて女さんの気持ちも考えなきゃさ?」 

男「女さん、男性恐怖症だったんだろ?」 

姉「あ…」 

男「だからさ、女さんが『もう大丈夫』って思うまで、俺は待つつもりなんだわ」 

姉「…んー」 

男「ま、俺がヘタレ過ぎってのもあるんだけどな!」ニカッ 

姉「…わかったわよ。アンタの想うようにしなさい。それとほら、お金」ポン 

男「はいよ」 

姉「いってらっしゃーい」ノシ フリフリ 




〜2月14日(土)・喫茶店〜 

男「…そろそろ来るかな?」 

カランカラン キョロキョロ 

女「あっ」 

男「こっちこっち」ノシ ブンブン 

女「ごめんね、遅れちゃって」 

男「いやいや、全然待ってないから(30分の遅れは想定内だし)」 

女「そう?それでね、これ…」ゴソゴソ 

男「あ、ありがとう。開けていい?」 

女「あ、うん。」 

男(なんか…ブランデーの匂いか?)ガサゴソ 

男「あっ…ケーキ?」ホワァ 

女「初めて作ってみたの…生チョコケーキなんだけど」 

男「ちょっと一口」パクッ 

女「あっ」 

男「うん、うまい!」ニコッ 

女「よかったぁ〜」ホッ 

店員「持ち込みは困ります」 

女・男「「すみません」」 

店員「御注文は?」 

男「ホット。二つで」 

店員「畏まりました」 

女「…怒られちゃいましたね」 

男「…そうですね」 

女・男「「ククク…」」 

女「うふふふ」 

男「あははは」 




女「ふふ…はぁ…コーヒーを飲んだら今日は帰りましょう」 

男「え?なんで」 

女「ほら、学業成就のお守り。男さん、受験生だってこと忘れてない?」ポンポン 

男「うっ…そうだった。お守り、いただきます」 

女「私も寂しいけど我慢するから、男さんも勉強、がんばってね」 

男「うぅ…了解です」 

〜3月14日(土)・○○駅前〜 

男「あ、女さーん」ノシ ブンブン 

女「もう!受験間近なのに何してるんですか!!」 

男「いや、今日はホワイトデーだからお返しを…」 

女「そんなのあとでもいいのに!早く帰って勉強しなさい!!」プンプン 

男「…」ダキッ 

女「あっ!」 

男「…もうちょっと…このまま…」ギュウ 

女「……もう…仕方ないなぁ…」ポンポン 

男「…よし!充電完了。」スッ 

女「…」ダキッ 

男「女さん?」 

女「…私のほうは…もうちょっと時間がかかるんです…」ギュウウ 

男「…」ギュウウ 

男「これ。出来合いので申し訳ないんだけど…バタークッキー」 

女「うん」 

男「それと…お守り」 

女「お守り?」 

男「学業成就のお守りのお返し」ニコッ 

女「…ありがとう。そろそろ…」チラッ 

男「うん、それじゃ…」 

女「受験、がんばってね?」 

男「うん。次は受験が終わったら…」 

女「また電話するね?」 

男「うん。じゃ、また…」 

女「うん、またね」 

〜3月20日(金)・合格発表〜 

男「まあ、結果は分かってたけど」 

男「入学案内を貰って帰るか」 

男「親は山菜取りで田舎に帰っちゃってるし…」 

男「…とりあえず姉貴に電話しこう」 

チャリン ジーコロコロコロ… 

男「あ、すみません。男といいますが・・・はい、はい。ええ、姉をお願いしたいんですが…」 

姉『なに?あたしゃ仕事で忙しいのよ。』 

男「あ、合格したから」 

姉『あっそ。じゃあ切るよ』ブツッ プーップーップー… 

男「…帰ろ…」 

〜男の家・PM6:30頃〜 

男「…zzz」 

姉「おっとこー!いるかー?」ガラッ 

男「んー…」ゴロリ 

姉「起―きーろー!」ガバッ 

男「…あー…姉貴?オカエリー…寒いから布団返して…」モゾモゾ 

女「暖めてあげましょうか?」クスクス 

男「お願い…………えっ?」クルッ 

姉「まったく…合格したお祝いにさ、わざわざ女をお持ち帰りしてきたってのに」ブツブツ 

女「あは、お持ち帰りされました♪」ニッコリ 

ガバッ 

男「お、おお女さん?」 

女「はい?」ニコニコ 


男「…えー…」 

姉「…さて、あたしゃ晩御飯の材料買ってくるから、1時間は帰ってこないよ?」 

男「あー…姉貴」 

姉「なに?」 

男「ありがとな…」 

姉「ん…」ノシ フリフリ 

トタタタ… 

女「男さんっ!」ダキッ 

男「のわわっ!」ドサッ 

女「会いたかったよぉ!」ギュッギュー… 

男「…俺も」ナデナデ 

女「合格、おめでとう」チュッ 

男「ん…ありがとう」チュッ 

女「ん…」スリスリ 

女・男「「…」」ギュー… 

 


女「…ずっと…我慢してたんだよ。でも、男さん受験だから…」ポロポロ 

男「…」ナデナデ 

女「だから…男さんが合格したら…して欲しいこといっぱい考えて…」ポロポロ 

男「…俺でできることなら何でも」ナデナデ 

女「…いっぱいいっぱい…我儘なこと考えちゃったよぉ」ポロポロポロ 

女「でも…こうやって男さんに抱きついたら…ずっとこのままでいい…」ギュー 

男「女さん…」ナデナデ 

女「…あれ…お正月の写真だね」 

男「ああ、ああやって机に飾っといたら女さんに応援されてるような気がして」ナデナデ 

女「そうなんだ…」ギュー… 

ジリリリリ… ジリリリリ… 

女・男「「!」」 

男「…電話、出てくる」 

女「うん」スッ 


男「はい、もしもし?ああ、うん、合格したよ。…え?うん、入学金の振込みは来週いっぱいだから。後は急ぐものはないかな?…は?今日明日?ん、分かった。姉貴にも言っとくわ」ガチャン 

女「御両親?」 

男「うん、今日明日は帰らないってさ。」 

女「合格したって言ったの?」 

男「うん、入学金やら手続きやら聞いてきたけど、書類見せたほうが早いからね」 

女「…なんか…やだな」 

男「ん?なにが?」 

女「だって…自分の子供が合格したって言うのに、自分たちの用事を優先させてるんだよ?」 

男「そうかもしれないけど、俺はそれでいいと思ってるよ」 

女「なんで?」 

 

男「うん、俺の場合さ、本当に助けが必要なときは頼ってくるって分かってるからじゃないかな?」 

女「…」 

男「だからそうじゃない限りは、親は親で好きなことをしていいんじゃないかと俺は思ってる」 

男「それにさ、自分の子供を信用してないとできないでしょ?こういうこと」ニコッ 

女「…そういう風に考えるんだ…」 

男「…変?」 

女「うん、また男さんの神秘を覗き見したような気分」ニコッ 

男「神秘って、大げさな」ククク… 

女「やっぱり男さんってちょっと変わってるね」ニコッ 

男「…それって珍獣ってこと?」 

女「うーん、近いかも」クスッ 

男「まったく…部屋に戻ろっか?」 

女「はーい」ニコッ 

女「男さん、まだ寝たりないんじゃない?」 

男「?そんなことは…」 

女「膝枕、してあげようか?」テレッ// 

男「いやー、まだちょっと寝足りないかなーって思ってたんだ♪」ゴロッ 

女「はいはい。じゃ、ここに頭を乗せてね?」ポンポン 

男(うわあ、ヤバイくらいに気持ちイイ!しかも女さんのいい匂いが!!) 

女「…どうかな?」ナデナデ 

男「最高っす!気持ちよすぎて昇天しそう!!」 

女「もう!昇天するにはまだ早いってば!!」ペシッ 

男「…生き返りました」 

女「よろしい」クスッ 

男「……あー」 

女「どうしたの?」ナデナデ 

男「いや、こうして女さんと二人っきりでのんびりするのって初めてじゃないかなー…って」 

女「そういえば…本当に二人っきりって言うのは初めてかなー…」 

男「…」 

女「………しよっか」ボソッ 

男「えっ?…んっ!」 

女「…」チュッ…クチュ…ヌチュ… 

男(!女さんの舌が入って…女さんキスしながら服…脱いでる!?) 

女「んはぁっ…男さんも…脱いで…」 

男「あ、ああ、うん」ストン 

女「…ベッドのほうは見ちゃダメよ」シュルシュル パサッ 

男(衣擦れの音が!……コンドーサンは…箱ティッシュの陰に…っと)ヌギヌギコソコソ 

女「…バスタオル…ある?」 

男「そこの引き出しに」 

女「…まだ見ないでね?」モゾモゾ 

男(…ベッドに潜り込んでるのか?) 

女「…もういいよ…男さんも…来て…」 

男(女さん、布団の中から顔だけ出して…)「…うん」モゾモゾ 

女「えいっ!」ダキッ 

男「おわっ!」ドキッ 

女「あぁ…男さんの肌の温もりだぁ…気持ちいいよぉ…」スリスリ 

男「…女さんも暖かくて気持ちいいよ」ナデナデ 

女「…ねぇ、男さん。上に乗ってもいい?」 

男「うん」 

女「えへへ」ダキッ 

男(おおっ!やべえ、女さんの胸が俺の胸に当たってるのがわかる!) 

女「ん…」チュッ…クチュ…ヌチャ… 

男(オッパイ…思ったより大きいな…)モミモミ 

女「んぁっ!…んっ…チュッ…レロッ…あっ…」 

男(揉み辛い・・・体を入替えよう)グイッ 

女「んんっ!あンっ…お、男!」 

男(うわあ、下から上目遣いで見つめられるとヤバ過ぎる!) 

男「…好きだ…女…」チュッ 

女「!?」ダキッ 

男「お、女?」 

女「うっ…えぅ…や、やっと…」ポロポロ 

女「やっと呼び捨てで呼んでもらえたぁ」ポロポロ 

男「…あ」 

女「…寂しかったんだよ?いつまでも『さん』付けで…他人行儀だったから…」グスッ 

男「…そっか。じゃあ、俺のことも呼び捨てで…」ナデナデ 

女「…男…」グスッ 

男「女…」ジー 

女・男「「…」」クスクス 

女「…男…きて?」 

男「ん…」チュッ…クチュ… 

男(胸も揉みながら…乳首は…)アムッ レロレロ… 

女「ん…あン…はぁん…んん…ああっ!」 

男(口に含んで・・・転がすようにだっけ?) 

女「あん…んっ!…いぁっ!…お、おとこぉ」クネリッ 

男「女…好きだ…大好きだ」チュバッ チュッ ハムッ 

女「あんっ…んんっ」 

男(そろそろ下半身のほうもいいかな…)ツツー… 

女「あっ!ひっ…いっ…」 

男(なんだこれ?パンティーの上からなのに…ベタベタだ!) 

女「はっ…はっ…お、おとこぉ…おとこぉ…」 

男(脱がすときは両脇を持って一気に…だったか?)ズリッ! 

女「!いやっ!はずかsんんっ」チュッ 

男(思わずキスで口を塞いだけど…手はこのまま下半身に…)クチュクチュ 

女「んーっ!んーっ!!ぷはっ…あうっ!い、いぁあ!!」クネリッ 

男(女のアソコ、ヌルヌルですごく濡れてる!) 

女「あうっ…いんっ…ああっ!」クネリッ 

男(女の中、指先を入れただけなのに…震えが来るくらい暖かい!) 

