妙にツボにはいったw (エロくない体験談) 34268回

2011/08/27 17:17┃登録者:えっちな名無しさん◆txpqNzhE┃作者:名無しの作者
〜2011年8月24日 都内某所 ゆかり王国国立ジム〜

「おお!やっとるな!」

 古参は満足そうに言った。自然と笑顔がこぼれる。広さ40畳程度の室内は、このところなかった熱気が充満していた。ゆかり王国国家元首である、その名も尊き『プリンセス・タムラ・ジョセフィーヌ・ユカリ』のライブBD&DVDが発売されたからだ。 
 
 2010年ツアーファイナル東京国際ファーラムA&2011年日本武道館2daysの2日目の全曲が収録されており、ライブに参加した者は誇らしげに思い返し、参加できなかった者にとっては待望の映像化である。王国民にとって尊敬すべき姫の歌い舞う姿が、ジムの壁面の一部を占拠する大きなスクリーンの画面にて再生されていた。

 さらに、明後日8月27日は、皆で最中を食べるゆかり王国の祝日である『ゆかりの日』であり、さいたまスーパーアリーナにて2日間に渡り開催される、世界最大のアニソンイベント『アニメロサマーライブ』の初日に姫が登場するのだ。

 アニサマは大規模なアニソンフェスであり各レコード会社が推すアーティストのプロモーションの場でもある。直接の観客だけでも2万5千人にも達するのだから、力の入れようも違う。このライブで最高のパフォーマンスをすれば、アニメのBDやCDの売り上げが、数千単位で変わってくるということもささやかれているほどだ。

 その場に今年も姫が降臨する。2008年からの参戦だから、今年で4回目ということになる。2008年には恋人ではないかと噂されていた水樹奈々さんと手つなぎでオープニングを飾るというパフォーマンスで観客を魅了し、2009年には天候を操ると言われるチューリップ王国の姫である新谷・レジェンド オブ 雨ウーマン・良子と手つなぎでキュアキュアを披露し、ギャラクシーエンジェルからの百合原理主義者を虜にした。2010年にはm.o.v.eのmotsu氏とのコラボである『You&Me』を披露し、伝家の宝刀でもある『fancy baby doll』でオーディエンスをメロメロにするという偉業を達成。

 今年の選曲は何かと推察する声は多かったが、ライブBD&DVDのプロモーション活動のために出演しているラジオ番組や王国国営放送で流されている曲から、通称S4Gと言われる『Super Special Smiling Starlight Breaker Shy girl 』と会場限定CDに収録されれている『メタウサ姫』、さらに秋からのアニメ『シーキューブ』でヒロイン&OPを担当するため、新曲である『Endless Story』+コラボ曲が有力とされている。

アニメのタイアップ曲決定のニューシングル、アスタロッテのおもちゃイベントでの『やまなこいちゃいちゃ事変』、9月10月のファンクラブイベントがライブ決定という流れからの、アニサマ前々日ということもあり、日本だけでなく世界から集結した、王国の最精鋭たちは黙々とコールに磨きをかけ続けている。本番を想定し、法被組やヒラヒラ衣装の者もいるが、目立つのはライブで販売されているTシャツを着ている者達である。

 古参は、都内の老舗から取り寄せた最高級最中が届いているか確認し、ライブ用のペンライトが揃っているか電池が切れていないかを確かめ、王国以外のオーディエンスに配布するピンクのサイリュウム2000本が揃っているかを確かめるようにスタッフに指示しながら、ジムに満ちる熱気を満面の笑みで楽しむ。

 もう若くはない、ゆかりんのファンになり10年以上が過ぎた。声優としては遅咲きのゆかりんと共に歩んできた10年だった。2005年に開催された初武道館で、ゆかり姫の国歌がライブ会場限定CDとして発売され、ライブはゆかり王国への入国という体裁を、よりはっきりとさせ世界観を強固にしてきた。若いファンも増えた。コナミ時代は曲ごとの契約だったのが、キングに移籍してからは年契約となり、発表される曲の幅が増え、ライブの規模は大きくなり、ゆかりんの表現したいことが実現しているように感じる。


ゆかりんがいたからだ
ゆかりんが輝き続けてくれたから ここまで道を踏み外さずやってこれた
英語もダメ 数学もダメ 人望もない
ゆかりんのファンということだけが財産だった
ゆかりんの熱心なファンという事実にすがってきた
ゆかりんにすがって生きてきた

 でも、もういいのではないかと思う。ゆかりんと結婚したいとか恋人になりたいという妄想を若い頃はしていた。が、もうそんなありもしない夢を見る年齢ではない。職場で気になる女性に誘われ何度か食事もした。両親に紹介したいと、遠まわしに言われてもいる。若いファンも増えたし、ファンクラブの会員数も1万を大きく超えている。ライブやイベントにかかさず通うのではなく、CDを買い、出演するアニメを楽しむ。それだけでもいいのではないかと、近頃はよく考える。
 
