男女間の修羅場を経験した話を書きますよ (エロくない体験談) 19100回

2012/10/08 21:52┃登録者:西風◆.BAZzflo┃作者:名無しの作者
男女間の修羅場を経験した話を書きますよ


1 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/03(水) 23:10:45.19 ID:KLGvIiLq0



誰も居ない部屋で独り、ボーっとしてると、あんなこともあっ
たなぁ……
なんて懐かしい昔の記憶が蘇ってきました。
だから、なんとなく書いてみようかなと思った次第です。
昔のことなので、脳内で都合のいいように変換されているかも
しれませんが、とりあえず書いていきたいと思います。

よかったら、お付き合い下さい。





2 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/03(水) 23:11:45.20 ID:KLGvIiLq0


スペックです。
ボクは、山下ユーサク(仮名)当時は公立高校の一年。

成績は普通、運動神経も普通、外見も普通、つまり特徴がな
いことが特徴で他人からは「何度会っても顔と名前が一致し
ない奴」とか言われてました。

当然、先生にも名前を覚えてもらえないわけで、授業中に指
名される回数が明らかにボクだけ少なかったような記憶があ
ります。基本的にヘタレです。





3 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/03(水) 23:12:16.51 ID:KLGvIiLq0


彼女の名前は、山本ミドリ(仮名)同級生です。

長身で活発な子。ルックスは美しいスポーツ少女系。今の流
行でいうとヤングなでしこといった感じでしょうか。

中学二年の時に彼女が転校してきてから、ずっと同じクラス。
しかも名簿も近いことから席はいつもボクが前、彼女が後ろ
でした。

だから彼女はボクのことを名前で呼んでくれる数少ない(と
いうか唯一の)女友達でした。





4 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/03(水) 23:15:29.88 ID:KLGvIiLq0


転校初日の第一印象は「大きな子だなぁ」でしたね(笑)
たぶん、当時は彼女の方が背が高かったと思います。
そして次に「カワイイかも」になるわけです。
気のせいか、ちょっと影のある感じはありましたけどね。

理由は覚えてませんが、ちょうどボクの後ろの席が空いてい
たので彼女の席がそこに決まり、ボクは内心「ラッキー!」
とか思ってました。





5 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/03(水) 23:16:25.54 ID:KLGvIiLq0



十分に地の利を活かして、ボクは彼女と親しくなりましたね。

運よく気も合ったので、ボクは彼女とは同性の友達と接する
ように自然に接することができました。それは彼女も同じだっ
たと思います。たぶん。

半年もすると幼馴染みたいになり、そのうち彼女からは、普
通に恋の相談のようなものも受けるくらいにまでなってまし
たよ。

この辺は想定外でした。仲良くなり過ぎましたね。友達として。





6 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/03(水) 23:17:43.87 ID:KLGvIiLq0



そんな彼女に「男性の意見が聞きたい」と言われる時は、
たいてい恋愛系のハナシでした。

ボクの彼女評は“恋多きわりには臆病で詰めが甘く成就しな
い乙女”とでもいうのでしょうかね、次々と「あの子がステ
キ!」とか言うくせに結局は、誰とも付き合ったりできなかっ
たようです。


この話は、高校に入って初めて彼女から「男性の意見が聞き
たい」と言われたことから始まる騒動を、思い出しながら書
いていきます。





7 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/03(水) 23:19:07.72 ID:KLGvIiLq0


人が居ないかな?

書き溜めがあるんで、今度にしようかな?





8 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/03(水) 23:21:58.26 ID:KLGvIiLq0


とりあえず、折れずに行けるところまで行っちゃいます。





9 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/03(水) 23:22:43.18 ID:KLGvIiLq0


―― 第一部 修羅場 ――

いつものように慌しい朝のホームルーム前でした。

ボクは友人達と昨日のサッカーについて、あーだこーだと批
評家よろしくやってました。ボクは、一応サッカー部所属で
す。ベンチ外ですけど。

いつもは、そんな話に混じってくるミドリが珍しくひとりで
席に座ってました。

様子がおかしいかも? とは思ったんですが、女の子ですか
らね。下手に構うと真剣にウザがられたりするんで放置して
ました。

でも、その日は一日中そんな感じだったんで、終礼後に声を
かけてみたんです。





11 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/03(水) 23:23:42.14 ID:KLGvIiLq0


「熱でもある?」

「ない……と思う……かも」

なんとも珍妙な回答をするミドリ。

(なんなんだ、それ?)

彼女の虚ろな視線が、ちょっと気になったものですから数ヶ
月ぶりに彼女を誘ってみました。

「今日、部活だろ? 終わったらなんか食べに行こうか」





12 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/03(水) 23:25:10.46 ID:KLGvIiLq0


お一人来ていただけましたか。
ありがとうございます。
それでは、続けますね。
――

別に下心があったわけではないですよ。
家が近所で方向が一緒なので、中学の頃は部活終了の時間さ
え合えば一緒に帰ることが結構あったんですよ。

高校に入学してからは、初めてでしたけど。

「……わかった。じゃ校門で待ってる」

力なく答える彼女でした。





13 :名も無き被検体774号+:2012/10/03(水) 23:25:48.91 ID:P7m70aEH0
見てるよ



14 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/03(水) 23:26:09.10 ID:KLGvIiLq0



彼女はバレー部所属です。身長があるんで中学の頃はエース
アタッカーだったし。

自校で試合がある時に何度か応援に行ったけど、体が大きい
せいもありなかなか迫力がありました。スポーツ少女に見合
わない綺麗な長い髪も目立ってましたし、それになんという
か…… 揺れるんですよね(笑)





15 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/03(水) 23:28:11.62 ID:KLGvIiLq0


もう一人ご参加いただけましたか。
ありがとうです。
続けます。
――

彼女も同じように、ボクの試合を応援してくれたこともあり
ました。ロスタイムにゴールを決めた時には、汗と泥まみれ
のボクと抱き合って喜んでくれたし。

そんなこんなで周囲からは、完全に二人は付き合ってると思
われてたようです。残念ながら違うんですけど。





16 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/03(水) 23:29:14.65 ID:KLGvIiLq0



だから、彼女は非常に目立つ存在にもかかわらず、寄ってく
る男は少なかったようです。詳しくは知りませんがね。

もしそれがボクのせいだったなら今さらですが謝っておきま
す。すいません。

ちなみにボクに寄ってくる女性は皆無でしたよ。それは決し
て彼女のせいではなかったと思います。ドンマイ!





18 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/03(水) 23:30:21.60 ID:KLGvIiLq0


さて夕暮れの迫った校門。
彼女が壁にもたれかかり、ボクを待ってました。
アンニュイな雰囲気で可憐さが一層引き立ち、なんかこうゾ
クゾクっとしたことを覚えてます。

「ごめんごめん。顧問の説教が長くてさ」

さっきのゾクゾク感を誤魔化すように言うボク。

「いい……さっき来たとこだから」





19 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/03(水) 23:31:18.31 ID:KLGvIiLq0



もし、これが初対面だったなら、即落ちで一目惚れしてたか
もしれません。
どうやらボクは憂いを含む女性の表情に弱いようです(笑)

でも、数年間の彼女との時間がボクと彼女の関係を“友達”
に固定してしまっていましたね。





20 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/03(水) 23:32:13.12 ID:KLGvIiLq0



ボクは自転車を押しながら坂を下ります。彼女はボクの斜め
後ろを黙ってついて来ます。

これは誰か好きな男ができたんだろうなと思いましたね。
過去にも似たようなことが何度かありましたから。
嫉妬心とかそういうものは、まったく感じなかったですよ。
同性の友達が誰かに惚れたとか聞いても何も思わないのと同
じです。ボクの中での彼女はそんな感じだったんです。





21 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/03(水) 23:33:09.88 ID:KLGvIiLq0



ファーストフード店に着くと端の方の席を陣取り、ポテトと
飲み物だけでじっくり話を聞くことにしました。

ボクは もう答えはわかっていたんですが、とりあえず通過儀
礼として尋ねることにします。

「で、どうしたんだ?」

ストローの袋をコネコネしながら、ちょっと拗ねたように俯
き加減で視線を合わさず、とんがった口で呟きます。

「……男性の意見が聞きたい……」





22 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/03(水) 23:34:10.00 ID:KLGvIiLq0



(ほらきた)見覚えのある光景です。毎度のことですが同じ
仕草で同じ内容を言うんですよ。コイツは。

とりあえずボクは、いつも同じ反応をするしかありません。
ここで、何か違った反応(どんなだ?)でもすれば、ボク達
の関係が変わったりしたんでしょうかね?

その時はそんなことは、考えもしませんでしたけど。

「それで、今度の相手は誰なんよ?」

「……サッカー部のキャプテン」

「え――っ! 早川先輩(仮名)かよ」





23 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/03(水) 23:35:05.70 ID:KLGvIiLq0


まあ驚きましたよ。身近な3年の先輩ですからね。
いや、驚いた理由はそれだけじゃないんですよ。
その先輩には彼女がいたからです。
ありがちなんですが、3年のマネージャーさんがそれです。
ちょっと派手目ですけど、かなり綺麗な人です。モデルみた
いです。

ボクは迷いました。その事実を今ここで伝えるべきかどう
か……





24 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/03(水) 23:36:24.98 ID:KLGvIiLq0



数秒間の熟考の結果、今日のところは先輩に彼女がいること
は伝えないことにしました。
今日はミドリを元気づけるために来たわけですからね。
明日でいいや、とか思ったんですよ。
それに、話を聞いてやれば少しは落ち着くだろうし
それからでも遅くはないと考えたからです。





27 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/03(水) 23:37:08.90 ID:KLGvIiLq0


案の定、先輩のどこがカッコいいかを力説しながら
ミドリは、どんどん元気になってきました。

ボクとしては他の男のカッコよさなんて聞かされても
あんまり面白くなかったんですけどね。





29 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/03(水) 23:38:16.71 ID:KLGvIiLq0


まあ、先輩は普通にカッコいい人ですし、サッカーも
ボクなんかよりも随分上手いです。

ただねぇ……女性とのアレコレを自慢げに話すタイプなとこ
ろがねぇ〜
聞く方は楽しいんですよ。ソノ手の話は、こっちも興味津々
ですから。でも、その話を聞いた後では、気まずくなるんで
すわ。





28 :名も無き被検体774号+:2012/10/03(水) 23:37:24.11 ID:eF6+KPLD0
>>1さん
文章からするとけっこうなお年ですね



30 :名も無き被検体774号+:2012/10/03(水) 23:40:44.22 ID:KLGvIiLq0

>>28氏
そうですね。30代ですよ。
モノを書くことが多い仕事なので、回りくどい文章になっ
てますかね。

恐縮です。
――

マネージャーさんを見ると もう妄想全開になっちゃっ
て……あんな綺麗な人がそんなコトをするなんて……
ついパンツを押さえてしまいますよ(笑)

ボクは、ひょっとしてこの先いつかミドリと先輩のアレ
コレを聞くことになるのか? とか考えてちょっと困っ
たような気になったことを覚えてます。




31 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/03(水) 23:43:20.78 ID:KLGvIiLq0


結局、ミドリには小一時間ほど話につきあいましたね。
もう飲み物の氷が溶けるだけじゃなく、紙コップまでユルユ
ルになった頃にやっと解散となりました。





32 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/03(水) 23:45:20.40 ID:KLGvIiLq0


それからのボクは、結構苦しかったですよ。
ミドリからは先輩のアドレスを教えろとか、今後の試合スケ
ジュールを教えろとか、弁当を作りたいから食べ物の好き嫌
いを教えろとか色々と言われましたから。

なんだかスゴーく盛り上がってるんで、つい彼女がいること
を言えずにいたんです。

つーか、先輩とマネージャーさんのやり取りを注意して見て
りゃふつーは気づくハズなんですけど、コイツは気づかない
んだよなぁ。

ひょっとして相当ニブイのか?





33 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/03(水) 23:46:42.21 ID:KLGvIiLq0



そのうち、一度でいいから直接話がしてみたいとか言い出し
てさ。仕方がないから段取りをしてやりましたよ。

部活が終わった頃にボクに声をかければ、できるだけ自然に
先輩と話ができるようにしてやると。

まあ、やってみたんですけど全然自然じゃないのね、これが。
なんかマネージャーさんに睨まれましたけど、ボク。





34 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/03(水) 23:47:43.18 ID:KLGvIiLq0


その日の帰り、ミドリはテンションが上がってました。
「一歩前進ナリ!」とか言ってましたね。

そういえば、ボクは最近ミドリと一緒に帰ることが多くなり
ました。

なぜかミドリが校門で待っているせいで流れ的に、そうなっ
てしまうんです。

で、ひとしきり先輩のカッコいいところを聞かされるという
わけでして。

あー面白ないぞー(笑)

とかいいつつ、ボクは楽しかったようです。


ところが……





35 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/03(水) 23:48:45.94 ID:KLGvIiLq0



ミドリを先輩に近づけたことが、ボク達をとんでもない方向
に進めるきっかけとなってしまったんです。

一週間後くらいだったかな、早川先輩がボクに話しかけてき
たんです。

「よう山下! あの子、そう、ミドリちゃんってカワイイよな」

「へ? なんすか急に?」

「昨日の帰りにファーストフード店で偶然会ったんだけど 
カワイイなとか思ってさ。で、あの子はおまえの彼女なのか?」

先輩からミドリの名前がでるだけでも、ドキッとするのに彼
女かどうかなんて聞かれたものですから、相当慌ててしまい
ました。

傍から見ると滑稽だったと思いますよ。ひとりで赤くなって
バタバタしてたわけですからね。

「ちがっ、違いますよ」





36 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/03(水) 23:50:02.37 ID:KLGvIiLq0


ボクが否定するのを見ながら腕を組んで何かを考える先輩。
そして、呟くようにさりげなく爆弾発言をしてくれます。

「そうか……じゃあアタックしようかな?」

「え?! 先輩……マネージャーさんが……」

「マネージャー? 気にしない、気にしない」

ボクは内心(これはマズイことになったかも)と思いました
ね。ひょっとして先輩は手当たり次第とか、そういう系の人
だったのか?となるとミドリが可愛そうだし、なんとかしな
いとマズイ非常にマズイ。






38 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/03(水) 23:51:24.23 ID:KLGvIiLq0



ボクの心配を他所に、それからミドリは先輩と急接近するわ
けです。

帰りは相変わらずボクと一緒なんですけど、彼女は途中から
先輩との待ち合わせ場所へ向かうことがあったりしました。

休日デートもしたみたいです。





37 :名も無き被検体774号+:2012/10/03(水) 23:51:08.67 ID:6vbwybB90
長い3行


39 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/03(水) 23:53:28.71 ID:KLGvIiLq0


>>37氏
すいません。
書き溜め分なので、つい投下が多くなってしまいました。
気をつけます。

――


まあ、会話の内容やデートの様子はこっちから聞かなくても
嬉しそうに逐一話しますから、まだ深い関係にはなって
ないらしくボクは少し安心してたんです。




41 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/03(水) 23:54:03.13 ID:KLGvIiLq0


って、いったい何を心配してるのやら……

まあ、ミドリはマネージャーさんと違って そこまで踏み込
めないだろうとは思ってましたけど。





42 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/03(水) 23:55:37.03 ID:KLGvIiLq0



というか、なんでコイツはここまで詳細をボクに語る必要が
あるのか理解できませんでしたね。ボクが聞き出してるわけ
じゃないですよ。

そんなことよりも、早く彼女がいることを伝えなければ……





43 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/03(水) 23:56:58.64 ID:KLGvIiLq0



焦る気持ちとは逆に、いざミドリを前にすると言えなくなる
んですよね。

彼女が悲しむ顔を見たくないというのもそうなんですが、言っ
てしまうと もうミドリとこうして一緒に帰る理由がなくなっ
てしまう……





44 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/03(水) 23:59:01.76 ID:KLGvIiLq0


という複雑な心境だったのも理由だったような気がします。
今、思うとこれがいけなかったわけです。

そんなある日……





45 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 00:00:40.30 ID:KLGvIiLq0



ボクは珍しくマネージャーさんから声を掛けられるわけです。

「えーっと……山下君……だっけ?」

ちょっと驚きでした。話をしたことがない女性がボクの名前
を覚えててくれるとか新しいです。
初めてです。嬉しいかも(笑)





46 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 00:02:17.74 ID:KLGvIiLq0


「今日部活が終わったら、ちょっと付き合って欲しいんだけど」

なんだか非常に嫌な予感がするんですけど、先輩の彼女です
し無視してもいいことは何も起こりそうにないどころか、悪
いことが起こる気がして気の進まない状態で、待ち合わせ場
所へ向かったわけです。





47 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 00:04:08.81 ID:fmYO4C/+0


そうしてボクとマネージャーさんは、夕暮れの中、公園のベ
ンチに二人座ることになりました。雰囲気は抜群なんですが、
そんな悠長なことは言ってられません。

絶対に先輩とミドリのことだろうな、と思ってましたから。




48 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 00:05:20.50 ID:fmYO4C/+0

「ごめんね。急に呼び出したりして」

「いや、全然オッケーですよ。どうせヒマですから」

「実は……早川君のことなんだけど……」

ここまで聞いて、やっぱりそうだろうなと納得しましたよ。




49 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 00:06:23.61 ID:KLGvIiLq0



別に変な期待をしていたわけじゃないですが、やっぱり心の
底では何かを期待していたんでしょうね。

なんといっても、正常な男子高校生ですから(笑)





51 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 00:07:38.16 ID:fmYO4C/+0


「なんだか最近、私の知らない女の子と仲がいいみたい
で…… で、その子って山下君の友達じゃないのかなと思って」

いきなり、話がヤバくなってきたじゃないですか。




52 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 00:08:29.32 ID:fmYO4C/+0

彼女の静かな口調がボクの緊張感を高めてくれます。
心臓の鼓動が高くなって、喉まで乾いてきましたよ。

「で、どんな子なの?」




53 :名も無き被検体774号+:2012/10/04(木) 00:09:00.89 ID:EEv3jPEH0
こええええww



54 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 00:09:44.91 ID:fmYO4C/+0


若干怒りの感情を含んだ声にボクは戦慄を覚えましたよ。
女性というのは浮気をした男性よりも、相手の女性に対して
怒りを感じると聞いたことがありますが、まさにソレです。




55 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 00:11:13.51 ID:fmYO4C/+0


それに彼女は全ての裏を取ってるんでしょうね。先輩に最初
にミドリを引き合わせたのがボクだということも分かっての
今日なんだと思いました。

こうなるともう逃げられません。




57 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 00:13:53.94 ID:fmYO4C/+0

ボク観念して正直に話をしました。

ミドリはボクとは中学から一緒だったこと。長身でバレー部
に所属していること。外見はそこそこ美少女で、男子には
それなりに人気があるというか目立つ存在であること。




59 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 00:15:22.33 ID:fmYO4C/+0

そして彼女が、先輩に憧れていたこと。

一度でいいから直接話がしたいと言い出し、ボクがそれを段
取りしたこと。あとは……先輩に付き合ってる人がいること
は、知らないということ。





61 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 00:17:03.60 ID:fmYO4C/+0

でも、学校の帰りにどこかで先輩と待ち合わせをしてるらしいとか
休日デートのようなコトをしてるとかは言いませんでした。
だって怖いし。




60 : 忍法帖【Lv=40,xxxPT】(-1+0:8) :2012/10/04(木) 00:15:42.90 ID:JsVyIaVr0
俺目の前で手首切られた事あるぞ

俺助けただけだけど



62 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 00:19:53.87 ID:fmYO4C/+0

>>60氏
他人の彼女が自分の前でリスカとか……それは怖い。
ボクの場合は、それはなかったです。
――

マネージャーさんは(……ったく余計なことを)というような
怒りを含んだ目でボクを見てましたが、最後まで話を聞くと

「正直に話してくれて、ありがとう」

それだけ言って、さっさと帰っていきました。




63 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 00:22:03.39 ID:fmYO4C/+0


ボクは自分の無事を喜ぶ余裕もなく、ベンチにへたりこんで
しまいましたよ。

それより、自分がきっかけを作ったせいで、なんだか人間関
係が面倒な方向へ動いていることが恐ろしくてね。

そして、今日のことをミドリにどう説明したらいいのか分か
らず一人で頭を抱えてたんです。




64 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 00:23:02.35 ID:fmYO4C/+0


が……事態はボクの想像を超えて、斜め上の展開を始めるわ
けです。

なんと、ボクとマネージャーさんが怪しいとの噂が立ち始め
るという。

なんで?!




66 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 00:25:07.60 ID:fmYO4C/+0

どうやら、公園のベンチに二人が真剣な表情で座っていたと
ころを誰かが目撃したようで、話に尾ひれがついて広まって
いったようです。




67 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 00:26:25.08 ID:fmYO4C/+0

二人が公園で真剣に見詰め合っていたとか……これはある意
味本当か……いい雰囲気で肩を寄せ合っていたとか……近い
状況ではあったけど……抱き合ってキスしてたとか……これ
はナイわ。絶対にナイ。断じてナイ。




68 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 00:27:48.23 ID:fmYO4C/+0



映像としての雰囲気は、確かに誤解を生む内容だったわけで
すよ。
それは否定しませんが……

だからといって、先輩の彼女と恋愛とかキスとかするわけな
いでしょーが。そんな無謀なチャレンジャーではナイですし。




69 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 00:29:11.34 ID:fmYO4C/+0


そういう週刊誌の表紙に掲載されるような状況ですから部内
でもニヤニヤと微妙な空気が漂うわけです。

みんな腫れ物にでも触るような感じでボクに接するんです。
否定すれば否定するほど、いっそう酷くなるから困ります。




70 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 00:30:17.77 ID:fmYO4C/+0


奴らの頭の中では“略奪愛”という物騒な文字が、小躍りし
ながら走り回っていたことでしょう。

そのうち、早川先輩の耳にも届くことになり、練習後のクラ
ブボックスに呼ばれることになってしまいました。




72 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 00:31:37.15 ID:fmYO4C/+0


簡易ベンチに腰掛けた先輩が、スパイクの紐を解きながら尋
ねます。

「山下、おまえアノ噂は本当か?」

直立不動で尋問状態のボクは、緊張と不安で汗ぐっしょりです。




73 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 00:32:24.72 ID:fmYO4C/+0


別にマネージャーさんとは、やましいことは何もないんです
が、人間関係が面倒なことになっているのは、多分に自分の
せいという認識がありましたから。

「噂って、ボクとマネージャーさんとのことですか?」




74 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 00:33:09.24 ID:fmYO4C/+0


脱いだスパイクの泥を「コンコン」と払いながらチラッとボ
クの顔色を覗き込む先輩。その目には怒りの感情を感じるこ
とはありません。うまく言えないんですが、マネージャーさ
んとの温度差は感じましたね。

「そうだよ。まあ、オレは気にしてないんだけどね」




75 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 00:34:26.89 ID:fmYO4C/+0

ここは全身全霊をかけて弁解させてもらいます。
たとえ男らしくないと言われても、言い訳だってします。
武士じゃないんで、二言だって言いますよ。




77 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 00:36:07.70 ID:fmYO4C/+0


確かに健康な男子高校生的期待感ゼロで待ち合わせ場所に向
かったということはないですが、実際に何かアクションは、
起こしてはいません。

神に誓って。

「いや、あれはデマですよ。デマ。ただ……
 マネージャーさんから相談を受けたことは事実です。先輩
の件で……」




78 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 00:37:18.36 ID:fmYO4C/+0

「そうか……そんなことだろうとは思ったんだけどな……」

ですよねー わかってくれますよねー なんてホッとした自
分がありました。この際、先輩の気持ちを確かめた上で、マ
ネージャーさんと仲直り? というかしっかりと元の鞘に収
まってもらおうとか考えたわけです。




79 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 00:38:02.39 ID:fmYO4C/+0


そうすれば、ミドリのことも余計な心配をせずに済みますか
らね。
だから先輩と、もっと話そうと思ったです。

「先ぱ――」


そこで急に扉が開いたかと思うとマネージャーさんの乱入で
す。いや突入か?