女「お、男…ちょ…っと…待って…お…願い…」ハァハァ 

男「…大丈夫?」スッ 

女「…頭の中が…真っ白になって…体中に…電気が流れたみたいで…」ハァハァ 

女「…ハァ…男、もういいよ?」ナデナデ 

男「ちょっと待って。これつけるから…」コンドーサン 

女「…」フルフル 

男「女?」 

女「…いいの…初めてだから…そのままの男で…きて?」 


男「女…ありがとう」 

女「…」コクッ 

男(女のアソコ…舐めていいよな?)チュッ チュバッ レロレロ… 

女「ひん!…ひやぁ…そこは…ああっ!」ビクッ 

男(思ったよりしょっぱくないな…舐めても舐めても溢れてくる…) 

女「お…おとこぉ…もう…もう…」ビクッビクッ 

男「女…いくよ?」スッ 

女「ハァ…ハァ…」コクン 

男(…震えてる…怖いんだろうな…けど) 

女「…だ、いじょうぶ、…だい、じょうぶ…」フルフル… 

男(確か…ここだな?)メリッ 

女「んっ!…あいっ!…」ギュッ 

男(きつっ!すげえ締まってくる!!きつっ!)メリメリ… 

女「…んぅっ!…ああっ!…あーっ!」ギュー… 

男「…奥まで入ったよ」 

女「…あっ…」ジワァ…ポロッ 

男「…やっとひとつになれた」ナデナデ 

女「…うん…うれしい」ギュー…ポロポロ 

男「女…大丈夫?中がズキズキしてるのがわかるよ?」 

女「大丈夫…中で…男が…ドキドキって…いってるのがわかる…」ハァハァ 

男「女…」チュッ 

女「ん…男…」チュッ 

男(女の中…暖かい…すごく気持ちいい)チュッ チュバ 

女「…ん…ぷぁ…男…もう…動いていいよ?」ハァハァ 

男「…じゃ…いくよ」ズッ ニュル ズッ ニュル 

女「ん…あん!…はぅ!…いっ!…あっ…」ギュッ 

男(くうっ!締まる!ダメだ、も、もう…!)ズッ!ビクンビクンビクン! 

女「…あ!…んっ!…はぁん!」ビクッビクッ 
  ・ 
  ・ 
  ・ 
男「女…ありがとう」ナデナデ 

女「ううん…」ギュッ 

男「大丈夫?動ける?」ナデナデ 

女「…うん、大丈夫」ギュー… 

男「そろそろ姉貴が帰ってくるから…服、着なきゃな」ナデナデ 

女「…もう少し…このままでいたいなぁ…」ダキッ 

男「女…好きだ」チュッ 

女「…私も…男が好きです」チュッ 

男「着替えも終わったし…いつ姉貴が帰ってきても大丈夫だな」キョロキョロ 

女「…姉さんの顔、見れないかも…」カァ// 

男「女、今日はすごく積極的だったけど…そんなに寂しかったんだ…ごめんな」 

女「ううん、それも少しはあるけど…会えないときにいろいろ考えてたって言ったでしょ?」 

女「…ホワイトデーに貰ったお守りも…考えるきっかけだったの…これ…」ゴソゴソ 

男「お守り?…え?安産?…あれ?交通安全だと…え?」パニック! 

女「…やっぱり間違えてたんだ」クスッ 

男「ごめん!今度はちゃんと交通安全のやつ買ってくるから!!」 

女「いいの。今日ね、こんなに勇気が出せたのも…このお守りのおかげだから。このお守りを見ててね…私が男の子供を抱いてるところを想像したりしてたんだ…」フワッ 

男(気が早い!ってか、今の女の顔やばすぎる!!) 

女「男はまだ実感がないかもしれないけど…私はもう子供を産めるんだよ?」 

女「そう思うとね…体を重ねるのも不自然じゃないなー…って、ね?」カァ// 

男「…やっぱりすごいよ、女は。ますます惚れた!」ギュッ 

女「えへへへ」ギュッ 

トタタタタ… 

姉「ふたりともー!チチクリあっとるかー!」ガラッ 

女・男「「!」」パッ 

男「姉貴!戸を開ける前にノックするとか声掛けるとかしようよ!」 

姉「何いってんの!あたしらの間にそんな作法はいらないってば」 

男「いるよ!ましてや女も一緒に居るんだから!!」 

姉「…アンタ今『女』って呼び捨てにしたよね?」 

男「あっ」 

女「…!」カァ// 

姉「おい!あたしが汗水流して買い物してる間に何があった!!」グリグリ 

男「ナニモナイヨー」 

姉「ホントか〜?」キョロキョロ 

男「ホントホント!」ヒヤヒヤ 

姉「…んー、まあいいわ。晩御飯作るから女も手伝って」 

女「うん…」カァ// 

姉「…?」 


〜晩御飯〜 

男「…何これ?」 

姉「アンタのお祝いじゃない」エッヘン 

男「うん、赤飯はわかる。御馳走も分かる。デコレーションケーキも…まあわかる。お祝いだからな。でもこのメッセージは何?」ビシッ 

姉「なにって、苦労して書いたんだよ?」キョトン 

男「なんで『姦通おめでとう』なんだよ!おかしいよ!!」 

姉「チッチッチッ。あたしゃ何でもお見通しさね!」ニヤリ 

男「なにがだよ!」 

姉「さっき脱衣所に行ったら血のついたイカ臭いバスタオルがあったんだよねぇ〜♪」 

女・男「「!」」 

姉「アレってさ、バスタオル敷いてするでしょ?ってことは…」ニヤニヤ 

女・男「「…」」カァ///// 

姉「で、このメッセージに偽りある?」ニヤニヤ 

男「…ないです」 

女「もう!」ペシペシ 

男「いたいいたい!ごめん、ごめんって!!」 

姉「ありゃりゃ。早速尻に敷かれてるわ」クスクス 

女「うぅー…恥ずかしいよぉ」モジモジ 

姉「よしよし」ナデナデ 

〜食後・居間〜 

姉「女ー、家に電話するよー」 

女「え?どうして?」キョトン 

姉「女、あんたは今日、あたしに無理やり飲まされて酔っ払って寝ちゃったことにするから。そうすりゃ泊まれるでしょ?明日は祝日だし。あ、予定無いよね?」 

女「うん。でも…大丈夫かな?」 

姉「平気平気。いざとなったらホントに飲み過ぎちゃえばいいから♪」 

女「それはちょっと…」 

姉「それと、今夜はあたしの部屋で寝ること!ゆっくりじっくりお話しようじゃないの?」ニヤリ 

女「えー、何のお話しかな…?」ハラハラ 

姉「大丈夫大丈夫。とって食ったりしないからさ♪」ジュルリ 

男「食うな!俺のもんだぞ!」 

女「こらっ!」ペシッ 

男「…調子に乗りました。すんません」 

女「よろしい」クスッ 

姉「まったくこの二人は…女、そろそろお風呂にはいろ♪」 

〜居間・PM10:00頃〜 

姉「はい。いえ、こちらこそすみません。はい、はい。では、失礼します」ガチャ 

男「電話、女んち?」 

姉「そ、女のお母さんから確認の…ね。まったく…自分の娘ぐらい信用しろよって」ムスッ 

男(いや、姉貴を信用してないんじゃ…) 

女「姉さん…ごめんね?」 

姉「いいのいいの。…じゃあ女、あたしゃ先に部屋で布団敷いて待ってるからさ。もうちょっとしたらおいでよ?」トタタタ… 

女・男「「はーい」」 


男「女…膝、座る?」スッ 

女「うん…」チョコン 

男「女…」ギュー 

女「男…背中が暖かいよ」 

男「女も暖かい…いい匂いがする」スンスン 

女「男…恥ずかしいよぉ」テレテレ 

男「女…こっち向いて」クイッ 

女「ん…」チュッ レロッ 

男(女…愛しい…)チュッ チュバッ 

女「…はぁ、男…大好き♪」グイッ 

男「大好きだ…女」ダキッ 

女・男「「♪」」イチャイチャ 


姉「女ぁー、布団敷けたよー。飲み物持ってきてー」 

女「はーい」スッ 

男(あっ…名残惜しいなぁ…) 

女「オレンジジュースでいいかな?」 

男「あー、いいんじゃない?あとつまみにこれとか」ガサガサ 

女「ん、ありがとう。じゃ、行ってくるね。おやすみなさい」 

男「おやすみー、階段、気をつけてなー」 

男(さて…寝るのはもうちょっとテレビ見てからでいいか…) 

〜3月21日(土祝)の朝・男の部屋〜 

男(…えー…) 

女「スー…スー…」ダキッ 

男(女…いつの間に潜り込んだんだ?) 

男(とりあえず…起こさないように抜け出さないと…よしっ)ソー… 

男(脱出成功!という訳で)チュッ 

女「ん…スー…スー…」モゾモゾ 


男「味噌汁よし!大根おろしよし!海苔よし!」 

男「後は起きてくるのを待つのみ!」ドサッ 

トタタタタ… 


〜居間〜 

男「で?」 

姉「アンタさ、昨日の夜のこと、覚えてる?」 

男「昨日?」 

姉「そ。10時ごろにさ、女のお母さんから電話があったでしょ?」 

男「ああ、あったな。その1時間ほど前に姉貴が電話してたのにな」 

姉「あたしもなんか引っかかってさ、女にお母さんのこと聞いてみたんよ」 

姉「女曰く、女を溺愛してるって言うか…なんかそんな感じらしくてさ、出かけるたびに質問攻めらしいよ?」 

姉「まあ、質問するだけでそれでどうこうってことは無いらしいんだけどね」 

男「溺愛って…じゃあ、就職なんかさせないで大学に行かせようとしなかったのか?」 

女「高学歴の女は敬遠されるからってさ、大学には行かせないで花嫁修業させてるんよ。で、将来有望な男を捕まえさせようってことだったみたい」 

男(それであんなに料理がうまかったのか…) 

女「あたしもそれはどうかと思うんだけどねぇ」 

男「…正月のときのことも…関係あるのか?」 

姉「…ああ、女んちに迎えに行った時のことね…んー、どうだろ…?」 

男「さっきの話の通りなら、俺なんて女のお母さんが気に入るはずないよな…」 

女「それは…よくわからないな…」 

男「なんにせよ…ちょっと用心したほうがいいか…」 

姉「…気にしすぎかもしれないけど…そうだね」 

〜4月5日(日)・○○駅前〜 

女「今日はね、ちょっとだけなんだけどお弁当作ってみたの。ウサりんごもあるよ♪」ニコッ 

男「ホント?それじゃあ最初にデートしたときの公園に行かない?(今日は手、熱いな…)」キュッ 

女「公園?」キュッ 

男「あの公園、桜の木が多かったからさ、今すっげえ綺麗だと思うんだ」ニコッ 

女「あ!お花見だね!!」ニコッ 

男「そうそう!あ、荷物貸して」 

女「え?いいの?」 

男「全然オッケー」ニコッ 
  ・ 
  ・ 
  ・ 
女・男「「うわぁ…」」アゼーン 

男「すごい…桜のトンネルが…」 

女「…ずっと先まで続いてるね…」 

男「それに…人も多いし…」キュッ 

女「…手、離さないでね」キュッ 

男「…壮観だな…」ブラブラ 

女「…うん…」ブラブラ 

男「…あっ…」 

女「どうしたの?」 

男「いや、あそこのベンチが空いてるから、ちょっと座ろうか?」 

女「そうだね。ちょっと疲れちゃったし…」 

男「それにお腹も空いたし」グゥゥ〜 

女「お弁当だね」クスッ 


男「うまいなぁ♪」パクパク 

女「そう?よかったぁ」パクッ 

男「料理がうまくて優しくて可愛くて綺麗で…女ってすごいよな!」パクパク 

女「恥ずかしいよぉ…でも、そんなこと無いよ?私から見たら姉さんのほうがすごい人だもの」パクッ 

男「姉貴は…うん、別の意味ですごいかもな」 

女「もう…そんなこと言ってるとまた怒られるよ?」クスッ 

〜男の家・夜〜 

姉「おっとこー、今日はどうだった?」ニヤニヤ 

男「ああ、○○公園に行って弁当食べただけだよ」 

姉「それだけ?もっとほら、血沸き肉躍るイベントとか無かったの?」ウリウリ 

男「女、今日は体調よくないのにさ、無理して来てくれたんだ。だから早めに切り上げてきた」 

姉「…あー…あ?ああ、そういうことかー」 

男「?」 

姉「アンタは分からなくてもいいの!ってか、そのうち分かるよ」ウンウン 

姉「とりあえず子供は…うん」ボソッ 

男(…なんのことだ・・・?) 

