プールに金魚を放ち、少女たちは服を脱ぎ始めた。 「ブラも外すの?」 ひとりが、ためらいがちに聞くと、その背に指先が触れた。 「ええ、そうしましょう」 声とともにホックが外され、膨らみ始めの乳房がこぼれる。 プールの傍で、弱々しく光る外灯に、その愛らしい形が浮かび上がった。 少女は恥ずかしさをこらえ切れず、プールサイドを駆けだして、水中に身を躍らせた。 水中は暗く、何も見えない。お祭りの時に見た、きらきら光を放つ金魚の姿は、どこにもなかった。 「暗くて何も見えないわ」 「それでも、この真っ暗な水の中には、金魚と私たちしかいないのよ」 すぐ後ろから声がする。冷たい水の中にあって、火照るような肌が背に張り付いた。 水棲の細長い生き物のように、脇から両の腕がゆるゆると回され、 左手は乳房に、そして右手の指先は下着の上から、少女の秘密の形をなぞるようにあてがわれた。 「これは、金魚?」 「そうよ」 「いたずらな金魚」 少女はくすくす笑う。彼女の下着はゆっくりとおろされ、秘密が水の中にあらわになった。 見通せない水の中で、細くしなやかな指が、さらされたつぼみを甘くついばむ。 「あ……」 水面に切なく声が跳ね、少女は身を震わせた。 「わかる? あなたのきれいなここを、金魚たちが見ているわ」 声が耳元を、吐息が首筋を、指先が胸のいただきを、花芯をくすぐる。 いっそ水の中に溶けてしまいそうな快感に、少女の膝はくだけた。 愛○を続けていた手が、沈みかけた少女の身体を優しく支える。 金魚になりたい――と、少女は思う。そうすれば、水の中でも愛してもらえるのに。 愛○の続きをねだるために、少女は首をひねって背を抱く友人の顔を見ようとした。 そして、「お願い」と言いかけた唇は、その形のまま凍り付いた。 手の平が顔を掴み、少女の頭は水中に押し込まれた。 鼻から、口から、水が肺に流れ込む。水に歪んだ嘲りの声が、耳に流れ込む。 「お前にわかるか、俺たちの苦しみを。焼ける水に放り込まれた、この痛みを!」 真っ暗な水底に沈みながら、少女は見た。 ぶるぶると身を震わせながら息絶え、腹を上に水面へ浮かんでゆく、無数の魚たちの姿を。 ああ、私も金魚になれるのね。 少女の唇からもれた呟きは、小さな泡となって、浮き上がる金魚の間に紛れ、消えた。 了 出典:【王国の崩壊】プールに金魚を放流した犯人は女子中学生だった!…「一緒に泳げば楽しいと思った」 リンク:http://alfalfalfa.com/archives/5936565.html |
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