欠損少女「こんな体だけど私のこと受け入れてくれるの…?」 (エロくない体験談) 61284回

2011/02/21 15:56┃登録者:えっちな名無しさん┃作者:名無しの作者
女「いや・・・。大丈夫ですよ?ありがとうございます」 

迷惑そうな苦笑いで俺を見る 

「ですよね。すいません。それじゃ・・・」何やってんだと恥ずかしくなりコンビニを出た 

数日後、コンビニでの一件をすっかり忘れてた俺だった 
俺「煙草、なくなったか」 

フラっとコンビニへ行くとあの女性がいた。車イスに乗ったあの女性だ 


俺「あ・・・」と言葉を探してる間に向こうから声をかけてきた 

女「この前はありがとうございました」 

(何もやってないんですが) 

俺「ちょ、ちょっと待ってて!すぐ終わるから!!」 


膝にレジ袋をちょこんと乗せている彼女を引き止めた

俺「すいません。お待たせしました」 
煙草だけ買って、すぐに女性の元へ向かった 
何で引き止めたのか自分でも分からない 

コンビニを出て彼女に何を話そうか、引き止めたくせに考えてると 

女「あの。何ですか?何か用でも・・・?」 
と少し困ったような、迷惑そうな声で聞いてきた 

俺「いや・・・。すいません。その、よかったら途中までご一緒してもいいかな。と・・・すいません」 


女「ふふっ。謝ってばっかり」 

彼女の笑った顔が可愛かった 

彼女が車イスを動かそうと手をかけた 

俺「俺、押しますよ」 

女「大丈夫ですよ?ほんといいですから・・・」 


この時の彼女は何か悲しそうな顔をしていた。と思う 

俺「こう見えて体力あるんですよ」と意味がわからないことを言い、無理矢理車イスを押す 


女性は何も言わない 
そのまま車イスを押しだした 

女「桜・・・」 

桜並木の公園を横にしたとき彼女が呟いた 

俺「少し寄って行きますか」 
ハンドルを左へ切り公園へ入ってく 


この公園を横にするまで俺と彼女は無言だった 


女「綺麗ですよね・・・桜」 

俺「そうですね。好きなんですか?桜」 


女「ちょうどこの頃だったんですよ。足、動かなくなったの・・・」 


無言だった次は一気に重い話になった 
俺「(あ・・・あぁ・・・)」 

女「5年前事故で動かなくなっちゃて・・・。小さい頃からならまだよかったんですけどねー」 

笑いながら彼女が話す 

女「桜って散ってもまた綺麗に咲くじゃないですか。散ってもまた咲くから散っていく姿も美しいとか言われたり。だから桜は嫌いなんです」 



俺は何て言葉をかけていいかわからなかった。笑いながら話す彼女に俺は・・・ 


女「今日もやっぱり嫌いだな。私が笑っても他の人は悲しい顔になる。で、何で声かけたんですか?」 

俺「なんとなく?」 

頭の回転が追いつかない俺はこの言葉しか出てこなかった 


女「何ですか、それ」 


彼女は色んなことを話しはじめた 
足が不自由になってからの他人の視線、それに対する不快感 
どうすることもできない悔しさ、絶望感 

そして孤独感・・・ 


俺はこのとき彼女を暗い底から引き上げたいと思った。独りじゃないことを教えたかった 
俺に見せたあの"本当の"笑顔をもう一度、何度も見せてほしかったから 

俺「困ったことがあればいつでも呼んでください。他人に甘えるのも一つの技ですからね」 

はい。っと携帯を取り出し番号を送る 

女「全然知らない方にこんな重い話しましたからね。お詫びの為に1度は連絡しますよ」 
笑いながら携帯を弄っている 


女「何なんですかね。初めてですよ。こんな話したの」 


俺「何なんでしょうね。ホントすいません・・・」 


また謝った。と彼女が笑う 
この笑った顔は桜より綺麗で可愛い 

俺「じゃあ、今度は僕の話でもしますよ?何も面白くないですけど」 

女「面白くないのはちょっと・・・」 


互いに笑ってこの日は終わった 

帰ってすぐ「今日はありがとうございました」とメールがきた 
何度かメールのやりとりをし、彼女の名前も知った 

俺はもう1度会いたかった。いや、さっきまで一緒にいたのは分かってる 
でも今すぐにでも会いたかった・・・ 


俺が送ったメールは返信がなく、そこで終わった 

1ヶ月近く経つ 
彼女からのメールがないまま、俺は彼女のことばかり考えてた 

自分からもう一度連絡すればいいだけなんだろうが、俺は勇気がなかった 
そもそも何て連絡したらわからない。迷惑なんじゃないのか。そんなネガティブ思考のせいで出来なかった 