〜4月18日(土)・夜・男の家・電話中〜 

女『ゴールデンウィークの予定?』 

男「そう、空いてる日を教えて?」 

女『えーと、5月の3、4、5は家族旅行だね。1日はメーデーだし、2日は旅行の準備だから』 

男「そうすると29日しかない…か」ペラッ 

女『29日は空いてるよ?』 

男「よし、とりあえず29日は抑えといてくれるかな?」 

女『いいけど?』 

男「うちにおいでよ」 

女『え?』 

男「うちの親、29日の朝から2日まで田植えの手伝いで田舎に帰っちゃうし、姉貴は有休とって姉彼さんとお泊り旅行だって言うから、気兼ねなく女との時間をすごせるな…って」 

女『…いいね、それ。私も30日休んじゃおうかな?』 

男「俺、学校だよ?」 

女『そっか・・・そうだよね……』 

男「じゃ、そういうことで。29日、待ってるからね」 

女『うん!』 

男「おやすみ」 

女『おやすみなさい』  ブッ プーップーップーッ ガチャ 

男「さて、寝るか」 

〜4月29日(水)・AM10:00・男の家〜 

ピンポーン 

男「いらっしゃい」ガチャ 

女「おじゃましまーす。今日は犬さん達、居ないの?」 

男「ああ、親父が田舎に連れて行ってるから」 

女「そうなんだ、よかった♪」 

姉「女ー、いらっしゃーい」 

女「あ、姉さん。おじゃまします」 

姉「あ、バタバタしてるけど気にしないでね。男ー、そっちの服も鞄に入れて!」ドスン、バタン 

男「昨日のうちに準備してりゃこんなことにならないのに…」ブツブツ 

姉「早くしないと彼が来ちゃうんだってば!」バタバタ 

男「まったく…先に俺の部屋に行っててよ。これが片付いたら飲み物持って行くから」 

女「うん。うふふふ」 

〜男の部屋〜 

男「お待たせー」ガチャッ 

女「おかえりなさい」ペコッ 

男「ただいま」ニコッ 

女「この部屋にも馴染んできたかも」 

男「そう?」 

女「私、男の人の部屋に入ったのはここが初めてだったんだよ?」 

男「びっくりしたでしょ、汚くて」 

女「ううん、想像より片付いてて意外だったよ」ニコッ 

男(やばい…アヒル座りの女が可愛すぎる!) 

女「…男?」キョトン 

男「…あー、お願いしてもいいかな?」 

女「なあに?」ニコッ 

男「膝枕…」 

女「うん、いいよ」ポンポン 

男「じゃ、遠慮なく」ゴロン 

女「うふふふ、男、子供みたい♪」ナデナデ 

男「こんなに気持ちいいなら子供でもいいな」スリスリ 

女「ダメです。男は旦那さんにならなきゃ」ナデナデ 

男「じゃあ女は奥さんだな」スリスリ 

女「今日は夫婦みたいだね」クスッ 

男「…これからずっと…そうだといいな」 

女「んー、私はもうちょっと先のほうがいいな」ナデナデ 

男「そうなん?」 

女「だって…もっと恋人でいたいもの」ナデナデ 

男「そっか…そうだな。もっと二人でいろんな思い出を作りたいな」 

女「…これからもよろしくね?男」チュッ 

男「こちらこそよろしくな」チュッ 

グゥゥ〜 

女・男「「…ぷっ」」 

女「うふふふ」 

男「あははは」 

女「ふふふ・・・ふぅ、朝御飯、ちゃんと食べた?」 

男「いや、姉貴に起こされてそのまま手伝いに借り出されたから」 

女「ちょっと早いけどお昼にしようか?何か食べたいものある?」 

男「んー、女!」ガバッ 

女「…あとでね?」ポンポン 

グゥルル〜 

女「…すごいおなかの虫だね」クスクス 

男「あーもう!…チャーハン作るわ」 

女「私が作るよ?」 

男「いや、女には晩飯を作ってもらうから。昼は任せてよ」 

女「はい、じゃ、お言葉に甘えて」ニコッ 

〜昼食後・台所〜 

ジャージャバジャバ キュッ 

男「おっし、洗い物終了」ピッピッ 

女「お疲れ様〜」コポコポ 

男「お、コーヒー?砂糖1つで♪」 

女「ミルクたっぷりでしょ?」ニッコリ 

男「よく分かってらっしゃる」ククク 


男「一休みしたら晩飯の買い物、先に済ましちゃおうか?」 

女「あ、それなら来る時に買ってきて、冷蔵庫に入れてあるから大丈夫だよ♪」ニコニコ 

男「おー、手際が良いねぇ」ナデナデ 

女「だって…」チラッ 

男「少しでもくっついていたいから?」ニヤニヤ 

女「もう!」ペシペシ 

男「いたいいたい!女、耳まで真っ赤だぞ」ニヤニヤ 

女「知りません!」プイッ 

男「やれやれ、困ったお姫様だ。よっと」ヒョイ 

女「きゃあ!何?男、ちょっと…お姫様抱っこなんて恥ずかしいよぉ」ギュッ 

男「誰も見てないって。このまま俺の部屋まで攫っていくぞ」トタタタ 





〜PM0:30・男の部屋〜 

ガラッ 

男「到着ー!」 

女「…もう降ろしてよぉ」カァ// 

男「ん、じゃあベッドの上に…」ソー…ポフン 

女「…」ジー… 

男(下から見上げる女が可愛すぎる!) 

女「…男」コクン 

男「…」チュッ 

男(このまま体を預けても…良いよな?)ノサッ 

女「ん…んぁ…」チュッ レロッ 

男(服の上から胸を揉んで…)ムニッ モミッ 

女「んぁ!…ん、んん…」チュッ 

男(ボタンを外して…ブラも…)パチッ スルッ 

女「あん!」チラッ 

男「…綺麗だ、女…」ジー… 

女「…ずるい…男も…脱いで…」ハァハァ 

男「うん」(脱ぐタイミングがよく分からないんだよなぁ、正直助かった)ヌギヌギ 

女「…」ゴソゴソ 

男「女…」ノサッ 

女「おとこぉ」ギュッ 

男(キスしながら…胸を揉んで…乳首を口に含む)チュッ ムニュムニュ レロッ パクッ 

女「ん、はぁん…あぁ…ひっ!」ビクン 

男(…そろそろ片手をアソコに…!もう全部脱いじゃってたのか!!) 

男(…布団の中だから分からなかった…)サワサワ クチュッ ニュッ 

女「いぁ!…あぅ!…いぃ!…はぁ!」クネッ クネッ 

男「…女…可愛いよ」ニコッ 

女「あ…」カァ// 

男(アソコを舌で愛撫して…)ゴソゴソ チュッ レロレロ 

女「ひゃん!ああーっ!いっ…やぁ!」クネリ 

男(すごい…溢れてくる)レロレロ ニュル チュバ 

女「おっ…ねがっい…お…とこぉ…ちょっと…まって」グイッ 

男「女?」 

女「ハァハァ…お、とこ…ばっかり…口、でして…ずるい。…今度、は…私に…させて?」ハァハァ 

男「いいの?」 

女「…」コクリ 

男「じゃあ…」ゴロッ 

女「男…キス…」チュッ ニギリ 

男(おおぅ!握られただけで気持ちいい!)チュッ 

女「…」フサァ 

男(髪をかきあげる仕草が艶っぽい!) 

女「じゃあ…するね?」スッ ペロッ レロレロ 

男「あぅ!」(ヤバイ!声出た!!) 

女「気持ちいい?」レロレロ チュバ ペロッ 

男「あぁ、女…すごく気持ちいいよ…」 

女「よかったぁ」ニコッ 

男「女…咥えてくれるかな?」ナデナデ 

女「…うん」アムッ 

男「いっ!」(ちょっと歯が当たったけど…暖かくて気持ちいい!) 

女「いふぁはっは?」モゴモゴ 

男「気持ちいいよ、女。そのまま、前後に動かして?」ナデナデ 

女「ふぉお?」ニュルッ ニュルッ 

男「そう…いいよ…女」ナデナデ 

女「ん…ン…」グチュ ニュル グチュ 

男(ああ…そろそろ…ヤバイ)「お、女、そろそろ…出そう!」ナデ… 

女「…ん」グチュグチュグチュグチュ 

男(!そんな!激しくしたら…)「!出る!」ガシッ グッ! ビクン ビクン ビクン 

女「んんー!んっ・・・ん!」グッ ゴクッ ゴクン 

男「ハァ…ハァ…ハァ…」ドサッ 

女「ングッ…ンッ…ハァ…ハァ…」チュポン 

男「…女、ひょとして…飲んだの?」ナデナデ 

女「うん…喉の奥のほうで出てきたから…反射的に…」ハァハァ 

男「大丈夫か?口の中とか…」ナデナデ 

女「…ちょっと…そこのお茶、飲ませてね?」 

男「ああ、朝持ってきたやつだけど」 

女「コクッコクッ…ふぅ…」ニコッ 

男「その…ごめんな?」ナデナデ 

女「何が?」キョトン 

男「いや、一人でイっちゃって…」カァ// 

女「ううん、うれしいの」ニコッ 

男「え?」 

女「だって、男、私で気持ちよくなってくれたんでしょ?」 

男「うん」 

女「私は男のものだから。男が喜んでくれると私も嬉しいの」ニッコリ 

男「女!」ガバッ ギュー… 

男(あーもう!絶対女を離さないぞー!) 

女「男、痛いよ」ポンポン 

男「女…好きだよ」ギュッ 

女「…私もよ、男」ギュッ 

男「…でもさ、よく口で…なんて知ってたね?」 

女「それは…あ、女友2さんが…」チラッ 

男「女友2さんが?」 

女「その…口ですると…喜んでくれるって…」カァァァ/// 

男(女友2さんナイス!) 

男「ありがとう、女」チュッ 

男「…するよ?」ニコッ 

女「…」コクッ 

男「女…」ノサッ 

女「…男」ギュッ 

男(コンドーサン着けなきゃ)ゴソゴソ 

女「?」 

男「ああ、これ着けてるんだ」ヒラヒラ 

女「あっ…」カァ// 

男「女…いい?」 

女「…」コクン 

男(ここだな…)グニュッ ヌルッ 

女「あっ…い、い…」ノケゾリ 

男(このまま…奥まで…よし、入った)ヌチャッ グチュッ 

女「あ…あん…」ハァハァ 

男「女…大丈夫?」 

女「…なんだか…前と違うみたい…」ハァハァ 

男「違う?」 

女「…痛くないし…中が…熱いの…」ハァハァ 

男「じゃあ、動いていい?」 

女「…うん…」ハァハァ 

男(最初はゆっくり動こう)ヌチャッ ヌチャッ 

女「あっ…あっ…」 

男(なんだ?先っぽが固いものにあたってるぞ?)グリッ 

女「ああん!」クネリッ 

男(女の反応がすごいな…もっと攻めてみよう)グリッ グリュッ グリュッ 

女「ああ!いぁあ!ひんっ!」クネクネ 

男(気持良くなってきた…もっと速く動いて…)グリュグリュグリュグリュ 

女「あっ!お、おとこぉ!もうっ…もうっ!」ギュー! 

男(くっ!すごい!締まって…!!)ビクンビクンビクンビクン! 

女「おとこ、おとこぉお、あ、ああーーっ!」ビクッビクッビクッビクッ! 

男「女…」ハァハァ 

女「おと、こぉ…」ハァ…ハァ… 

男「…あ、抜ける」ニュルン 

女「あっ!…」ビクッ 

男「…すごく艶っぽいよ、女」ナデナデ 

女「…ハァ…ハァ…恥ずかしい…」クルッ 

男「…女」チュッ 

女「ん…」 

男(いい匂いだ…肌もスベスベで…あ) 

女「…男…また…元気だね、当たってるよ」クスッ 

男「うん…また…」ナデナデ 

女「…今度は私が上になるね?」 

男「うん」ゴロリ 

女「あ…」コンドーサン 

男「…付け替えなきゃ」ニュルッ ゴソゴソ フキフキ ゴソゴソ 

女「…ごめんね、男…」 

男「ん?なんで?」 

女「…着けないほうが、その…気持ちいいんでしょ?」カァ// 

男「ああ、これはしてないと…ね?」ニコッ 

女「…うん、男」ノサッ 

男「女…」チュッ 

女「…じゃあ、するね?」グリグリ ヌチュ 

男(あ…一気に根元まで…) 

女「あっ…んっ…んっ…」ヌチュッ グリュッ グリュッ 

男(なんか…すごくエッチだ。繋がってるとこが見えるし…胸が揺れてるし…) 

女「あっ…いっ…あんっ」グリュッ グリュッ 

男「女…いいよ…」 

女「あっ…わ、たしも…いい!…あん」グリュツグリュツグリュッグリュッ 

男(うわっ!女の腰の動きが…!!) 

