注連縄 (恐怖の体験談) 20985回

2011/05/18 14:30┃登録者:痛(。・_・。)風◆pvNbTqv.┃作者:名無しの作者
889 :本当にあった怖い名無し:2009/08/17(月) 08:55:15 ID:a0/zsdaQ0
俺の田舎の祭りに関する話を投下します。 
俺は神戸に住んでいるんだけど、子供の頃、オヤジの実家である島根の漁師町へ良く遊び 
に行ってた。 


9歳の時の夏休みも、親父の実家で過ごした。そこで友達になったAと毎日遊びまくって 
て、毎日が凄く楽しかったね。ある日、Aが神社に行こうって言いだしたのね。しかも、神 
社の社殿の中に入ってみようぜって。 

この神社についてまず説明させて下さい。神社は山の上に立ってて、境内にまず鳥居があ 
る。山から麓までは階段が続いていて、麓にも鳥居。それから、鳥居からまっすぐ海に向 
かうとすぐに浜に出るのだが、浜辺にも鳥居が立ってるの。つまり境内から海まで参道が 
まっすぐ続く構造。ちなみに神明社。 

話を戻すと、俺はAについていって麓の鳥居の前まで来たんだけど、神様の罰が怖かった 
のと、なんだか妙な胸騒ぎと言うか、嫌な感じがしていたから行かないって言った。Aには 
この弱虫とかさんざん言われて、癪だから随分迷ったんだけど、結局俺は行かなかったの 
ね。それで、20分ほど待ってたら、Aは戻ってきて「つまんなかった。社の中にはなんも 
ない、鏡があるだけ。」と言っていた。なんだ、そんな物かと俺は、ほっとした。 



890 :注連縄2/6:2009/08/17(月) 08:57:02 ID:a0/zsdaQ0
ごめん>889が注連縄1/6ね。 

次の日には、Aから弱虫呼ばわりされたのもケロリと忘れて、Aとやっぱり遊びまくってた。 

楽しい夏休みもいずれ終わる。家に帰る時、Aは見送ってくれて、再来を約束した。 
A「またな、来年も絶対来いよ。」 
俺「おう。約束する。」 

で、次の年の夏休みも島根に来たんだけど、俺は御馳走されたスイカを食べながら、 
俺「明日は、Aと遊びたい。」 
と言ったら、ばあさんと叔父さんの顔が急に曇ったのよ(ちなみにじいさんはずっと前に亡 
くなってます。)。 
叔父「あのなあ、お前はA君と仲良かったから黙ってたんだけど、実はA君は死んだんだ。」 
俺「えっ」 
叔父「夏休みが終わって、三日程してかな、海でおぼれちまって……。」 
もう俺はショックだった。昨年の事を思い出して、もしかしたら神社の罰かもと思ったけ 
ど、まさか社殿に入っただけで神様が祟り殺すはずはないよなーと思い直した。 



891 :注連縄3/6:2009/08/17(月) 08:58:00 ID:a0/zsdaQ0
それから、話が飛んで、俺が大学生の頃、オヤジが亡くなりました。 
オヤジが亡くなった年の12月初旬に叔父さんから電話があって、大晦日から元旦にかけて 
行う、オヤジの地元の祭りに参加しろとのことだった。 
俺「おっちゃん、俺、神戸なんだけど。交通費もかかるし、参加しなくてもいいでしょ。」 
叔父「馬鹿、お前、兄貴が亡くなったから、お前が本家の当主だぞ。○○(俺の名字)の本家 
が祭りにでないなんて、絶対に駄目だ。兄貴も毎年参加して、元旦に神戸へUターンして 
ただろ。」 
俺「おかげでお袋は、その祭り、本当に参加しなきゃいけないの!って毎年ぷりぷりして 
だけどね。」 
叔父「ああ、言い訳は良いから。」 
と言われて、しぶしぶ祭りに参加させれる事にちまった。 

当日、大晦日の20時に付くと、叔父さんがイライラして待っていた。 
叔父「おせーぞ。19時には着くって言っただろ。」 
俺「ごめんごめん、松江で鯛飯食ってたらから、でも祭りは21時からだから、十分間に 
合うでしょ。」 
叔父「馬鹿、潔斎する時間を考えろ。」 
俺は潔斎と言われて驚いた、そんなに本格的な神事なのか? 俺は慌ただしく、風呂場で 
潔斎して、オヤジのお古の家紋入り羽織袴を着せられ、祭りの会場の浜まで走って向かっ 
た。 