ヴーヴー ヴー 
携帯が鳴る 

「今日、予定などなければコンビニに来てくれませんか?無理なら無理で構いませんので」 


俺はメールを見てすぐ、走って向かった 

女「すいません・・・急に呼んだりして。メールも返さなくて。」 


俺「いや。いつでも呼んでくださいって言いましたし、構いませんよ。で、どうしたんですか?」 


女「あの、御礼というかお詫びというか・・・。だからご飯でも。と」 

うつむいて小声で恥ずかしそうに話す彼女 


俺「いいですよ。そんな。僕、何もしてないですし・・・。ご馳走とか無しに、 
一緒にご飯食べるでどうですか?」 


女「はい・・・」 

二人で喫茶店に入り、楽しい時間を過ごした 
このとき俺は彼女のことが好きだ。と知った 
楽しそうに話す表情、メールを返さなくて申し訳なさそうに話す表情 
話が頭に入らず彼女の顔ばかり見てた 

(あぁ・・・。俺、好きだ。) 


食事を終え、外へ出る 

俺「桜、散っちゃいましたね」 

女「そうですね。でもまた来年綺麗に咲くんですよ」 


やってしまった・・・・多分互いに思った 


春なのに風が冷たい 
彼女の膝に上着を被せる 


女「え?ちょ・・・。いいですよ。こんなこと」 


俺は無言のまま彼女の車イスを押した 
桜が散った桜並木の下、2人だけの空間 
このまま時間が止まれば・・・・・ 

らしくないメルヘンなことを考えていると 


女「迷惑ですよね・・・・。足の動かない女の相手って。でも私も人から色々されるのはやっぱり・・・。 
ごめんなさい。」 

人に助けてもらうのは申し訳ない。だから助けなんていらない。 
しかし助けてもらわないと出来ない 
他人の好意が苦痛 

わからなくもない。でも俺はそれでも彼女のそばに居たかった 


女「今までありがとうございました。でも甘えちゃだめですよね。ごめんなさい、自分勝手で」 


終わらせたくなかった

彼女の前に行き、腰を落とし目線を合わせた 

俺「お、俺。好きなんですよ・・・・。あなたのことが・・・。その、はい。」 


女「え・・・。そんな。」 

下を向いて泣いてしまった 


女「ごめんなさい・・・。こんなの言われたことなくて。嬉しくて・・・」 

「でも・・・」と彼女が続ける 

女「でも付き合えません。ごめんなさい。こんな身体だし、いつか・・・。怖いんです。ごめんなさい」 


今日で最後 
無理言って、友達というかそんな関係で彼女のそばに居て世話をして・・・。 
出来たかもしれないが、俺は何も言わなかった。言えなかった 
所詮俺なんかが人を救うことなんかできなかったんだ 
暗い底に居る彼女を引き上げる?馬鹿だな、俺 