女「いいっ!あっ!んぅ!いぅいぁああ!」ノサッ! ビクッビクッビクッビクッ 

男(うわっ!女の腰の動きが…!!) 

女「いいっ!あっ!んぅ!いぅいぁああ!」ノサッ! ビクッビクッビクッビクッ 

男「…女?」 

女「………………ごめ、んね?…頭が…真っ白に…」ハァハァ 

男(イったのか?)「大丈夫?」ナデナデ 

女「…うん…ハァ………続き…するね?」 

男「うん…」チュッ 
  ・ 
  ・ 
  ・ 
女・男「「ハァハァ」」 

男「女…ありがとう」ナデナデ 

女「…ううん」ハァハァ 

男「しばらくこのままで…」ナデナデ 

女「うん」ギュッ 

男「俺、女に出会えて幸せだよ」 

女「私も」 

男「こんなに優しくて明るくて可愛くて綺麗で…なんで俺の恋人になったのか不思議なくらいだ」 

女「そんなに褒めないでよ、恥ずかしい…でも」 

女「男と出会う前は・・・ううん、姉さんと会うまでは全然違ってたんだよ?」 

男「…ああ、姉貴からちょっとだけ聞いたことがあるよ。大人しかったんだよね?」 

女「大人しい…って言うより、誰とも話さなかったんです」 

男「にわかには信じられないなぁ」 

女「でね、中学2年のとき、姉さんと同じクラスになって、姉さんが話しかけてくれたの」 

女「姉さんはいつも明るくってクラスの中でも人気者だったのに、何で私なんかに話しかけるんだろうって」 

女「きっと何かの気まぐれだから期待しちゃいけないんだって思ってたの」 

男「そっか…」 

女「でもね、違った。姉さんは毎日、私に話しかけてきたの。そのうち違うクラスにいた女友1さんも一緒に話しかけるようになって」 

女「私も少しずつ話ができるようになっていったの」 

男「そうなんだ…でもなんで姉貴は女に話しかけたんだろう?」 

女「…楽だったんだって」 

男「え?」 

女「姉さん、人気があったから人前では気を抜けなかったらしいの」 

女「そんな時、誰とも話していない私を見て『この子になら大丈夫かな?』って思ったんだって」 

男「それって女を毒抜きに使ってたってことか?女に失礼じゃないか、姉貴よ…」 

女「最初にその話を聞いたときは私もそう思ったけどね」クスッ 

女「でも、そのおかげで私は人と話ができるようになったの。ううん、それだけじゃなくて」 

女「女友1さんのアドバイスで髪型も変えて、着こなしや普段着やアクセサリーも調えたりしてると男子からも話しかけられるようになって」 

女「でも、ほとんど姉さんが追い返してたけどね」クスッ 

男「…この場合、姉貴を褒めるべきなのか?」 

女「だから、私が男とこうしていられるのも姉さんのおかげだね」 

女「そして今、私がこんなに幸せなのは男のおかげです」 

女「男と姉さんの二人は、私にとって運命を変えた大切な恩人です」 

男「女もそうだよ。俺の運命の人だ」ナデナデ 

女「…男…大好きよ」チュッ 

男「女…俺も大好きだよ」 

〜PM6:00頃〜 

女「男、お風呂上がったよ」フキフキ 

男「了解。ご飯も今炊けたとこ」 

女「お風呂の前に炊飯器を仕掛けておいてよかったね」 

男「だな。二人で洗いっこしてたら結構時間たってたし」ククク 

女「だって男がなかなか洗わせてくれないんだもん」プクッ 

男「股間は刺激に弱いんだから無理!」 

女「私なんて胸も下も触られたのに…」プンプン 

男「それは!女が急に凭れてくるから手が滑って…」アタフタ 

女「うふふ、冗談だよ。おかず、作るね」 

男(絶対わざと凭れてきただろ…) 

男「いただきまーす」 

女「いただきます」 

男「ん、うまい!」モグモグ 

女「うふふ、たくさん召し上がれ」パクッ 

男「この金目鯛の塩焼き最高!」パクパクモグモグ 

女「こっちの肉じゃがも食べてね」ニッコリ 

男「こんなにうまい晩飯が食えて、向いには女がいて、最高に幸せー!」パクパク 

女「…い、いきなり…不意打ちだよぉ…」カァァ// 

男「ごちそうさまー」 

女「おそまつさま」 

男「ふぅ〜、このまま8時まで一休みしよう」 

女「…」 

男「どうしたの?」 

女「ううん、もうすぐ帰らなきゃいけないんだって思うと…」シュン… 

男「あー、でもまたすぐに会えるよ。電話もあるし」ナデナデ 

女「…グスッ…泣いてばかりでごめんね…男に迷惑かけるのにね…」ポロポロ 

男「迷惑だなんて思ってないよ。女にこんなに想ってもらえてるのにさ」 

男「俺のほうこそごめんな、泣かせてばかりで」ナデナデ 

女「…グスッ…男…おとこぉ…」ポロポロ 

男「…」ナデナデ 

〜PM8:30〜 

女「それじゃ、男」 

男「うん…」チュッ 

女「ん…、またね」 

男「うん、おやすみ」 

女「おやすみなさい」 

ブロロロロ… 

男「…ハァ…寂しいな…」グスッ 

ガチャッ バタン 

男(…ん?テーブルの上になにかある…)カサッ 

『さびしいので 男の洗濯物のTシャツを もらって帰ります   女』 

男「あはは…あんな臭い匂いのついたTシャツなんか持って帰ってどうするんだろ?てか、手紙になんかしなくても直接言えばいいのに…」 

男「女…」ポロポロ 

男「あれ?俺…泣いてる?」 

〜6月21日(日)・昼過ぎ・女の車の中〜 

女「どうかな?私の運転…」 

男「あー、うん。姉貴の運転よりうまいよ」ドキドキ 

女「そう?ありがと」 

男(褒めてないって…女、余裕なさすぎ) 

キキーッ 

女「着いたよ?」ニコッ 

男「ああ、うん」(ほっ…)ガチャッ バタン 

女「…大丈夫?」ジー 

男「あー…女の家にあがるのは初めてだし、御両親にも会うし…」 

女「大丈夫だよ。私のお母さんなんて姉さんとすぐに仲良くなったし、男もきっと大丈夫!」ニコッ 

女「それに今日はお父さん、接待ゴルフで夜まで帰ってこないから」 

男(いやまあ…心臓に悪いことはいっぺんに済ませたいんですが…) 

女「さ、はいろ♪ただいまー」ガチャッ 

女母「おかえりなさーい。あらあら、おきゃくさん?」 

女「うん、男さん。姉さんの弟だよ、お母さん」 

男「初めまして、男といいます。これ、つまらないものですが」 

女母「あらあら御丁寧にどうも。今日はどういった御用件かしら?」 

女「!お母さん、私のお客様なんだよ。余計な詮索しないで!」プクーッ 

女母「あらあらごめんなさい」ホホホ 

女「…男、私の部屋にいこ?」 

男「ああ、うん。お邪魔します…」 

女母「…」スッ 

男(!)ゾクッ 

トントントン… 

?「あ、お姉ちゃん、お帰り」 

女「ただいま、妹。あ、こちら男さん。男、こっちが妹。今高3なんだよ」 

男「はじめまして」 

女妹「ふーん、思ってたより雰囲気いいね。顔は普通だけど」ジロジロ 

女「妹!失礼でしょ!!」 

男「ははは…」 

女妹「まあまあ、写真で見たことあるし、服装のセンスもなかなかいいんじゃない?お似合いだよ」ニコッ 

女「もうっ…」 

女妹「じゃ、あたしは図書館にいってくるから」 

女妹「おじゃま虫は退散します」コソコソ ボソッ 

男「!」 

女「なに?」キョトン 

男「イヤイヤ、ナンデモナイヨ」 

女妹「いってきまーす」クスクス 

〜女の部屋〜 

女「ここが私の部屋なの」ガチャ 

男「…姉貴の部屋とは大違いだな」キョロ 

女「あんまり見ないでね…その…男の人でこの部屋に入るのは男が初めてなの」テレッ 

男(明るい水色のカーテンに白い壁で部屋の真ん中に小さいテーブル…ベッドに大きめのぬいぐるみ、箪笥の上に人形か) 

男「うん、すごく可愛い部屋だね。女のイメージどおりだ」 

女「えへへ…」テレッ 

男「えっと…」 

女「あ、ごめんなさい。座布団出すね、はい、どうぞ♪」ポンポン 

男「うん、ありがと」ボフッ 

女「飲み物持ってくるから、寛いでて」ガチャッ バタン 

男「ふぅ〜…」 

男(まずは無難な感じかな?お土産も渡せたし…) 

男(でも…あのお母さんの目…正月に姉貴が言ってたとおりだった…) 

男(…とりあえずあのお母さん…いろいろ気をつけたほうがよさそうだな) 

女「おまたせー」ガチャッ 

男「おおー、カルピス」ニコッ 

女「えへへ」チョコン 

男「…えーっとぉ…女さん?何でこんなにくっつくんですか?」 

女「えへへ」ダキッ 

男「…あのー」 

女「…ん」チュッ 

男「ん…」チュッ 

女「えへへー」ギュー 

男「…今日はこんな感じ?」ギュッ 

女「そう、こんな感じ」ギュッ 

男「…じゃあ…あとで膝枕…」 

女「うん、いいよ♪」 

〜PM6:30頃〜 

女「おかあさーん、男と食事に行ってくるねー」 

女母「あらあら、遅くならないようにね」 

女「はーい。男、行こ」ガチャッ 

男「お邪魔しました」ペコッ 

女母「…」バタン 


女「ごめんね、お母さんには男が来ることは言っておいたんだけど…」 

男「いいよいいよ、お母さんの負担になってもいけないし」 

女「でも…」 

男「それに、初対面でいきなり同じテーブルで食事ってのは結構きついし」 

女「…そうかもしれないね」 

男「ってことで!俺はミックスフライ定食!」 

女「じゃああの店だね」クスッ 

〜6月29日(月)・夜・男の部屋〜 

男「うん、そう。7月の6日から11日までが期末考査だから」 

女『うん、わかってる。しばらくはデートはお預けだね』 

男「ごめん、女。その分11日の夜はのんびりしような」 

女『うん!』 

男「じゃ、そろそろ」 

女『そうだね、おやすみなさい』 

男「おやすみ」 


〜7月10日(金)・学校〜 

男「よしっ!残るは明日の2教科のみ!」 

男(明日の夜には女に会える!) 



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               ------ 
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〜?〜 

男(…ん?暗いなぁ…) 

男(…頭がフラフラモヤモヤする…ズキスキする…) 

男(…ひどい風邪でもひいたか?…) 

男(…眠い…) 


〜?〜 

男(…明るい…昼間か?…) 

男(…頭は相変わらず…) 

男(…ん?なんか白いものがチラチラしてる…) 

男(ぼやけてて見えねえや…) 

『ピッ ピッ』 

男(…遠くのほうでなんか鳴ってるな…) 

男(…寝よう…) 
〜?〜 

男(…頭は…痛みはマシになった…けどフラフラモヤモヤのまま…) 

?『男さーん、聞こえますかー』 

男(ん?男の声?…遠いとこで呼んでるけど…返事するの面倒だな…なんか…疲れた…) 


〜?〜 

男(あー…なんかぼんやりだけど…天井か?) 