892 :注連縄4/6:2009/08/17(月) 09:01:28 ID:a0/zsdaQ0
浜には、やはり羽織袴の人達がいっぱいいる。この祭りは女人禁制どころか、各々の家の 
家長しか参加が認められいないものらしい。時間が来たら、神主さんが海に向かって祝詞 
を唱えて神様をお迎えする。後は参道を通って、境内まで神主さんを先頭に、松明に照ら 
されてぞろぞろと行列。神様を社殿に鎮座させた後は、能や神楽等が催されて、一晩中、 
飲めや踊れやの大騒ぎで一晩過ごす。飲みまくるのは神人共食神事? って奴かな。 

酒飲んで良い気分になってふらふらしてきた頃、社殿をぼーと見てたら、なんだかおかし 
い事に気付いた。注連縄なんだけど、左が本、右が末になってる。つまり、逆に付けられ 
てんだよね。なんだこりゃ、と思いつつも酔ってたから、余り深く考えなかった。 

次の日、なんとなく気になって、叔父に注連縄の事を尋ねてみた。 
俺「ねえ、神社だけどさ、注連縄逆じゃない。」 
叔父「なに、お前、そんな事も知らずに祭りに参加してたのか。」 
俺「だって、オヤジも教えてくれる前に死んじゃったし、おっちゃんも教えてくれてない 
でしょ。」 



893 :注連縄5/6:2009/08/17(月) 09:02:12 ID:a0/zsdaQ0
叔父「そうか……、すまんな、じゃあ、きちんと説明しておくか。」 
俺「頼むよ。」 
叔父「あの神社なあ、神明社で天照大御神を祭ってある事になってるけど、実は違う。ご 
祭神はもっと恐ろしい物だ。」 
俺「えっ、そうなの。」 
叔父「明治時代に、各地の神社の神様が調査されたんだけど、役人がこの土地に来た時、 
単に土地の者は、神様って呼んでただけで、神様の名前は知らなかった。何しろ昔の人間 
は神様の名前なんて、恐れ多くて知ろうともしなかったし、興味もなかった。それで、役 
人が適当に神明社ってことにしたらしい。こうやって、各地の無名の神様が記紀神話の神 
様と結びつけられてったんだな。」 
俺「じゃあ、何の神様か解んないんだ。」 
叔父「いや、名前が解らんだけで、どんな神様かは解る。お前、御霊信仰って知ってるか。」 
俺「知ってる。祟り神とか、怨霊をお祀りして鎮めることで、良い神様に転換して御利益 
を得るやつでしょ。上御霊神社とか天神様とか。……まさか。」 
叔父「そうだよ。海は異海と繋がってるって言われるだろ、だから、良くない物が時々海 
からやってきてしまう。特にここら辺は地形のせいか、潮のせいか、海からやってきた悪 
霊とか悪い神様が、あの浜には溜まりやすいらしいな。それが沢山溜ると、漁に出た船が 
沈んだり、町に溢れて禍をもたらしたりする。だから、溜る前にこっちから、神様をお迎 
えして神社に祭る。それが祭りの意味だよ。」 



894 :注連縄6/6:2009/08/17(月) 09:04:58 ID:a0/zsdaQ0
叔父さんは続けて語った。 
叔父「だから、注連縄はあれであってる。」 
俺「えっ、どういう事。」 
叔父「注連縄って、穢れた人間が神域に這入ってこれない様に、つまり外から内に入れな 
い様張り巡らすもんだろ。」 
俺「そうだね。」 

叔父「あの注連縄は逆。内から外に出れない様に張り巡らされてる。つまり神様が外に出 
れないように閉じ込めてんだよ。」 

俺は昔を思い出してぞっとしたね。昔、Aが社殿に入り込むと言う事がどれだけ無謀で危険 
な行為か理解できた。Aはむざむざ外に出れないように閉じ込められている悪霊、悪神の巣 
に入って行った訳だ。もし俺があの時、Aの話を断れずについて言ってたらと思うと……。 
背筋が凍りついて、気が付くと手に汗でじっとりと濡れていた。 

長文スマン。最後まで読んでくれて サンコス。 

出典: 
リンク: 
  投票  (・∀・):39  (・A・):12  →コメントページ
読み終わったら評価を投票してください。押してもらえるだけで更新意欲がわくです。
コメント書かなくても投票だけでもできます。
作者の創作意欲を削ぐような発言は絶対に止めてください。
既出や重複の登録を見つけたら掲示板までお知らせください。
イイ→ イクナイ→ タグ付→
ココ
コメントがあれば下に記入してから押してください(30秒規制)
名前: トリップ:
コメント:

  トラックバック(関連HP)  トラックバックURL: http://moemoe.mydns.jp/tb.php/25649/
トラックバックURLは1日だけ有効です。日付が変わるとトラックバックURLが変わるので注意してください。
まだトラックバックはありません。
トラックバック機能復活しました。

  Google(リンクHP)  このページのURLを検索しています
検索結果が見つかりませんでした

TOP
アクセス解析 管理用