死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?『アケミちゃん』 (恐怖の体験談) 39606回

2012/04/10 05:33┃登録者:驢┃作者:
祖父の遺品
3年前くらいなんだけど、半ボケの80歳を迎えた祖父が亡くなった時の話。 
頑固な爺さんで、絶対に息子夫婦の世話にならないと言って、築70年くらいの家でずっと一人暮らしだった。 

家を取り壊すからってんで、遺品とかの整理をしにボロ屋に行ったんだよ。 
庭なんか荒れ放題。荷物を外に出す時に草が邪魔だってんで、適当に雑草とかを始末しようとしたんだ。 
そしたら、石に足をぶつけて転んでしまった。 

なんだよもぅ、とか思って、地面からひょっこり隆起してる石を見るとさ。 
なんか、石なんだけど耳みたいのがついてるんだよ。よく見ると耳どころか顔までついてる。 
掘り返してみたら、すげぇ古いお地蔵さんが出てきた。 
それも一体じゃなくて、六体(もっと掘ったらまだあったかも)。

 そんなに広くもない庭からごろごろ出てきたんだ。 
うへぇと思って、家族全員で気味悪がってたんだが、
 おかんだけそのお地蔵さん達の額をじーっと観察しながら、真っ青な顔をしていた。 
どうしたの?って聞いたら、 

「このお地蔵さん、額に私達の名前が彫ってある……」 

泥をちゃんと拭き取って、よぉく見てみると、確かにひらがなで俺らの名前が掘ってあった。 
雑な彫り方だったし、たぶん爺ちゃんが自分で彫ったんだと思う。 
でも最近思うんだが、老人が一人でこれだけの数の地蔵を運んで埋められるとは考えにくいんだよな。 

ちなみに婆ちゃんは親父を産んで2年で亡くなってる。 
若い頃に埋めた?でも孫の名前まで書いてある。 

本当に意味がわからない……その後俺達に特に何があったわけでもないんだけどさ。 
千葉県。家はもうないけど場所はまだあるよ。 


70 :あなたのうしろに名無しさんが・・・ :2000/09/28(木) 02:55
 
テープレコーダー
 ある男が一人で登山に出かけたまま行方不明になった。
 3年後。湿地帯でその男の遺骨が発見され、遺留品も回収されたが、
 そのなかにはテープレコーダーがあった。

 テープには大声で助けを求める男の声が録音されていた。
 男はどうやら何か怪我をして、動けなくなったらしかった。
 テープのことはマスコミにも公表されたが、遺族も警察関係者も公表をひかえていた部分があった。

 そのテープには、助けを求めるメッセージとは違うものも録音されていた。
 何かに非常におびえた男の声だった。
 どうやら夜に何かが起こっているようだった。
 男は必死にテープにむかって口述している。

 一日目
 「夜になると人の声がする・・・呼ぶ声がする・・・
 こんな夜中に誰もいないところに・・・だれもいないのに・・・」

 二日目
 「たすけて・・・声がする。
 夜になるとあいつがやってくる・・・
 暗闇から呼んでいる・・・昨日より近くなっている・・・
 おそろしいよ・・・おねがい、たすけて・・・
 とてもこわい、とても・・・だれかたすけて・・・」

 三日目
 「近くまで来ている・・・たすけて・・・人が・・・
 ヒッ・・・・・こわい・・近くまで来ている・・・
 おねがい、たすけて・・・おねがい、おねがいよぶ・だれも・・・
 ひ・あいつ・・ちか・・・・こわいよ・・たすすぐそばまで・・たすけ・こえが・・・おねがい、・・た・・・・て」

 こうしてテープはそこで切れている。
 それ以後、男はテープに何も録音していない。

 警察はこのテープを詳しく分析した。
 テープはずっとその男の声だけで、他の怪しい物音は入っていなかった。
 しかし、三日目のテープが最後に切れるところで、これまでとは違う音が録音されていた。