男(…焦点が合わないな…あ、あれは…白衣?…看護婦さんかな…) 

男『看護婦さーん』 

看護婦『あら?いま何か聞こえたけど…空耳かしら?』 

男(うわぁ…エコーかかってるよ…) 

男『いやいや、こっちこっち』 

看護婦『!目が覚めたの!?男さん!!先生!先生―!!』 

パタパタパタ… 

男(先生?保健室…じゃなさそうだな) 

…パタパタパタ 

白衣の男性『男さーん、聞こえますか―』 

男『はい』 

白衣の男性『!?…気分はどうですか?』 

男『…最悪です』 

白衣の男性『言葉はまだ回復していないけど、意識はあるようだ』 

看護婦『先生。私、ご家族に連絡します!』パタパタパタ 

白衣の男性こと先生『…男さん、無理はしなくていいですからね。“はい” か “いいえ”で答えてください。まずは“はい”と言ってください』 

男『はい』 

先生『次は“いいえ”です』 

男『いいえ』 

先生『では始めます。ご自分のお名前はわかりますか?』 

男『はい』 

先生『ここは○○病院の病室です。あなたはなぜここに居るかわかりますか?』 

男『いいえ』 

先生『…あなたは交通事故に遭いました。覚えていますか?』 

男(交通事故?…思い出せない…) 

男『いいえ』 

先生『…記憶の混乱があるな。では、ちょっと質問を変えます。』 

男(なんか…面倒だな…) 

男『はい』 

先生『あなたは高校1年生ですか?』 

男『はい』 

先生『今は8月ですか?』 

男『いいえ』 

先生『では、今は7月ですか?』 

男『はい』 

先生『…では、7月のいつですか?日にちを順番に言っていきますので、自分がそうだと思うところで「はい」と言ってください』 

男『はい』 


〜?〜 

男(…頭のフラフラモヤモヤが大分マシになってきた気がする…) 

?『男ー!聞こえる?あたしだよ!姉だよ!!』 

男(あー、姉貴か?) 

男『姉貴?』 

姉『!ちょっ、アンタ…どうしたのよ!ちゃんと喋りなさいよ!!』 

男(え?俺、ちゃんと喋ってるけど?) 

男『どうしたんだ、姉貴?』 

姉『アウアウ言ってんじゃないわよ!ちゃんと喋りなさい!!』 

男(なにいってんだよ。ちゃんと喋ってるよ) 

先生『姉さん、男さんは言語障害があります』 

姉『!?』 

姉『それはどういうことですか!弟はちゃんと喋れないってことですか!!』 

男(姉貴、熱くなりすぎ。落ち着け。…言語障害?) 



先生『一時的な言語障害だと思われます。脳にダメージを受けていますので、正常な状態に回復するまで、今しばらく掛かることをご理解ください』 

男(そうなのか…俺、頭をぶつけたんだ…そういえば交通事故がどうとか言ってたな…) 

姉『…回復、するんですよね?』 

先生『まだ若いし、リハビリを続ければきっと回復するでしょう』 

姉『そうですか…』 

先生『焦らない事です。男さんの負担にならないようにゆっくり、確実に治療していきましょう』 

姉『…先生、男のこと、よろしくお願いします』 

男『お願いします』 

姉『…アンタ…ごめんね、アンタのほうが辛いよね?』 

男(いや、俺は寝てるだけだし?…それより姉貴達のほうが…姉貴“達”?) 

姉『…今日は帰る。また明日来るから…』 

男『姉貴!ちょっと待ってくれ!!』 

姉『今日は休みなさい。あたしも今日は…混乱してるから』 

男(…姉貴、ごめんな。それより女は…痛っ!頭がっ!!) 

男『ううぅ…』 

姉『泣かないでよ…あたしまで辛くなるでしょ…』グスッ 

男(違う!痛っ!教えてほしい事があるんだ!!) 

先生『男さん、今日はもう休んだほうがいいです。明日またお話しましょう』 

男(お、女!痛っ!女は!い、意識が…!!) 

先生「男さん、次は体を動かしてみましょう」 

男『はい』 

先生「右手を動かしてみてください」 

男(んぐぐっ!なんだこれ?自分の手じゃないみたいだ)ピクッピクッ 

先生「ちょっと動きましたね。これなら大丈夫でしょう。次は左手を動かしてみてください」 

男(んっ!さっきよりはマシだけど)ピクピクッ ピクピクッ フワッ 

先生「あー、こっちはさっきより動いてますね。次は右足です」 

男(んがっ!痛っ。なんだよ、動いた実感がないぞ!!)ピクッ 

先生「…思ったより…でも動いてる。それじゃ左足を動かしてください」 

男(ぬおおお!)ビクッ ズリッ 

先生「あー、もういいですよ。お疲れ様です」 

男(疲れた…) 

先生「男さん、あなたは事故で左側頭部と後頭部の2箇所に強い衝撃を受けています」 

男(そうなの?) 

先生「今は言語障害のほかに、左の知覚機能と右の運動機能に影響が出ていますが、左耳以外は機能はしているようです」 

男(…左耳が聞こえないってことか?…困ることって言うと…あ、ステレオが聞けないか) 

先生「これからは治療に言語、視力、聴力の訓練とマッサージを取り入れて、体力が回復したらリハビリを始めましょう」 

男(リハビリか…マッサージは美人の看護婦さんでお願いします!) 

先生「それと…左耳はおそらく…回復は難しいでしょう…」 

男(まあ、ステレオが聞けないだけだし?) 

男『はい』 

先生「…こちらも最善は尽くしますので、頑張って治療しましょう。あれだけひどい状況からここまで回復したんですから、きっと大丈夫です」 

男『はい』 

男(結局、俺の頑張りにかかってるってことだな…)ハァ… 

〜?〜 

?「おーっす!まだ生きてるかー!!」 

男「あニき、か?」 

兄「!?」 

男「どうシた?」 

兄「…いや、それよりどうだ?入院生活は?」 

男「しンどい」 

兄「なんだなんだ、元気ないな。そんなお前にお土産持ってきたぞ」ガサゴソ 

兄「じゃーん!これ見て元気出せ!!」エロホーン 

男(おぅーーーーい兄貴!アンタ何考えてんだよ!しかも無修正の看護婦モノ!!)ゴクリ 

兄「ん?まだ手は使えないか?しょうがないな、お楽しみは後にとっとけ」ニヤニヤ 

男(蛇の生殺し状態だぁー!) 

男「このやロう、ワざと、だナ?」 

兄「…減らず口が訊けるなら大丈夫だな。ははっ…」 

男(あ、そっか…兄貴なりに心配してくれてんだな) 

兄「おっと、そろそろ電車の時間だ。じゃあな、男」 

男「モう、いクのカ?きヲつけテな」 

兄「お前じゃねえから。…正月は家で会おうぜ」ノシ フリフリ 

男(ありがとな、兄貴) 


姉「おっとこー、来たよー」 

男「あネき」 

姉「!ちゃんと聞こえたよ、『姉貴』って。すごい進歩だね!」 

男(兄貴の時もだけど、短い単語程度なら聞きとってもらえるようになったな) 

男「あニきが、きテた」 

姉「そうなの?あんにゃろ〜、病院には行かないって言ってたくせに」クスッ 

姉「花の水、替えよっか。ん?この紙包みは何?」ガサゴソ エロホーン 

男(やばい!兄貴の土産!!) 

姉「…男、これは?」ジトー 

男「…あニきの、みヤげ。こレみて、ゲんき、だセって」ドキドキ 

姉「…あー、なるほど。…ふ〜ん、アンタこんなのが趣味なんだ?」ペラッ ペラッ 

男(いや、それは兄貴の趣味でゴニョゴニョ…) 

姉「…で?元気出た?」ジロッ 

男「ウん」 

姉「え?そうなの?」キョトン 

男「おモに、コかん、が」 

姉「…………男?」ニッコリ ツネーーー 

男「イタイ、イタイ、イタイ、イタイ」 

姉「これは没収!まったくもう…女に…!!」ハッ 

男「………あネき…おんナ…どウ、しテる?」 

姉「…やっぱり隠しきれないか…口に出さないように気をつけてたんだけどなぁ…」 

男「おんナ、ビョウいん、に、こナい、けド、ナにか、ヨくナい、こトに、ナってル、ノか?」 
 (女、病院に来ないけど、何かよくない事になってるのか?) 

姉「鋭いね、アンタ…多分辛くなるよ?」 

男「ハい」 

姉「それでも…何があったか知りたい?」 

男(事故の記憶が抜け落ちてるからなぁ…知りたい。いや知ってどうなるもんでもないけど、知らないと始まらない) 

男「…ハい」 

姉「…順を追って説明します。話を止めてほしいときは返事して」 

男「ハい」 

姉「男は7月11日の夕方5時頃、轢き逃げに遭いました」 

姉「おそらく女とデートするために出かけた時だと思います」 

姉「男は右足の骨折と内臓損傷…それと頭に大怪我を負いました」 

姉「男は意識不明になって…眠り続けました」 

男(…てことは…今はいつだ?) 

姉「そしてちょうど二週間前の夜、病院から男の意識が回復したって連絡がありました」 

姉「今日は…8月23日の日曜日です」 

姉「…アンタは1カ月近く、意識を失ったままだったんだよ…」 

男(いや、それ以前にもちょくちょく意識は戻ってたけど?ま、誰にも気付いてもらえなかったんだけどね) 

姉「…以上です」 

男「…シつもン」 

姉「…質問?なに?」 

男「おんナ、は、どう、してル?」 

姉「…それは…でも…うん、そうだね。ちゃんと話すね」 

姉「女は…責任を感じて家に閉じ篭っています」 

男(!?…なんで?…俺が轢き逃げされたのは俺の不注意だ、なんで女が閉じ篭もるんだ?) 

姉「轢き逃げ犯…捕まったんだけどさ…」 

姉「…女のお母さんだったの」 

男(!?) 

姉「…女のお母さん、アンタのこと気に入らなくて…その…機会を狙ってたらしいの…」 

男「でモ、おんナ、のせい、ジャない」 

姉「わかってる…でもね、自分の恋人を轢き逃げした、憎い犯人が自分の母親だったんだよ?」 

姉「…女、あたしに謝ってた…自分が男を好きになったから、それがお母さんは気に入らなかった…」 

姉「だから男がこんな目に遭ったのは自分のせいだ…って」 

姉「…ダメだ…我慢、してたけど…ちょっ…ごめ…」パタタタタ… 

男(なんでだ!なんで女が責任を感じる!?) 

男(お母さんが俺を気に入らなかったのは俺になにか問題があったからだ!) 

男(だから轢き逃げされたのは俺のせいじゃないか!女のせいじゃない!!) 

…パタパタパタ 

姉「…ふぅ、ごめんね、取り乱しちゃってさ…」 

男「あネき、ごメん。あリがト。…だい、ジョう、ブ?」 

姉「…アンタ、強いね…当事者じゃないあたしでさえ取り乱すのにさ、あたしの心配?」フフッ グスッ 

男(だって記憶がないから実感がないし…姉貴の泣いてるとこなんて…) 

姉「…アンタに負けてられないなぁ!あたしも強くならなきゃ!!」 

男「あネき、は、ジュウぶん、さいキョう、だヨ」 

姉「…なーに言ってんだか。まだまだ強くなってみせるよ?」ニッ 

男「…でモ、あネき、くわしいナ。」 

姉「…事故のあった日の夜中、女と女のお父さんも病院に来たんだ…」 

姉「女のお母さん、アンタが女より5歳も年下で…工業高校にいってるのが気に入らなかったんだって」 

姉「親世代にはさ、工業高校って言うとあんまりよくないイメージって言うか…偏見があるから…」 

姉「うちの娘はどこの馬の骨ともわからない、出来損ないに嫁がせるために手をかけてきたわけじゃない!って」 

男(そうか…じゃあ俺が普通科の高校に行ってたら…いや…いまさらそんなこと言っても…) 

姉「…女のお父さんが全部話してくれたよ」 

姉「女のお父さんが家に帰ったらね、車が凹んでフロントガラスが割れててさ、理由をお母さんに聞いたんだって」 

姉「そしたら、最初は犬を撥ねたって言ってたんだけど…不審に思ったお父さんが問い詰めたら…ね」 

男(俺を撥ねたって認めたのか…) 

姉「でね、お父さんが警察に連れて行ったんだって」 

男(…結局俺のせいで…女のせいじゃない!) 