そして次の瞬間、ボクは信じられない状況に陥ることになり
ます。




81 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 00:40:37.16 ID:fmYO4C/+0


なんとマネージャーは先輩の前を通り過ぎて、ボクに抱きつ
いてきたんです。

まさか相手を間違ったんじゃないのか? とか一瞬考えたん
ですが次の言葉で、そうじゃないことが分かります。




82 : 忍法帖【Lv=15,xxxPT】(1+0:8) :2012/10/04(木) 00:41:54.11 ID:+tivkiFr0
はよはよ



83 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 00:42:12.50 ID:fmYO4C/+0


「山下君! 誤魔化さないで! あの時、あなたは私に告白
したじゃない!」

「え”?!」

この人、何を言い始めるんだ!?

これから先輩とサシで話して、この件をクロージングに持っ
ていこうと考えていたのに、何と言う無謀かつ玉砕の特攻発
言……台無しじゃん……




84 :名も無き被検体774号+:2012/10/04(木) 00:42:47.98 ID:EEv3jPEH0
道具にされたか



85 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 00:43:04.68 ID:fmYO4C/+0


こんなこと言われたら先輩だって黙ってはいないでしょう。

裸火を持ってガソリンタンクに突っ込んでくるようなもので
すよ。しかし、彼女の勢いは留まるところを知りません。こっ
ちまで飛び火どころか、もう火達磨じゃないですか。




86 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 00:44:19.56 ID:fmYO4C/+0

「そして私たちは付き合うことになったじゃない!」
 こんな奴(先輩を指差す)に気を使うことはないのよ!」

いやいやいや、ナイナイナイ、絶対ナイし〜
そんな夫婦喧嘩みたいなことは、二人だけの時に違う場所で
やってくれー




87 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 00:45:09.04 ID:fmYO4C/+0


と、あまりにトンデモな展開に、苦笑いさえ漏れてしまいそ
うだったんですが先輩の次の言葉で再びボクは奈落の底へ落
とされるわけです。

「山下……そういうことだったのか」

(え? ひょっとして信じてる。あんたバカですか?)




88 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 00:46:06.28 ID:fmYO4C/+0


オイオイオイ、なにを血迷っているんですか。冷静に考えれ
ばそんなことあるわけないとか考えないんですかね。この人
たちは。とりあえず、ここは落ち着いてもらって……話せば
分かるハズ……




89 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 00:47:24.29 ID:fmYO4C/+0

「先輩、違いま――」

と言いかけたボクのでしたが、その言葉を最後まで言うこと
ができなかったんです。なぜなら、マネージャーさんがボク
の口を塞いでしまったから……

唇で――




90 :名も無き被検体774号+:2012/10/04(木) 00:48:10.53 ID:EEv3jPEH0
トンデモっすねww



91 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 00:49:19.92 ID:fmYO4C/+0

>>90氏
まったく、トンデモです。

――


さて、どうでもいい話ですが、これがボクのファースト
キスってやつです。

ロマンチックでもなんでもなく、いきなり修羅場でソレですからね。
非常に残念です。悔やまれます。トラウマになりそうです。



92 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 00:51:55.15 ID:fmYO4C/+0


その光景を見た先輩は、ボクの肩をぐっと掴むと「大切にし
てやれ」と言ってボックスを後にしました。 
って、オイ待てー

表ではメンバーがザワついています。
「やっぱり、そーだったんだ!」とか「修羅場やね〜」とか
ワイドショーを観てるおばちゃんみたいな会話が聞こえてき
ます。 おまえらも傍観せずに、先輩を止めろってば。





93 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 00:53:17.04 ID:fmYO4C/+0

「誤解でーす」「待ってくださーい」と動こうと思うのですが
マネージャーさんが、ボクに絡みついていて身動きできません。

一瞬、殴ってでも引き剥がそうかと思ったんですが、マネー
ジャーさんの悲しそうな目に断念した次第です。




94 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 00:55:45.30 ID:fmYO4C/+0


そして、先輩が十分遠くに行ってしまった頃、マネージャー
さんはその場に崩れ落ちるわけです……

ボクは(どーすんだ? コレ?)と思いながらも、どうして
いいか分からずとりあえずマネージャーさんの気持ちが落ち
着くまでは、傍にいた方がいいかと思い、黙って横に座って
ました。

自○とか放火とかされたらヤバイとか思ったんですよ。マジで。




96 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 00:56:41.10 ID:fmYO4C/+0


そのうち泣き疲れたのか、ボクにもたれかかり腕にしがみつ
いた状態で眠ってしまいました。

この時のボクは困ってました。正直、困ってました。本当に
困ってました。何度でも言いますよ。困ってましたと。




97 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 00:57:17.65 ID:fmYO4C/+0

どう考えても彼女がボクを好きなハズがありません。単なる
“あてつけ”であんなことをしたことは明白です。それが問
題の解決に結びつくのかどうか知りませんがね。とりあえず
彼女の選んだ手段はそれだったということです。




99 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 00:58:53.20 ID:fmYO4C/+0


対するボクの状況は外堀を埋められて、自分の気持ちとは違
う既成事実で追い込まれている感じ。

マネージャーさんと公園で密会し
元カレの先輩と直接対決を経て
キスでめでたくカップル誕生……

鬱だし……

このままだと、明日には『新カップル誕生!』と祝福されて
しまうでしょう。




100 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 01:00:42.08 ID:fmYO4C/+0


マネージャーさんは、ボクには不釣合いなくらい美しい女性
であることには違いないんですよ。でも、なんというか……

昨日まで先輩と、あんなことや、こんなことをしてたんで
しょ……ムリですわ〜それ。




101 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 01:02:28.75 ID:fmYO4C/+0


再婚だって離婚後は、6ヶ月のクーリング期間が必要なんで
すよね。

そんなホヤホヤで相手の体温が残っているような女性とか、
絶対ムリですって。

非常に失礼を承知で言います。
全力でお断りですわ。




103 :名も無き被検体774号+:2012/10/04(木) 01:03:25.88 ID:OKwlE1TV0
おもしれぇwwww



104 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 01:04:25.44 ID:fmYO4C/+0

さて、30分くらい経った頃、やっと目を覚ましたマネージャーさんは

「あっ、山下君。ずっとこうしてくれてたの?」

なんと呑気な声でのお目覚めです。

ボクは(あなたのせいで修羅場じゃないですか。これからどー
するんですか)
と言いたい気持ちをぐっと抑えて




105 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 01:05:59.91 ID:fmYO4C/+0

「あっ、はい……動けなかったですから……」

「ごめんね……もう遅いから帰ろっか」

美しいお顔で力なく微笑むわけです。

えーっと、ボクはさっきの勢いが急速に萎えていくのを感じ
ます。

実は、こういう表情に弱いんですよね。




106 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 01:06:39.72 ID:fmYO4C/+0


ボクを11人集めて、こんな表情のお面をつけた女子チームと
対戦したら きっとボロ負けするに違いないでしょうね。
0-15くらいで。

そんなわけで、彼女を放っておけない気分になってしまい、
すっかり暗くなった道を二人で帰ります。




107 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 01:07:44.09 ID:fmYO4C/+0


どうやら自分の家とは方向が違うようなんですが、なんとな
く家まで送った方がいいかと思ってマネージャーさんの足が
向かう方向に歩きます。

そのうち家に着いたらしく、玄関の前で足が止まりました。
これでボクの自分の仕事は、全て終わったと思いましたよ。
とっとと帰って明日以降の対策を練らないと、とか思いまし
た。




108 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 01:08:36.79 ID:fmYO4C/+0

「じゃ、ボクはこれで帰ります」

そして自転車に跨ろうとした、その時。

「お腹空かない? 私、泣いたらお腹が空いちゃって。
 何か食べていかない?」

妙なタイミングで妙な誘いです。普通なら断りますよね。

あんな目に遭った後ですから、家なんかに入ったら次はどう
なるか分かったもんじゃないですし。




109 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 01:09:22.95 ID:fmYO4C/+0


ところが、ちょっと憂いを含んだ笑みが、なんとも妖艶で美
しかったのでボクは脊髄反射で「はい」と答えてしまったん
ですよ。

言ってしまってから気づいたんですがこの時、無意識でした
が1000分の1秒単位で不安と期待を天秤にかけてたわけです。




110 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 01:10:33.22 ID:fmYO4C/+0


ファーストキスを奪っていただいたのですから、展開によっ
ては筆おろ……なんとも男の悲しい性です。いや、男子高校
生です。

というわけで、ボクはマネージャーさん宅のダイニングテー
ブルに座ってました。彼女はキッチンで手際よく何かを炒め
ているようです。




111 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 01:11:30.84 ID:fmYO4C/+0


そのうち、テーブルには二人分の焼きソバが並びます。なぜ
に焼きソバ?

「ごめんね。こんなものしかできなかったけど」

「いや、すいません。わざわざ作っていただいて」

それを食べ終わると、彼女はいかにもお揃いの片割れっぽい
マグカップを手にポツリポツリと先輩との話を始めました。
別に聞いてないんですけど……




112 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 01:13:06.67 ID:fmYO4C/+0

高校に入学して初めて会った時のこと……
合宿の夜に告白された時のこと……
学園祭の模擬店のこと……
二人で行った旅行のこと……
(えー、その話は先輩から何度も聞きました。深夜編だけで
すが)




113 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 01:14:18.21 ID:fmYO4C/+0


そして、最近すれ違いが多くなってきたことまで話すと、目
に涙をいっぱいに浮かべるわけですよ。

なんか可憐で弱々しくって、思わずぎゅーっと抱きしめたく
なる衝動にかられるんですが そんなことをしたら、ボクがこ
の先修羅場の中心人物に進化してしまいます。
いや、もうほぼ中心か?




114 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 01:15:14.92 ID:fmYO4C/+0

「今日はね、父も母も遅いの……」

思いがけない言葉に緊張が走ります。
おいおい、マジでこの先があるのか?
どうする? ボクよ?
この際、成り行きに任せてみるのも……




115 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 01:17:05.63 ID:fmYO4C/+0

「そっちに行ってもいい?」

緊張して声が出せないボクの無言を肯定と、とったのか
隣というか、もう膝の上近くに座るわけですよ。
そして、ねろねろと絡んでくるんですわ。




116 :名も無き被検体774号+:2012/10/04(木) 01:17:35.48 ID:VR5A405pO
はよはよ



117 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 01:17:46.59 ID:fmYO4C/+0

もうね。ダメですよ、この人。
完全に人格崩壊してます。絶対おかしいです。

(先輩からアッチの方は嫌いじゃないらしく激しいとは聞い
てましたが……)

このままいけば、マジでボクの筆……




118 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 01:18:53.05 ID:fmYO4C/+0

――

ボクの脳内では各部位の担当がホットラインで状況報告をし
始めます。まずは隊長の“精神”です。

「各部位、状況を報告せよ!」

左半身:
「左前腕部拘束されており制御不能! 
続いて上腕部が敵の侵略を受けています!」

右半身:
「こちらは各部異常ありません! 
回避行動可能です! 指示を!」




119 :名も無き被検体774号+:2012/10/04(木) 01:19:14.31 ID:EEv3jPEH0
ゴクリ・・・



120 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 01:19:20.30 ID:fmYO4C/+0

胸部:
「呼吸が苦しいですっ! 
心拍数も増大してますっ! 警戒レベルです!」

頭部:
「視界良好、聴覚問題ありません! 
上下唇および声帯正常作動します!
 指示を! あっ嗅覚がやられました!」
(そういえばマネージャーさんの髪からいい匂いがしてます)

頭脳:
「……」

精神隊長:
「精神から頭脳へ、応答せよ!」

頭脳:
「●△※÷……」




121 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 01:20:03.17 ID:fmYO4C/+0

精神隊長:
「ダメだ……完全に混乱してる。
コイツが作動しないと行動の指示が出せん……」

その時、ボクの精神は緊張でカチカチになってる
担当者を発見する……下半身だ。
直立不動で空を見上げている。




122 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 01:20:44.96 ID:fmYO4C/+0

精神隊長:
「今日はお前の出番はないから安心しろ」

下半身は応答しない。

彼にとっては、これが初陣になるかもしれない状況とあり緊
張と我慢で大汗をかいている。相当気合いが入ってる様子だ……




123 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 01:21:30.76 ID:fmYO4C/+0


各担当との数十秒のやりとりの後、精神が発動した緊急脱出
プログラムにより左右大腿部と下腿部に現在地点からの緊急
離脱命令が下された。

もう既に左前腕部、上腕部から背部と腰部、そして胸部まで
侵略されておりあと数秒判断が遅れたら、その場に押し倒さ
れてフォール負けだったでしょう。




124 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 01:22:11.91 ID:fmYO4C/+0


ボクは命からがらマネージャーさん宅から生還したのです。
自分としては頭脳が結局、何の役にも立たなかったことが情
けない……

――




125 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 01:23:00.08 ID:fmYO4C/+0


家に帰ったボクは、明日からどうしようかと真剣に悩みまし
たよ。
先輩とマネージャーさんは、本当に破局なのだろうか?

でも、今日のマネージャーさんを見てると、まだ先輩のこと
が諦めきれない様子。先輩の本当の気持ちが見えないけど……




126 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 01:23:51.10 ID:fmYO4C/+0


この際、ミドリに手を引いてもらうことが一番丸く収まるよ
うな気がするが。となると、最初から分かってて進めたボク
はどうなる?なんか面白がってたみたいで最低な奴になるん
じゃねーの?




127 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 01:24:28.31 ID:fmYO4C/+0

まあ、ミドリには明日の帰りにでも正直に話そう。
彼女なら分かってくれるさ、きっと。と考えたんだけど……
甘かった。


翌日ミドリは学校に来なかった。その翌日も。




128 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 01:25:11.90 ID:fmYO4C/+0


さすがにこれはマズイことになってるだろうと、帰りに家に
寄ろうと思ってたんですが、昼休みに女子数人に囲まれる事
態となるんです。

女子A「あんた、ミドリになんてことしたの!」
女子B「最初から分かってて面白がってたんでしょ!」
女子C「ホント最低っ!」
女子D「あんたのせいで、あの子、学校に来たくないって……」




129 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 01:26:28.98 ID:fmYO4C/+0


なんでも、ボクがマネージャーさんの家から脱出後、ミドリ
は彼女に呼び出されて全てをブチまけられたらしい。

しかも、マネージャーさんはボクが最初から全てを知ってて
ミドリの恋愛ごっこを生暖かい目で楽しんでた、と言ったよ
うです。




130 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 01:27:46.60 ID:fmYO4C/+0

ミドリとしては、憧れていた先輩に二股をかけられていたこ
ともショックだったらしいが、それよりも、信頼して全てを
話してたボク、自分の味方で応援してくれてると思ってたボ
クがそんな悪趣味なことをしていたことが相当ショックだっ
たとのこと。




131 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 01:28:45.74 ID:fmYO4C/+0

それで「もう誰も信じられない!」となり、
塞ぎこんでいるらしい。

ボクは、すぐに携帯でミドリに連絡しようとしたが……
着信拒否だし……
メールで「すぐに会って話がしたい」と送信したが
返ってきたのはデーモンだ。アドレス変更してやがる。




132 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 01:29:29.91 ID:fmYO4C/+0


その日は、午後の授業も部活もパスしてミドリの家へ向かい
ました。

でも、インターホンを押そうが、玄関で叫ぼうが誰も出てこない。
ボクは、とりあえずノートの切れ端に「会って話がしたい」
と走り書きしたモノを郵便受けに放り込んでおきました。




133 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 01:30:10.25 ID:fmYO4C/+0


翌日からミドリは、ようやく学校に来るようになったんだけ
どボクのことは ガン無視。

ボクは、なんとか話をしようとチャレンジしたんですが、まっ
たく反応ナシ。一週間くらいはボクも頑張ったんです。聞い
てくれなくても謝りもしました。




134 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 01:31:06.00 ID:fmYO4C/+0

状況を一方的に説明してみたりもしましたが……
もう、お手上げですわ。
ここまで無視されると、さすがに面倒になってしまいましてね。
もう、どーにでもなーれ状態です。




135 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 01:32:21.09 ID:fmYO4C/+0

ボクって、やっぱり最低男みたいですわ。
というわけで、ミドリとはここから疎遠になるわけです。
夏休み前くらいだったと思います。




136 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 01:33:11.65 ID:fmYO4C/+0


さて、部活の方はと言うと、こっちはこっちで面倒な状況で
した。

当然のことながら、先輩とマネージャーさんは別れることに
なってしまいました。




138 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 01:34:05.85 ID:fmYO4C/+0

なんだか自分のせいみたいで非常に申し訳なかったんですが
先輩によると遅かれ早かれ別れていただろうとのことです。

先輩がミドリに走りかけたのも、マネージャーさんと色んな
意味でのすれ違いが増えてきたかららしいです。

って、そんなものなんですかね……




139 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 01:35:00.92 ID:fmYO4C/+0


そして何よりボクを困らせたのが、マネージャーさんの存在
でした。やたら絡んでくるんですよ。別に嫌がらせをされる
わけじゃないんですが他の部員と比べて特別扱い、というか
妙に甲斐甲斐しくってね。




140 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 01:36:02.11 ID:fmYO4C/+0


ボクは1年のサブでしたから、飲み物とかタオルとかはマネー
ジャーさんから渡してもらえる身分じゃなかったんですが、
なぜか主力並みの扱いを受けてました。

どうやらメンバーの中では、ボクの“略奪愛”しかもキャプ
テンの彼女を奪う というなんとも刺激的なストーリーが完
成していたらしく、もう二人の一挙手一投足に注目が集まる
状態。




141 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 01:37:27.45 ID:fmYO4C/+0


おまけに、部活終了後はボクがどんなに急いで帰ろうとして
も マネージャーさんが自転車置場の前で待っているわけで、
ボクは仕方なく一緒に帰ることになるんです。方向が違うの
に。

マネージャーさんは、一生懸命話題を作って話しかけてくれ
ますが ボクは失礼のない程度に相槌を打つくらいで、決し
て楽しい会話じゃないのに。




142 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 01:38:34.32 ID:fmYO4C/+0


でも、そんな状態が、しばらく続いた頃、ボクの心境に変化
が出てきたんです。マネージャーさんのことが「なんだかカ
ワイイかも?」とか思えてきて。

そのせいで会話が少し続くようになってくると、彼女がスゴ
く楽しそうにしてくれるわけです。




143 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 01:39:20.04 ID:fmYO4C/+0

だから思い切って、というか調子に乗って聞いたみたんですよ。

「あの……何でボクに優しくしてくれるんですか?
 ボクは先輩の件で恨まれてるハズじゃ……」

「そのことは、もういいの。彼とは終わるべくして終わったから
 それより、気になる男の子に優しくしちゃダメなのかな?」




144 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 01:40:20.72 ID:fmYO4C/+0


「いや、その……さすがにマズイかなと……先輩の手前もあ
るし……」

「だったら、3年生が引退してからだったら、いいのかな?」

なんだか、妙に畳み掛けられてる感じがします。ああ言えば
こう言う感じで。どんどんコーナーへ追い詰められるボクサー
のような雰囲気です。

そして、とうとう何も言えなくなってしまいました。




146 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 01:41:20.27 ID:fmYO4C/+0


「じゃあ、秋の大会が終わったらキミに告白するから その
時は真剣に考えてね」

彼女はそう言うとボクの前から、さっと消えてしまいました。

ボクは、今の言葉を脳内でリピート再生します。
今“告白”って単語を使ったよな?? それって、そういう
ことなのか??




147 :名も無き被検体774号+:2012/10/04(木) 01:41:29.57 ID:saNoA3zj0
どきどき。。。



148 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 01:42:19.08 ID:fmYO4C/+0


いやいやいや、山下ユーサク16才、自慢じゃないですが色恋
沙汰には縁のない人生でした。それが美しい上級生から“告
白”ですか??

ついにモテ期が到来したんでしょうか? いや襲来か?




149 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 01:43:28.70 ID:fmYO4C/+0


ところが、それ以降マネージャーさんは、ボクに絡んでくる
ことはなくなり何かが起こるかも? と期待して勝負パンツ
まで持参した夏の合宿も普通に終了してしまいました。 
あれ?




