エンドールの夜 (ジャンル未設定) 26988回

2011/11/27 03:37┃登録者:えっちな名無しさん┃作者:名無しの作者
深夜。私は目を覚ました。

カーテンの隙間から黄色い月が見える。

まだ眠り始めてから2時間程しか経っていない。

旅を長く続けていると、今自分がどこにいるのか分からなくなる時がある。

ここは確か、エンドールの宿屋だったはずだ。

眠い目をこすりながらカーテンを開け、窓の外を眺める。

エンドールの国旗が風に揺れていた。

上空を雲が流れ、時々月にかかる。

町はひっそりと静まり、かすかに虫の音が聞こえる。

昼間の喧騒が嘘のようだ。

夜明けまではまだゆっくりと休めるだろう。

激戦の日々には休息が必要だ。

よく眠り、体力を回復し、明日に備える。

まだまだ戦いに不慣れな私には睡眠はとても重要だ。

そんな訳で今夜もゆっくりと休みたいのだが、

今夜はこんな中途半端な時間に目を覚ましてしまった。

理由は、隣の部屋の話し声だ。

隣の部屋はマーニャさんの部屋だったはず。

マーニャさんの陽気な声が聞こえてくる。

もちろん一人で喋ってる訳ではない。

他にはミネアさんと、……姫様?

こんな時間まで起きてたらお体に響くというのに…

しかし女3人寄れば姦しいとはよく言ったものだ。

きっといつまでも話が尽きないのだろう。

私はそんな事を考えながらもう一度ベッドに入った。

 

 

「ところでさ、姫って最近胸大きくなってきてない?」

「え?分かる?」

「やっぱり。羨ましいわ〜」

 

!!?

壁越しに聞こえてきた言葉に、一瞬耳を疑う。

慌てて飛び起き、聞き耳を立てる。

一体何の話をしているのだろう…?

 

「今どれくらいあるの?」

「え〜っと、どれくらいだろう?サイズとか計ってないから分かんない」

「ふ〜ん。今してるブラは何カップ?」

「えっとね………」

「……………!」

「………!?」

「…………」

「…………………?」

「………!」

 

くっ…!よく聞こえない…!

意識していない時にはあんなによく聞こえていたのに、

聞こうとした途端に聞こえづらくなるのはどうしてだろう。

全神経を耳に集中させて………よし、聞こえる…!

 

「へ〜!大きいわねぇ!」

「そ、そうかなぁ?」

「そうよぉ、ミネアなんて姫くらいの年の頃なんてそれはもう貧乳で…」

「ちょ…姉さん!何を言ってるのよっ」

「なによ、いいじゃない女しかいないんだから」

「だ、だからって人に言うような事じゃないでしょう」

「でもミネアさん今は大きいよね?」

「そうなのよ〜。この子ったらどんどん成長しちゃって、今は生意気にも私より大きいのよ。悔しいわっ」

「へ〜そうなんだぁ」

 

へ、へー。そうなんだぁ…。ごくり…。

 

「でも姫はまだまだこれから大きくなるわね」

「そうなの?」

「そうよ。これから恋人が出来たりしたらもっと大きくなるわよ」

「恋人が出来ると大きくなるの??」

「そうそう。恋人に大きくしてもらうのよ」

「???どういう事?」

「ね、姉さん、あんまり変な事教えちゃだめよっ」

「は〜い。うふふふ」

「でも胸なんて大きくても邪魔じゃない?動きにくいし。戦う時不便でしょ?」

「そ、そうね…。あははは。姫に恋人が出来るのはずっと先になりそうね…」

「??」

 

はっ…!

私は何をしているのだろう。

思わず聞き入ってしまった。

盗み聞きなど、して良い事ではない。

ましてや私は姫様に仕えている身。

決して許される事ではない。

このまま布団をかぶって眠ってしまおう。

よし、そうしよう。

おやすみなさい。

 

「姫ってさ、男の人と付き合った事とかないの?」

「え?」

 

!!?

慌てて飛び起き、耳を壁に当てる。

ちょ…マーニャさん、何を聞いて……!?

付き合った事なんてあるわけない……はず…!

 

「付き合うって?」

「え?」

「付き合うって、何?」

「え、えっと……そうねぇ…。ミネア、説明してあげなさい」

「えーっと…困ったわね…」

「??」

「えっと…例えば、一緒にどこかに遊びに行ったり?」

「そうそう、そういう事!」

「あと、お茶を飲みながら楽しくお話したり?男の人とそういう事をするのを付き合うって言うのよ」

「お茶とかならクリフトとよくしてたよ?」

「あ、あ〜、クリフトさんね…」

「え?違うの?」

「ま、まぁいいわ。まだ付き合った事ないのね」

「そ、そうなのかな…?」

「じゃあ姫はまだキスとかもした事ないんだ?」

「キス?した事あるよ?」

 

なっ……!?