 ゆかりんは喉の手術をしたという。2005年の武道館ライブの前で、キングレコードに移籍しラジオのまとめ収録の回数が長すぎることに気がついていたが、環境が変わったせいだろうと思い込むようにもしていた。その事実を当時ではなく、再び武道館にたった時に言うのがゆかりんらしいとも思う。

 もういいのではないか。
 
 アイドルとして輝き続けてほしいと思う半面、ひとりの女性として幸せになってほしい、そうなった時は発表してほしいなどと、余計なお世話でしかないこともつらつらと考える。表現者としての存在でいてくれれば、それはファンにとって幸せなことであり、ゆかりんが幸せであることをファンの多くは願っている。幸せの定義など、人それぞれなのだけれど、自分が愛する人と共にいる時間が増えて、そう考えるようになった。そんなことを考えながらジムの中を歩き、コールの修正をし、タイミングを教導していると、一人の王国民が視界に入った

 すごい身体をしている。ステロイドなどを使用しない、地道な振りコピの反復練習と血反吐を吐きながらのコールを繰りかえしてきた者だけが辿り着く研ぎ澄まされた肉体だ。8年ほどになるか・・・ゆかりんのライブの当日販売で入ってきて、古参の隣の席だった者だ。小ばかにしたような笑みを浮かべ、ライブが始まる前にロックがどうのと得意気に語っていた。ライブが始まると、徹底的にやった。

 田村ゆかりのライブはたいしたことない

 そんな台詞が絶対に口に出来ないように、ゆかりんを輝かせる全力のコールをした。ライブが終わった数日後、まだ小さかったジムに来た。弟子にしてくださいと、はっきりとした口調で言ったきた。あれから、精進し、他のアーティストを蔑むことなく、ゆかりんを応援し続けてきた仲間だ。

 黙々と、研ぎ澄まされたコールを繰り返すその目が気になった。いつもより険があるように見えたからだ。

「よお、王国民!元気だったか?調子よさそうじゃないか」

 できるだけ明るく声をかけた。顔を少しほころばせながら挨拶をしてきた。少し世間話をしていると、豊崎愛生さんのライブの話題になった。けいおん!!で一躍人気声優になった彼女が、神戸で開催したライブでの事件のことだ。会場の空気を読まずに、自分たちが暴れたいがために騒ぐ連中を、声優業界ではイベンターという。そのイベンターが暴れ、乱闘になったという事件だった。

 古参も数多くのイベンターと戦い、暴力に訴えることなく勝利してきた。完璧に揃ったコールで圧倒し、自分たちが惨めな目立ちたがり屋だと思い知らせてやったこともある。青Tとの激闘など、いま思い出しても身震いするような戦いもあった。しかし、ライブスタッフへの地道な訴えかけが身を結び、そういった迷惑行為は即座に制されるようになってきている、少なくともゆかりんのライブでは。

 しかし、アニサマにはゆかりんのファンだけが来るのではない。それ以外のファンも数多く来るのだから、自分たちのホームでの約束事を強制することなどできようはずもない。年に一度のお祭りだから、ヲタ芸も度を越さない限り我慢するようにと、キツめに言った瞬間だった

「古参さん・・・おれは、ゆかり王国を舐めているやつは、許せないんです。俺たちが本気になったらどれだけのものか、あいつらに教えてやりたいんですよ」

「声ヲタは、ゆかり王国を舐めてはおらんぞ」

「わかります」

「じゃ、どうしてだ」

「世間の奴らが舐めてるからです。コールが仕込みだの後撮りだのと、言いたいことを言っている。そこは我慢できます。おれたちはマツロワヌモノだってことも知っています。けど、姫の・・・ゆかりんの懸命に積み上げてきた歌を、声優だというだけでクチパクなんて言っている人間もいるんですよ」

「・・・ライブに通っている俺たちはちゃんとわかっている。ゆかりんがどれほどの練習をし、あのCDとかわらない・・・いや凌駕するパフォーマンスをスタッフさんやバンドメンバー、ダンサーさんや猫たちと作り上げているか知っている。それでいいじゃないか」

「はい」

 素直に返事したが、その顔は納得しているようには見えなかった。顔見知りの何人かに、王国民がバカなことをしでかさないよう、注意しておくようにと指示をしてジムを出た。嫌な予感がしていた。


〜2011年8月26日 早朝 古参の自宅〜

 いつものように目が覚め、業界紙をチェックしていた古参の目に信じられない記事が飛び込んできた。嫌な予感があたったのだ。素早く着替え、会社に遅れることを伝え、業界紙を握りつぶすように持ちジムに向かった。


〜2011年8月26日 早朝 ゆかり王国国立ジム〜

「王国民 キサマッ!」

ジムに入るなり、中央で\世界一可愛いよ!/を繰り返す王国民の眼前に業界紙を叩きつけた

「どういうつもりだこれは!!!」

業界紙の一面には刺激的な言葉が、荒々しいフォントで記載されていた

2010年のライブで姫から授かったティモうさを手にする王国民が、挑発するように中指をたてて睨み付けている写真の上

王国民 豚芸師にケンカ状!