150 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 01:44:15.31 ID:fmYO4C/+0

きっとからかわれただけだったんでしょうね。
ひょっとすると彼女なりの復習劇だったのかもしれません。
一瞬でも喜んだ自分が恥ずかしくなりましたよ。




151 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 01:45:05.35 ID:fmYO4C/+0


そしてボク達のチームは秋の大会であっけなく敗退し、3年
生部員は引退するわけです。もちろんマネージャーさんも。




152 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 01:46:06.77 ID:fmYO4C/+0


ボクとしては、ミドリの件もマネージャーさんの件も、封印
したい過去という扱いで意識的に二人を避けてました。

ミドリは相変わらず後ろの席ですから、否応なく毎日視界の端には
入ってくるわけですが、もうボクは彼女を視界の中心に捕ら
えることはなくなりました。




153 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 01:46:59.28 ID:fmYO4C/+0


無視するわけじゃないんですが、視界の端に入ってきたらこっ
ちが先に移動する感じです。
そう、明らかに避けてましたです。今度はボクの方が。

その時、彼女がどんな表情をしていたかなんて知りませんで
したよ。見てないわけですから。




155 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 01:47:43.74 ID:fmYO4C/+0


校内は学園祭の準備が慌しくなる頃で、サッカー部は毎年
“焼きソバ屋台”を出展することになってるようです。

んっ?焼きソバ……なんとなくイヤな予感がしますよね。
それ、当たりです。




156 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 01:49:02.55 ID:fmYO4C/+0


部の伝統として、引退した3年を含むマネージャーの指導の
下に1年メンバーが調理することが決まりになっていると、
その時に初めて聞かされたんですよ。

う〜ん、これは……ボクは、例のマネージャーさんとペアに
なるわけです。

気まずいです。みんな明らかに面白がってます……




157 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 01:50:09.41 ID:fmYO4C/+0

そして、とうとうその時が訪れます。

マネージャーさんと二人で食材の買出しに出かけた時です。
買い込んだ大量の食材のせいで両手が塞がり、動きに自由度
が減ったボクに彼女が接近してきます。これはヤバイ雰囲気
です。

「3年生は引退したね……」




158 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 01:52:01.57 ID:fmYO4C/+0

「そうですね」

動きにくいといっても相手は女性。全力で走れば振り切れる
と思ってました。いざとなればショルダータックルで……と
か無謀なことも考えてます。

「山下君、いつかの話を覚えてる?」




159 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 01:53:34.69 ID:fmYO4C/+0

「何の話でしたっけ?」

しっかり覚えてますが、全然覚えてませーん。もう逃走準備
完了です。何か適当な理由をつけてダッシュでその場を去ろ
うとするボク。ところが彼女はボクの進路を巧みに塞ぎ、距
離50cmの真剣な表情で見つめます。

近いってば。




160 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 01:54:51.94 ID:fmYO4C/+0


しかも袖を摘まれた状態ですから、逃げるに逃げられません。
そして、結構ヘビーな話をしてくれるわけです。

先輩とは真剣に付き合っていたこと。
別れてしまったのは残念だけど後悔はしてないこと。




161 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 01:55:34.04 ID:fmYO4C/+0

確かにボクのことは最初は先輩への“あてつけ”だったこと。
でも、毎日一緒に帰るようになってなんとなく気持ちが落ち
着いたこと。
それが恋なのかどうかは自分でも分からなかったこと。

だから自分の気持ちを確かめるために“3年生の引退まで”
と期間をおいたこと。




162 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 01:56:31.23 ID:fmYO4C/+0

そして、今日結論が出たらしいです。

「だからね、山下君。私と付き合ってくれないかな?
 年上は嫌い?」

「年上だから嫌いとか、そんなことはないです……」

「だったらオーケーということで、いいかな?」

ここまで聞いて、ボクは初めてマネージャーさんの目を見ま
した。




163 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 01:57:06.45 ID:fmYO4C/+0


見慣れたというか、よく知った女性なのに初めて見たような
気がしました。

少し年上の美しい女性が、なんとも不安げな表情で自分を凝
視している姿に抗う術は、男子高校生にはありませんでし
た……




164 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 01:58:11.85 ID:fmYO4C/+0


というわけで、ボクはマネージャーさんと付き合うことになっ
たわけです。

ただ、彼女はあと数ヶ月で卒業ですし、なんといっても、受
験の追い込み時期ですから、休日にデートとかはできないん
ですよ。

それでも毎日一緒に帰るのは、楽しかったです。




166 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 01:59:05.08 ID:fmYO4C/+0


そして意外にも? 彼女は純真というかカワイイところがあ
るんでドキドキしました。

先輩から“あんな話/深夜編”を聞かなければよかったなとかは
ちょっと思いましたけどね。




168 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 02:00:50.92 ID:fmYO4C/+0

これで、第一部が終わりです。ありがとうございました。

なんだか、ハッピーエンドに見えますけど……

明日は「第二部 復習編」を投下したいと思います。

では、おやすみなさい。




169 :名も無き被検体774号+:2012/10/04(木) 02:02:39.22 ID:ZMFfs9fx0
おつ、ちゃんと来いよ



170 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 02:02:52.90 ID:fmYO4C/+0

すいません。復習→復讐でした。




171 :名も無き被検体774号+:2012/10/04(木) 02:07:58.64 ID:EEv3jPEH0

楽しみ



172 :名も無き被検体774号+:2012/10/04(木) 02:08:34.51 ID:XEgMvalB0
マネージャーの先輩との深夜編もよろしくな!



174 :名も無き被検体774号+:2012/10/04(木) 02:57:38.75 ID:gDftE6gZO
待ってるよ〜!



175 :名も無き被検体774号+:2012/10/04(木) 03:19:14.26 ID:gayhtG9g0
楽しみにしてるねー



177 :名も無き被検体774号+:2012/10/04(木) 06:18:32.55 ID:pLUL25US0
面白かった!続編が楽しみ。



178 :名も無き被検体774号+:2012/10/04(木) 07:24:27.94 ID:NQ0KQh+SO
乙!今日の投下が楽しみだ



179 :名も無き被検体774号+:2012/10/04(木) 12:06:44.28 ID:CrtkfM8E0
面白い!乙!



181 : 忍法帖【Lv=20,xxxPT】(1+0:8) :2012/10/04(木) 14:47:46.79 ID:b5aaovb40
乙!!
みてるよー続き気になる!!



182 :名も無き被検体774号+:2012/10/04(木) 15:16:15.29 ID:6eE8gljI0
>>1の文章で映像が見えてくる

ちょっと学生にしては達観しすぎだと思うが、そういう人も
いるんだろうなと受け入れられることができた

続きに期待



184 :名も無き被検体774号+:2012/10/04(木) 15:40:02.89 ID:0fLVyvGL0
乙!
ちゃんと見てるよ!



186 :名も無き被検体774号+:2012/10/04(木) 17:04:37.98 ID:tjoLTcFg0
面白い!
続き楽しみしてます



188 :名も無き被検体774号+:2012/10/04(木) 19:02:05.31 ID:hnKKnEP10
                ___
               /     \
             / ─    ─ \
            /  (●)  (●) \
              |     (__人__)     | <こいよオラ!!オラ!!
           ,.゙-‐- 、  `⌒´   ,/
        ┌、. /     ヽ ー‐  <.
         ヽ.X、- 、   ,ノi      ハ
      ⊂>'">┐ヽノ〃     / ヘ
       入 ´// ノ        } ,..,.._',.-ァ
      /   `ー''"´      ,'  c〈〈〈っ<
     /          __,,..ノ ,ノヽー'"ノ
      {          ´    /  ``¨´
    /´¨`'''‐、._        ,'\
     ∨´     `ヽ、     ノ   ゙ヽ
      ∨      ヽ _,,..-'"    `ヽ
     ∨       〈-=、.__       }
      ヽ、     }   ``7‐-.  /
          ヽ     リ    /′  ノ
          /′  , {     /   /
        {     !   ,ノ  ,/′
          !    /  /   `‐-、
        !   ,/   ゙ー''' ー---'
          ',  /
        {   }
           ゙Y `ヽ、
            ゙ー--‐'



191 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 23:25:25.03 ID:fmYO4C/+0

こんばんは。
遅くなりました。

そろそろ投下を始めますので
よろしくお願いします。




192 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 23:27:00.61 ID:fmYO4C/+0

―― 第二部 復讐 ――


冬休みに入ると、彼女は冬期講習で受験の最終の仕上げに入
るわけです。

だからボクは彼女がいるにもかかわらず、クリスマスも正月
も独りなわけでした。

仕方がないんで、バイトしてましたよ。
レンタルビデオ屋で。ほぼ毎日。ずーっとね。





193 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 23:28:15.46 ID:fmYO4C/+0


そういえば、ミドリがクリスマス前に店に来たことがありま
した。
ホラーとか純愛モノのビデオを大量に借りていきましたね。
あれだけの量を観るんですから、クリスマスの予定はないん
だろうなあとか思いましたよ。言いませんけど。




194 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 23:29:52.43 ID:fmYO4C/+0


その頃になると、彼女はボクを見ても反応も示さなくなって
ましたね。
なんだか怒ってるというよりは、困ってるような雰囲気はあ
りましたけど。でも、もうどーでもいいですわ。赤の他人っ
てことです。




196 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 23:31:01.55 ID:fmYO4C/+0


ボクは誤解されたままというのが、気に入らなかったですけ
ど 今さら誤解を解いたところで、何が変わるわけでもないで
すし。

滑走路を走る飛行機に例えるなら、既にV1速度(離陸決心速
度)を超えてますからね。もう元には戻れないんですよ。
ボクとミドリは。




197 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 23:32:14.17 ID:fmYO4C/+0


そういえば、いつまでも“マネージャーさん”では彼女がか
わいそうなので、以降は名前で呼ぶことにします。
ユウコ(仮名)さんです。

ユウコさんと会えない冬休みは、ほぼ毎日メールしてました。




198 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 23:33:59.94 ID:fmYO4C/+0


ボクのバイト終了時間と、彼女の講習の終わる時間が合えば
ちょっとだけ会ったりもしました。そして一緒に帰るだけ。
先輩の頃とは、180度趣の違う清い交際です。

彼女のエネルギーは、全力で目の前の受験に向かってました
からね。

ボクへ向ける分は残ってなかったんでしょう。




199 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 23:35:53.23 ID:fmYO4C/+0


そして、1月のセンター試験から始まり、私立、国公立と怒
涛の試験が続いたようです。

バレンタインの時期も会えませんでした。ちょうど私立の試
験と発表の間の時期で、とてもそんな気分ではなかったよう
ですからね。

さすがに、その時期はメールすらできなかったですし……




200 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 23:37:46.59 ID:fmYO4C/+0


1年生のボクは部活とバイトという気楽な状態でしたけど、
ユウコさんはこの時期、辛かったことでしょう。

そして、試験の出来に一喜一憂しながらも、志望校のひとつ
に合格したようで無事卒業式を迎えました。




201 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 23:39:02.34 ID:fmYO4C/+0


彼女は地方の(いや、こっちが地方だから都会のだな)四大
に決まったようです。だから、今以上に会えなくなるのは確
実でした。

そういえば、合格発表があってからもデートとかするヒマが
なかったです。




203 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 23:40:47.88 ID:fmYO4C/+0

バレンタインのなかったボクにも、ホワイトデーはあるかと
思ったんですが彼女は下宿先探し、引越し、オリエンテーショ
ン、おまけに合宿免許とイベントづくしで、超忙しかったみ
たいでしたから。




204 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 23:42:04.53 ID:fmYO4C/+0


会えないことが続くと心は募るわけです。なんというか、彼
女って上手いんですよ。

残念ながら、先輩とのようなコトは、何ひとつお世話にはな
れませんでしたが ちょっとした仕草とか、メールの文章と
かにスゴく惹きつけられるんです。もうね、純真な男子高校
生の心を、ガッツリ鷲掴み状態です。




205 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 23:43:15.87 ID:fmYO4C/+0

そして4月を迎えます。

ユウコさんは都会の大学、ボクは地方の高校での遠距離恋愛
のスタートです。

さすがに、これはもうダメかなと思いましたね。
都会のイケメン大学生になんて太刀打ちできませんから。




206 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 23:45:12.58 ID:fmYO4C/+0


ボクとしては、せっかくですからお付き合いさせていただい
てる間に 甘いキスのひとつくらいは、させてもらってもエ
エんじゃないんすか?
くらいは考えてました。若干、諦めモードに入ってましたね。

そうそう、あのクラブボックスでのやつはナシですよ。
あんなのは回数のうちには入らんです。キッパリ。




207 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 23:46:33.13 ID:fmYO4C/+0

そんなことを考えている頃に、ユウコさんからメールが届きます。

「週末にデートしよう!」でした。

そこには運転免許を取得したこと、家の車を借りてくることが
書いてあり、ドライブデートに行くことになりました。




208 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 23:48:11.36 ID:fmYO4C/+0

それまでの厭戦ムードも忘れて有頂天でしたよ。
付き合い始めて約半年、念願の初デートです。

しかもドライブですからね、初っ端から二人きりですし!!!

もうね、期待で胸が膨らむだけじゃなく、余計なところも全
力で膨らんじゃいましたよ。




209 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 23:49:40.04 ID:fmYO4C/+0


ついでに全バイト代を総動員して財布も膨らませておきまし
た。

車ですからね、国道沿いの建物に突入しやすそうじゃないで
すか――

いや、突入なんてしなくても、車の中でもある程度は……妄
想ニヤニヤ




210 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 23:51:02.29 ID:fmYO4C/+0


昼前に待ち合わせて、途中でご飯を食べると雰囲気のいいド
ライブコースを走ります。

春の日差しは気持ちよく、ちょうど咲き始めた桜が風に揺れ
る公園の駐車場に車を停めると、まったりとした気分が二人
を包みます。

なんとも甘い空気感が二人の間に流れて――




212 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 23:56:54.94 ID:fmYO4C/+0

彼女はボクにゆっくりと語りかけます。

「山下くんって、私のことどう思ってる?」

「好きですよ。スゴく。会えないことが続いたけど
 その分これから二人で頑張ればいいかと」




213 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 23:58:01.74 ID:fmYO4C/+0


この言葉を聞くと彼女は満足そうに笑い、独り言のように呟
きました。

「二人で頑張れば……か」

ボクはそれが何を意味するのか分からず、黙ってました。
しばらく二人は沈黙……そして……




215 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/04(木) 23:59:15.26 ID:fmYO4C/+0


突然彼女がクスクス笑い出したかと思うと、鋭い視線でボク
を睨むわけです。

甘い展開を期待していたボクですが、これは何か違うんじゃ
ないのか?

とか思ったです。




216 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 00:00:34.57 ID:OCgOzOrt0


そして、すぐにヤバイ状態だと悟りました。彼女があの夕暮
れの公園の時と同じ表情をしていたからです。鋭い両眼から
怒りのオーラが放たれてました。

「二人で頑張ればですって? は? なめてんの?」




218 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 00:02:00.07 ID:OCgOzOrt0

その言葉を皮切りに、恨みの言葉がボクに刺さります。

罵詈雑言ではありませんが、いたいけな男子高校生を傷つけ
るには必要十分だったです。

途中からは自己防衛本能が働いて、何も聞こえなくなりまし
たから。




219 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 00:03:49.62 ID:OCgOzOrt0

そうです。彼女は先輩と別れなければならなかったことを
まだ怒っていたんです。

そして、復讐としてボクを同じ目に遭わせてやると決心して
いたようです。

半年間の長期に渡る、執念の復讐劇でした。




220 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 00:04:27.46 ID:OCgOzOrt0


だからボクに接近し、彼女(もどき)になって十分に気持ち
を惹きつけた上で別れてやると。

そんなわけだから、デートもしないし、何もしない。
ただただ、ボクを焚き付けることに専念したとのこと。




221 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 00:05:41.55 ID:OCgOzOrt0


そんな中で、一つだけボクに感謝したいのは、怒りの感情を
受験にぶつけることができたことらしいです。

おかげで、自分の偏差値よりもランクの高い大学に受かった
と高笑いされてしまいました。




222 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 00:07:01.52 ID:OCgOzOrt0

で、自分の新生活も軌道に乗り始めた今日が過去への
決別を告げるXデーと……

ボクは、とても悲しかったです……




223 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 00:08:36.83 ID:OCgOzOrt0


彼女に振られたこともそうですが、それよりも辛かったのは
彼女の深く傷ついた心に、まったく気づけなかった自分が悲
しかったです。

彼女はボクに復讐することで、傷ついた心を必死で癒そうと
していたということを、つい今さっき知ったという事実でし
た。




224 :名も無き被検体774号+:2012/10/05(金) 00:09:48.98 ID:URn04C1A0
女KOEEEEEEEEE



225 :名も無き被検体774号+:2012/10/05(金) 00:10:04.35 ID:pl/CAjZH0
>>1災難すぎるだろ…



226 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 00:10:34.19 ID:OCgOzOrt0


彼女は相当辛かったことでしょう。それが証拠に彼女は復讐
を果たしたハズなのに泣いています……

怒りの感情は既に消え去り、ただただ泣いています……

ボクは罪悪感でいっぱいです……彼女の本当の気持ちも知ら
ずに恋人気分で一人盛り上がったりして……ラブホ突入妄想
とか……

なんという最低男……




227 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 00:12:23.13 ID:OCgOzOrt0

本当の彼なら、そんな彼女の気持ちに気づいて当然ですよね。
そうすれば、こんな展開にならずに済んだかもしれなかった
のに。

そして最後は、二人で号泣という悲しい最後……




228 :名も無き被検体774号+:2012/10/05(金) 00:12:32.86 ID:Gz4pZDnT0
予想の斜め上すぐる!



229 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 00:15:14.80 ID:OCgOzOrt0

しばらくして、彼女は落ち着いたのかボクに話しかけます。
これが、ボクの聞いた最後の言葉でした。

「山下君、悪いけど私を一人にして欲しいの……」

ボクは黙って車を降ります……彼女の車は静かに去っていき
ました。




230 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 00:16:26.83 ID:OCgOzOrt0

ボクは、しばらくは感傷に浸っていたんですが
徐々に、今の自分の状況が不安になってきたんですよ。

(いったいここはどこだ?)




231 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 00:18:11.03 ID:OCgOzOrt0


その頃のボクの携帯には、GPSなんて素晴らしい機能は装備
されてませんし

なんとかマップみたいな便利機能もない時代でしたから、帰
宅は困難を極めました。

太陽の方向から東西南北を考えるとか、何のサバイバルよ?




232 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 00:20:09.88 ID:OCgOzOrt0


夕暮れの中、ひと気のない田舎道を一人、とぼとぼと歩きな
がら心に湧き上がってくる後悔と悲しさと不安の入り混じっ
た感情でシクシクと泣いていたのを覚えてます。情けない男
です。




234 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 00:21:46.75 ID:OCgOzOrt0


そのうち一軒のガソリンスタンドを見つけて、恥ずかしなが
ら事情を話して

(確か、彼女と喧嘩して車から降ろされた、とか言ったと思
います)

帰宅方向へのバス停まで送ってもらいました。




235 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 00:23:53.30 ID:OCgOzOrt0


1時間くらい待ってバスが来ると、そこから最寄駅へ、そし
て電車を乗り継ぎ帰宅したのは終電近い時刻でした。

なんだかスゴーく疲れて、晩御飯も食べず、風呂にも入らず
に泥のように眠りました。




237 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 00:27:15.55 ID:OCgOzOrt0


おかげで体調悪いアピールが十分にできたのか、翌日曜日は
朝から叩き起こされることもなく、グダグダしてます。

一日中ベッドの中で、去年からの自分の行動を振り返ってました。
いったい何が悪かったのかなぁーとか

嫌がらせをしたわけでもないのに、みんなに嫌われるとか辛
いよなぁーとか




238 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 00:29:21.21 ID:OCgOzOrt0

そんな思考の中で、ミドリが浮かんでは消えていきます。

彼女のことは意識的に心の底に沈めてましたから、いつの頃
からか 名前すら浮かんでこなかったんですが、その日は頻繁
に登場します。

遂に彼女は、今頃どーしてるのかな?

とか考えるように、なってしまいました。




240 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 00:31:45.14 ID:OCgOzOrt0

そういえば、ミドリとは二年でも同じクラスでした。
が、ボクの後ろには“山本コージ”とかいうメガネ属性で少
しおとなしめの奴が緩衝材として座っていたせいで、直接彼
女に接することなく過ごしていたんです。




241 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 00:33:30.78 ID:OCgOzOrt0


一人で色々と考えたところで答えが出るハズもなく、結局は
惰眠を貪るだけの一日に、なってしまいました。

翌日、なぜか部活のメンバー全員が、ボクの破局を知っていましたね。
大方、ユウコさんが現在のマネージャー経由で暴露したんでしょう。




242 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 00:34:53.37 ID:OCgOzOrt0


ボクの気持ちは、悲しさ8割、ホッとした感2割、といった
ところです。

なんでホッとしたかというと、もうこれで“略奪愛の主人公”という
センセーショナルな肩書きが、なくなるからですかね。




243 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 00:36:24.89 ID:OCgOzOrt0

メンバーは、メシウマ7割、同情1割、無関心2割かな。
マネージャー群は…… 全員が「氏ねよお前」です。

きっと、あることないこと吹き込まれてるんでしょう。
もうエエですわ。弁解する気力もないっす……




244 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 00:38:37.93 ID:OCgOzOrt0


それからしばらくは、マネージャー連中の刺すような視線に
耐えながらの部活と、いまだに和解できていないミドリと同
じクラスでの授業、という針のムシロのような日々が続きます。




245 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 00:40:24.34 ID:OCgOzOrt0

第二部は短めでした。

もっと詳細を書こうと思ったんですが、思い出せないんです
よ。

特にマネージャーさんに言われた言葉とか、あの時の感情が
全く出てこないのが困りましたね。

嫌な記憶というものは、時間が経つと無意識に消されていく
ようです。


さて第三部から、ようやくミドリとの話になります。




246 :名も無き被検体774号+:2012/10/05(金) 00:42:35.40 ID:HyI3UdxF0
やべ寝れね



247 :名も無き被検体774号+:2012/10/05(金) 00:48:16.10 ID:Gz4pZDnT0


これだけのことを経験して拗ねた印象を与えない>>1の人柄
に惚れるわ〜

続きは明日なのか?



248 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 00:51:40.51 ID:OCgOzOrt0

すいません。
ほぼ寝落ちしてましたです。

続きは、明日投下させていただきます。
おやすみなさい。




249 :名も無き被検体774号+:2012/10/05(金) 00:52:59.24 ID:rmVOd2tH0
>>248
おつです!楽しみにしてる!