 そのことに関して、分析家も理解不能だった。
 それは、遭難した男の声とは違う、別の人間の声だった。
 レコーダーのすぐそばで発せられている。
 耳元でささやかれたかのように、はっきりと。

 「オイ」
 



474 :ヒバリー・ヒル:2000/11/11(土) 04:34
 
階上の子どもたち
 自動車事故にあって鞭打ち症になったAさんは、
 仕事もできなさそうなので、会社を一週間ほど休むことにした。
 Aさんは結婚しているが、奥さんは働いてて昼間は一人だった。

 最初の数日は気楽だったが、さすがに3日目くらいになると暇をもてあましてきた。
 それでもどこかへ出かけるには体がつらいので、家でじっとしていなければならなかった。

 そんなある日、お昼も過ぎた頃、ぼんやりとテレビを見ていると、
 上の階の部屋からドスンドスンと音がして、子どものはしゃぐ声が聞こえてきた。
 学校が休みなのかといぶかしく思ったけれど、気にもとめなかった。

 そして翌日も、昼頃から子どもの声が聞こえてきた。
 どうやら上の家には子どもが2人いるようだ。

 Aさんが住んでいるのは大規模なマンション住宅地だが、
 昼間は意外とひっそりとしており、子どもたちの声は階下のAさんのところにもよく聞こえた。
 しかし、うるさく感じることもなく、
 むしろ退屈さと団地の気味の悪い静けさを紛らしてくれるので、ありがたかった。

 そして翌日、暇をもてあまし、昼食を作る気もうせたAさんはピザを注文した。
 30分ほどでやってきたピザは思ったより量が多く、Aさんは結局まる一枚残してしまった。
 普通なら奥さんのためにとっておくのだが、ふと階上の子どもたちのことを思い出し、
 親切心も手伝ってAさんは、上でに持って行ってやることにした。

 Aさんは自分の真上の部屋に誰が住んでいるのか知らなかったが、呼び鈴を押した。
 気配を感じたが応答がない。
 もう一度呼び鈴を押した。
 のぞき窓から見られているような気がした。

 かすかに「どなたですか・・・」という声がドアのむこうからした。
 Aさんは、階下の者であること、ピザが余ったのでもらってほしいことを話すと、ドアがかすかに開いた。

 (続く)


 475 :ヒバリー・ヒル:2000/11/11(土) 04:35
 (続き) 

家の中はやけに暗かった。
 5センチほどの隙間から、女性が顔を半分のぞかせた。

 女性はひややかに言った。
 「ありがとうございます。でもいりません」
 うす暗くて顔の表情がよく見えない。

 Aさんは急に自分が場違いなところにいるような気がしてきたが、
 もう一度わけを話し、子どもたちにあげてくれるよう頼んだ。
 ドアの隙間から生暖かい空気が流れてきた。嫌な臭いがする。

 ふと、女性の顔の下に子どもの顔がふたつ並んだ。
 ドアはほんのわずかに開いたまま。
 2人の子どものうつろな目が、こっちをじっと見ている。

 三人の顔が縦一列に並んでいる。
 「じゃあ・・・そう・・・いただくわ」
 Aさんはドアの隙間にピザの箱を入れると、すっと真横から手がのびてきてうけとった。

 3つの顔はドアの隙間からAさんを見つめている。
 「ありがとう・・・」
 かすかな声が聞こえた。
 Aさんはそそくさと退散した。

 気味が悪かった。何かが違和感が頭の片隅にあった。
 子どもの顔が脳裏に焼き付いている。
 顔・・・
 背中がぞくぞく震えだした。

 ・・・顔、並んだ・・・
 足早になる。一刻も早くあの家から遠ざかりたかった。
 エレベーターがこない。
 ・・・並んだ・・・縦に・・・
 ボタンを何度も押すがいっこうに来る気配にない。