姉「!…きたよ…」 

男「ドコ?」 

姉「…病室の入り口」 

男「ココ、に」 

姉「うん…女…来て」 

…パタパタ 

女妹「姉さん…お姉ちゃんを連れてきました」 

姉「…うん、女に付き添ってくれてありがとう、女妹ちゃん」 

女「…」チラッ 

男「おんナ、ヤせた、ネ。ごハン、チャん、と、たベてル?」 

男「かラだ、だいジに、しナいと、ダメだヨ?」 

男「…おんナ、あいタかっタ」 

女「…おとこぉ…グスッ…ごめん、なさい…ごめんなさい!」ポロポロポロポロ 

男「おんナ、あヤマラなイで」スッ 

男「…おレ、いラないコ、だっタ」 
 (俺、要らない子だった) 

女「え?…」 

男「おレ、うマれ、ナかった、かモ、しレないンだ」 
 (俺、生まれなかったかもしれないんだ) 

姉「うちの親さ…男が出来たってわかったときにね、堕ろすつもりだったんだって。うち、貧乏だったからさ…」 

女「…」 

男「おレ、もノごこロ、つイたトき、かラ、おヤに、かまっテもラった、きオくが、ナい」 
 (俺、物心ついたときから、親にかまってもらった記憶が無い) 

姉「共働きだったからね。家ではあたしが面倒みてたんだ…幼稚園の送り迎えもね」 

女「…姉さんが…?」 

男「そレが、フつうダと、おモってタ。でモ、あにキは、チがっテた」 
 (それが普通だと思ってた。でも、兄貴は違ってた) 

姉「親は長男の兄を異常なまでに可愛がっていたから…」 

女「…」 

男「あにキは、おヤに、かワい、がラれテた」 
 (兄貴は親に可愛がられていた) 

男「おレも、おナじ、ヨうに、シてほシく、て」 
 (俺も同じようにして欲しくて) 

男「あにキと、おナじこト、を、シたケど、ほメて、もラえな、カった」 
 (兄貴と同じことをしたけど、褒めてもらえなかった) 

男「だかラ、あにキより、いいコで、いヨうと、シた。おヤの、イう、こトを、ナんでモ、キいた」 
 (だから、兄貴よりいい子でいようとした。親の言うことを何でも聴いた) 

男「そレで、ヨうヤく、おヤが、おレの、ホうヲ、みテくレる、ヨうに、ナった」 
 (それでようやく、親が俺のほうを見てくれるようになった) 

男「そレかラ、ずっト、おレは、おヤの、カおいロ、を、ウかがっテ、いキて、キた」 
 (それからずっと、俺は親の顔色を窺って生きてきた) 

男「ことバを、えラんデ、きラわレない、ヨうに、うケこたエ、シてキた」 
 (言葉を選んで、嫌われないように受け答えしてきた) 

男「くラい、と、きラワレる、かラ、ワザと、あかルく、ふルまった」 
 (暗いと嫌われるから、ワザと明るく振舞った) 

男「こウかイ、すルと、くラく、なルかラ、マえムきに、カんがえル、ヨうに、シた」 
 (後悔すると暗くなるから、前向きに考えるようにした) 

姉「…」グスッ 

男「おんナ、と、デあう、まで、おレは、そうヤって、じブん、を、いつワって、キた。ずルい、ヤつ、だ」 
 (女と出会うまで、俺はそうやって自分を偽ってきた。ずるいやつだ。) 

男「デも、おんナ、と、デあって…すキに、ナって…はジメて、じブん、を、さラけ、だセた」 
 (でも、女と出逢って…好きになって…初めて自分を曝け出せた) 

女「男…」グスッ 

男「ホんとウの、『おレ』の、いバしょガ…はジメて、でキた」 
 (本当の『俺』の居場所が…初めて出来た) 

女「そんな…私なんて…」グスッ グスッ 

男「おんナ、は、おレの、イちバん、たいセつな、ひト、だかラ。おレ、おんナ、を、まもル、かラ」 
 (女は俺の一番大切な人だから。俺、女を守るから) 

男「…おんナ、アいしテる。ずっト、そバに、いテ、ほシい」 
 (…女、愛してる。すっと傍にいて欲しい) 

女「うわぁぁぁん!おとこぉ!!」ダキッ 

姉「…女、落ち着いた?」 

女「…うん…」グスッ グスッ 

男「おんナ、わラって」 

女「…ホントに…私…ごめんなさい…」グスッ グスッ 

男「おんナ、ズっと、イっしょに、いヨうナ」 
 (女、すっと一緒にいような) 

女「…うっ…ううっ…」ポロポロポロポロ 

男「おレ、なおル、かラ」 
 (俺、治るから) 

女「うん…うん…」ポロポロポロポロ 

姉「男…アンタが強い理由、わかったよ。アンタ、子供の頃からずっと頑張ってたんだもんね」 

男「おレは、つヨく、ナいよ」 
 (俺は強くないよ) 

姉「ううん、いままでずっとひとりで頑張ってきてさ、負けてないんだもん…アンタ、すごいよ。最強だよ」 

男「そんナ、こと、ナい」 

姉「男、アンタはあたしの…自慢の弟だよ。………女」 

女「!?」ビクッ 
姉「男は女に譲る。あとはよろしくね?」ニコッ 

女「えっ…」 

女妹「お姉ちゃん…」コクン 

女「…グスッ………はい」コクン 

女妹「男さん、お姉ちゃんをよろしくお願いします」フカブカ 

男「こチラ、こソ」 

男「…ゴメン、ツかレた」 

姉「…女、男、疲れたみたい…休ませてあげよう?」 

女「…グスッ」コクッ 

男「おんナ、まタ、きテね?」 

女「…うん」ポロポロ 

姉「…男、あたし、女達を送って行くわ。また明日くるね…」 

男「あネき、あリがト」 

男「おんナ、おヤすミ」 

女「…うん」グスッ 

〜9月14日(月)・午前〜 

看護婦「男さん、大分言葉がはっきりしてきましたね」 

男「そうですか?あいがとうございます」 

看護婦「日常会話はほとんど問題ないでしょう」 

男「ですかね」 

看護婦「それじゃ、今日も体のほうのリハビリを始めましょう。車いすに移動しますねー」 

男(…リハビリの先生、スパルタなんだよなぁ…) 
  ・ 
  ・ 
  ・ 
看護婦「よいしょっと。お疲れ様でした」キィ… 

姉「おっとこー、見舞いに来たぞー!お、今日は車椅子?ちょうどいいかも♪」 

男「ああ、今りハビりから帰ってきたとこ。何がちょうどいいって?」 

女妹「やっほー♪」 

女「…こんにちは」コソコソ 

男「女妹さんまで…女、なにしてんの?」 

女「うん、ちょっと…」コソコソ 

姉・女妹「「…」」ニヤニヤ 

看護婦「それじゃ失礼します」ニコッ 

男「あ、はい。また明日」 

姉「…そろそろいいんじゃない、女?」 

女「…う、うん」 

女妹「オンナは度胸!いってみよー♪」ニコニコ 

男「?」 

姉「ちょっとベットのカーテン、閉めるね」カラカラカラ 

女『あ、ちょっと待って、姉さん!』シュル フサァ 

女妹『あ、ちょっと!お姉ちゃん隠さないで!』 

女『で、でも!…恥ずかしいよぉ』 

女妹『ほら、あっち向いて!』 

姉『もう!開けるよ!』 

女『ちょ、ちょっと待って!』 

姉「ごか〜いちょ〜う♪」シャッ! 


女「!」 

男「!?」ボーゼン 

姉「どうよどうよ?水着姿の女は?」ニヤニヤ 

男(か、可愛い!薄い水色のワンピースの水着が似合いすぎ!) 

女「…ど、どう…かな?」テレテレ// 

男「す、すごく可愛すぎて…昇天します」 

女「昇天しちゃダメ!」ペシペシ 

男「はぅ!生き返リました」 

女「よろしい」クスッ 

女妹「あはははは」 

姉「…なんかさ、久しぶりに今のやり取り見たよ」フワッ 

女「えへへ…この水着、今年用に買ったんだ…だから男に見て欲しかったの…」サスサス 

男「女…すごくよく似合ってル。でも、今の時期に水着を着ルって、恥ずかしくない?」 

女「もう!すごく恥ずかしいんだよ!!」カァ// 

男「あはは。ごめんごめん、嬉しいよ、ありがとう。女、ちょっとここに来て?」ポンポン 

女「なあに?んっ!」チュッ 

男「…おレい♪」 

女「もう!んっ」チュッ 

男「んっ!」 

女「…貰い過ぎたから、お返し♪」ニコッ 

女妹「うわぁぁあ、むず痒〜!」ポリポリポリ… 

姉「あんたら、よくもまあ人前でそんなこと出来るね…」 

男「うわぁ!ふたリとも、まだいたの!?」 

姉・女妹「「さっきから居たわよ!」」 

女「…」カァ// 

女妹「ふたりだけの世界ってやつですね」ニヤニヤ 

女「…ももも、もう着替えるね」カァ// シャッ  

姉「あはは、男、覗くんじゃないわよ。さて、あたしゃジュース買ってくるわ。女妹ちゃん、男の監視よろしく!」 

女妹「はい、わかりました!」ビシッ 

男「信用ないのな、おレ」 

女妹「あははは。それにしてもお姉ちゃん、明るくなったよ」 

男「おレもビックリですよ」 

女妹「…男君てさ、年下だよね?」 

男「そうですが?」 

女妹「でもさ、大人だなぁって思うよ」 

男「どこが?」 

女妹「…お姉ちゃんをここに連れてきたときにいったセリフ…」 

男「ああ、あレ…」 

女妹「自分を曝け出してさ…それでお姉ちゃんを守るって…男君の覚悟が伝わってきてさ…正直、私も胸がキュン!ってしたもん」 

男(うわっ!思い出したらめちゃくちゃ恥ずかしい!!) 

女妹「もうね、カッコつけたがる同級生の男どもとは全然違うね!」 

男「いやいや、おレはガキもいいとこですよ」 

女妹「そんなことないけどなぁ。あっ!もしお姉ちゃんに捨てれたら、私が拾ってあげるからね♪」 

女『絶対捨てないもん!』 



〜10月9日(金)・PM4:00頃・男の自宅〜 

男「ただいま〜」ヒョコ ヒョコ 

姉「ただいま〜、男。ホレ、靴脱がすから足出して」 

男「ありがと、姉貴」ヌギヌギ 

姉「よしっと。とりあえず居間に行っといて。車から荷物降ろしてくる」 

男「了解。姉彼さんも上がってくんだろ?」 

姉「うん、会社休んでまで車出してもらってるし。かわりに晩御飯を提供する約束になってるから」ゴソゴソ 

男(…それって結局姉が一番得してないか?) 