ゆかり王国こそ最強!

 古参の中を激情がうずまいている。ハレの日にケチをつけるような発言は慎むべきだと考えていたが、こうも大きく発言が出回ってしまえば抑えようもない。毎年、ヲタ芸集団が暴れていたのは知っていたが、それは運営側に地道に訴え、改善を促していくべき事柄なのだ。一部の観客の考えを強制すべきではない。自然と問い詰める声も大きくなる。

 ぐっしょりと汗で濡れた顔を古参に向けて、こちらも激情を抑え込んだような、どこかすっきりとした表情で王国民は反論する。

「どうしたんスか それが」

 記事になることは確信していたような王国民の表情に、古参は叱りつけようとするタイミングに言葉を重ねられた

「出場(で)ますよ 俺はッッ」

「王国民キサマッ!こんなことが通ると思ってるのか・・・」

 威圧するように言葉を続ける

「勝手なマネは許さんッッ」

 王国民はグッと力の入った目でこちらを見ながら反論してきた

「通るも通らんもないスよ・・・ゆかり王国を舐める奴ァ許せん、それだけのことッス」

数日前から、毎日のように業界紙の広告欄に掲載されている、イベンターの挑発は過激さを増していた

 ≪俺たちのパフォーマンスはとめられない!ライブを盛り上げているのは俺たちだ≫

「この言葉がヲタ芸師どもの煽りだと・・・暴れる口実を作る作戦だと言うことがワカらんのかッッ」

 王国民は古参の正面に立ち、何かを堪えるように言葉を紡ぐ

「古参さん」

 あの日、弟子にしてくださいと言ってきた時の目にそっくりだった

「相手に舐められちゃいかん」
「やられたらキッチリそのぶんは返してやる」

「そう言って俺たちにコールと振りコピ教えたの古参さんじゃないッスか」

「ウ・・・ッ・・・グ・・・」

 言葉に詰まってしまった。確かに、若い者にはそう教えた・・・黙っていればイベンターは増長する。奴等はイベントを楽しもうとしているのではなく、ただ暴れて目立ちたいだけなのだ。サッカーで問題になったフーリガンと似たような存在だ。いくつかのライブではけが人も出ているし、アニサマでも毎年小競り合いが絶えない。だが、コールで抑え込んで制する時代でもない。客が増えれば新規のファンも多くなる。地道に啓蒙活動をしていくのが、結局は楽しめるライブを作り上げる近道だ。

 だが、王国民の言うことも理解出来てしまう。イベンターと誰よりも戦ってきた古参だからこそわかってしまうこともある。そんな葛藤をする古参に、覚悟を決めたように王国民は宣言する。

「使いますよ俺・・・」

 考えをまとめるかのうように、一度下を向いた視線が古参を睨むように上がる

今までのアニサマでやってきたような遠慮したあんなコールじゃなく
自分が血の小便を流して覚えたコールと振りコピを思い切りぶつけてみたいんですッッ

 その表情と鍛えられた嘘をつかない身体と熱い言葉は理解できる、理解できるが古参の立場でそれを良しとは絶対に言えない。もう、ゆかり王国は身内だけで盛り上がれるような先鋭化した小さな集団ではないのだ。

「許さんッッ」

 声をはりあげるが、もう止まらないことは知っている。古参もかつてはそうだったのだ。それを理解しているのか、王国民は説得をしようとはしなかった。落ち着いた表情で、覚悟を決めたように言葉を口にする。

「アニサマではコールと座席範囲での振りコピやジャンプが認められている」

 いい表情だった。事実を述べるがごとく静かに続けられた。

「だったら・・・負けっこないッス」

「・・・ッッ」

 古参はその熱量に絶句してしまった。もう説得は無理だと悟った。そして確信した。アニサマは盛り上がるだろう。2009年を頂点に、手堅くまとまってきていた。プロモーションと莫大な費用回収が目的になったイベントとは違う熱量が、古参の目の前にあるのだ。腹をくくってアニサマの初日を待つことにした。




という妄想を、アニサマに参加出来ない代替行為として、一日中妄想していますた(`・ω・´)

参加される皆様は、身体に気を付けて楽しんできて下さい

ゆかりんのこと・・・頼んだぜ!おまえらッッ!!


出典:さいたま新都心に集まってるの
リンク:アニサマというコンサートなんだね
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