 非常階段にむかう。
 ひどく頭痛がした。吐き気もする。
 非常階段の重い扉を開けるとき、Aさんは背中に視線を感じた。
 振り向くと、10メートルほどむこうの廊下の角に、3人の顔があった。

 ドアの隙間から見たときと同じように、顔を半分だけ出して、うつろな目でこちらを見つめている。
 冷え冷えした真昼のマンションの廊下にさしこむ光は、3人の顔をきれいに照らし出した。
 Aさんは首周りのギブスもかまわず階段を駆け下りだした。

 普段は健康のためエレベーターを使わず、
 いっきに4階まで階段を駆け上がることもあるAさんだが、
 上までが途方もなく長く感じられた。

 ・・・・縦に並んだ顔・・・・ありえない・・・・・・
 ・・体が・・・ない・・・
 そして、顔のうしろにあった奇妙なものは・・・
 頭を・・・支える・・・手・・・

 そのあとAさんは、近くのコンビ二で警察を呼んでもらった。
 警察の捜査によれば、Aさんの階上の家では、
 その家の母親と子どもの死体が風呂桶の中から見つかった。

 死体には首がなかった。首はのこぎりで切断されており、死後3日ほどたっていた。
 その日のうちに夫が指名手配され、やがて同じ建物内で隠れているところを逮捕された。
 母親と子どもの首もその男が一緒に持っていた。

 男が発見されたのは彼の家ではなかった。
 警官が血痕をたどっていったところ、彼が隠れているのを見つけたのだった。
 警察によると、彼はAさんの家の押入れの中に潜んでいたそうだ。
 



412:カメラマン:02/11/20 16:18 

彼女からの電話
 もう4年くらい経つのかな・・・
 当時、親友(以下A)には、大学で知り合った○恵ちゃんという彼女がいました。 
私達と2人はよくつるんでいて、どこに行くにもほとんど4人で1セットという関係でした。 
話は4年前の、こんな寒い季節の夜でした・・・


 413:カメラマン:02/11/20 16:19 
その日、Aは深夜までのレンタルビデオ(某ウ○アハウス)のバイトを終え、
 自宅に戻ったのは夜中の2時頃だったといいます。 
週末のせいかいつも以上に忙しかったので、帰宅するとそのまま寝入ってしまったそうです。

 暫くしてから、不意に着メロが流れたそうです。 
携帯を取ると○恵ちゃんから・・・
 「なんだよ こんな時間に」と、時間も時間だけに不機嫌そうにAが言うと、 
いつもは明るく答えるはずの○恵ちゃんが、その時は明らかに何かが違う様子だったそうです。 

『まだ、起きてたんだ。ごめんね』
 彼女の最初の返事はこれだったのですが、何か電波状態の悪いところにいるみたいで、
 時折『ジー』とか、『シャー』とかいう音が、語尾に混ざっていたそうです。 

「どこにいるんだ?」と親友が尋ねると、
 『前に言ってあったけど、今日は田舎から友達が出てきてるから、みんなで深夜のドライブ中』
 と、彼女は答えたそうです。 


415:カメラマン:02/11/20 16:19 
親友は、「そういえば、そんな事いっていたなぁ」と、その事を思い出したので、 
「あんまり、夜遊びしないで帰ってこいよ。電波悪いなぁ、高速からか?」
 と、眠気もあったので、早めに電話を切ろうとしたそうです。

 だけど、なぜかその日は、彼女がなかなか電話を切ろうとせずに、
 しまいには「就職するならここがいい」とか、「○○くんは胃が弱いんだから食べ過ぎるな」とか、
 どうでもいいことを、ひたすらしゃべっていたそうです。 

親友が「どうした?なんかあったのか?」と聞くと、最初は○美ちゃん黙っていたのですが、
 なぜか涙声で、「ごめんね。ごめんね。なんでもないの。ごめんね」と、繰り返したそうです。 
Aも気になったそうですが、眠気には勝てず、明日会う約束だけをして電話を切ったそうです。 