姉「それと、女は会社が終わってから来るから、6時半頃だと思う」ゴソゴソ 


姉彼「ほいっと。これで終わりだよ。あー、労働のあとのビールはうまいんだろうなぁ」 

男「居間のほうに出してます。つまみのピーナッツも」 

姉彼「ありがとう♪」トタトタ 

男「…姉彼さん、女のお母さんの情報…何か知ってます?」ヒョコ ヒョコ 

〜PM6:30頃〜 

姉「ただいま〜、買い物してきたよー」ガサガサ 

男「おかえりー、姉彼さん撃沈してるよー。運ぶの手伝おうか?」 

姉「えぇ〜!?もーっ!早すぎー!!それから今日はアンタの退院祝いなんだから。主役は居間で寛いでて」 

ピンポーン 

姉「はーい、おー、助っ人登場!」 

女「御邪魔しまーす」パタパタパタ 

男「女、いらっしゃーい。んっ!」チュッ 

女「…ぷぁ、えへへ♪」ニッコリ 

男「姉彼さん、居るんだけど…」チラッ 

女「え?あっ…寝てるから気がつかなかったよぉ」カァ// 

姉『女ぁ、チチクリあってないで手伝ってよー』トントントントン 

女「はーい。じゃ、行ってくるね」パタパタ 

男「いってらっしゃーい」ノシ 

〜PM8:00〜 

姉「ではではー、男の退院を祝して、カンパーイ!」カチン チン カチン 

男「ありがとー」カチン カチン 
  ・ 
  ・ 
  ・ 
男「ごちそうさまー。ふぃ〜、食った食った」ポンポン 

女「うふふふ。大きな子供みたいだよ、男」 

姉彼「さて、それじゃそろそろ…」 

男「姉彼さん、お手数をおかけします。姉貴、ちょっと姉彼さん借りるよ?」 

女「何を始めるの?」 

男「ああ、階段とか風呂とかを一人で使えるか、確認するんだ」 

姉彼「で、俺はそのサポート。って言っても、危なくなったときに手助けするだけだが」 

姉「あー、そっか。うん、それはしといた方がいいね」 

女「ケガ…しないでね?」 

男「うん。ついでに風呂にも入っとくわ」 

女「じゃあ…部屋の外に出ててもらっていい?」モジモジ 

男「は、はい」ヒョコ ヒョコ ガラッ 

ガチャッ 

姉「あら、男?何やってんの?」 

男「あー、女が着替えてるんで…てか姉貴!女に何ふき込んだんだよ!」 

姉「何のこと?ああ、エロ本の話?」ニヤニヤ 

男「そうだよ!それで女、変に勘違いして…!」ハッ 

姉「?…!?そーかそーか、勘違いしてどうしたかお姉さんに言ってみ?」ニヤニヤ 

男「あーもう!女子高生に変身中だよ!」プイッ! 

姉「キャーそれ楽しそう♪あたしもあたしもー♪」パタタタ ガチャッ 

男「…これは…マズッタかも…?」 

ガチャッ パタタタ ガラッ 

女『きゃっ!』 

姉「おんなー、あたしも着るよー!二人で着れば恥かしくないでしょ!!」ガララッ ピシャッ 

男(…えーっとぉ?どうしてこうなった?) 

姉『おとこー、もういいよー。彼氏も呼んできてー♪』 

男「へーい」ガチャッ 

男「姉彼さん、隣で女子高生の姉貴が待ってますよ」 

姉彼「さっきバタバタしてたと思ったら…そういうことか」クククク… 

コンコン 

男「姉貴ー、入るぞー」ガラッ 

姉彼・男「「おぉっ!」」 

男(俺のベッドに横たわって…ブラウスの隙間から谷間が丸見え!スカートから露わになった生太股!可愛艶っぽ過ぎるだろ、姉貴!!) 

姉「どう?どう?かわいい?」ニコニコ 

姉彼「そそるな」ニヤニヤ 

姉「そう?そう?食べちゃいたい?」ニコニコ 

姉彼「お持ち帰りします」ヒョイ トタトタ 

姉「きゃっ!お姫様抱っこなんて久しぶり♪」ダキッ 

ガララッ ピシャッ 

男(女のほうは…はうぁ!ポ、ポニテでアヒル座りが可愛すぎる!!しかも生足!!) 

女「どうしたの、男?」キョトン 

男「その髪…」 

女「え?あ、これ?姉さんがね、昔みたいにポニテにしたら?って言うから…どうかな?」モジモジ 

男「可愛い!可愛すぎて昇天します!」バタッ 

女「昇天しちゃダメ!」ペシペシ 

男「はっ!生き返リました」 

女「よろしい」クスッ 

男「女…」ギュッ 

女「お、男?…ん」ギュッ 

男「…柔らかくて暖かくて…いい匂いだ、女」スンスン 

女「…ちょっと…恥かしいなぁ」クスッ 

女「男も暖かくっていい匂いだよ?」スンスン 

男「…膝枕…いいかな?」 

女「うん、いいよ」 



男「じゃ」ゴロン 

女「ふふふ、男、可愛い♪」チュッ 

男「ん…」チュッ 

女「ふふふ」ナデナデ 

男(おぉう!下から見上げる制服の女が可愛すぎる!ブレザーから覗く白いブラウスの膨らみ!たまらん!!) 

女「…おとこぉ?」ジー… 

男「あー…そりゃあ、もう何ヶ月もお預けだし…こうなるのは当然かと…」フッジサーン 

男(俺のほうはスウェットだから隠しよう無いしなぁ) 

女「…したい?」モジモジ 

男(ん?照れてるって言うよりは…)「うん、このままして欲しい」ジー 

女「え?このまま?」 

男「うん、その格好で」ジー 

女「…………うん、がんばる…」カァァ/// 

男「口でしてくれるかな?」 

女「…」コクリ 

男「ベッドに腰掛けるよ」ヌギヌギ ギシッ 

女「すごいね…」サスサス ペロッ 

男(ヤバイヤバイヤバイヤバイ!制服ポニテでアヒル座りの女が口でしてる姿がエロ過ぎる!) 

男「うっ…気持ちいいよ」ナデナデ 

ペロッ レロレロ チュッ… 

女「…あは、先っちょからなにか出てきたよ」ツー… 

男(糸!先っちょと女の口で糸引いてる!!しかも女の顔が艶っぽい!!) 

男「…女、咥えて」ナデナデ 

女「…」コクン パクッ クチュッ ジュッ ジュッ 

男(おお!ポニテが揺れる!可愛い!気持ちいい!) 

女「…ぷぁっ、気持ちいい?」ハァハァ 

男「ああ、気持ちいいよ。続けて?」ナデナデ 

女「ん…」パクッ フグ゙フグ゙ ジュッ ジュッ 

男「お、女!出る!」グッ ググッ! 

女「んっ!んー!んん!」ビクッ ビクッ ビクッ ビクッ… ゴクッ ゴクン ゴクン 

男「女…」ハァ、ハァ、ハァ、ハァ… 

男「…大丈夫?」ナデナデ 

チュポッ 

女「んぁっ!はぁ〜…うん、大丈夫。あは、全部飲んじゃった」ハァハァ 

男「え?大丈夫?」 

女「うん、平気。ちょっと飲み物…」コクン コクン 

男「…」ナデナデ 

女「…ん」チュッ 

男「ん…」チュッ 

女「…次はどうしよっか?」スリスリ 

男「…病み上がりだから、上になってくれるかな?」ナデナデ 

女「このままの格好で?」 

男「うん」ナデナデ 


女「…男って変態さんだぁ。……その…下着だけ脱ぐね?」スルッ ヌギッ パサッ 

男(うぅ…脱いでる姿もエロい…)ゴロン コンドーサンソウチャーク 

女「…乗るよ?」ノサッ 

男「可愛いよ、女」モミモミ 

女「ん!あっ…あん!ダ、ダメ…胸は…!」クネクネ 

男(女、感じ方が激しいって言うか…前はこんなに乱れてたっけ?) 

女「お、おとこぉ…大きくなって…あたってるぅ」クネクネ 

男(そりゃあ、こんな女を見たら…ねぇ?) 




女「も、もう…いれて…いい?」クネクネ ニギニギ 

男「…ああ、いれていいよ」モミモミ 

女「あっ…んっ…あん…あふぅ」クリッ クリッ ニュッ グリュッ 

男(スカートで見えないけど、奥まで入ったみたいだな)モミモミ 

女「…嬉しい…男が私の中に来てくれた…」ポロッ 

男「俺もだ。ありがとう、女。好きだよ」 

女「男…私も大好き。もうちょっと…このままでいていいかな?」 

男「いいよ」 

女「えへへ、男が私の中にいるんだ…」サスサス 

女「…やっと…男が私の中に帰ってきてくれた…」ウルウルサスサス 

男「…ああ、ただいま」 

女「…お帰りなさい」グスッ 

壁の向こう『ギシギシアンアン』 

女・男「「………………………」」 

男「女…動いて」 

女「…」コクン 

女「あっ…んっ…」ギシッ ギシッ 

男(うわあ!制服の女がエロすぎる!!何回でもイケそうだ!!!) 

〜深夜・居間〜 

男(結局、口で1回、上で3回か…) 

男(溜まっていたとはいえ…それにしても女が積極的だったな…) 

ガチャッ 

女(お風呂空いたよ)コソコソ 

男(…姉貴たち、まだやってるみたい)コソコソ 

女(…戻りづらいね)コソコソ 

男(客間で寝ようか?)コソコソ 

女(そうだね)コソコソ 


〜10月10日(土)・AM8:30・客間〜 

男「んん…ふわぁ〜〜…ん?」パチッ 

女「…スー…スー…」ダキッ 

男(…しっかり抱きしめられてるんですが…)モゾモゾ 

女「ん…スー…」 

男(可愛いなぁ)ナデナデ 
ガラッ 

姉「あれ?アンタ達、ここで寝てたの?」 

男「ああ、昨夜は隣の部屋がうるさくてね」ニヤニヤ 

姉「なに言ってんの?アンタ達も結構激しかったじゃない?」ニヤニヤ 

女「…えっと…」カァ// 

姉「お?まだまだ初々しい反応だわ♪」 

女「え?」 

男(そりゃ、まだ数えるほどしかしてないし。それよりも…) 

男「二人とも、そろそろ朝飯作ろうぜ。腹減った」 

姉・女「「はーい」」 

男(このままずっと…笑って過ごせる時が続きますように…) 








〜それから3年後・9月23日(日)・○○駅前〜 

女妹「だからあなたとはまったく付き合う気はないの。待たせてるからもう行くね?」タタタタ… 

チャラ男「なっ!?おいっ!ちょっと待てよ!!」ダダダダ 

女妹「おまたせー♪」ノシ フリフリ 

男「おう」ノシ 

チャラ男「!?オトコが居たのかよ!」 

女妹「ね?だから無理だって言ってるでしょ?」ニッコリ 

男(…なんだ?ああ、ナンパか?) 

男「早く乗りな。時間がないぞ」 

ブロロロン ブロロロン… 

女妹「ちょっと時間かかっちゃった。ごめんね?」 

男「いいよ、俺も買うものがあったし。そっちも大変だったろ?」 

女妹「うん。あ、お店の場所分かる?」ガサゴソ 

男「ああ、何回か行ったことあるしな」 

女妹「おっけー。早く行こう♪」 

〜PM6:30・ある店〜 

男「到着ー」 

女妹「これ持っていけばいいのね?」ガサガサ 

男「うん、あとの荷物は俺が持っていくから」ゴソゴソ 

カランカラン 

女妹「遅くなってごめんなさーい」 

姉「いいのいいの。まだ始まってないし、今日はお祝いだからね♪」ニコニコ 

男「姉貴、これで頼まれてたものは全部だよ」ドサッ 

姉「サンキュー♪アンタも早く席に着きなさい。もう始めるよ」 

男「了解」 

トタトタ ドサッ 

女「お疲れ様。はい、お茶どうぞ」ニコッ 

男「お、サンキュー」ゴクッゴクッ 

女妹「お姉ちゃんもお店の準備、大変だったでしょ?」 

女「そんなこと無いよ。ほとんど男の人がしてくれたから。それに車の運転よりは気が楽だからね」 

女妹「あー、あたしもそっちのほうがよかったかな?買い物、結構大変だったし」 

男「その後ちょっとあったりしたしな」ニヤニヤ 

女妹「あー、あれは突然だったから、さすがに焦ったよ」クスクス 

女「…なあに?何があったの?」 

男「なんか、告白されてたみたいだったぞ」ニヤニヤ 

女妹「だって帰ろうとしたらいきなり現れてさ。こっちの都合も聞かないでいきなり告白だよ?」フゥ 

女妹「いくら同じ講義受けてて顔知ってるからってさ、常識外れでしょ?あたしのほうは相手の名前も知らないってのにさ。そんな奴、碌なもんじゃないよ」 

男「でもさっきのこと、大学で噂になるんじゃないか?オトコが居るってさ」 

女妹「いいのいいの。これで少しは静かになるかもね。」 

女「…大学生ってなんだか大変そうね…」 

女妹「男君だったらいつでもおっけーなんだけどなぁ」チラッ 

男「女、どうする?」チラッ 

女「んー、誰にもあげない♪」ギュッ 

女妹「…あ〜あ、いつになったらあたしにもこんないい男が現れるんだろ?」ハァ 

姉彼「それでは、お集まりの皆さん。本日は私たち二人の結婚披露宴の2次会にお集まりいただき、ありがとうございます」ペコッ 

姉「不束者ですがこれからもどうぞ御支援のほど、よろしくお願いします」ペコッ 

姉彼・姉「「と、堅苦しい挨拶はこの辺にしてぇ」」 

姉「飲めや歌えの宴の始まりだよー!」イエーイ!! 