なんという衝撃の事実…!!

瞬間に心臓が跳ね上がる。

キス…誰と…!?

 

「え!?嘘!?本当に!?誰と?ねぇ、誰と!?」

「姉さん、興奮しすぎよ」

「お父様と。小さい頃だけど」

「え?あぁ、そういう事ね…」

「え?違うの?」

「ん〜、だからそういう事じゃなくてね…」

 

だ、だめだ…。

これ以上聞いてはならない。

私は最低だ。最低の人間だ。

もう一刻も早く眠ろう。

でないと、私の品性は地の底まで落ちてしまう。

私は布団をかぶり眠る事だけに集中する。

 

「ってか柔らかいわね〜姫の胸」

「や〜ん、マーニャさん触らないで〜」

 

!!?

慌てて飛び起き、壁にへばりつく。

い、いきなり何をして…!?

そんな破廉恥な行為…羨ま…!!

 

「ほら、ミネアも触ってみなさいよ。柔らかいわよ」

「え…わ、私も…?……あ、あら…本当ね。柔らかい…」

「え〜そうかなぁ?みんな柔らかいんじゃないの?」

「そんな事ないわよ。ちょっとミネアの胸触ってごらんなさい?固いから」

「ちょ…ね、姉さん…!あぁ…や…ん…」

「この子の胸は大きいだけで固いのよねぇ。こんな胸ダメよっ」

「え〜、でもミネアさんの胸も柔らかいよ。形も綺麗だし」

「あ、ありがとう…ん……あ…」

「マーニャさんは本当にスタイルいいよねぇ」

「うふふ、ありがと♪まぁ踊り子がスタイル悪かったら話にならないしね」

「でもミネアさんも負けてないと思うけど」

「それは褒めすぎよっ」

「なんでミネアさんは踊り子にならなかったの?」

「ミネアは暗いからだめなのよ。人前で踊るより影でジメジメとしてる方が好きなの」

「わ、私は…姉さんと違って…ぁ……目立つのが…ん……好きじゃないだけ……よ…」

 

い、いけない…!

私はなんと卑劣な真似を…!

これ以上は絶対に許されない。

もう本当に寝てしまおう。

眠れるとは思えないが、無理矢理にでも寝てしまおう。

頭を机にぶつけてでも寝てしまおう。

 

「ちょっ…あの…や……そろそろ…胸揉むの…やめてくれないかしら…?」

「何よ、ミネア感じてるの?」

「か…感じてなんか…ない…んっ…は…離して…姉さん…なんでこんな時だけそんな馬鹿力……や…」

 

も、もうだめ…だ…。理性が…崩れ…

 

「ちょ…二人とも…そのくらいでやめて…ん…や…」

「ミネアさん…なんか苦しそう…」

「姫、これは苦しい訳じゃないのよ?」

「そ、そうなの?」

「そうよ。だからもっと触ってあげて?」

「うん……分かった…」

「だ、だめ…姫……そんなとこ…あ…ん…」

「ミネアさん……」

「ね、姉さん…離して………お願い…止めて…」

「あら?本当に止めちゃってもいいのぉ?」

「っ…!」

「ほらぁ、やめて欲しくないんでしょ?」

「違っ……いいから…止めて…お願い…」

「ミ、ミネアさん……なんだか可愛い…」

「だめ…姫っ…ん…っ」

 

あああああああああああああああああああああ!!

神よ!私は今夜、聖職者としての道を外れてしまいそうです!

どうかお許しを!!

 

「うふふふ。じゃあ今日はこれくらいで許してあげる」

「も、もう…!姉さんはいつもいつも悪ふざけが過ぎるわっ」

「何言ってんのよ。そんなに嫌がってないくせに」

「そ、そんな事ないわっ」

「ごめんね、ミネアさん」

「姫は悪くないわよ。悪いのは全部姉さんなんだから」

「まぁまぁ、いいじゃない。姉妹のスキンシップよ」

「あははは」

「まったくもう…!」

 

え…?終わっちゃったの…?

嘘……

 

「じゃあそろそろ寝ましょうか。明日も早いし」

「うん、そうだね。二人ともまた明日ね〜おやすみ〜」

「おやすみなさい」

「おやすみ、姫」

 

姫様とミネアさんは部屋から出て行ったようだ。

もう耳を澄ましても隣の部屋からは何も聞こえない。

やけに大きく、自分の心臓の音が鳴り響いている。

夜明けまであと3時間。今夜は眠れるだろうか。

 

 

私はクリフト。聖職者です。

 



出典:ドラクエ
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