次の早朝でした。Aが、○恵ちゃんのお母さんからの電話で起されたのは・・・ 
首○高速湾岸線から四○木方面に向かう分離帯で、
 ○恵ちゃんの乗った車がハンドル操作を誤って、分離帯に激突するという事故を起したのでした。 
高速隊の人の話では、乗っていた4人は全員車外に放り出され、ほぼ即死状態だったそうです。
 ○恵ちゃんも近くの病院に搬送されたそうですが、途中で亡くなったそうです。 


416:カメラマン:02/11/20 16:20 
Aがお昼過ぎに○恵ちゃんの自宅に行くと、憔悴しきった顔のお母さんがいきなりAに泣き付いて、
 「ごめんね○○くん。もう○恵とは会えないの。ごめんね」と、繰り返したそうです。 
その時、なぜか昨日の○恵ちゃんの、「ごめんね」を繰り返していた電話を思い出したそうです。 

そして、落ち着いた頃に、あるものを手渡されたそうです。 
それは、○恵ちゃんの持っていた壊れた携帯でした。 
おかあさんの話では、搬送先の病院で、右手にしっかりとストラップが絡まっていたそうです。 

ただ、搬送された時間をお母さんに聞いて、Aはふと疑問を感じたそうです。 
搬送先の病院についた時間が、“午前2時35分”だったそうです。 

しかし、その時間は、確かにAが電話で話をしていた時間だったので、
 理由をお母さんに説明し、○恵ちゃんの履歴を調べようということになりました。 
・・・確かに履歴は、2時35分を過ぎてからも通話中だったそうです。 

Aは今でも、この話を思い出すと、 
「あの時、電話を切らなければ・・・」と、電話を切ったことを悔やむそうです。
 



230 :本当にあった怖い名無し:04/08/22 11:08 ID:nUF1W2xN
 
閉じ込められる
 彼はエレベーターの管理、修理をしている。

 ある日、病院のエレベーターが故障して止まってしまった、と連絡を受けた。
 すぐに車を飛ばしたが、到着した時には2時間がたっていた。

 現場へむかうと、人だかりができている。中には看護婦が閉じ込められているらしい。
 「大丈夫ですか!」
 彼が呼びかけると、怯えた女性の声が返ってきた。
 「出してください。はやくここから出して!」
 がんがん扉を叩く音がする。
 「待ってください。今すぐに助けます」
 道具を並べ、作業に取り掛かった。

 「扉から離れていてください!」と叫ぶ。
 「はやくはやくはやく!」
 がんがんがんがんがん!!

 「扉から離れて!」
 彼はもう一度叫んだ。
 がんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがん!!!
 扉は狂ったように内側から叩かれている。ちょっと尋常ではない。


 231 :本当にあった怖い名無し:04/08/22 11:10 ID:nUF1W2xN
 パニックになっているのだろうか・・・。周りの人も不安げに顔を見合わせている。
 見かねて院長が、扉に近寄って怒鳴った。
 「扉から離れなさい!危険だから!」
 「離れてます!!」
 女の悲鳴のような声が聞こえた。

 「暗くてわからないけど・・・ここ、なにかいるみたいなんです!」
 彼はぞっととした。じゃあ、今目の前で扉を殴打しているのはなんだ?
 つとめて考えないようにして、大急ぎで作業にかかった。

 扉を開けたとき、看護婦は壁の隅に縮こまり、しゃがみ込んで泣いていた。

 彼女曰く、電気が消えた後、何者かが寄り添って立っている気配がしたという。
 気配は徐々に増え、彼が来る頃には、エレベーターの中はそいつらで一杯だったそうだ。
 



191 :本当にあった怖い名無し:2005/10/17(月) 16:02:19 ID:tH97nqhpO
 
母親の影
 私が小6の時の夏休み、薄暗い明け方のこと。 
私はその日眠れずにいて、テレビをボーッと眺めていた。 
すると突然、外から笛の音が聞こえてきた。 

こんな朝早くになんだろうと思い外を見ると、
 白い着物を着たガリガリの髪の長い女が、家の前の道を歩いていた。 
女はしばらくこっちを見ていたが、また道を歩きだした。 