250 :名も無き被検体774号+:2012/10/05(金) 01:18:45.29 ID:z5HF+Vng0
>>248
おやすみ〜


253 :名も無き被検体774号+:2012/10/05(金) 12:42:13.67 ID:msCtfZ290

                ___
               /     \
             / ─    ─ \
            /  (●)  (●) \
              |     (__人__)     | <こいよオラ!!オラ!!
           ,.゙-‐- 、  `⌒´   ,/
        ┌、. /     ヽ ー‐  <.
         ヽ.X、- 、   ,ノi      ハ
      ⊂>'">┐ヽノ〃     / ヘ
       入 ´// ノ        } ,..,.._',.-ァ
      /   `ー''"´      ,'  c〈〈〈っ<
     /          __,,..ノ ,ノヽー'"ノ
      {          ´    /  ``¨´
    /´¨`'''‐、._        ,'\
     ∨´     `ヽ、     ノ   ゙ヽ
      ∨      ヽ _,,..-'"    `ヽ
     ∨       〈-=、.__       }
      ヽ、     }   ``7‐-.  /
          ヽ     リ    /′  ノ
          /′  , {     /   /
        {     !   ,ノ  ,/′
          !    /  /   `‐-、
        !   ,/   ゙ー''' ー---'
          ',  /
        {   }
           ゙Y `ヽ、
            ゙ー--‐'



255 :名も無き被検体774号+:2012/10/05(金) 17:39:44.06 ID:NFfNIGCU0
良スレ



256 :名も無き被検体774号+:2012/10/05(金) 18:29:00.38 ID:g1mVz34O0
楽しみに待ってる



257 :名も無き被検体774号+:2012/10/05(金) 20:43:18.21 ID:6wbsrkRi0
まだかなまだかな〜



258 :名も無き被検体774号+:2012/10/05(金) 22:29:19.89 ID:nEhRtq0X0
うずうず



260 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 23:26:17.89 ID:OCgOzOrt0

こんばんは。
明日は休みなので、多めに投下したいと思います。

よろしくお付き合いください。




261 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 23:27:20.32 ID:OCgOzOrt0

―― 第三部 事件 ――

そんなある日、後ろの席の山本コージが担任と、何やら話を
しているのを見かけました。
そしてボクは担任から呼ばれると思いがけない提案を受ける
ことになります。




262 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 23:29:15.61 ID:OCgOzOrt0


「山本コージが、目が悪い上に、お前が大きくて前が見えな
いから席を 替わって欲しいと言ってるんだがどうだ?」

ボクは席なんて最前列の教卓前、いわゆる“残念な子”席以
外ならどこでも

いいと思ってたんで、即答で「いいですよ」と答えてしまっ
てから気づいた。




263 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 23:30:49.76 ID:OCgOzOrt0

「げっ、ミドリの前になっちまうぞ!」

彼女と話さなくなってから、もうすぐ1年にもなりそうでした。

以前のよう仲良くなくても、せめて普通に挨拶くらいはでき
るようになればいいかなと考えて、思い切って声をかけてみ
ました。




264 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 23:31:48.88 ID:OCgOzOrt0

「よっ、また前に座らせてもらうぞ」

どうせ反応がないだろうと思って、非常に軽く言ったんです
よ。ところが、想像以上の反応がありましてね。いや、別に
大歓迎で感激してくれたとかじゃないですよ。




265 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 23:33:08.51 ID:OCgOzOrt0

「どーぞ」

彼女は、かなり驚いた様子でした。
たぶん、ボクが何か言うとは思ってなかったんでしょう。び
くっとしてましたから。

そして、視線を90度横に向けたまま、非常に無愛想ながらも
ハッキリと言ったのが、さっきの言葉でした。




266 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 23:34:46.20 ID:OCgOzOrt0


声を聞いたのが、ほぼ1年ぶりだったので懐かしくてホッと
したのを覚えてます。

それからボクは毎朝席に着く時は、彼女に「おはよう」だけ
は言うことにしました。

そして、彼女も「おはよう」だけは返してくれることになります。

ボクは、もうそれだけで十分満足だったし、実際にそれ以上
はない日が続いたわけです。


そして事件です。





268 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 23:36:23.70 ID:OCgOzOrt0

6月になると“校内球技大会”という催しが開催されます。
去年は確かソフトボールだったと思いますが、今年はサッカー
らしいです。




269 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 23:37:23.64 ID:OCgOzOrt0


これはヒーローになって、女子からキャーキャー言われるチャ
ンスとか考えるんですが、残念ながらサッカー部員は各クラ
ス2名までの登録。

残りは、審判をさせられるらしいです。なんという不幸。




270 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 23:38:43.55 ID:OCgOzOrt0


ウチのクラスには、3名のサッカー部員がおりましてね、そ
りゃ誰だって出場したいでしょう。せっかくのアピールの場
ですからね(笑)

ここで頑張れば、ひょっとすると楽しい青春の夏休みとかに
繋がるかもしれません。




272 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 23:39:40.69 ID:OCgOzOrt0

ボクだって第4種(小学生)の頃はエースストライカーとし
て 昔は女子高生だったママ連の“茶色い声援”を浴びてい
たんですから。やっぱりここは、現役女子高生の“黄色い声
援”の中でプレーしたいじゃないですか。




273 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 23:41:21.05 ID:OCgOzOrt0


ところが……例の一件以来、潜在的に女子から不人気なボク
は選に漏れるわけです。

審判確定ー! もう、こうなれば第4審として、ずーっと椅
子に座っててやる。絶対に動かんぞ。




274 :名も無き被検体774号+:2012/10/05(金) 23:41:54.70 ID:DGvTVGEX0
カワイソス



267 :名も無き被検体774号+:2012/10/05(金) 23:35:53.44 ID:DGvTVGEX0
支援



275 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 23:43:53.80 ID:OCgOzOrt0

>>267氏、271氏、274氏
ありがとうございます。頑張ります。
投下します。
――

という固い決意も虚しく、当日は主審として笛を吹くボ
クでした……

腹いせに、サッカー部員に対してはファウルもオフサイ
ドも超辛口で判定します。

こんなイベントでもカードを出す気満々ですからね。



276 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 23:44:46.34 ID:OCgOzOrt0


笛の度に胸ポケットを触ってビビらせてやりましたよ。たと
えイベント戦でも笛の後に胸のあたりを触る審判に呼ばれる
と反射的にイヤ〜な気分になるんですよ。

ざまーみろ。ニヤニヤと、嫌がらせモード全開でしたが……




277 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 23:46:15.83 ID:OCgOzOrt0

パキーンッ!

その時です。
何か分からない硬いものが、ボクの右顎辺りを直撃します。

ノーガードで強烈な左フックを食らったのと同じ効果で、ボ
クは一瞬で意識が飛んでしまいました……




278 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 23:47:46.46 ID:OCgOzOrt0


嫌味な笑みを浮かべながら笛を吹くボクを襲ったのは、時間
待ちに草野球を楽しんでいた連中が打ち放った軟球でした。

ライナー性の打球でしたからね、もしこれが硬球なら、顎が
砕けてしばらくは流動食だったでしょう。

打ちどころが悪ければ、戒名をもらっていたかもしれません。




279 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 23:49:07.35 ID:OCgOzOrt0

幸運なことに軟球でしたので、脳震盪だけで済んだようです。

日常から、部活がひしめきあっているグランドなので、サッ
カーをやってる横でバットを振り回す奴がいても、おかしく
ない環境なんですよ。




280 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 23:50:28.48 ID:OCgOzOrt0


その後、ボクの意識は救急車が到着した辺りから、ぼんやり
と戻ってくることになります。

でもまだボーっとしてるし目を開けると、めまいで気分が悪
くなりそうだったし おまけに顎がジンジンと痺れて、しっ
かり話すどころではなかったです。




281 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 23:52:06.05 ID:OCgOzOrt0


だから救急隊員に名前を呼ばれた時は、なんとか返事をしよ
うと呻くのが精一杯でした。それでも、意識があるアピール
には、十分だったようで隊員は

「怪我は大丈夫ですよー」

「今から病院に向かいますからねー」

落ち着いたというか、どこか呑気な口調で呼びかけ続けてく
れました。




283 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 23:53:59.43 ID:OCgOzOrt0


そのうち意識がハッキリとしてきて、視覚以外はしっかりと
働くようになってきました。

隊員が担任か誰かに状況を聞いている様子
無線で本部か病院と連絡している様子

そして……

ボクの手を強く握り締めたままの誰かが、震えて泣いている
様子――




284 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 23:55:40.41 ID:OCgOzOrt0

手の感触から、それが女性であろうことは分かりました。
柔らかかったですからね。

もし、男がボクの手を握りながら震えて泣いていたら、きっ
とトラウマになっていたと思います。想像しただけで寒いわ。




285 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 23:57:13.57 ID:OCgOzOrt0


ボクはハッキリしてくる頭で、その手の主を考えます……誰
なんだ?恐る恐る目を開けると……

そこにいたのはミドリでした。




286 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 23:58:37.38 ID:OCgOzOrt0


グランドに崩れ落ちるボクに、最初に駆け寄ってきたのも彼
女だと聞きました。

顔面蒼白でボクの名を呼び続け、誰にも触らせなかったとの
こと。クラスでは、その狼狽ぶりからボクが死んだと思った
奴もいたらしいです。

そして、救急車には担任を押しのけて自分が乗り込んだよう
です。




287 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 23:59:45.80 ID:OCgOzOrt0


救急車がサイレンを鳴らして動き出す頃には、意識はかなり
ハッキリとしていました。

その代わりに顎の痛みが襲ってきて、非常に苦しかったこと
を覚えてます。ただ、ミドリが同乗してくれてるのは嬉しかっ
たですね。




288 : 忍法帖【Lv=19,xxxPT】(1+0:8) :2012/10/05(金) 23:59:57.64 ID:EpNLtOtS0
俺もそんな青春したかったな



289 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:01:22.17 ID:OCgOzOrt0

>>288氏
でも、痛かったですよ。
――

呻くボクの右手をしっかりと握って、なぜか自分が泣きながら

「大丈夫だから、大丈夫だから」

と、ずっと励ましてくれましたし。



290 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:02:31.18 ID:OCgOzOrt0


検査が終わり、病室のベッドで横になっていると制服に着替
えたミドリと担任が入ってきました。

ミドリはボクの顔を見るなり、みるみる泣き顔になってしま
いました。

「ユーサクのバカぁ〜!」

泣き顔の彼女が、ボクに抱きついてきます。




291 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:03:44.00 ID:SXx2AtTZ0


正直なところ悪い気はしません。誰かが自分を心配してくれ
ると実感できるというのはなんだか、こそばゆいものです。
相手がカワイイ女性なら尚更です。

思わずニヤニヤしそうになるんですが、顔の表情を変えよう
とすると激痛が走るので、そうもいかないのが苦しいところです。




292 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:04:52.25 ID:SXx2AtTZ0


話すことができない上、表情を変えることができないという
状況下でのコミュニケーションは困難を極めます。

せっかく仲直りのチャンスなのに、ひたすら無表情でいなけ
れば ならないのですから。




293 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:05:59.67 ID:SXx2AtTZ0


そんな様子をみた担任がニヤニヤしながら、あるモノを取り
出します。
磁石と砂鉄を使って絵を描く子供用のおもちゃです。

一度は使ったことがあるでしょう?
半透明の白い板の上に磁石で線を引いて絵を描き、レバーを
左右にザーっと動かすと、それが消えるというアレです。
どうやら病院の備品のようでした。




294 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:07:53.98 ID:OCgOzOrt0


それを使ってボク達は、かなり長い時間、静かな“会話”を
しました。

会話文の始めはボクからです。

「心配かけてゴメン、もう大丈夫だよ」




295 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:09:29.54 ID:SXx2AtTZ0

ミドリはその道具をボクから取り上げると

「ホント心配したんだから、バカ」

そこまで書くと、それをボクに突き返します。

話ができないボクは仕方がないとして、なんでミドリまでそ
の道具を使ったのかは謎です。




296 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:10:44.76 ID:SXx2AtTZ0


それからボクは1年前の件を謝りました。本当は色々と言い
訳を書きたかったんですが、なにしろ子供用のおもちゃです
から細かい字は書けませんし、画面も小さい。だから……




297 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:11:56.49 ID:SXx2AtTZ0

「1年前の件は、ごめんなさい」

きわめてシンプルな謝罪文です。こんなんじゃ許してもらえ
ないかと思いましたが、それ以外に思いつかなかったんですよ。




298 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:13:27.72 ID:SXx2AtTZ0

「元気になったら許してあげる」

この文字を見たときは、涙が出るくらい嬉しかったですよ。
そして、彼女は そのおもちゃをボクに渡すことなく、続けて
何かを書き始めました。

静かな部屋に、ペンの音が響きます……
そういえば、いつの間にか担任が消えてます。




299 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:14:49.32 ID:SXx2AtTZ0

「1年間、本当に辛かったよ……」

それからは、彼女の文字による1年間の心情の吐露が続きま
す……本当に怒ってたのは最初だけで、そのうち事情が分かっ
てきたらしい。




300 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:16:11.38 ID:SXx2AtTZ0


だから仲直りをしようと思ったのに、その頃にはボクが彼女
を避けるようになってしまっていたとのこと。

何度か声を掛けようとしたけど、無視されるのが怖くてでき
なかったこと。

そして、そのままの状態で夏休みに突入したと。




301 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:17:16.15 ID:SXx2AtTZ0


そのうち、ボクがマネージャーさんと付き合い始めたこと聞
いた時には後悔とショックで、何日か学校を休んだこと……

ボクはマネージャーさんとの件は、やはりミドリには伝えて
おこうと思いました。
だから、おもちゃを受け取り、こう書きました。

「彼女には、結局 許してもらえなかったよ」

「知ってる……」




302 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:18:18.18 ID:SXx2AtTZ0

彼女は、次にボクが何を書くのか待っています。

ボクはマネージャーさんにフラれたせいで、ミドリと再接近
してるとか思われたくなかったから、どうしても次の言葉が
書けません。




303 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:20:03.06 ID:SXx2AtTZ0

本当は……

「ずっとミドリが好きだったことに、やっと気づいた……」

と書きたかったのに……




304 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:22:14.82 ID:SXx2AtTZ0

ちょうどその時、ボクの母親が、わさわさと病室に到着です。

「あんた大丈夫なの〜? もう、ほんっとに鈍くさいんだから〜」

愚痴モード全開で近づいてきてから、ミドリの存在に気づきます。
もうね、なんというタイミングの悪さ。わざとなのか?




305 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:24:03.27 ID:SXx2AtTZ0

「あっ、ミドリちゃん来てくれてたんだ。
 ありがとうね〜、ほんとコイツはダメよね〜」

母とミドリは知り合いというか、家も近所なのでお互い知っ
てるんですよ。というか、帰れよ。頼むからさー




306 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:26:04.01 ID:SXx2AtTZ0

母は例のオモチャを見つけると

「何コレ? 懐かしいおもちゃじゃないの。
 ひょっとしてあんたたち
 コレで会話してた?
 へー、それでなんか進展があったわけ?」

場の空気を読まない爆弾発言を、かましてくれます。
ほんっとに帰って欲しいですわ。担任だって空気を読んだのに。




307 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:27:39.97 ID:SXx2AtTZ0

ミドリは顔を真っ赤にすると

「じ、じゃあ、今日はこれで失礼します!」

バタバタと慌てて病室を出て行きました。




308 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:28:47.33 ID:SXx2AtTZ0


「あれぇ〜? 母さん邪魔しちゃったかなぁ?
 ゴメンね〜」

ぜんぜん悪いと思ってない口調で、聞きもしないコトをさら
に続けます。

「母さんはね、ミドリちゃんの方が好きだよ。
 えーっと、ユウコさんだっけ?
 あの子はイマイチね、あれは本気じゃないかもよ」

ズバリ核心を突いてきます。
うっ、と言葉に詰まるボク……って、今はしゃべれませんけど。





310 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:30:34.45 ID:SXx2AtTZ0

「まあ、決めるのはアンタだけどさ」

なんでコイツは、こんなに細かい状況を把握してるんだ?
ボクは不思議に思いましたよ。

ひょっとして、ボクの携帯とパソコンを毎日チェックしてる
んじゃないだろうな?

確かに、母にはユウコさんと一緒に居るところを何度か目撃
されたことはありましたけど。それだけで、この情報量と
は……女の勘か?




311 :名も無き被検体774号+:2012/10/06(土) 00:31:01.33 ID:9COJbxQj0
お母さんエスパーかよwww



309 :名も無き被検体774号+:2012/10/06(土) 00:30:26.49 ID:SUP7ftQ20
さすが母さんだな
お見通しかよ



312 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:33:35.15 ID:SXx2AtTZ0

>>309氏、311氏
そうなんですよ。母は全体の最期の方で、また登場しますよ。
なかなかイイ奴です。
――

結局ボクは観察入院で1泊だけすると、翌朝には帰宅となりました。
学校には午後から登校となったんですが、意外にみんな冷静でしたね。
仲の良い友達以外からは、特に歓迎されるでもなく、心配されるでも
なかったですから。存在感が薄いと、こんなもんなんでしょう。




313 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:35:44.16 ID:SXx2AtTZ0

ミドリは歓迎してくれましたけどね。それで十分かな。

「今日もお見舞いに行ってあげようと思ってたのに
 退院したんだ〜 ざんね〜ん」

ボクも気の利いた冗談でも言えればよかったんですが、如何
せん顎が痛い。顎が痛くなくても、気の利いた冗談なんて言
えたことはないんですけど。




314 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:37:16.72 ID:SXx2AtTZ0


こうして無事に和解したボクとミドリは、以前の関係に戻り
ました。教室では笑い合い、部活の終わる時間が近ければ一
緒に帰る日々です。

そしてボクの顎が完治した頃、彼女からメール着信。
メールにはカワイイ絵文字付きで、こう書かれてありました。




315 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:38:17.86 ID:SXx2AtTZ0

「お祝いにデートしてあげる(はぁと)」

そりゃ嬉しかったですよ。叫びたいくらい。
震える手で返信しました。

「よろしくお願いします」




316 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:40:29.71 ID:SXx2AtTZ0

恥ずかしながら、人生初のデートです。
いや、2回目か。でもあれは……やめておこう、胃が痛くな
るし。

そういえば、外出用の服がない。前回は、慌てて春服を買い
に行きましたが今回は夏服です。デートは楽しみですけど、
いちいち服が面倒だなと。




317 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:41:58.72 ID:SXx2AtTZ0


部活と塾以外で外出なんてしませんからね。学校は制服です
し。

サッカー用のジャージ系以外では、ヨレヨレのTシャツとボ
ロボロのジーンズそして汚れたスニーカーが、ボクの持って
る夏服オールキャスト。




318 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:43:08.62 ID:SXx2AtTZ0


さすがに、これではマズイ。清潔感が皆無。これじゃ並んで
歩く相手が可愛そうだし。

そして、妙なプリントや柄はハズレが怖いので、とりあえず
地味な単色、無地そして普通の形を購入。
カモフラージュとか国防色なんて絶対買いませんよ。





319 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:44:42.64 ID:SXx2AtTZ0

スニーカーについては諦めました。
当日にピカピカ新品ってのは

超気合が入ってるのが丸わかりで、さすがに恥ずかしいです
からね。

とりあえず、これで準備完了です。




320 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:46:33.42 ID:SXx2AtTZ0


で、待ちに待った当日。もう、緊張して暗いうちから目覚め
ましたよ。子供かってくらい。新聞すら届いていなかったです。

なぜか母は起きてましたよ。怪しいやつめ。尾行するつもり
じゃねーだろーな。




321 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:48:10.36 ID:SXx2AtTZ0


待ち合わせは最寄り駅。ボクは、ひょっとして誰かに見られ
たら面白いというか嬉しいというか、そういう妙な下心? 
みたいなものがありました。

他力本願的に噂になって既成事実化したら――
その先の展開が――

とか思ってたんです。厨二病ですね。高二でしたけど。




322 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:50:16.18 ID:SXx2AtTZ0


さて、行き先はシネコンです。ロードショーです。
アニメではありません。
ですが、映画の内容は全く覚えてません。

なぜならボクの頭の中は、勢いで買った巨大ポップコーンと、
巨大コーラのコンボを如何にして物語の終了までに、やっつ
けるかに集中していましたので。




323 :名も無き被検体774号+:2012/10/06(土) 00:51:19.35 ID:uC5k3G1T0
支援



325 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:51:58.70 ID:SXx2AtTZ0

>>323
感謝
――

そうして、ボクはミッションを無事完遂できたことに満
足しながらシネコンを後にしたわけです。

彼女は、映画の感動したシーンを楽しそうに話しているんですけど、
ボクは胸やけが酷くてそれどころではなかったのを覚えてます。
映画の内容は覚えてないのに。



324 :名も無き被検体774号+:2012/10/06(土) 00:51:31.49 ID:tA6KMPQO0
おもしろいです、楽しみで寝られないですよ。



326 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:53:47.27 ID:SXx2AtTZ0

>>324
ありがとうございます。楽しんでいただけて何よりです。
――

で、ショッピングモールをウロウロしてると、
彼女が小さなアクセサリーショップを見つけて、
そこに入りたいとか、なったわけです。

カワイイモノがイッパイの店で、お客さんも女子ばかり
でしたから非常に入りづらかったんですが、覚悟を決め
て一緒に入ることにしました。

一大決心です。過呼吸になりそうでした。



327 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:55:10.33 ID:SXx2AtTZ0

そういう系の店は初めてだったんですが、印象としてはその
光景よりもとりあえず匂いでしょうか(笑)

なんたって女子がいっぱいですし、コスメっていうんですか、
そういうモノも売ってますし……それらの混じった香りにク
ラクラしたのを強烈に覚えてます。




328 :名も無き被検体774号+:2012/10/06(土) 00:56:05.78 ID:RnKAozPg0
支援!



330 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:56:49.14 ID:SXx2AtTZ0

>>328, 329
ありがとうございます。
――

実はボク、女性の香りにも弱いんですよ。

家族にも親類縁者にも年配の女性しかいないもんで、
若い女性のシャンプーとか化粧品系の匂いがすると、な
んだか興奮してしまって(笑)

立派な変態ですね。



331 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:57:47.25 ID:SXx2AtTZ0


彼女は「これカワイイ!」「これもカワイイ!」と結構楽し
んでたようでした。
ボクはドキドキしかしてませんでしたが。

そのうち、ショーケースに入ったモノを見て立ち止まり
ちょっと、はにかむように言うんです……




332 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:58:37.12 ID:SXx2AtTZ0

「これ買って!」

彼女が指をさしている先に何があるのか覗くと……
うぉっ指輪だ。

その瞬間、アドレナリンが大量に放出されました。
だから体の痛みどころか、財布の痛みも感じません。完全無
痛です。




333 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 01:00:11.67 ID:SXx2AtTZ0


彼女がどんなつもりだったのかは知りませんが、こうなった
ら買うしかないでしょう。

もう全力で貢いじゃいますよ。
たとえ財布が空になって徒歩で帰るハメになってもね。

いや、もう徒歩はイヤだな……




334 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 01:01:40.58 ID:SXx2AtTZ0


というわけで、ボクは細くて上品な感じの捻り模様のシルバー
リングを買うことになりました。

いくらだったかな? その場で払えたから、せいぜい数千円
じゃなかったかと思います。バイト代は、こういう時に使っ
てこそですよ。




335 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 01:02:48.18 ID:SXx2AtTZ0

彼女はスゴく喜んでくれて、店員さんに
「今からつけていきますっ!」
と言うと、スッと自分の左手の薬指にそれをはめたんです。

そして一言。

「ありがとう! ずっと大切にするねっ!」




336 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 01:03:34.20 ID:SXx2AtTZ0

ボクは舞い上がりました……
もう鼻血が出そうなくらい、顔が熱くなるのを感じましたです。

その後は、二人で色んな店を廻ったり、いわゆるスイーツを
食べたりして楽しい時間を過ごしました。楽しかったなぁ〜




337 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 01:04:16.68 ID:SXx2AtTZ0


さてこうなると、ボクとミドリが付き合うようになるかと思
いますよね?