「フラれたんだよな・・・。ダセぇ」 
部屋で大の字になり天井を見つめる 

たった数回会って、話をしただけなのに何年も一緒にいたように思い出が頭をめぐった 



「何なんだよ。俺は。」 


モヤモヤする。結局何も出来なかった自分に腹が立つ 

それからあの彼女との出会いはなかったかのように毎日が過ぎていった 
夢だったんだろう、きっと 



「煙草・・・・」 


カラになった箱を握りつぶし「買いにいくのめんどくせぇ」と思いながら見つめる 


はぁ・・・ 
重い腰をあげ玄関を出る 


俺「雨降ってんのかよ。はぁ・・・」 

全てに絶望したような、自分でも不細工だと思う顔でコンビニの前まで歩いた 
はぁ・・・とまたため息をしながら顔を上げ、コンビニを見た 


1人、困ったようにコンビニの前で空を眺めてる女性がいた 
その女性は車イスに乗って、レジ袋を膝にちょこんと乗せ空を見ている 



遠い日の思い出のようにあの女性との出来事が甦る 

「マジかよ・・・・」 


体が動かなかった 
傘をさしたまま、ただ立ち尽くし車イスの彼女を見つめた 
そのまま店へ入るか、何もなかったように帰るか 


声をかけるか・・・・・・・ 

夏の雨のせいだろうか。暑かった 
いや、彼女を目の前にしてただ自分の体温が高くなってるだけだ 


俺「雨、止みそうにないですね」 



彼女が驚いた顔で見上げる 

女「そう・・・ですね・・・・」 


数分、数秒なんだろうが、2人コンビニの前でいたこの時は本当に時間が止まったかのように 
長く感じた 

俺「ちょっと待っててください」 

そう言って煙草を買いに店へ入った 
待っててもなにも彼女は雨のせいで動けなかったが、居なくなる気がして。 


俺「お待たせしました・・・。雨降ってますし、近くまで送りますよ。」 



彼女に何も言わせず、傘を渡し車イスを押し出す 



家の前へ着いたとき2人は濡れていた 


女「」 

俺「」 



俺「すいません。結局濡れてしまいましたね・・・・。ごめんなさい」 


最悪だ 
逃げるように立ち去ろうとすると 

女「ふふっ。なんか笑っちゃいますよね」 


俺の好きだったあの笑顔で彼女が言った 



女「風邪引いちゃいますから・・・。」 
続きの言葉は聞こえたような、聞こえなかったような 
自然と彼女の部屋へ上がった 

タオルを借り、濡れた頭を拭く 

部屋は特別変わったような造りではなく、普通の女性の部屋だった 


女「どうぞ」 


温かいコーヒーを彼女がさしだした 

俺「すいません。いただきます・・・・」 


2人、何も言わず 
雨の音も聞こえない。部屋がすごく静かだった 

ふと彼女を見ると顔が赤かった。目も少し重い 
何も言わず彼女の額に手をあてる 
熱かった 


俺「熱、あるんじゃ・・・。寝てください。俺、すぐ帰りますから」 


何も言わない彼女を抱きかかえ、寝室へ連れて行く 

彼女をベットに寝かし、帰ろうとしたら 

女「ごめんなさい。」  泣きそうな声で謝ってきた 



俺「何がですか?俺の方が謝らないといけないのに」 


女「少し、居てもらってもいいですか・・・・」 

女「ほんと、嬉しかったんですよ?貴方に助けてもらったり。好きって言ってくれたり・・・」 


女「自分勝手で貴方を傷つけて。最低ですよね」 


俺は黙ったままだった 
何か言うと、今、この2人だけの空間を壊してしまいそうだから 
彼女のそばに居る。それだけでよかった 

女「貴方は優しいですよね。その優しさ、私じゃなくもっと素敵な人にあげてください。勿体ないですし、その方が幸せですから」 


俺「やっぱり・・・」 

もう壊れてもいい。もともと1度フラれてるのだ 
俺は彼女が好きだ。守りたい。そばにいたい 


俺「やっぱり好きです。あなたが。あなたの笑った顔、本当に笑った顔、ずっと見たい・・・」 

女「だから、無理ですって・・・。」 



女「私みたいな人間より普通の子とのほうがいいんですよ」 


俺「足が不自由だろうが関係ない。俺はあなたと一緒に居ることが幸せなんです。あなたの笑った顔見ることが僕の幸せなんですよ」 



女「ずっと車イスですよ?一緒に並んで歩けないんですよ?」 

俺「いいですよ、別に。というか普通って何なんでしょうね」 


女「ずっと歩けない女の面倒みるんですよ?あなたの自由奪っちゃうんですよ?無理に決まってるじゃないですか」 


俺「じゃ、試してみましょうよ。僕はずっとあなたのそばに居ますから」 

女「なんで・・・。何でそこまで。」 


俺「笑った顔、好きだから。それに僕の好きな桜。あなたにも好きになってほしいから」 


女「こんな体ですよ?ずっと歩けない、車イスの私のこと受け入れられるんですか・・・?」 


俺「えぇ。好きですよ。どんなあなたでも」 

泣いた彼女の顔は綺麗だった 
でも俺は彼女の笑った顔が1番好きだ 
桜のように綺麗な笑った顔をずっとみていたい 

僕は彼女の笑顔を散らせたりはしない。桜が散らず、ずっと咲いてるように 
ずっと歩けなくても、ずっと車イスでも僕は彼女を・・・・




出典:欠損少女「こんな体だけど私のこと受け入れてくれるの…?」
リンク:raicho.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1298042708/
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