そして私がまたテレビに目をやったその瞬間、階段をトン…トン…と上ってくる音がした。 
その時私の部屋は二階で、扉が少し開いていた。 
私は不気味な気配にビビリ、布団に潜って布団の隙間から様子を見ていた。 

しかし、しばらくしても何も来ないので、相当ビビって、隣にある母親の寝室に逃げ込んだ。 
入ったその瞬間、私は呆然とした。 
その部屋は真っ暗で、奥の方で首を吊って天井からぶら下がっている、母親の影が見えた。 
私は何もできず、それをしばらく眺めていた。 
すると耳の奥底で、「生きてて楽しい?」という女の声がした。 

母は次の日、普通に起きて仕事に行ったし、今も生きてる。 
でも、母はその日から1ヵ月くらいで、20キロも痩せるという異常な痩せ方をした。 

今から十年ほど前の事です。
 



83 :血雪 1/7:2006/01/22(日) 21:49:36 ID:oprygqQ10
 
血雪
 全国的にずいぶん雪がふったね。
 おれの住んでいる田舎町(はっきり言ってド田舎)も、
 ふだんはあまり雪は降らないんだけど、今回はずいぶん降った。 
で、2年前の、同じように雪がひどく降ったときの話だ。 


84 :血雪 2/7:2006/01/22(日) 21:52:36 ID:oprygqQ10
 その日、おれは2階の部屋で一人寝ていた。 
おれの家はショボい専業農家で、50代の親父と母ちゃんと、おれの3人暮らしだ。 
まだ明け方前だけど、下の階で親父がガダガタなにか音をたてて、
 玄関から出ていくのを、おれは布団のなかでうつらうつらしながら聞いていた。

 天気予報じゃ大雪になるって言ってたので、
 親父はビニールハウスが雪に潰されてないか心配で、
 まだまっ暗ななかを見にでかけたんだ。

 都会のサラリーマンも大変なんだろうけど、こういうときは農家もけっこう大変なんだ。 
もっとも、おれの方はこのクソ寒いなかを付き合う気にはなれず、
 親父には悪いけど、そのままぬくぬく布団のなかで寝つづけてた。 

ところが、しばらくしたら、家の前へギシギシと早足で雪を踏む音が近づいてきて、
 玄関がガラっとあいたかと思うと、ドタバタと家に駆けあがる足音が続き、
 親父が電話で「・・・そう●●橋の上、救急車!若い女が首やら手首やら切って血まみれで・・・」と叫んでる。 

ただごとじゃないと思って、おれが下に降りて行くと、
 親父が血相かえて「橋のうえで女が首切って自殺しかけているから、すぐに戻るぞ」と言う。
 おれは慌ててスウェットの上からジャンパーを引っかぶり、長靴に足を突っ込むと、
 親父といっしょに、まだ真っ暗で雪の降りしきる表に出た。 
親父に、「要領を得ないので説明してくれ」と言うと、親父は歩きながら次のようなことを話してくれた。 


85 :血雪 3/7:2006/01/22(日) 21:55:15 ID:oprygqQ10
 おれが思ったとおり、親父はビニールハウスを見にいくために家を出たそうだ。
 ビニールハウスは、おれの家の近所の、小川に毛の生えた程度の川にかかった、
 古いコンクリートの橋を渡った先にあるんだけど、
 この辺はド田舎なもんで、街灯は1キロに1本くらいしかなくて、夜は真っ暗闇に近いんだ。
 都会の人にはわからないかも知れないけど、ド田舎の夜の暗闇ってのは、ホントに凄いものなんだ。 