それがならなかったんですよ。

いい雰囲気まではいくんですが、最後の一歩が踏み出せない。
一言が言えない……




338 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 01:05:17.37 ID:SXx2AtTZ0


仲のいい友達であった期間が長ければ長いほど、そうなんじゃ
ないかと思います。

告白した瞬間にそれまでの関係が、いい方向、悪い方向にか
かわらず変わるのが怖いんですよ。




340 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 01:06:29.64 ID:SXx2AtTZ0

だから、ずっとこのままの関係が続けばいいな
とか思ってしまうわけでして……逃げですね。

それにブランクの一年間が、ボク(彼女も?)を
必要以上に臆病にしてたのかもしれません。





339 :名も無き被検体774号+:2012/10/06(土) 01:06:19.85 ID:SUP7ftQ20
うおー
頑張れー



341 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 01:07:43.33 ID:SXx2AtTZ0

>>339
頑張ります! って、今のボクじゃないですね。
――

結局、二人には何の進展もないまま、
高校二度目の夏休みへと突入します。




342 :名も無き被検体774号+:2012/10/06(土) 01:08:49.84 ID:tA6KMPQO0
おれの中ではイケメン



343 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 01:10:24.57 ID:SXx2AtTZ0

>>342
だといいんですけどね。
高二でデート2回ですから……容姿は……
――

これで、第三部は終わりです。

書いてて思ったんですが、結構イライラする展開ですよね(笑)
シャキっとせい! と当時の自分に言いたくなりますわ。

実際、この時ボクがシャキっとしなかったせいで、この後
彼女が、とんでもないことになっていくわけです……



344 :名も無き被検体774号+:2012/10/06(土) 01:12:03.89 ID:SUP7ftQ20
1と年代同じなせいか
気持ちわかる気するわ



348 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 01:16:37.06 ID:SXx2AtTZ0

>>344
あの頃は楽しかったですよね。夢がありましたよ。

345 :名も無き被検体774号+:2012/10/06(土) 01:12:31.15 ID:tA6KMPQO0
いや、いい奴だなー、って思ってるけど。



348 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 01:16:37.06 ID:SXx2AtTZ0

>>345
悪い奴ではないと思いますよ(笑)

346 :名も無き被検体774号+:2012/10/06(土) 01:14:59.97 ID:WoeqsZ2e0
追い付いたけどね、修司先生



348 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 01:16:37.06 ID:SXx2AtTZ0

>>346
机の人ですかね?

それでは、第四部、投下します。
ちょっと長いかも。



347 : 忍法帖【Lv=21,xxxPT】(1+0:8) :2012/10/06(土) 01:16:35.71 ID:zXLsU4s/0
確かにやきもきするな
女って言葉にして伝えないと分からないからなー第四部待っ
てる!



349 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 01:18:10.66 ID:SXx2AtTZ0

>>347
そうですよね〜
向こうから来れば楽なんですがね(笑)

さて、行けるところまで行きます。

―― 第四部 豹変 ――

夏休みの間、ボクは部活と塾の夏期講習、
そしてバイトで滅茶苦茶忙しかったです。
午前中は部活、昼飯もそこそこに塾へ、そして夜はバイト。

課題も信じられないくらいの量が出されるので、それを
片付けるだけでも毎日日付が変わるくらい机にへばりつ
いてました。もうヘトヘトでした。



351 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 01:19:23.44 ID:SXx2AtTZ0

彼女のことは凄く気になるし、メールだけでもしたかったんですが

忙しいからと自分に言い訳をして、結局一度もメールしなかっ
たです。

我ながら情けないくらいヘタレ。




350 :名も無き被検体774号+:2012/10/06(土) 01:18:57.01 ID:uC5k3G1T0
四部キター!



352 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 01:20:23.09 ID:SXx2AtTZ0

>>350
長いので、途中で落ちるかもですが、頑張ります。
――

そう言えば、ミドリからもメールも電話もなかったです。
彼女も忙しいんだろうなと、思ってたんですがね。

ところが……




353 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 01:21:35.81 ID:SXx2AtTZ0

新学期が始まって、ボクは愕然とすることになります。
もうね、本当に驚きましたよ。
顎が外れるくらいポカーンとしたです。

なぜなら彼女の髪が、みごとな金髪に変わっていたから。




354 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 01:22:35.35 ID:SXx2AtTZ0

しかも服装は、ビッチそのもの。

制服のシャツのリボンは無くギリギリまで開襟状態、加えて
膝上何センチよ?みたいな超ミニ、そして化粧はケバく、
若づくりしたAV女優みたいでした。




355 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 01:23:23.89 ID:SXx2AtTZ0


驚きのあまり声の出ないボクの後ろにドスンと座ると、不機
嫌そうに終始無言。

ボクとは目を合わさない。ボクは何か言おうとするんですが、
全く言葉が出ない。

池の鯉のように、ひたすら口をパクパクするばかりです。




356 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 01:24:30.03 ID:SXx2AtTZ0


周囲が、ヒソヒソと騒がしくなったところに教師が慌ててやっ
てきて彼女は職員室へ連行されていったです。




357 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 01:25:31.17 ID:SXx2AtTZ0

ボクの部活以外の数少ない友達が、慌てて寄ってきました。

コイツらには1年前の件も、病院でのことも、映画デートの
話もしてあって休み中に何度も「今日、告れ!」「明日、告
れ!」と突かれていましたから。




358 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 01:26:55.98 ID:SXx2AtTZ0

「何があったんだ?」

まず寄ってきたのが、二次ヲタ。
三次には興味がない、と常々豪語している悲しいピザ。
中学の頃からの数少ない友達の一人。
去年のマネージャーさんの件もちょくちょくと相談していた
奴。筋金入りのヲタだがイイ奴だ。




359 :名も無き被検体774号+:2012/10/06(土) 01:27:21.82 ID:tA6KMPQO0
その豹変が>1のせいなのか?いや続きを待つ。



360 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 01:28:59.45 ID:SXx2AtTZ0

>>359
この時点では、全く不明なんです……
ボクのせい……でも、あるようで、ないようで……
――

ゲーム(特にギャルゲー)とパソコン一般に詳しい。
エロゲーとギャルゲーの違いを語りだしたら止まらない。
それって違うのか?
悪いが今後、虹ヲタと呼ばせてもらう。



361 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 01:30:09.84 ID:SXx2AtTZ0


「なんかスゲーものを見た気がするぞ。おまえ何も知らない
のか?」

こいつはメカフェチ。
生き物には興味がないと宣言している。
機械モノをこよなく愛する変態。
虹ヲタとの部活繋がりで親しくなった奴。
成績優秀。イケメン。




362 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 01:31:11.77 ID:SXx2AtTZ0

好みのタイプは“美少女型アンドロイド”らしい。
よく知らんが名前もついているみたいだ。
バカだし……

僻地から通学してるせいで、正式にバイク通学が認められて
いる羨ましい奴。今後、メカ夫と呼ぶ。




363 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 01:33:04.89 ID:SXx2AtTZ0

ボクは驚きで言葉を失っていて、もう気絶しそうなくらいでした。

そりゃそうでしょう、人生初の楽しいデート相手であった美
少女が一瞬にして見事なビッチに変身したわけですから。




364 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 01:34:17.91 ID:SXx2AtTZ0


だから、落ち着いてからゆっくり話そう、ということになり
昼休みに奴らの所属するパソコン部の部室に集合することに
しました。

部室と言っても授業で使うパソコンが並ぶ、ただのPCルー
ムです。専用の部室じゃありません。




365 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 01:35:20.17 ID:SXx2AtTZ0


このPCルームでは、虹ヲタのせいで何度冷や汗をかかされ
たか分からない。

壁紙がエログロ画像とかは当たり前で、
エラー音が『お兄ちゃん、やめて!』だったり

いつの間にか全端末にチャットソフトがインストールされて、
授業がチャット大会になったこともあった。




366 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 01:37:03.78 ID:SXx2AtTZ0


そんなバカ話は、さておきミドリの件。

二人ともボクに気を使っているのか、非常に言いにくそうに
話を進めるけど要は「男ができたから諦めろ」と言いたいらしい。




367 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 01:38:27.14 ID:SXx2AtTZ0


ボクだけは希望的観測を含めて、ちょっと違う気がしてまし
た。

もし彼ができたのなら、不機嫌な理由が分からない。

少なくとも夏休み中にできた彼なら、今はラブラブの真っ最
中だと思うわけで。

ボクの知ってる彼女は、そんな子だったハズだから。




368 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 01:39:20.00 ID:SXx2AtTZ0

そういうと、三人とも考え込んでしまった。

男三人で話していても埒があかないということで
とりあえずメールしてみようとなったわけです。
……返ってきたのはデーモンでした。またかよ。




369 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 01:40:02.10 ID:SXx2AtTZ0

それじゃあ電話してみようとなった。
……着拒否。こっちもか。

それならと虹ヲタの携帯を借りて掛けてみた
……出ないし。




370 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 01:40:57.16 ID:SXx2AtTZ0

結論としては、理由は不明だけど完全に嫌われたんだろう
ということで落ち着きました……(合掌)




371 :名も無き被検体774号+:2012/10/06(土) 01:41:39.09 ID:EnRze/Yt0
明日休みだから最後まで付き合うぞ!



372 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 01:42:11.96 ID:SXx2AtTZ0

>>371
ありがとうございます。
――


生徒指導の成果なのか、その後の彼女の髪は金髪から汚
い茶髪に変わってました。

ギリギリ通学可能な範囲の色に落ち着かせたんでしょうね。

短期間に染めを繰り返したせいか、なんだかバサバサで
纏まりがなく とても残念な感じ。



373 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 01:43:05.43 ID:SXx2AtTZ0


相変わらず不機嫌な黒いオーラを360度、全方向に発散して
いて近寄り難かったし。

それでもボクは勇気を振り絞って、毎朝というか彼女が登校
してくればたとえそれが昼でも「おはよう」だけは言ってま
したよ。

当然、何の反応もないんですが。




374 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 01:44:54.89 ID:SXx2AtTZ0

そのうちに、次の変化が現れることになるんです。

彼女が、校内でも面倒なグループと言われる男と次々と付き
合っていくことになるわけです。
これは悲しい。非常に悲しい。

元がカワイイ子ですからね。
狙ってた輩は多かったんですよ。
弱っているところを狙うとか許せんですが……




375 :名も無き被検体774号+:2012/10/06(土) 01:45:54.34 ID:SUP7ftQ20
きっついな
でも分かるぞ



376 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 01:47:08.74 ID:SXx2AtTZ0

>>375
もう泣きそうでしたよ……
――

しかも、どれも長続きせず、
次から次へと手当たり次第といった状態……
“食い散らかす”という表現がピッタリなわけでして。

こうなるとクラスだけじゃなく、校内でも有名になり始めて、
皆が彼女のことを「糞ビッチ」とか「サセ子」とか
言うようになってましたね。

まあ、実際見た目も行動もその通りだし……



377 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 01:49:03.44 ID:SXx2AtTZ0


そのうち「兄弟にはなりたくねー」とか「病気とか、もらっ
たら堪らん」とか「メンヘラとか怖いじゃん」と校内で彼女
を相手にする男は いなくなりました。

当然ながら女子も怖がって近寄らない。

そして彼女は、孤立していくんです……




378 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 01:49:59.91 ID:SXx2AtTZ0

噂はさらに加速し、高校生では物足りなくなりカネを持った
オッサンと遊んでるとか、AVに出演したらしいとか、薬漬け
でヤクザのオンナになったなんて話もあるくらいなりました。




379 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 01:51:06.32 ID:SXx2AtTZ0


さすがにこうなると、ボクの友達も「アレは黒歴史だ。忘れ
ろ」と直接的に彼女を諦めるように言ってくるように、なっ
ていきましたね。

コイツらが彼女の悪評を知りつつも、その内容を言わないで
いてくれるのはこんな状態でも、ボクに気を使ってくれてい
るからでした。




380 :名も無き被検体774号+:2012/10/06(土) 01:51:17.93 ID:xNrhXI0M0
女ってこういうのがあるから解せぬのだよなー
そしてこういうことする子に限って素直じゃないと来たもんだ



381 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 01:52:59.58 ID:SXx2AtTZ0

>>380
そう解せないんです。理屈じゃないみたいですから。
――

そして遂に、彼女は学校にすら来なくなるわけです。

たまに来ているような気配はあっても、クラスには顔を
出さないし授業も出ない。



382 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 01:53:48.36 ID:SXx2AtTZ0

だからボクも、さすがにもうダメだなとか思い始めたんです。

ところがある時、珍しくクラスに顔を出してボクの後ろに座
る彼女の左手に気づいたんですよ。




383 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 01:55:14.19 ID:SXx2AtTZ0


なぜかその日までは分からなかったんですが、確かにあの指
輪があることに。

しかもあの時のまま、薬指に……

だからボクは……やっぱり彼女には何か辛い事情があるんだ!
とか考えるようになったんです。




384 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 01:56:23.16 ID:SXx2AtTZ0

それでまた虹ヲタと、メカ夫に相談したわけです。
指輪のことも話して……

「おまえなあ、頭大丈夫か?」 
虹ヲタが心配そうに言います。

「悪いことは言わん。やめとけ」 
メカ夫が諭すように言います。

「今さらあのビッ……いや、彼女に近づいてどうするよ?」

虹ヲタはさすがにイラっときたのか、暗黙の禁止用語を
うっかりと言いそうになってました。




385 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 01:57:53.91 ID:SXx2AtTZ0

「おまえが仲の良かった頃とは違いすぎるぞ。
 もう幻想を捨てて現実を見ろよ」

メカ夫も呆れたように続けます。もう全否定モード。

「でも、見てられねーじゃん。いっつも一人で……
 なんかあるんだよきっと。カワイそーじゃん」

ボクも必死でした。コイツらには分かって欲しかったんです。

たとえ協力してもらえなくても、コイツらには理解して欲し
かったんです。

彼女を……




386 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 01:58:56.89 ID:SXx2AtTZ0

「おいおい、マジですかぁ〜?」

肩をすぼめながら両手を天に向けて“やれやれ”という仕草
を揃ってしながら、生暖かい目でボクを見つめる二人。

とか言いつつ、二人とも真剣に考えてくれることになりました。
やっぱり友達はありがたい。




387 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 01:59:42.36 ID:SXx2AtTZ0

さて、考えるとは言ったものの何も浮かばない。

すると虹ヲタが、何だか怪しげな推理を展開し始めました。
手詰まりのボク達は、今は怪しさ満載の彼の推理に耳を傾け
るしかありません。




388 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 02:00:11.31 ID:SXx2AtTZ0

「きっと、どこかでフラグが立ったということだよね」

「フラグ?」 ボクとメカ夫が怪訝そうに繰り返します。

「映画を観に行って、指輪を買わされたところまでは
 問題なかったんだよね?」

虹ヲタは構わず持論を展開していきます。




389 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 02:01:06.50 ID:SXx2AtTZ0

「なら、その周辺になにか選択肢があったハズ。
 おまえは“Bad Endルート”を辿ったんだよ」

「選択肢……? ないなぁ。
彼女に言われた通り、動いただけだし」

ボクは、正確性に自信のない記憶を辿りながら答えます。




390 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 02:02:21.08 ID:SXx2AtTZ0


「じゃあ、環境変数だ。彼女の心境に変化を与える何かがあっ
たハズだ」

コイツ……完全にギャルゲーとして考えてやがる。
でも、今はコイツしか頭を働かせてないから仕方ない。

「そういえば……気のせいかもしれないけど」

ボクは映画の一件よりも、更に古い記憶を辿ります。




391 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 02:03:11.15 ID:SXx2AtTZ0


「なになに?」 
二人が食いついてくる。

「彼女の家の前に、変な色のスクーターが停まってたことが
 あって……」

「それで」 
話を聞く前からこれが原因、と決めて掛かりつつある様子の
二人。

「そのスクーターを見た彼女が、急に黙り込んだことがあっ
たんだ」




392 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 02:04:27.80 ID:SXx2AtTZ0


それは夏休み前のことでした。いつものように彼女を家まで
送っていくといかにも柄の悪そうな目立つスクーターが停まっ
ていたんです。

オーナーらしき人影は見えなかったんですが、彼女の顔がみ
るみる曇り黙り込んでしまったわけです。

その時は「おや?何だろ?」くらいにしか考えなかったんで
すけど。




393 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 02:05:53.59 ID:SXx2AtTZ0

「……むぅ、そのスクーターってカナブン色みたいなやつ?」

機械モノの記憶については
コイツの右に出る者はないメカ夫が言います。

「そうそう、ラメ入りグリーンみたいな色」

ボクの記憶はいつも曖昧ですが、さすがにカナブン色のスクー
ターはしっかりと記憶に残ってました。




394 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 02:07:04.12 ID:SXx2AtTZ0


「それなら、オレも学校の周りで何度か見かけたな。結構弄っ
てるヤツ だったから覚えてる」

さすがメカ夫だ。ノーマルではないところまで覚えてるらし
い。というか、あのカラーリングで、ドノーマルってことは
ないわな。

「……それだな」 
虹ヲタが満足そうに頷きます。




395 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 02:08:01.04 ID:SXx2AtTZ0


虹ヲタの推理では、そのスクーターのオーナーと彼女には何
らかの接点があり、彼女はそれを好ましく思っていなかった
んだろうとのこと。

その件は、きっと学校では知られたくないレベルの話ではな
いかとの推理。




396 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 02:08:58.43 ID:SXx2AtTZ0

というわけで、メカ夫が知り合いのショップ経由でカナブン
色のスクーターを追いかけてくれることになった。

なんでも、あれだけ弄ってるならどこかのショップに頻繁に
通ってるハズだ、という読みでした。




397 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 02:10:14.32 ID:SXx2AtTZ0

何日かして、メカ夫がニヤニヤしながらやってきた。
カナブン号は読み通り、簡単に見つかったとのこと。

なんでもオーナーは、○○中学の卒業生で現在は高校を中退
して何か日雇いのような仕事をしているらしいとの情報だった。

面倒な輩が出てきたなぁ〜、というのが正直な感想でした。




398 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 02:11:21.78 ID:SXx2AtTZ0


メカ夫がカナブン号を追いかけてる間、虹ヲタはミドリの過
去を洗っていた。

彼女と同じ中学出身の同級生から、知り合いの元教師、果て
は親同士のネットワークにまで食い込んで調査してくれたら
しい。

お前、卒業したら探偵事務所でも開設したらどうだ?

そこで分かったことは、噂を含めて次の通り。




399 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 02:12:43.13 ID:SXx2AtTZ0


まず、彼女は中学の一時期、転校してくる前に荒れていたこ
とがあったこと。
次に、父は再婚しており、義母の連れ子の義姉がいること。

そして、義母とは折り合いが悪いらしく、現在は義姉と二人
で暮らしていること。

最後に、義姉とは非常に仲が良く、二人で外出しているとこ
ろをよく目撃されていること。




400 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 02:13:57.90 ID:SXx2AtTZ0


ここまでの調査で、カナブンと彼女の接点が分かりました。
転校前の中学が同じでした。
ボクは、さすがに彼女の転校前の状況は知らなかったです。

それどころか、お義姉さんと住んでる、なんてことも初めて
知りました。

彼女とは4年くらい近くに居たわけですが、そんなことは全
く知らなかったですよ。

うぅぅ……





402 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 02:14:44.23 ID:SXx2AtTZ0

そこで、ボク達三人が想像したストーリーは次のようなもの。ありきたりですが。

親の再婚
 ↓
義母と折り合い悪し
 ↓
娘荒れる
 ↓
不良グループへ
 ↓
更正して転校
 ↓
高校入学
 ↓
昔の仲間登場
 ↓
再び荒れ始める ← 今ココ




401 :名も無き被検体774号+:2012/10/06(土) 02:14:40.29 ID:RnKAozPg0
支援!



