久しぶりのお盆休み (エロくない体験談) 41196回

2011/08/13 00:06┃登録者:トラウマさん┃作者:名無しの作者
今日はちょっと早めにお盆休みが取れた。

実を言うと実家に帰って墓参りをするのは久しぶりだ。
ここ何年か、毎年仕事が忙しいのを理由にお盆は帰っていなかった。

年を取った親にいろいろ説教されるのは正直イヤだった。
親の世代から見たら、30代半ばで結婚もせず、フラフラしているように
見えるのかもな・・・そう思う。

実家に帰ると、親父は姿が見えなかった。
母に聞くと、「お墓掃除にいったんじゃない?」と、エアコンが苦手な母は
汗を拭きながら畑で取ってきたキャベツを切っていた。

・・・そういえば、お墓掃除してなかったなあ・・・

俺は、ふと思い立って、長靴を履いて長袖に着替えた。
「どこ行くんね」「え、墓掃除手伝ってくるよ」
母に持たされた草刈りの道具とほうきを持って、近くの山にある先祖のお墓に行く。
結構坂がきついのでちょっと疲れて途中で休憩。

せまい雑草の生い茂る道を行くと、お墓がたくさんある場所に出る。
親父の背中を見つけた。1人でお墓に参っていた。黙々と草を刈っていたようで、
見ると、もう半分以上草取りが終了していた。
「おーい。」
「親父、草取り手伝うよ。」「おお、・・・取った草ほうきで集めてくれや」
親父は昔から口数が少ない。おまけに亭主関白で何度母が出て行く!って
なったことか・・・

男2人なので黙々と作業をする。


・・・親父、なんか小さくなったなあ。

親父は何年か前に心臓の病気で入院した。それ以来、ちょっとやせ細ってしまった。
しかし元気に歩き回るし、なんかしら動いている。
墓の周りはうっそうと茂る森だ。昔からの土地なので、静かな山だ。
作業が終わると、俺は持ってきたジュースを飲みながら、ボーッと休憩していた。
親父は口数は少ないが、母を愛している。
ずっと前、いきなり家にピアノが来た。
なんじゃこりゃ、と思ったが結婚何周年めかのプレゼントらしい。
母は嬉しそうに言った。「昔、私がピアノをやってて、貧乏だからいつか小さくても
ピアノが欲しいなあ、とつぶやいたのを忘れてなかったんだわ。」

やるな親父。

親父は黙々と作業している。ちょっと休憩しようよ、と言っても黙々と。

作業が終わって帰り道、親父と坂を下っていくと、母が冷たいスイカを持ってきた。
途中で山を見ながらスイカを食べた。

親父は汗を拭きながら美味しそうにスイカを食べている。

さっき俺がお墓に来たとき、親父はお墓になにかお願い事をしていた。
俺がそばに来ても気がつかないようで、一生懸命に。

「家族みんなが元気でいられますよう、おふくろ、おやじ、どうかお願いします。」
「息子2人が元気でやっていけますように。怪我とか病気がなけりゃいいです。どうか・・・」

俺は溢れそうな涙をこらえて、ゆっくりと一歩ずつ下がり、さも今来たかのように
親父に「おーい」と、声をかけたんだよ。気をつかわせんな。

俺もお墓の掃除が終わってから、持ってきたろうそくと線香をあげた。
家族が元気で暮らせますように。おやじとおふくろが元気で長生きできますように。

出典:オリジナル
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