で、親父が橋の近くまできたとき、その辺に一本だけある街灯の薄暗い光のなかに、
 橋の上の欄干の脇で、誰かがうずくまっているのが見えたそうだ。
 近づくと、それはコートを着た長い髪の女だった。
 親父は、こんな時間にこんな所で何をしているのか、といぶかしんだが、
 女が苦しんでいるようなので、心配して「どうしたんですか?」と声をかけたそうだ。 

そのとき親父が女の足元をみると、雪のうえにヌラヌラしたどす黒い液体がひろがっているのが見えた。
 驚いた親父が女の前に屈みこむと、突然女は苦しそうな呻き声とともに顔をあげた。
 目をカッと見ひらいた女の顔は、口のまわりや首のまわりが血まみれで、
 右手に女物の剃刀がにぎられていたそうだ。

 女は苦しそうな呻き声をあげながら、
 その剃刀を血まみれの首にあてて、そしてそれを一気にグイッと引いた。
 湯気をたててどす黒い液体が噴きだし、女の胸元や足元の雪を染めていく。 

親父は息が止まりそうになりながらも、女から剃刀を奪い取り、それを川に投げ込んで、
 「馬鹿なことをするな」と怒鳴りつけて、 
急いで家まで救急車を呼びにもどってきた、という訳だ。 


86 :血雪 5/7:2006/01/22(日) 21:57:51 ID:oprygqQ10
 だが、親父と二人で、闇の中を雪に足をとられながら橋にきてみると、
 街灯のうす暗い光のなかに、女の姿はなかった。
 親父は「おーい、どこにいるんだ」と女を呼んだが返事はなく、
 おれもあたりの闇を見まわしたが、人の気配はない。

 そして不思議なことに、女がうずくまっていたと言うあたりの雪には、親父の足跡しかなかった。 
「川だ」
 おれは女が川に飛び込んだんじゃないかと思い、雪に埋もれた土手の斜面をおりて探そうとした。
 だが、土手下は足元も見えないほどの暗闇につつまれていて、危険で降りられなかった。 

そうこうしているうちに、救急車が雪のなかをもがくように到着し、
 また、駐在所の警官も、原付バイクで転倒しそうになりながらやって来た。
 親父は警官に経緯を説明し、空もようやくしらみはじめたので、
 救急車の隊員も一緒に、周囲をさがしてみた。 

だが、周囲にも膝までの深さしかない川の橋の下にも、女の姿はなかった。 
女の足跡もなく、それどころか橋の上の雪には、わずかの血痕さえもなかった。 
夜が明けてからも、止む気配もない雪のなかを1時間ほどさがしてみたが、
 女がいた形跡はなに一つ見つけられなかった。 

らちがあかないので、救急車は来た道を戻り、親父は警官といっしょに駐在所へ行くことにした。
 書類をまとめるために、事情をあらためて聞かせてほしいとの事だった。
 おれは何ともいいがたい気分で、独り家へ戻った。 


87 :血雪 5/7:2006/01/22(日) 22:00:26 ID:oprygqQ10
 家に帰ると、母ちゃんが台所で朝飯のし支度をしていた。
 体の芯まで冷えたおれは、すぐ炬燵にもぐりこみ、
 そのままの姿勢で先ほどまでの経過を母ちゃんに話した。 

母ちゃんは、「気味がわるいねえ」とか言いながら味噌汁つくっていたが、
 ふと、台所の窓から外を見ながら、「あれ、その女の人じゃないかね」とおれを呼んだ。 
おれは台所の窓に飛んでいったが、窓からみえるのは降りしきる雪ばかりだった。 

「私の見まちがいかねえ」とボヤく母ちゃんを尻目に、おれは再び炬燵に戻ろうとしたが、 
そのとき、炬燵が置いてある古い六畳間の窓の外から、
 ガラスに顔をちかづけて、こっちを見ている女と視線がばったり会ってしまった。