403 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 02:15:55.18 ID:SXx2AtTZ0

>>401
感謝!
――

となると、昔の仲間とやらを何とかすればよいのでは? 
なんですけど。
ここで三人は悩むわけです。

サッカー小僧とピザとメカヲタのトリオでカチコミとか、
ありえんわけですよ。
ヘタすりゃ命だって危ない気がするじゃないですか。




404 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 02:16:43.46 ID:SXx2AtTZ0


ボクはさておき、あとの二人は縁もゆかりもナイ女子のため
に命は張れませんですよ。

いや、ボクだってそこまでの覚悟はないかもです。すいませ
ん。




405 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 02:17:36.08 ID:SXx2AtTZ0


そこで、とりあえずカナブンは置いといて義姉に接触をして
事情を聞こうとなったわけです。

もし、どんな形であれ、今はカナブンと、よろしくやってる
のだとしたらボクの出る幕ではありません。まったく余計な
お世話でしょうし

馬に蹴られて死ねるレベルです。




406 :名も無き被検体774号+:2012/10/06(土) 02:18:33.99 ID:tA6KMPQO0
トリオ、かんばれ。って感情移入しちゃうね。



409 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 02:20:49.47 ID:SXx2AtTZ0

>>406
立派な、ダメンズなわけでして……

407 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 02:18:36.34 ID:SXx2AtTZ0


それに、趣味の悪いスクーターのオーナーとかって、なんか
物騒な感じがするじゃないですか……すいません。ヘタレで。

とは言うものの、義姉の歳がいったいいくつなのかも知らないし

学生なのか仕事をしてるのかも分からない、そういえば、ボ
クはミドリの家の場所は知ってても、電話番号は知らないんです。




408 :名も無き被検体774号+:2012/10/06(土) 02:18:47.40 ID:CH38FdCSO
後藤ちゃん支援



409 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 02:20:49.47 ID:SXx2AtTZ0

>>408
恐縮です。
――

というわけで、彼女の自宅を急襲、いやノンアポで訪問
することにしました。

時間は彼女が家にいない時間の方がいいかと思って、ま
ず金曜の午後授業はサボりました。一度目は空振りです。

次は月曜日の午前。二度訪問の訪問です



410 :名も無き被検体774号+:2012/10/06(土) 02:22:52.95 ID:Wf7Czp0K0
やっと追いついた
がんばれー



411 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 02:24:10.02 ID:SXx2AtTZ0

>>410
ありがとうございます。
――

ボク達三人は、制服のシャツをパンツにピッタリと入れて
全ボタンを締めて、ネクタイを首まで上げたサラリーマ
ンスタイルで

彼女の家の玄関前に立つわけです。

「ピンポーン」 緊張の一瞬です。

「はぁ〜い」

インターホン越しに若い女性の声。



412 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 02:25:04.18 ID:SXx2AtTZ0

ボク達三人は「居たっ!」と喜びと緊張の混じった感覚で
小さくガッツポーズです。

この瞬間に「もう戻れないぞ!」と思ったのを覚えてます。
いわゆる「賽は投げられた」状態です。




413 :名も無き被検体774号+:2012/10/06(土) 02:25:54.10 ID:C7IGUuFI0
おもしろいです

頑張れー



414 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 02:27:13.92 ID:SXx2AtTZ0

>>413
頑張りますー
――

「こんにちは。○○高校二年○組の山下と申します。
 妹さんの件でお話したいことがあります」

事前に何度も練習した言葉を噛まないように、
マイクに向かって一気に話します。
ここで怪しまれては先に進むことができません。



415 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 02:28:53.20 ID:SXx2AtTZ0

「……今、開けますね……」

玄関に現れたのは、心配そうな表情の女性でした。
ボク達は、さっきインターホンに向かって言ったことと同じ
内容のことを言いました。大事なことなので2回言ったわけ
ではありません。




416 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 02:29:50.24 ID:SXx2AtTZ0

すると女性は、ここでは話がしにくいので近所のファミレス
で待っていて欲しいと言うと、家の奥へと消えていきました。

指定されたファミレスで待つこと約30分、先程の女性が現れ
ました。

ボク達三人は直立してから90度の礼でお迎えします。百貨店
の店員並だし。




417 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 02:31:08.58 ID:SXx2AtTZ0

不安げな表情の女性が自己紹介をしてくれました。

「はじめまして、ミドリの姉の○○です」

普段はダラダラしてる3人ですが、この時はできるだけ好印
象を与えようといつもの3割増くらいの気合で話します。
面接の要領です。

「ミドリさんと同じクラスの山下、虹ヲタ、メカ夫です」




418 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 02:32:30.27 ID:SXx2AtTZ0

「妹のことでは、ご心配をお掛けしてすいません」

本当に申し訳なさそうに、お詫びをする女性。
そんなに謝られたら困ってしまいます。別に彼女がボク達に
迷惑をかけたわけじゃないですし、今の状況だってボク達、
いやボクが勝手にやってて、残りの二人は渋々つき合ってく
れてるだけなんですから。




419 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 02:33:07.71 ID:SXx2AtTZ0

虹ヲタとメカ夫は、黙ってこっちを見る、
どうやら、ここから先はボクのターンらしいです。

ボクは相当テンパっていたので、何をどう説明したのか覚え
ていないです。




420 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 02:33:58.48 ID:SXx2AtTZ0

それよりも、まず自分がいったい何をしたいのかが
自分でもよく分かっていなかったから。
でも、内容は伝わらなかったかもしれないけど、必死さは
伝わったんじゃないかと思います。




421 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 02:35:06.57 ID:SXx2AtTZ0


「あなたが山下さんだったんですね。妹からよく話を聞いて
ましたよ。中学の頃からね。そういえば夏休み前かな、あの
子、その頃すごく楽しそうだったんだけど……」

非常に辛いところから話は始まりました。
そこを突かれると、ちょっと心が痛いです。




422 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 02:35:58.81 ID:SXx2AtTZ0

なんだか気まずい雰囲気が漂い始めたんですが、ボクは三人で
事前に打ち合わせたシナリオ通りに進めます。

「彼女に何があったのか、ご存じないですか?」

直球勝負です。




423 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 02:36:44.92 ID:SXx2AtTZ0


お義姉さんからは一瞬の間を置いて、一見関係のないような
言葉が出てきました。

「実は私、来年結婚するんです」

「はい……?」

話の流れが掴めず戸惑い、顔を見合わせる三人。

「私、あの子と二人で住んでるから、あの子一人になっちゃ
うのよ」

その言葉で事情が分かりました。
そうでした、この姉妹は二人で住んでいたのでした。




424 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 02:37:41.48 ID:SXx2AtTZ0

「それが悲しいと(ああなるのか?)」

ボクは言葉の後半部分を飲み込んだ。

「それを伝えたのが、ちょうど夏休みだったかな。
 あの子ショックだったみたいで……それと……」

お義姉さんは、言っていいのかどうか躊躇う様子。




425 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 02:38:34.08 ID:SXx2AtTZ0

「彼女の昔の仲間のことですか?」

ボクは思い切って言ってみた。この辺が核心になりそうだっ
たので。

「……そう、知ってるんだ……」

お義姉さんは、ポツリポツリと噛み締めるように説明してく
れました。




426 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 02:39:46.13 ID:SXx2AtTZ0


妹、つまりミドリは、父の再婚をきっかけに荒れていた時期
があったこと。

(荒れていたといっても、派手な格好で、似たような子が集
まったグループに居ただけとの説明です)




427 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 02:40:09.29 ID:SXx2AtTZ0


義母との折り合いが悪いせいで、今は両親とは別居状態であ
ること。

妹の前に現れたのは、たぶん荒れていた時期の仲間だと思う
けど転校後、昔の仲間とは全く付き合いがなくなっていること。




428 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 02:41:04.72 ID:SXx2AtTZ0


だから、そいつにしてもストーカーみたいに付きまとってい
るだけで妹も困っているハズだと。

ボク達三人は、まだ釈然としない表情だった。
今の説明を聞いても、彼女が華麗な変身を遂げた合理的な説
明がつかなかったから。

そして、お義姉さんは続けます。




429 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 02:42:08.74 ID:SXx2AtTZ0


「あの子、ひとりでスゴく不安なんだと思う……
中学の頃も…… 
お父さんの再婚からあんなふうになっちゃったし…… 
たぶんだけど……あの子、一人になりたくないんだと思う。 
だから、誰かに助けて欲しかったんじゃないかと思うの。 
夏休みの間もずっと山下さんからの連絡を待ってたみたいだっ
たし」

この言葉を聞いて、三人がビクッと固まります。ボクは頭を
抱えます。




430 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 02:43:05.81 ID:SXx2AtTZ0


虹ヲタとメカ夫の目が痛い。どうやらボクは彼女に期待させ
るだけ期待させて肝心な時に逃げてしまったことになってい
るようです。
しかも、絶望まで与えてしまった様子。




431 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 02:44:04.31 ID:SXx2AtTZ0


激しく落ち込むボクと、それを責める視線の二人を見てお義
姉さんは慌てて言葉を続けます。

「違う違う、山下さんを責めてるわけじゃないのよ。
私がいけないんだから……
今回は、私が居なくなることが凄く不安なんだと思うの。
そこに、現れて欲しくない昔の仲間が現れたりしたから、
あの子はもうどうしていいのか分からなくなって……」




432 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 02:45:00.38 ID:SXx2AtTZ0

それで、転校前の頃みたいになってしまったと。

その時は結果として、お義姉さんが自分を救ってくれたとい
う一種の成功体験みたいなモノが、彼女の深層心理にあるの
かもしれない。

ということは、今回も誰かが彼女の前に現れて彼女を絶望の
淵から救ってあげないといけない。それがボクでいいの
か……?




433 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 02:45:59.42 ID:SXx2AtTZ0

重い空気が4人を包んでいる。虹ヲタとメカ夫の目がボクに
鋭く刺さっている。痛い。
彼らの目は「お前が悪い」という非難の眼差し。




434 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 02:46:48.23 ID:SXx2AtTZ0


そうだろうな、彼女が一番助けを必要としていた時期にその
期待を裏切って逃げ回ってた奴が、誰あろうボクなんですから。

でも、言い訳をさせてもらえるなら、ボクはその辺りの事情
を全く知らなかったわけで……




435 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 02:47:38.86 ID:SXx2AtTZ0

知ってたら、絶対に彼女を助けに行きましたよ。
逃げたりなんてしません。たぶん……

沈黙に耐えられなくなった虹ヲタが、口を開きます。

「お義姉さん、大丈夫ですよ。
 妹さんのことは“コイツ”に任せてください」

って、えっ? ボク? ですか?





436 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 02:48:24.59 ID:SXx2AtTZ0

メカ夫が続きます。

「そうですよ“コイツ”なら絶対に妹さんを元気な姿に
 戻せますから。もちろん、ボク達も手伝います」

やっぱり、ボクなんですよね?




437 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 02:49:27.04 ID:SXx2AtTZ0


自信満々で無駄に力強い言葉を聞いて、お義姉さんは安心し
たような不安なような複雑な表情をしてました。

あと一押し、ボクの決意表明があれば、その表情が少しだけ
安心側に振れそうな雰囲気なんですが……




439 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 02:50:16.55 ID:SXx2AtTZ0

基本的にヘタレなボクは、なかなか言葉が出ないわけです……

もう友達二人は怒りの目になってます。爪でテーブルをカチ
カチと叩き始めています。テーブルの下で足も踏んづけてき
ました。




438 :名も無き被検体774号+:2012/10/06(土) 02:50:07.05 ID:SUP7ftQ20
うむ、頑張って欲しいわ



440 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 02:51:14.33 ID:SXx2AtTZ0

>>438
もうちょいで頑張れそうです。
――

『いい加減、覚悟を決めろ!』という声が聞こえてきそうな目と
態度だったです。

お義姉さんはというと、期待と不安に満ちた目でボクを
見つめてます。

三人の視線に後押しされて、ついにボクはその決意を口
にすることになります。




441 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 02:52:21.91 ID:SXx2AtTZ0

「ボク、彼女を助けたいんですっ!
 余計なお世話かもしれないけど……」

「山下さん……」

お義姉さんの顔が一瞬、輝いたように見えました。
決意表明、所信表明演説、なんでもいいから更に続けます。




442 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 02:53:12.08 ID:SXx2AtTZ0

「今日は、お義姉さんにそれを伝えたくて会いに来たんです。
 だから……彼女にもう一度笑って欲しいから……
 精一杯やってみますっ!」

虹ヲタとメカ夫が大きくうなずき、テーブルの下で拍手した
ように見えました。




443 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 02:54:04.51 ID:SXx2AtTZ0

お義姉さんは、号泣状態でボク達三人の手を取って喜んでく
れました。あの子をよろしくお願いしますと、深々と頭を下
げて帰っていきました。

言っちゃったよな……こりゃ責任重大だぞ……
他人の人生背負っちゃった感じだし。

ボクと二人の友達は自分達の発言の重さに、かなりビビッて
ました……




444 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 02:55:25.96 ID:SXx2AtTZ0

切りのいいところまで投下できましたので
続きは明日ということで、お願いいたします。

それでは、おやすみなさい。




445 :名も無き被検体774号+:2012/10/06(土) 02:56:36.67 ID:SUP7ftQ20
乙!
明日も読みます



446 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 02:59:07.79 ID:SXx2AtTZ0

>>445
長時間お付き合いいただき、感謝です。

明日も来るのは、夜になると思います。



447 :名も無き被検体774号+:2012/10/06(土) 03:02:39.49 ID:NjIAP5/G0
乙!
まってます



448 :名も無き被検体774号+:2012/10/06(土) 03:07:19.41 ID:SYylVozU0
おつ!



449 :名も無き被検体774号+:2012/10/06(土) 03:08:06.46 ID:i4WRybBa0
乙でした!
昨日も寝不足で今日も寝不足だ…



450 :名も無き被検体774号+:2012/10/06(土) 03:08:14.48 ID:xNrhXI0M0
メスの心理なんてわかんねーなー



451 :名も無き被検体774号+:2012/10/06(土) 03:24:17.45 ID:EnRze/Yt0
お疲れ様です!話の中に引き込まれるわ



452 :名も無き被検体774号+:2012/10/06(土) 03:55:50.61 ID:KYIfwysz0
読みやすいよ 明日も待っている!



453 :名も無き被検体774号+:2012/10/06(土) 04:25:28.01 ID:dqntqlDSO
追いついた。
今晩が楽しみだ。



454 :名も無き被検体774号+:2012/10/06(土) 04:29:11.12 ID:RnKAozPg0
乙です!明日も宜しくです!



455 :名も無き被検体774号+:2012/10/06(土) 05:10:47.90 ID:lVqNYC2t0
独特の文体で読ませるな〜。
癖になりそうw



456 :名も無き被検体774号+:2012/10/06(土) 06:56:55.81 ID:icnDE3Hf0
これは面白い話支援
パンツいつはけばいい?



462 :名も無き被検体774号+:2012/10/06(土) 20:39:05.04 ID:tA6KMPQO0
今日も来るよな、待ってるぜい。



465 :名も無き被検体774号+:2012/10/06(土) 23:04:51.56 ID:DTR3B3F+0
あれ、今夜は無いのかい?



466 :名も無き被検体774号+:2012/10/06(土) 23:15:40.76 ID:lxLzp2GT0
深夜に始まるのさ。大人の時間に。



467 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 23:45:34.19 ID:SXx2AtTZ0

こんばんは。

そろそろ投下を始めたいと思います。
たぶん、今回で終われる予定です。




469 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 23:48:10.68 ID:SXx2AtTZ0

昨日の続きからです。
――

それからボク達三人は、ファミレスに残って今後の作戦会議。
やっぱりカナブンとの対決は、避けれそうにないことが分かったけど
どうすればいいのか具体策はなかった。




468 :名も無き被検体774号+:2012/10/06(土) 23:46:45.64 ID:xNrhXI0M0
きたな!



470 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 23:48:58.67 ID:SXx2AtTZ0

>>468
きました! ちょっと遅くなりましたけど。
――

それに彼女の本当の気持ちが分からない以上、万一、カナブンを
退治できたとしても、その後に「余計なことをしてっ!」恨まれる
可能性もゼロじゃない。




471 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 23:49:58.95 ID:SXx2AtTZ0


というわけで、やっぱり彼女本人と話をしなきゃ始まらない
という結論になりました。なんというか……あまりにも当然
の結論です。

って、最初に気づけよ。
いや最初に、やったけどダメだったんだってば。




472 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 23:50:45.46 ID:SXx2AtTZ0


そして、カナブン退治に彼女が同意すれば、もう直接対決し
かないとなった。う〜ん、正直なところ気が重い。鬱だし。

ボク達は、さっき聞いたお姉さんの携帯に連絡して彼女にボ
ク達が話をしたがってることを伝えてもらうことにした。
あとは明日。




473 :名も無き被検体774号+:2012/10/06(土) 23:50:53.38 ID:LQV7ZpkI0
待ってたぜ!



474 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 23:52:07.56 ID:SXx2AtTZ0

>>473
お待たせです。
――

翌日、彼女は遅刻せずに登校してきました。
ボク達を探すように、クラスを見渡しながら入ってくると静かに自席に着く。

クラスの視線が、彼女に集中している。ちょっと可愛そう。



475 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 23:53:09.47 ID:SXx2AtTZ0

ボクは、これまでと同じように「おはよう」と言い
続けて「昼休みにPCルームで」と告げました。

反応はなかったけど、とりあえず伝わったと思う。




476 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 23:53:56.19 ID:SXx2AtTZ0


それからの時間、ボクの緊張はどんどん高まることになりま
す。

背中に彼女の視線が刺さっている気がします。気のせいかも
しれないけど。

休み時間には後ろを振り返り、適当に話をしているフリを続けます。




477 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 23:54:47.18 ID:SXx2AtTZ0


そうしないと、彼女は一人になってしまいますからね。それ
は辛いでしょう。彼女は返事はしませんが俯きながらも、
上目遣いに視線を送ってくれます。それは、きっと期待して
いる証拠。




478 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 23:55:31.40 ID:SXx2AtTZ0

お義姉さんから大方のことは、聞いているに違いないし。
ボクは彼女に期待されているという嬉しさの反面、これから
自分に起こるであろうことへの不安でいっぱいでした。




479 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 23:56:31.28 ID:SXx2AtTZ0

緊張の昼休み。

ボク達三人はPCルームでパンをかじりながら待っていまし
た。

すると、扉が少しだけ開いて誰かが中を伺っている気配。
ボク達はできるだけ明るい声で彼女を迎えます。




480 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 23:57:19.17 ID:SXx2AtTZ0

「ミドリかな? 待ってたよ」

その声に促されて不安げに、そしておずおずと入ってくる彼女。
しかし、姿と表情がこれだけギャップのある子もないよなぁ。
ビッチスタイルなのに不安気って、やっぱり相当無理してる
んだな。




481 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 23:58:02.63 ID:SXx2AtTZ0


ボク達三人は彼女を刺激しないように、できるだけゆっくり
と話しました。

そして……ボクの気持ちは夏休み前のままだし、今でも彼女
のことを放っておくことはできないと思っていることを、精
一杯伝えました。




482 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 23:59:09.00 ID:SXx2AtTZ0

もちろん、夏休みに連絡できなかったお詫びもしましたよ。
たくさんの言い訳を添えて。

そして、カナブンのことはボク達でなんとかするし、何の心
配も要らないと伝えました。

本当は、こっちが心配だらけだったんですけど。




483 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 00:00:09.92 ID:SXx2AtTZ0


調子に乗って、お義姉さんが結婚で家を出た後はボクが……

と言いたかったのですが、それは問題が解決してから
別の形で伝えることにしました。




484 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 00:01:05.65 ID:SBzO9ltG0

彼女は黙って話を聞きながら、静かに泣いていました。
こちらの話が終わると、彼女は消え入りそうな声で呟きます。

「ありがとう……」




485 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 00:02:01.21 ID:SBzO9ltG0

早速、その日の帰りから作戦実行。

といってもボクと彼女が一緒に帰るだけ。
部活は当面休むことに。
そうすれば、そのうちカナブンが出てくるだろうという読み。




486 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 00:03:01.86 ID:SBzO9ltG0

万一、なにかの気まぐれで奴が出てこなければ、超ラッキー。
ボクと彼女の、ハッピーエンドが待っているハズ……

って、そんな都合のよい話はナイだろうけど。




487 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 00:03:19.70 ID:SyPZpVM60
オレの高校時代とはえらい違いだ
羨ましいわ



488 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 00:04:23.61 ID:SBzO9ltG0

>>487
平和な方が、よかったと思いますよ。
――

ボクと彼女は、できるだけ自然に二人並んで歩き、その後ろを
虹ヲタとメカ夫が、バイクで尾行する。

最初の一週間は、何も起こらなかったです。



489 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 00:05:27.82 ID:SXx2AtTZ0


1日目は、彼女と少し距離が開いた状態で帰りました。ずっと無言
2日目は、並んでみた。やっぱり無言
3日目は、ピッタリ寄り添う形になった。でも無言。

4日目は、彼女から腕にしがみついてきた。震えてる。
少しだけ話した。

5日目は、お互いの手を絡めてみた。昨日よりも話ができた。

う〜ん、正直疲れた。汗だく。ヘトヘト。




490 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 00:07:06.30 ID:SBzO9ltG0


週末は会うことはなかったけど、時間を見つけては電話もメー
ルもしましたよ。

もう、夏休みのような失敗を繰り返すわけにはいかないです
からね。

もし彼女の様子に変わったことがあったら、すぐにでも飛び
出すつもりで。




491 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 00:08:19.31 ID:SBzO9ltG0

彼女は、どちらかというと電話よりもメールの方が話しやすい?
というか、字面が落ち着いた雰囲気でしたね。
メールの行間には、沈黙が表現されませんから。




492 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 00:09:01.57 ID:SBzO9ltG0

二週間目。

先週と同じく彼女はボクの腕にしがみついている。正直なと
ころ歩き辛い。でも、悲壮感が少し減ったように見えたのは
良かったかも。




493 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 00:10:07.88 ID:SBzO9ltG0


時折だけど、ボクの顔を見て微笑んでくれるようになったし。
週末の会話で、少しほぐれたのかな。

そして、天気のこと、学校のこと、みたいな会話がポツポツ
とできるようになりました。




494 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 00:11:06.01 ID:SBzO9ltG0


このまま何も起こらなければ、いいのになぁとか考えるよう
になった頃……

やっぱり現れた。カナブンだ。

彼女がボクの背中に隠れて、ぎゅっとしがみついてくる。
後方からメカ夫のバイクのエンジン音が高くなり、近づいて
くるのが分かる。

カナブン号から男が降りて、こちらを見る……




495 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 00:12:32.73 ID:SBzO9ltG0


打ち合わせ通りにメカ夫にミドリを託して、虹ヲタとボクの
二人でカナブンと対峙する。

相手は無言……

こちらも無言……




496 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 00:13:54.92 ID:SBzO9ltG0


こちらとしては、戦闘開始まで時間があればあるほど有利。

なぜなら、ミドリを自宅に避難させたメカ夫が合流すれば3
対1になるから。

相手よりも、人数が多いに越したことはない。




497 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 00:16:01.14 ID:SBzO9ltG0


どのくらい時間が経ったかな、カナブンが何か話しそうな雰
囲気。

沈黙で交渉が進まなくなった時は、先に話し始めた方が譲歩
する場合が多いと聞いたことがある。

でもそれは、交渉の場合。武力衝突には適用されない法則だ
と思います。




498 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 00:16:58.47 ID:SBzO9ltG0


虹ヲタはさておき、ボクは元々が口数が多い方じゃないから
沈黙は怖くない。何時間でも黙っててやりますぜ。

こちらの作戦を知ってか知らずか、カナブンが遂に口を開く。

「あんたら何者?」





500 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 00:17:39.24 ID:SBzO9ltG0


すぐにでも詳細を説明したい気持ちを、ぐっと堪えてボク
は……

「何者だと思う?」

質問返しとは、我ながらひねくれたもんです。
とりあえず相手に、頭を使ってもらいましょう。
その分、こちらには考える時間も情報も増えますから。




499 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 00:17:31.71 ID:SyPZpVM60
全くどーでもいいが
30代ってウソだろ?
本当は20代後半だろ?



501 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 00:19:12.27 ID:SBzO9ltG0

>>499
その辺は、ご想像にお任せします(笑)
――

少しイラついた表情を見せながらカナブンが続けます。

「その制服は○○高校だろ。ミドリの知り合いかなんかだろ?」

「だったらどうする?」

あくまでも、とぼけて交渉のテーブルに乗らないボク。




503 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 00:21:00.75 ID:SBzO9ltG0


というか、何をどう交渉したらいいのかまったく分からない
し、こうやって言葉遊びをしてる中で何か突破口が見つかれ
ば……とか思ってたのが本音。すると……

「どっちが、彼女と付き合ってるんだ?」




502 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 00:20:52.04 ID:UtCtA0Jq0
>>1きてたー!見てるよ!