姉彼「車の奴は飲むんじゃないぞー!」イエーイ!! 

店長「店の物壊しやがったら弁償だぞー!」イエーイ! 

姉「店長!料理と飲み物、ドンドン持ってきなさい!」 

店長「まかせとけ!」ドンッ 

男「相変わらずだな、あの店長も」ククク… 

女「姉彼さんの友達だもんね」ニコッ 

女妹「みんなノリがいいねー」 

男「類友なんだろ?」 

女妹「じゃあ、お姉ちゃんだけが異端なんだ」クスッ 

女「そんなこと無いもん!」プクッ 

男「いや、そこは対抗しなくてもいいところだぞ?」 

姉「おっとこー、食ってるかー」ヘラヘラ 

男「姉貴、飲み過ぎ…まあ、いいか。ああ、食ってるよ」モグモグ 

姉「そーかー、女!飲んでるかー」ヘラヘラ 

女「の、飲んでます」チビッ チビッ 

姉「よし!今度はお前らの番だぞ!そりゃ!バトンじゃ!!」ポイッ 

男「いやそれ、どう見ても蝋燭」 

姉「…男もさぁ、市役所の…税務課だっけ?に就職してさぁ…一人前に稼いでるしさあ、女と同棲してるしさあ、もういい加減イラついてんだぞー!」フラフラ 

女妹「そうだそうだー」ヘラヘラ 

女・男「「…」」チラチラ 

男「…あのさ、姉貴」 

姉「なんだ、ヘタレ男」ヘラヘラ 

男「来年、俺が二十歳になったら、俺達結婚するんだ」 

姉・女妹「「なぬっ!」」 

男「と言っても、籍を入れるだけでさ、式とかはまあ、身内だけで落ち着いてからってことでさ」 

女「もうお互いの両親にはね、先週報告したの」ニコッ 

女妹「へえ〜、あのお母さんがよく許したねぇ」 

女「市役所勤めの役人なら…ってことらしいわ。ちょっと思うことも…うん、あるけどね」 

男「祝福してくれたんだから問題なし!だろ?」ニコッ 

姉「いやー、こりゃ参ったね♪ヘタレがいつの間にか『オトコ』を見せてるわ」グビッ 

姉友1&2「「なになに?何があったの?」」 

姉「良くぞ聞いてくれた!男と女が結婚するんだってさ!!」 

姉友1「ホント!?やったじゃない、女!おめでとう!!」 

男(相変わらずファッションセンスとスタイルは抜群だな、姉友1さん) 

姉友2「やっぱアレ?アタシの夜伽講座が効いたってか?」ケラケラ グビグビッ 

男「…おーんーなー?」ジトー 

女「あぅ…」カァァ/// 

女妹「まあまあ、それじゃあ、婚約を祝って!」 

姉・女妹・姉友1&2「「「「かんぱーい!」」」」カチーン! 

女・男「「かんぱーい」」チン 

姉「よーし!男を取り押さえろー!!」バッ 

男「え?ちょっ…うわあ!」ドサッ 

姉「誰が一番いっぱいキスマークをつけれるか競争だぁー!」 

女妹・姉友1&2「「「おーっ!」」」 

男「おいっ!ちょっ…やめろって!!こらーっ!姉貴っ!ズボン取るなー!!」ジタバタ 

女「ダメーっ!私のだからダメぇぇぇ!!」アタフタ 

他のオトコ一同「「「羨ましいぜチクショウ!替わりてぇぇぇぇ!!」」」 

〜宴終了後〜 

男「じゃあ、女友さんたちを送ってくるから、ちょっと待ってて」 

女・女妹「「はーい」」パタパタパタ… 

店長「悪いな、女の子二人に後片付け頼んじまって」 

男「いいですよ、それより今日はありがとうございました」ペコッ 

店長「いいってことよ。それより早く送ってやんな。そっちのヤンキー、白目剥いてスカート肌蹴てその…パンツ丸出しだぞ」 

男「ありゃ。はい、それじゃそろそろ。姉友1さん、このタオルを姉友2さんの腰あたりに掛けて下さい」 

姉友1「おっけー」 

男「すみませんね…ってパンツ丸見えのままじゃないですか!」 

姉友1「あれ〜?見たくないの?ほれ、ほれほれ♪」チラッ チラッ ペロン 

男「姉友1さんまで見せないでください!運転できないじゃないですか!!」 

姉友1「よーし、ついでに姉友2のパンツ取っちゃえ!」ゴソゴソ 

男「や・め・な・さ・い!」ゴンッ 

姉友1「うぅぅ…頭が痛いよぅ」 


男「自業自得です!ほら、出発しますよ」 

姉友2「ん〜う?ヤンの〜?」ヌギヌギ ポイッ 

男「姉友2さん!パンツ脱がない!!てか、何でパイパン!?」 

姉友1「あ、この子薄毛だk」ゴンッ 

男「もういいですから!」ジロッ 

姉友1「教えてあげただけじゃん…頭痛いよぅ」 

男「いきますよ!」 

姉友2「もーイクの〜?」ボケボケ 

ゴンッ 

姉友1「いった〜い!なんであたし叩くのぉ?」シクシク 

男「あ、間違えた」 

〜PM10:30・男のハイツ〜 

男「ただいまー」 

女「ただいま」 

男「おかえりー」 

女「おかえり」 

男「お疲れ様」ムギュー… 

女「お疲れ様…」チュー… 

女・男「「ぷはぁっ!」」 

男「あははは、酒臭いよ、女」 

女「男はニンニクの匂いがするよ。ふふっ」 

男「ははは…今日は無茶苦茶だったな」 

女「でも楽しかったよ?ふふっ」 

男「でもキス攻めには参った…」 

女「そんなこと言って…本当は嬉しかったんじゃないの?」ジトー… 

男「えー、はい。みんなきれいなお姉さま方だったのでちょっとだけ…」 

女「やっぱり」クスクス 

男「あれ?怒らないの?」 

女「正直すぎるんだもん、呆れて怒る気にもならないよ。それに、その…大きくなってなかったし…」モジモジ 

男「あ、あー…なるほど」ニヤニャ 

女「もう!」ペシペシ 

男「いたいいたい!あははは」 

男(やばかった…勃ってなくてほんとによかった…) 

女「早く中に入ろう?いつまでも玄関で立ったままって、何か変」クスクス 

男「よし、じゃあ俺は風呂の準備だな」トタトタ 

女「じゃあ、私は着替えを出してくるね」パタパタ 

男(よし、今のうちに準備して…と) 

女「はい、着替えとバスタオル♪」バサッ 

男「女、手、貸して?」 

女「え?いいけど?」ヒョイ 

男「これからもよろしく」スッ… 

女「…え?これ…婚約指輪?」キラキラ 

男「今日出来上がったんだ」 

女「で、でも男、お金ないでしょ?今年就職したばっかりで!」アタフタ 

男「高校時代にバイトで結構貯めてたからね」 

女「…車も欲しいのがあるって言ってたのに!」アセアセ 

男「車は女のがあるから今は買う必要ないし」 

女「そ、それに、家をでてハイツ借りて…」 

男「分署もないようなうち程度の市町村だと市営住宅なんて作れないからその分、住宅補助が充実してるし」 

女「婚約指輪なんてもっと先だと思ってた…もしかして今日、買出しする係にかってでたのって…これのため?」ウルッ 

男「うん。受け取ってくれるかな?」 

女「うん…うんっ!」ポロポロ 

男「若輩者ですが、よろしくお願いします」ペコリ 

女「グスッ…こちらこそ不束者ですが、よろしくお願いします」ペコリ 

男「俺、女がいるだけで最高に幸せだよ」ギュー… 

女「うん…私も…男がいるだけで最高に幸せ…」ギュー… 


エピローグ突入です! 

【エピローグ】 

〜翌年・6月18日(火)・PM0:15・市役所内〜 

男「課長、ちょっと席を外します」ガタッ 

課長「おぉ?今日出すのか?」 

男「ええ、ですので戸籍係付近にいますから」 

課長「帰りは昼休み過ぎてもいいからな」 

男「はい、すいません」トタトタ 


男「んーっと…あ、いたいた」ノシ ブンブン 

女「あっ」ノシ フリフリ 

男「ゴメンゴメン、待たせちゃったか?」 

女「うふふ、いつもは私が待たせるのにね」チラッ 

男(その下から見上げる上目遣い!反則だぁ!!) 

男「昼休みにゴメンな」 

女「いいの、一緒に出したいって言ったのは私だもん♪それに、会社から近いからね」ニコッ 

男「女…よし!じゃあ、総合窓口のほうに行こう」ギュッ 

女「はい♪」ギュッ 


窓口の女「あら?男さん。なにか?」チラッ 

男「あー、今日はk」 

窓口の女「あ、そういうこと?ちょっと担当者呼んでくるわ」プイッ パタタタ… 

男「まだ何にも言ってないのに…」 

女「…」ジー… 

男「…女さんの視線が痛いんですが…」ドキドキ 

女「男って…今の女の人と仲いいの?」ジー 

男「あー、最初の頃はいろいろ話しかけられたけどな」 

女「それで?」ジー 

男「婚約者がいるって言ったらあの子からは話しかけられなくなった」 

女「え?」 
男「っていうか、女の子たちからは殆んど無視されてる」 

男「で、最近声をかけてくれるのはもっぱらおば様方」 

担当の女「あら、おば様だなんて照れるじゃない♪」 

男「あ、居たんですか!?」アセッ 

女「…そっか、えへっ♪」 

男「ん?機嫌直ってるけど、どうした?」 

女「ううん、なんでもなーい♪」 

担当の女「で?あたしを呼んだってことはつまりその子と…」 

男「はい。お察しのとおりです」 

担当の女「どおりであの子が膨れっ面で拗ねてるわけだ」ケラケラ 

男「え?」 

担当の女「あんたの彼女…あ、もう奥さんかな?すごく可愛いものね。あの子じゃ勝てるわけないわ」ニヤニヤ 

男「はあ?」 

女「もう!男は鈍感すぎるよ!!」ドンッ 

男「うぐっ!肘が来るとは…昇天しそうです」 

女「昇天しちゃダメ!」ペシペシ 

男「はぅ!生き返リました」 

女「よろしい」クスッ 

担当の女「あははははは、あんたらホントに仲がいいわねぇ」 

男「ははは…」 

担当の女「で、婚姻届は?」 

男「あ、えーっと…よし、あった。出すよ?」ガサゴソ 

女「うん、いよいよだね」ウルッ 

男「はい、お願いします」カサカサ 

担当の女「はいはーい、ちょっと確認しますねー」カサカサ 



男「女…」 

  ---寂しい思いもした 

男「これで正式に夫婦だ」ニコッ 

  ---つらい思いもした 

女「あは、泣きそうになっちゃった」グスッ 

  ---悲しくて挫けそうにもなった 

男「出逢ってから4年半か…」 

  ---負けそうになった 

女「…そうだね」ウルッ 

  ---でも女と出逢って 

男「待たせてゴメンな」 

  ---一緒にいると暖かい 

女「…いいの、男と一緒だったから」ウルウル 

  ---一緒にいると楽しい 

男「なあ、女」ギュッ 

  ---一緒にいるだけで嬉しくて弾けてしまう 

女「なあに、男?」ウル ニッコリ 

  ---女といるだけで俺はこんなにも幸せになれる 

男「俺を選んでくれてありがとう」 

  ---だから… 


男「女に出逢えてよかった」 


〜END〜 

おわったー! 

支援、さるよけ、保守してくださったすべての方々にありがとう! 

初SSですが何とか終わらせることができました!感謝です!! 






出典:男「…へ?」姉「だからさ」
リンク:http://raicho.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1293115662/l50
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