 女は細面の青白い顔で髪が長く、そして口のまわりと首のまわりにベッタリ血がついていた。
 おれは体が凍りつき、頭のなかが一瞬まっ白になったが、気がついたときには女の顔は消えていた。
 あわてて窓をあけて表を見たが、女の姿も、足跡もなかった。 


88 :血雪 6/7:2006/01/22(日) 22:02:25 ID:oprygqQ10
 おれは迷った挙句、駐在所に電話をいれる事にした。
 親子そろって頭がおかしくなったんじゃないか、と言われそうでためらったのだけど、
 おれが見たのが幻や幽霊であったとしても、見たことは事実なのだ。 

受話器のむこうで何度か呼出し音がしたあと、聞きなれた声の警官が出た。 
おれが自分の名を告げると、警官は開口一番、
 『なんだ、また出たってのか?』と言ったので、おれは気おくれして、
 親父はまだそこにいるんですか、とだけ聞いた。 
親父は『もう30分くらい前に駐在所を出た』との事だった。 

おれは母ちゃんと親父の帰りを待った。30分前に出てるなら、もう着いていてもいいころだ。
 だけど親父はなかなか帰ってこなかった。
 おれは母ちゃんと二人で、冷めた朝飯を食いながら、
 「親父はまっすぐビニールハウスを見にいったんだろう」と話した。

 だけど、昼過ぎになっても戻ってこないので、おれはビニールハウスに親父をさがしに行った。 


89 :血雪 7/7:2006/01/22(日) 22:04:02 ID:oprygqQ10
 例の橋まできたとき、やや新い足跡がひとり分、橋のうえに続いているのが見えた。
 その足跡を目で追うと、それは橋の途中の、
 例の女がうずくまっていたと言うあたりまで続き、そこで消えていた。

 その欄干の上の雪は、半分ほど欠けていた。
 おれは欄干に近寄り、そこから川面を見下ろした。 
まっ白な雪の土手にはさまれた川の、膝くらいまでしかない流水のなかに、 
黒いジャンパー姿の、長靴をはいた男がうつぶせに倒れていた。
 おれは土手を走り降り、川に入っていった。
 うつぶせに倒れている男は、親父だった。 

おれは必死に親父を土手にひきずり上げたけれど、すでに脈も呼吸も止まっていた。 
降りしきる雪の中を見あげると、川の対岸に、
 髪の長いコート姿の女が、口、首、胸のまわりを血で真っ赤に染めて、立っていた。 
女はすぐに雪のなかに消えた。 

おれは母ちゃんと二人、まだこの家に住んでいるが、あれ以来、雪の降る日は一歩も外に出なくなった。
 



531:本当にあった怖い名無し:2012/04/03(火) 01:24:36.92 ID:7LEA3N1T0

迷い
霊とかとは全然関係ない話なんだけど、 
自分的にはかなり怖かったから思わず書き込み。 

その日、職場の新年会が長引いて、 
自宅(10階建てマンションの4階、独り暮らし)に着いたのが夜1時くらいだった。 
ちなみに、かなりトイレに行きたかった。 

玄関の鍵を開け、中に入り、やきもきしながらブーツを脱ぐ。 
そこで一瞬迷った。 
このままトイレに駆け込むか、 
鍵をかけてからトイレに向かうか。 

鍵をかけるのなんて一瞬なんだけど、迷うくらいトイレに行きたかった。 

でも、なんとなくだけど、やっぱり鍵をかけることにした。 

鍵をかけ、トイレに向かって踏み出した瞬間、 
ドアノブが一回だけ、向こうから「ガチャ」と回された。 




618:本当にあった怖い名無し:2012/04/05(木) 03:35:01.48 ID:V8w/f4KSO
>>531 
玄関のドアを誰かが開けようとしたのね。 
ゾクッときた。 



出典:ニートは
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