504 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 00:22:27.87 ID:SBzO9ltG0

>>502
きましたー! ありがとー
――

意外なことを意外なトーンで言い出すカナブン。
コイツの言葉に怒気はない。

ボクは、ひょっとしてコイツは悪人じゃないのかも? 
という考えが頭をよぎる。

だから、ちょっと話をしてみようかという気になったですよ。




505 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 00:23:54.94 ID:SBzO9ltG0

「今のところ付き合ってるとかはないけどね。
 ただね、彼女がアンタを怖がってるみたいだから
 ボディーガードみたいなもんだ、と言えばいいかな」

「そうか……」

この一言からカナブンが語り始める……えっ?語り始める?!





507 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 00:25:37.39 ID:SBzO9ltG0


オラオラ言いそうな輩っぽい外見とは違い、彼は武力衝突で
はなく外交での解決を望んでいるようなのです。

これは渡りに船、地獄に仏、鴨がネギ、いや違うか、
とりあえず、こちらには好都合でした。
 ・
 ・
 ・
本当は、涙が出るくらいホッとしたんですよ……




506 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 00:24:35.83 ID:SyPZpVM60
野暮な質問だったな
スマン続けてくれ



508 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 00:27:15.28 ID:SBzO9ltG0

>>506
ハイ、続けます。
――

結論から言うと、彼は中学の頃からミドリが好きだったらしい。
彼女と直接話をしたことはなかったものの、
例のメンバーの中でちょっと異質な彼女が、ずっと気に
なっていたとのこと。




509 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 00:29:40.67 ID:SBzO9ltG0

ところが、彼女が中二で急に引越しをしてしまったせいで
行方が分からなくなり、ずっと気にしていたと。

そして、この夏休み頃に、偶然ボクと一緒に帰る彼女を見つけて
つい彼女の後をつけた上で、待ち伏せをして声をかけてしまっ
たらしい。




510 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 00:30:13.31 ID:WaGLn23O0
ストーカーはいかんね。



512 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 00:33:22.15 ID:SBzO9ltG0

>>510
ですね。
――

彼も不器用な男のようで、結果的に自分の存在が彼女を
追い込んだらしいことには、とても困惑してましたね。

彼は彼なりに彼女が変わっていく様を心配し、何とかしたいと
考えていたようですから……



511 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 00:31:54.60 ID:SBzO9ltG0


ところが、その頃を境に彼女が急変していったから、彼も驚
いてその原因の一端が、自分にあるのかと思ってしまったと。

だから、引くに引けない状態になっていたらしいです。
おまけに、次々と連れて歩く男が変わっていくものだから心
配で……




513 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 00:34:17.03 ID:ekQHWCkG0
ただの奥手くんか



514 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 00:36:29.78 ID:SBzO9ltG0

>>513
ボク達の前では、そのように見えました。
でも、強面でしたよ。
――

途中からはメカ夫も合流し、ボク達4人は公園で話をしました。
30分くらい話しましたかね。

彼女の状況は、ある程度までカナブンさんにも話しました。

彼は、自分の行動が彼女を怖がらせたことについて素直
に謝罪をしそれを彼女に伝えて欲しいとのことでした。



515 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 00:37:40.58 ID:SBzO9ltG0

そして、もう二度と彼女の前には姿を見せないだろうことも。
帰り際に、彼はボクの目をしっかりと見つめてこう言います。

「彼女のことはアンタに任せた。俺はアンタを信じる」

「わかった」

ボクは短く答えましたが、頭の中では何だか言葉にしにくい
感情が渦巻いていました。




516 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 00:38:43.91 ID:SBzO9ltG0

妹をお願いします、と号泣しながら頭を下げたお義姉さん……

自分の気持ちを殺して、ボクに彼女を託したカナブン……

自らの危険も顧みず、イヤな顔ひとつせずにここに居てくれ
る友達……




517 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 00:39:52.74 ID:SBzO9ltG0

みんな、いい人です。何かこう……暖かいものというのか……
ボクとミドリに向いている、みんなの気持ちが嬉しくて
ひとりで、ジーンとしてました。

実はその時、泣いていたかもしれません。




518 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 00:41:11.22 ID:SBzO9ltG0


というわけで、カナブンさんについては、一件落着となりま
した。

事務的に“一件落着”と言うには、ちょっと切なかったです
が……




519 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 00:42:53.61 ID:SBzO9ltG0

ボク達三人が、ミドリの家で状況を説明しているところに
お義姉さんが帰ってきました。

昔の仲間の件については、片が付いたことを報告すると
とても喜んでくれて、その日は夕食をご馳走になることに。




520 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 00:44:07.32 ID:SBzO9ltG0


メニューはカレーだっと思います。急に量を作ることになり
ましたから豪華なディナーとはいかないでしょう。

それでも5人で囲む食卓は楽しいものでした。ミドリの笑顔
をみるのは数ヶ月ぶりでしたし。




521 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 00:45:08.21 ID:SBzO9ltG0

ボクはその時の話の流れで、それから毎朝夕にミドリを
送迎することになりました。名目上はボディーガードです。

本当は、もう不要なんですけどね。




522 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 00:46:01.06 ID:SBzO9ltG0

翌朝。

ボクはミドリの家へ向かいました。お迎え初日です。
そこでまた驚くわけです。いや、今度はいい意味で。




523 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 00:47:27.73 ID:SBzO9ltG0


ボサボサだったロングの茶髪が、見事にショートになってま
した。

しかも、天使の輪を装備した綺麗な黒髪。もちろん制服も普
通に。

そして、照れながらボクを見るとモジモジしながら……

「似合ってるかな……」

もうね、キュン死です。ボク。




524 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 00:48:48.79 ID:SBzO9ltG0


奥からお義姉さんが出てきて、笑いながら種明かしをしてく
れます。

「山下さん達が帰った後で急に美容院に行きたいって言い出
 してもう大変だったんだから」

「スゲー似合ってます。超カワイイです!」

ミドリは顔を真っ赤にして、相変わらずモジモジしてる。
なんだかキャラが変わってるし。




525 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 00:50:05.51 ID:SBzO9ltG0

お姉さんに急かされて登校することになったのですが
なんだか恥ずかしくて話ができません。
そのうち、ミドリから話を始めます。

去年の夏休みのことです。




526 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 00:51:40.31 ID:SBzO9ltG0


彼女が劇的に変わったのは、カナブンの存在から過去の自分
が知れ渡りみんなが、自分から離れていくのが怖かったから。

しかも夏休みに入って、仲直りしたハズのボクからメールの
1本すら来なくなっていたので、自分はもう嫌われてしまっ
たのかもしれないと落ち込んでいたのにと。

(この件は、つくづく面目ない……自分がヘタレだったばか
りに……)




527 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 00:52:33.63 ID:SBzO9ltG0

おまけにお義姉さんまで、自分から離れていくことが分かり
もう、どうしようもなくなったせいで、あんな風になってし
まったとのこと。

彼女にしてみれば、中学の頃にそんな風になった時には、お
義姉さんが必死になって自分を庇い、支えてくれたことがあっ
たから、今度も誰かが……と無意識に思ったのかもしれない。




528 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 00:54:14.94 ID:SBzO9ltG0


それに……あの荒れた自分も確かに自分であり、それを隠し
続けることはできないと。

だから、自分が誰かを好きになった時には、いつかは伝えな
ければならないことだと、ずっと思っていたと。

彼女は、それを受け入れてくれる人としか付き合うことはで
きないと考えていたとのこと。




529 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 00:54:57.43 ID:SBzO9ltG0

そして、校内のできるだけ目立つ男と次々に付き合ったのは
カナブン対策。やっぱり怖かったから。




530 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 00:56:03.20 ID:SBzO9ltG0


とにかく誰かに傍に居て欲しかったから、言い寄ってくる奴
を全てオーケーしたらしい。

でも、すぐに手を出そうとする失礼な奴とは、二度と会わな
かったと。

だから、結果として手当たり次第になったとも。




531 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 00:56:44.05 ID:SyPZpVM60
ほう、つまり
男遊びしてるようで
セックスはしてないと?



532 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 00:57:42.59 ID:SBzO9ltG0

>>531
という申告です。追求はしません(笑)
――

そういう事情だから彼らとは、噂になっているようなこ
とは絶対になかったということを、ボクにだけは信じて
欲しいと言われました。

そんなに必死な目で見ないでも、そこは全力で信じます
よ。はい。



533 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 00:59:09.38 ID:SBzO9ltG0

「もし、そんなことがあったとしても
 それは過去のことだから気にしないよ」

なんてカッコつけて言ったらスゲー怒られた。というか泣か
れた。

「だから信じてって言ったのに……」

目にいっぱいの涙を溜めて言われてしまいました。反省。




534 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 01:00:41.62 ID:SBzO9ltG0

そこで疑問。
なぜ最初からボクにカナブン対策をお願いしなかったのか、
と尋ねてみると。

彼女は、ボクがきちんと告白してくれていたなら、何も問題
はなかったのにと拗ねた目で軽く睨まれましたね。

そうでした。告白どころか夏休みは、一度も連絡してません
でした……すいません。




535 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 01:00:47.47 ID:ANbxjGMi0
支援



536 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 01:02:13.81 ID:SBzO9ltG0

>>535
感謝
――

そんなわけで、彼女は学校にも毎日来るようになったのですが
勉強のキャッチアップは、少々辛いものがありました。

でも、一生懸命がんばると言うんで、昼休みのPCルー
ムを使って一緒に勉強しました。



537 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 01:04:21.98 ID:SBzO9ltG0

ボクの苦手な科目は、虹ヲタとメカ夫が担当。
というか、ほとんどメカ夫におまかせ(笑)

コイツは、女性耐性がまったくなかったせいで、至近距離で
女子に見つめられると、それがミドリでもまともに話ができ
なかったんですが

しばらくすると普通に話せるくらいまで成長しました。




538 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 01:06:30.29 ID:SBzO9ltG0


そして、教え上手だということが判明し、噂を聞いた何名か
の女子から志願があり、一緒に勉強するようになったんです。
ボクとミドリは部活があったんで、昼休みだけでしたが、
彼らは放課後もPCルームで集まっていたようです。




539 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 01:08:09.80 ID:SBzO9ltG0

実は、メカ夫は隠れた人気モノだったようです。
相手は、どちらかというと地味子さん系でしたがね。

でも本当にいい奴だし、イザとなるとヲタとは思えないくら
い頼もしいですから。

虹ヲタですか? まあ、それなりです(笑)




540 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 01:09:43.52 ID:SBzO9ltG0


そして、校内は学園祭シーズンに突入し、活気づいていくわ
けです。

最近はボクとミドリ、虹ヲタ、メカ夫、そして地味子さん数
名がひとつのグループになってましたからね。

今年の学園祭は、楽しくなりそうだなとか思ってました。




541 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 01:10:41.57 ID:SBzO9ltG0


そして、ボクには計画があったのです。学園祭の時にミドリ
に告白しようとね。

やっぱり、色んなことがあって彼女が弱ってる時につけこむ
とかフェアじゃないと思ってたんですよ。

だから、しばらく時間を置いて、彼女が元通り元気になった
ら決めてやるぞと。




542 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 01:11:24.18 ID:6NeYJ4d10
いやな予感



544 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 01:12:05.74 ID:SBzO9ltG0

>>542
わかります?
――

ところが、これがいけなかった……
ある日、彼女からメールが到着するわけです。

「話がある。5時に校門で待つ」

愛想のないメールでした。なにか深刻な雰囲気が漂っています。



543 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 01:11:42.25 ID:b+UJmPt70
うん



545 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 01:13:11.36 ID:SBzO9ltG0

>>543
そうなんです。
――

部活が終わり、校門へと急ぐとミドリが待ってました。
例の雰囲気です。

これは、誰か好きな男ができた様子だなと思ったです。
なんだか自分の肩がドヨーンと落ち込んだ気がします。



546 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 01:14:01.10 ID:JMguoQoT0
ドキドキ…



548 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 01:14:57.58 ID:SBzO9ltG0

>>546
ボクもドキドキしてました。
――

「いい……さっき来たとこだから」

彼女が力なく答えます。



547 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 01:14:07.38 ID:SBzO9ltG0


非常に気が重かったですが、約束した以上トンズラするわけ
にはいかないので諦めます。

「遅くなって悪いな」

まだ約束の時間まで10分以上あるんですが、とりあえず到着
通知の第一声です。




549 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 01:15:10.69 ID:SyPZpVM60
嫌だー
上手くいかないなら寝る!



550 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 01:16:07.48 ID:SBzO9ltG0

>>549
……
――

これって、正に1年半ほど前と同じ光景じゃないですか?!

ボクはもう逃げ出したくなりましたね。
これから二人でファーストフード店へ行って、ポテトと
飲み物で小一時間話すんですよね。他の男のハナシを。

あ”ーもう勘弁してくれ……



551 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 01:17:05.99 ID:SBzO9ltG0

二人並んで夕暮れの中、学校からの坂を下ります。
赤い夕陽の風景にもかかわらずボクはブルーでした。
文字通りトボトボと歩き、ファーストフード店へ到着。

端の席を陣取りポテトと飲み物で準備完了。




552 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 01:17:57.79 ID:SBzO9ltG0

「男性の意見が聞きたい……」

ミドリの第一声。そして……

「私、好きな男の子がいるの……でも、どうしていいかわか
らなくて……」




553 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 01:18:24.23 ID:Kvkj67Eu0
最後の1行はオレたちみんなの心の声だよ



554 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 01:19:23.29 ID:SBzO9ltG0

>>553
ボクの心も同じですが……
――

ボクとしては、一番聞きたくなかった言葉でした

目の前が真っ暗になって、気が遠くなっていくのを感じ
ました。

終わったです。すべてが……



555 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 01:20:02.16 ID:SBzO9ltG0


彼女は、はにかむようにストローの袋をコネコネしながら、
小さな声でポツリポツリと話しています。

デジャヴどころではないですよね。ループですよループ。
全く同じ光景を体験したことがありまよ、ボク。




556 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 01:20:41.19 ID:oJwtEJDp0
ああああ…



557 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 01:21:13.69 ID:SBzO9ltG0

>>556
うぅぅ……
――

その場から逃げ出したい気持ちを抑え、気を取り直して
挑むことにしました。

なぜなら、きっとこれが彼女からの最後の相談になると
思ったからです。

視界の中で彼女が小さくなっていきます。なぜが歪んで
見えてきました。



558 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 01:21:57.86 ID:SBzO9ltG0

息が苦しい。でも、ボクは気力で真っ直ぐと座っていました。
彼女を直視することはできなかったですけど。
前回の相談はグダグダになりましたが、最後の相談くらいは
きちんとしようと……うぅぅ……目から水が……






560 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 01:22:22.79 ID:SBzO9ltG0

彼女の話によりますと……

好きな子というのは、昔から友達として仲のいい男の子のこ
と。

自分は彼のことが好きだという気持ちに、つい最近ハッキリ
と気がついたと。




559 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 01:22:05.25 ID:hv4JEETI0
分からん、まだ分からん
>>1が上手くいく、と信じたい



563 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 01:23:41.79 ID:SBzO9ltG0

>>559、561、562
そうです。最後の1秒まで。
――

最近は彼と、なんとなくいい雰囲気まではいくんだけど、
もう一歩を踏み出す勇気がない。「好き」という肝心な
一言が言えない。

だから今のままの関係を続けようと決めたんだけど、
もう耐えられないと。




561 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 01:22:56.53 ID:6NeYJ4d10
これは…



562 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 01:23:01.33 ID:SyPZpVM60
好きな男ってまさか&#8226;&#8226;&#8226;



565 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 01:24:31.12 ID:hv4JEETI0
おおおおお、きたかーーーーーー??



564 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 01:24:14.49 ID:oJwtEJDp0
おお…



567 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 01:24:56.09 ID:SBzO9ltG0

>>564、565
……
――

でも、もしダメだったら、友達ですら居られなくなるの
かと思うと苦しくて苦しくてどうしようもないとのこと。

実際、一言も話すことができない期間があって、その時
はとても辛かったと。




566 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 01:24:54.94 ID:ANbxjGMi0
ktkr



568 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 01:25:44.00 ID:SBzO9ltG0

>>566
wktk
――

似たような境遇の奴がいたもんだと思いましたね。
その気持ちは痛いほど分かりますよ。
だからボクも真剣に答えます。

「その気持ちはよくわかるよ……
 でも結局はケリをつけないと先には進めないから」



569 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 01:26:18.92 ID:WaGLn23O0
おちんちんの出番はあるの?
パンツは脱いだままでいいの?



572 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 01:27:23.10 ID:SBzO9ltG0

>>569
ファーストフード店ですからねぇ

570 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 01:26:22.34 ID:SBzO9ltG0


ボクは他人事とは思えない内容を自分に重ねて話します。
まるで自分自身に語りかけるように。

友達として居心地がいいと思うなら、そのままの関係を続け
ればいい。




571 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 01:26:24.47 ID:c8r6nYNC0
支援!!



572 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 01:27:23.10 ID:SBzO9ltG0

>>571
感謝
――

でも、いつかはどちらかに恋人と呼ばれる人物が現れることになる。
その時に心から祝福できるなら、その気持ちは本物。

もし、そうでないなら……友達であり続けたことを、きっと後悔する
ことになると。



573 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 01:27:59.54 ID:SBzO9ltG0


「言わずに後悔するくらいなら、言って後悔した方がいいか
もしれないよ……」

どこかの博士の受け売りです。
ここまで言ってボクは我に返ったんです。
そうだっ! ボクも同じだと――




574 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 01:28:43.36 ID:UtCtA0Jq0
wktk



579 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 01:30:28.06 ID:SBzO9ltG0

>>574
ktkr

575 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 01:28:46.37 ID:SBzO9ltG0

ボクは背筋を正してミドリを見つめる。
もう彼女の相談なんてどうでもいい。

今、ここでボクが想いを伝えなければ彼女は相談内容の“仲
のいい子”のところへ行ってしまう。

そうなってしまったら、ボクはヘタレな自分を一生後悔する
ことになる。




576 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 01:29:11.79 ID:hv4JEETI0
いいぞ、いいぞ



579 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 01:30:28.06 ID:SBzO9ltG0

>>576
頑張ってます。当時のボク。

577 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 01:29:46.15 ID:ekQHWCkG0
ぼくもぱんつ脱ぎ捨てた



579 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 01:30:28.06 ID:SBzO9ltG0

>>577
それは履いたほうがいい。
――

「ミドリ……ボクの話を聞いてくれないか」

彼女は、急に改まったボクを見て驚いた表情ながら、
コクリと頷く。

「今の話を聞いてさ……自分に重なったんだよね。
 だからさ、相談途中で悪いんだけど、
 先にボクの話を聞いて欲しい。
 その後で、そっちの相談内容の結論を決めてもらってもいいかな」



578 : 忍法帖【Lv=20,xxxPT】(1+0:8) :2012/10/07(日) 01:30:19.33 ID:IDs4SB+x0
追いついた



581 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 01:31:31.50 ID:SBzO9ltG0

>>578
一気にいきますよー

580 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 01:31:06.56 ID:c8r6nYNC0
キャーー!キター!



581 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 01:31:31.50 ID:SBzO9ltG0

>>580
わーわー
――

ここまで聞いて、ミドリは俯いて黙ってしまった。
ボクは構わず続けます。

「実はボクにも、同じように仲のいい子がいてさ。
 もうしばらくは、友達でいようと思ってた。
 でも……その子に好きな子がいるらしいと聞いて……
 今、ここで伝えないと、一生後悔すると思ったんだ」

「……うん」

ミドリの目に涙が浮かんでいる。なぜだ?



582 : 忍法帖【Lv=20,xxxPT】(2+0:8) :2012/10/07(日) 01:31:46.92 ID:IDs4SB+x0
パンツ窓から捨てたけど
俺の行動は正解だよな!?



584 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 01:32:41.28 ID:SBzO9ltG0

>>582
ぜひ履いたままで。

583 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 01:32:19.69 ID:+UqtyHix0
良かったなー!!



584 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 01:32:41.28 ID:SBzO9ltG0

>>583
返事はまだですがね。
――

「ミドリ……ボクはキミが好きな自分に気がついた
 いや、これまで何年も気づかないふりをしていたんだ……
 友達じゃなく、ボクの彼女になって欲しい」

額が汗でびっしょりだ。目の前の紙コップと同じ状態。



585 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 01:33:10.94 ID:hv4JEETI0
ヘタレ脱却!!



589 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 01:34:44.67 ID:SBzO9ltG0

>>585、586、587、588
遂に! 言えました!
――

不思議なもので、告白というものは言い終えてしまうと
非常にスッキリするもんだなと。



586 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 01:33:22.12 ID:c8r6nYNC0
うおおおおおお!よく言った!!



587 : 忍法帖【Lv=20,xxxPT】(1+0:8) :2012/10/07(日) 01:33:38.19 ID:IDs4SB+x0
いいないいな



588 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 01:33:41.83 ID:Kvkj67Eu0
信じていいんだよな!?



590 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 01:34:48.50 ID:f3MOVVtg0
すげードキドキしてきた!



591 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 01:35:39.37 ID:SBzO9ltG0

>>590
当時のボクもドキドキで
――

人生初の告白経験……

これまでのモヤモヤとした気持ちがウソのように心の中
が透き通って自分の心の底まで見通せる感じ。

もちろん回答が「ごめんなさい」だったら、それはそれ
で落ち込むだろうけど このスッキリした感覚は、残っ
てくれると思ったし。いや、そう願っただけかも。



592 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 01:36:08.41 ID:SBzO9ltG0

ミドリは黙って俯いている。肩が細かく震えているのが分かった。
泣いているのか?
まさか笑っているんではないと思うが?

「△●※□■〜〜〜」




593 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 01:37:03.27 ID:SBzO9ltG0


言葉にならない声を上げ、涙と鼻水でグシャグシャの彼女が
ボクの胸に飛び込んできた。泣きながら何か言っている。

(ユーサクのバカ〜)と言っているように聞こえた。違うか
もしれんが。




594 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 01:38:02.58 ID:SBzO9ltG0

しばらくは何を言ってるのか分からない。
怒っているのか、悲しんでいるのかすら判断できない。

店中の注目が集まっているのを感じたけど、そんなことに構っ
てられる余裕はない。




595 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 01:38:59.71 ID:SBzO9ltG0

「ユーサクはズルい……バカ……」

やっぱり怒っているのか?
ダメなら、ひと思いに殺ってくれと思いましたね。


「相談……ユーサクのことだったのに……」

「え”?」




596 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 01:39:34.67 ID:hv4JEETI0
キターーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!



597 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 01:40:17.09 ID:SBzO9ltG0

>>596
きましたー
――

そういえば、あまりにも似通った状況だなとは思ってた
ですが、そんなの冷静に分析できる状態じゃなかったで
すから……しまった。早まったか。

「でも、嬉しい」

ミドリが笑顔に変わります。そして……

「返事はもちろん、イエスだよ」

まだ睫毛が涙で濡れてましたけど、それが余計に可愛かっ
たです。




598 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 01:41:03.62 ID:UtCtA0Jq0
おめでとう!!



605 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 01:43:37.37 ID:SBzO9ltG0

>>598、600、601
ありがとうございます。

599 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 01:41:06.00 ID:lzV8fDDBP
ままままさかの今の奥さん???



605 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 01:43:37.37 ID:SBzO9ltG0

>>599、604
1の冒頭で“独り”と

601 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 01:41:23.46 ID:Kvkj67Eu0
おめでと〜☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆
もう修羅場はないよな??



602 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 01:42:22.15 ID:ZxnGzyZqO
マネージャーの乱入はないよな?



605 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 01:43:37.37 ID:SBzO9ltG0

>>602
ナイナイ(笑)

603 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 01:42:30.90 ID:f3MOVVtg0
感動してパンツはいたよ。



605 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 01:43:37.37 ID:SBzO9ltG0

>>603
これから脱ぎます?
――

ボクとミドリは、これで正式に? 
付き合うことになりました。
でもその後、彼女にはしょっちゅう、
からかわれることになります。

「告白したのは、ユーサクなんだからねー
 どーしても私と付き合いたいって言ったから
 付き合ってあげたんだからねー(笑)」

何かある度にコレを言われるわけですよ。そう、ずっとね。



604 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 01:42:53.25 ID:jWBEjWT60
今はだれもいない部屋で
一人・・?



607 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 01:43:46.41 ID:SyPZpVM60
>>604
そこはオレも気になった


606 : 忍法帖【Lv=20,xxxPT】(1+0:8) :2012/10/07(日) 01:43:43.61 ID:IDs4SB+x0
最初で最後の彼女と結婚
そこまでのハッピーエンドを期待してもいいと思うんだ



613 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 01:47:55.95 ID:SBzO9ltG0

>>606、607、609
死んだりしませんから、その点はご安心ください。



608 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 01:44:18.31 ID:SBzO9ltG0

以上が、ボクとミドリが付き合うまでの紆余曲折でした。
次は、ちょっと進展した辺りを、短めに書いてみたいと思い
ます。

おまけみたいなもんですが、基本的にデレデレなので、そう
いう系がお嫌いな方は避けた方がいいと思います。




610 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 01:44:48.08 ID:+UqtyHix0
最初に独りみたいな記述があったからなー…



611 : 忍法帖【Lv=20,xxxPT】(1+0:8) :2012/10/07(日) 01:45:33.28 ID:IDs4SB+x0
デレデレもいいけど
今に至るまでミドルとの関係とか聞いてみたい



613 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 01:47:55.95 ID:SBzO9ltG0

>>611、612
高校生ですからね(笑)


では、一気にいきます。

―― 第五部 進展 ――

告白から3ヶ月くらい経った頃の話です。

ちゃんと付き合うようになった二人ですが、友達期間が
長かったせいで、どうにも進展がなかったんです。



614 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 01:48:30.66 ID:WaGLn23O0
パンツは脱いだままで蝶ネクタイだけつけた。



616 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 01:49:14.15 ID:SBzO9ltG0

>>614
ナイスです。
――

なぜなら、彼女は普通にボクの家に来て、ボクの母の作っ
た夕食を一緒に食べて、深夜までボクの部屋で試験勉強
とかしてましたからね。

さすがに母の「ミドリちゃん、お風呂に入っていく?」
には慌ててましたけど。



615 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 01:48:32.10 ID:SBzO9ltG0

家が近所で、お互いの家族が公認というのも、なかなか関係が
進みにくかった一因かもしれません。




617 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 01:49:30.37 ID:Kvkj67Eu0
死なないと明言してくれるのは助かるな




619 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 01:50:11.41 ID:SBzO9ltG0

>>617
スポーツ健康体ですからね。
――

さて、そうこうしているうちに学園祭の“やきそば”イ
ベントも終了し年に一度の大イベント、クリスマスがやっ
てくるわけです。
別にクリスチャンでもなんでもないんですけど。



618 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 01:49:41.55 ID:WaGLn23O0
第五部がついに始まる…gkbl



621 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 01:51:01.37 ID:SBzO9ltG0

>>618
これは気楽に見れますよ。
――

実は、学園祭も一緒に廻ってたんですが、何も起きなかっ
たわけでして。だから、クリスマスこそは関係を進展さ
せるぞ、と心に誓うボクでした。主よ、不順な心の我を
許したまえ。



620 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 01:50:55.61 ID:MEMN9R7uO
母、再登場w



623 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 01:52:03.85 ID:SBzO9ltG0

>>620
母は強しです。
――

「ねー、ユーサク。今年のクリスマスはバイト?」

いつものように並んで帰るミドリが聞いてきます。

「いや、去年はガッツリとシフトに入ったから
 今年は勘弁してもらうつもりだし」

「えっ? 去年はシフトって?」



622 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 01:51:51.83 ID:ekQHWCkG0
やべえパンツてかてかしてきた



624 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 01:52:45.24 ID:SBzO9ltG0

>>622
しばしお待ちを。
――

彼女が不思議そうな顔をして聞くので、ボクは状況を説
明しました。実はクリスマスも、バレンタインも、ホワ
イトデーもなかったことを。

というか、去年のクリスマスにコイツのDVDの貸し出し
手続きをしたのはボクなんですけどね。あんなに大量に
借りたのに覚えてねーのか?



625 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 01:53:21.63 ID:SBzO9ltG0

ボクの説明を、ひと通り聞くと

「そういうことかー、ハハハ」

なんだか嬉しそうに笑います。

「おまえ……人の不幸を笑ってないか?」

「ごめんごめん。そうじゃなくって――」




626 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 01:54:09.54 ID:SBzO9ltG0

彼女は慌てて説明します。

これまで家族以外とクリスマスを過ごしたことがなかったこ
と。そして今年は初めて家族以外、それも好きな人と一緒に
過ごせることが嬉しいこと。




627 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 01:55:06.82 ID:SBzO9ltG0


でも、去年のボクとマネージャーさんの二人のクリスマスを
想像するとちょっと複雑な気持ちになっていたこと……

ボクは、ミドリでも元カノの存在とか気にするんだなあとか
思いましたね。

元カノといってもマネージャーさんとは、あの事故のような
キス以外は手すら握ってないんですが……いや、あれはノー
コンテストだ。




628 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 01:55:57.49 ID:SBzO9ltG0


というわけで、クリスマスはテーマパークに行くことになり
ました。

昼過ぎに待ち合わせをして遅い昼食。クリスマス用の飾りつ
けや音楽の鳴る街中を色々と回って、夕方からテーマパーク
という元気な10代らしい実にハードな設定。

今なら途中で集中力が切れてしまいますね。確実に。




629 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 01:56:47.15 ID:SBzO9ltG0


明るいうちは、いつもと同じ雰囲気でわーわー楽しみます。
街中が浮かれた雰囲気なので、こちらも何だか盛り上がります。
陽が落ちる頃からテーマパークです。
寒い冬の日没後にもかかわらず、人でいっぱいです。




630 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 01:57:33.13 ID:SBzO9ltG0


どこへ行っても結構な時間並ぶことになるんですが、二人な
ら気にならないわけですよ。

これが真夏だと苦しいかもしれませんが、寒い冬ならではの
効果というモノがありましてね。




631 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 01:58:08.93 ID:SBzO9ltG0

そう、寒いという大義名分で物理的に近くなるわけです。
30分も並べばもう抱き合うような感じになりますよ。
その方が暖かいですし、周りがそうですから、ごく自然に。
お勧めです(笑)




632 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 01:59:21.82 ID:SBzO9ltG0


体は密着状態で、お互いの腕は相手の背中に腰に、しっかり
絡まってます。

ボクも身長が低い方ではないんですが、彼女の背が高いせい
でお互いの顔がスゴク近くなるわけです。

その距離は、もう10cmくらいでしょうか。




633 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 02:00:06.20 ID:SBzO9ltG0

言葉が途切れると雰囲気はMAXになりますよ。
周りもそうですから……しつこいって(笑)




634 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 02:01:00.08 ID:SBzO9ltG0


そして少しづつ列が動いて薄暗い建物に入ると……遂にやっ
てしまいました。これぞファーストキスですよ。正真正銘の。

さすがにガッツリとはいきませんが、軽くでも十分でしょう。
破壊力抜群です。

もうなんか色んなことが、どーでもよくなって、わーぃわーぃ
という感じです。表現力が乏しくバカっぽいですけど、これ
が正直な感想です。




635 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 02:02:14.00 ID:SBzO9ltG0

テーマパークのアトラクションなんて、なーんも覚えてません。
その後も長い列に並ぶ度にボクの頭の中は「キスだ、キスだ」
しかないわけですからね。

実際その日は、調子に乗って何回キスしたか分からないくら
いしましたよ。




636 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 02:03:03.55 ID:3fxo9X5D0
チンコもげたW



639 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 02:04:07.06 ID:SBzO9ltG0

>>636
生やしてください。

637 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 02:03:05.85 ID:SBzO9ltG0


テーマパークを後にして、ボクは非常に満足度高く家路につ
くわけです。

でも、彼女はなぜかずっと黙ってました。
ボクの腕に顔を埋めながら……
そして家が見えてきた頃、やっと口を開くわけです。

「今日は楽しかったよ……ユーサク……でも……」

「でも、なに?」




638 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 02:03:36.22 ID:SyPZpVM60
でも?



639 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 02:04:07.06 ID:SBzO9ltG0

>>638
でも?
――

「私達って……今日のことで変わってしまうのかな……」

彼女の不安そうな顔がスゴク可愛かったことを鮮明に覚
えています。

あの表情は一生忘れることができないでしょう。脳内ア
ルバムには今でもしっかりと残っていますからね。



640 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 02:05:00.63 ID:SBzO9ltG0

「変わらないよ。ボクはボク、ミドリはミドリ
 ボクはミドリが大好き、何か変わった?」

「……そーだよね。でも私は少し変わったよ……
 ユーサクのことが、もっと好きになった!」

というが早いか、ボクの首に両手を絡めて本日最後のキス……
ちょっと、いや、かなり激しい。




641 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 02:05:57.98 ID:SBzO9ltG0

途中で何度も息継ぎが必要なくらい長かったです。

ボクは、なんだか燃え上がってしまって、力任せにギューっ
と抱きしめてしまいました。

「んもっ……ぃたぃ……」




642 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 02:07:01.53 ID:SBzO9ltG0

そう言われてハッと我に返り、力を緩めたくらいです。
ミドリは力の抜けたボクの腕からスルリと抜け出して走って
いきます。

「ユーサク、今日はありがとう! それから……大好きっ!!」

と大きく手を振ると玄関の中に消えていきました。

その姿を見つめながら、なんとも言えない幸福感でいっぱい
なボクでした。




643 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 02:08:06.93 ID:MEMN9R7uO
ミドリかわええ



644 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 02:09:01.47 ID:SBzO9ltG0

>>643
かわいいでしょ。
――

これでボクとミドリが、めでたく一人前のカップルになっ
た次第です。

次は、現在に繋がる最終章となります。エピローグみた
いなもんです。



645 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 02:10:00.94 ID:SBzO9ltG0

―― 最終章 エピローグ ――

クリスマスイベントから3ヶ月後。
彼女のお義姉さんの結婚式の前週のこと。
ボクは彼女の両親宅に居ました。お義姉さんに呼ばれたんです。




646 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 02:10:45.21 ID:f3MOVVtg0
何事もなく終わってくれ・・・



647 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 02:11:30.90 ID:SBzO9ltG0

>>646
……
――

その時初めて、ボクはミドリの両親に挨拶しました。
お父さんも、お義母さんも喜んでくれて大歓迎モードでした。
たぶん、色々あったことを聞いているんだと思います。



648 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 02:12:04.55 ID:SBzO9ltG0

普通に食事をして、普通にくつろいでいたところ……

お義姉さんの核弾頭並みに破壊力のある発言で、
ある意味でのボクの人生が決定されることになります。




649 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 02:12:46.04 ID:ZBRoNO9c0
待ちきれずに何度もリロードするよ
面白いから>>1から1時間かけて全部読んできたわ



650 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 02:13:19.82 ID:SBzO9ltG0

>>649
ありがとうございます。もうすぐゴールです。
――

「今日は、山下さんにお願いがあります」

なんだか悪戯っぽい目が、非常に気になるというか怖い
わけですが彼女はさらに続けます。



651 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 02:14:11.51 ID:SBzO9ltG0

「私が結婚してあの家を出た後
 妹と一緒に住んであげて欲しいんです」

これにはさすがに驚きましたね。まだ高校生なのに同棲ですか?!
というか、ミドリとは……
いや、まだそういう関係には進めていないわけですし……




652 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 02:15:03.31 ID:SBzO9ltG0

ボクは期待と妄想に胸を膨らませながら、
必死で気の利いた言葉を探します。
あまりに直球なことは言えませんからね。

「えっ?! 一緒に住む? へっ?」




653 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 02:15:32.90 ID:3fxo9X5D0
チンコ飛んでったw



654 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 02:16:00.97 ID:SBzO9ltG0

>>653
貼り付けましょう。
――

「ちょっとお姉ちゃんっ!何言ってるのっ!」

ミドリは顔を真っ赤にして両手をバタバタさせながら、
あたふたと暴れてます。

「妹は友達も少ないし、何かあるとスグに荒れるし(笑)」



656 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 02:16:55.55 ID:SBzO9ltG0


お義姉さんの主張では、ミドリは常に誰かが傍で支えていな
いと真っ直ぐに育たないとのこと。

今までは自分がその役目だったけど、そろそろ交代の時期だ
ろうとも。




658 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 02:18:01.41 ID:SBzO9ltG0

>>656
席順のおかげだと思ってます(笑)
――

「本当は、父さん達と一緒に住めればいいんだけどな……」

お父さんは、お義母さんをチラリと見ながら呟くように
言いました。家族のことは分からないけど、それが叶う
なら彼女もお義姉さんも最初から苦労はなかったんでしょう。





657 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 02:17:58.91 ID:jWBEjWT60
ユーサク君の家でいっしょにくらすのね



659 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 02:19:11.92 ID:SBzO9ltG0

>>657
さてさて?
――

ボクの頭の中は複雑でした。
嬉しいんですが、なんというかまだ心の準備が
できていない感じです。あまりに急でしたからね。
正直言うと、まだそこまで考えていなかったんですよ。
同棲なんてね。



660 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 02:20:31.93 ID:SBzO9ltG0

>>658は655への返信でした。
アンカー間違いすいません。
――

でも、いつも自分がヘタレで、根性がないせいで失
敗ばかりしてましたから今回は覚悟を決めました。
珍しく即決即断です。英断でもあります。
いや、覚悟はあのファミレスで、既に決まっていたようにも思います。




661 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 02:20:34.08 ID:SyPZpVM60
てか何時に終わる?
急かすつもりはないが眠い
だが見届けたい



662 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 02:21:40.06 ID:SBzO9ltG0

>>661
もう少しかな。
――

ボっ、ボっ、ボクは彼女と結婚しますっ! 
だから一緒に住みますっ!」

ボクの決意表明に一同「おぉ〜」となり、
ミドリは大粒の涙をポロポロと
流しながら完全に固まってます。

数秒間動かなかったと思うと、突然号泣しながらボクの
胸に飛び込んできました。

「ユーサク……ありがとう……大好き……」



664 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 02:22:39.30 ID:1nC65MwS0
ヒュー



669 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 02:24:19.26 ID:SBzO9ltG0

>>664
どうもです。

663 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 02:22:14.83 ID:Kvkj67Eu0
おぉ〜



665 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 02:22:45.74 ID:SBzO9ltG0

>>663
おぉ〜
――

結論としては、お姉さんとミドリが住んでいた家では
一緒には住まなかったんです。
せっかく決断したんですがね。





666 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 02:22:49.37 ID:UtCtA0Jq0
男やな



667 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 02:23:22.70 ID:5WBtBS9M0
いい男…



669 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 02:24:19.26 ID:SBzO9ltG0

>>667、668
恐縮です。
――

ウチの両親が反対したんですよ。
二人で生活するのは、さすがにまだ早いって。

大学はどうするんだと。それに高校生で、
子どもができたらどうするんだと。

一緒に生活すれば、できちゃうでしょうね。
若いですから。確実に。すいません。



670 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 02:25:05.55 ID:SBzO9ltG0


その代わりに、ボクの家で一緒に住みましょうということに
なったんです。

「高校生で下宿して、生活している子だって普通にいるから」

これがウチの両親の意見でした。正論です。




671 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 02:25:49.74 ID:SBzO9ltG0

加えてボクの母の言葉

「あんたが選んだ子なんでしょ? 
 だったら悪い子なわけがない。
 一緒に住めばいいじゃない」

この一言で決まりでした。




672 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 02:26:21.05 ID:SBzO9ltG0


引越しするにあたっての“大人の事情”は、お互いの両親で
話し合ってくれました。金銭面とかあったんでしょうね。詳
しくは知りませんけど。
そして、彼女とはボクの家で一緒に生活することになったん
です。




673 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 02:26:56.49 ID:jWBEjWT60
両親の監視下じゃあ
やる気起きんわなww



676 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 02:27:40.38 ID:SBzO9ltG0

>>673
です。

674 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 02:27:00.44 ID:ekQHWCkG0
母かっこいいな…さすが1の母



676 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 02:27:40.38 ID:SBzO9ltG0

>>674
男前です。
――

でも、皆さんが想像するような甘いイチャイチャは、な
かったですよ。少なくとも家の中ではね。ボクの母との
約束があったからなんです。

それは『普通の兄妹がしないことは、この家の中ではし
ない』でした。絶妙な言い回しですよね。

虹ヲタが聞いたら、それだけでオカズになりそうです。



675 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 02:27:04.10 ID:UtCtA0Jq0
お母さんいい人!このことだったのね



677 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 02:28:35.53 ID:SBzO9ltG0

>>675
まだありますよ。
――

約束を破ったら、二人とも追い出すと宣言されていまし
たから。ボクの母はミドリを本当の娘として育てるから、
大学に行きたいなら学費はなんとかするし、そのために
塾が必要なら、それも何とかするとまで言ってくれまし
た。なんかスゴく嬉しかったです。



678 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 02:29:15.26 ID:SBzO9ltG0

母がこんなに懐が深いとか思わなかったですから。
そこまで言ってくれる母を二人は裏切ることができませんで
した。

とか言いつつ、実はボクは何度かチャレンジはしたんですよ(笑)
すいません。健康な男子高校生ですから。




679 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 02:30:00.56 ID:SBzO9ltG0


でも、ミドリにガツンと怒られてシュンとなったり「ここじゃ
ダメっ」と色っぽい声で言われたりで、かわされ続けました。

まあ、この家の中でさえなければ彼女も積極的だったりする
わけですが……




680 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 02:30:43.61 ID:SBzO9ltG0


結局、ミドリは大学にも塾にも行かず、専門学校から看護士
へと進みました。

そして就職を機に、ボクの家から出ていくことになります。
彼女としては、一日も早く独立したかったのかもしれません。
引越しの日は、なんか悲しくてね。泣いちゃいましたよ。
情けないですけど。




681 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 02:30:52.67 ID:3fxo9X5D0
母ちゃんわかってるな、S過ぎるw



682 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 02:32:13.25 ID:SBzO9ltG0

>>681
怖いくらいですよね。
――

それから……

何年か遅れて、ボクも就職を機に実家を出ることになります。
実家からでも通勤できたんですけど……

だって、彼女と二人で生活したいじゃないですか。



683 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 02:33:27.72 ID:SBzO9ltG0

彼女というのは、もちろんミドリです。

そうそう、虹ヲタとメカ夫とは、
今でもちょくちょく飲んでますよ。
結婚式にも出席してくれましたし。
奴らはまだ独身です。結構モテるクセに(笑)




684 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 02:33:43.67 ID:3fxo9X5D0
で、今日結婚式か



688 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 02:36:27.48 ID:SBzO9ltG0

>>684
結婚式は、身内だけで簡単にしました。
披露宴とかしてません。


685 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 02:33:46.01 ID:SBzO9ltG0

さて、ボク達にはもうすぐ子供が生まれるんですよ。
彼女は実家です。
だからボクは今、部屋で独りなんですよ。

で、どっちの実家かって? 
もちろんボクの母のところです。

―― 完 ――




686 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 02:34:15.89 ID:/L/xIIcEO
結局二人はセックスしたの??

初めて同士??



688 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 02:36:27.48 ID:SBzO9ltG0

>>686、687
そりゃ子供ができたわけですからね(笑)
その辺りの描写は、しないでおきました。すいません。



687 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 02:35:41.43 ID:/L/xIIcEO
と、思ったらそういう話か(笑)



689 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 02:36:33.45 ID:Kvkj67Eu0
お疲れ様!
ハッピーエンド迎えられて嬉しいよ
幸せになってくれぃ



699 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 02:40:28.27 ID:SBzO9ltG0

>>689、690、691、692、694、695、696、697、698
ありがとうございます。

では、みなさん、お付き合いいただきまして
ありがとうございました。

ちなみに、コテハンは「バース=誕生」をかけてました。
くだらなかったですね。すいません。





690 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 02:37:01.53 ID:ekQHWCkG0
パンツ破った


幸せな家庭を築けよ!



691 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 02:37:22.23 ID:SyPZpVM60
お疲れ!楽しかったわ!
これで心置きなく寝れるわwww
おやすみなさい



692 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 02:38:00.93 ID:/L/xIIcEO
破局するのかと思ってドキドキしてたわ、そういうオチかい(笑)



693 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 02:38:17.94 ID:5WBtBS9M0
おめでとう!
お幸せに!



694 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 02:38:56.22 ID:MEMN9R7uO
お疲れ!

ハッピーエンドで良かった!

お幸せに!



695 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 02:39:01.23 ID:oJwtEJDp0
お疲れ様&#8252;
読んでて楽しかったよ&#8252;
これからもお幸せに( ´ ω ` )ノ



696 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 02:39:19.20 ID:jWBEjWT60
おつかれちゃーん
明日はうなぎでも食べにいくか



697 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 02:39:22.24 ID:ZBRoNO9c0
最初の''部屋で一人''ってそういうことだったのか
楽しめましたお疲れ様ー
そしてありがとう



698 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 02:39:50.95 ID:oq/Hf/qX0
あー
この手の女と付き合うと束縛とか面倒で萎えるわww




うらやましすぎww
家族三人、四人って末永く爆発しやがれww



700 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 02:40:47.19 ID:c8r6nYNC0
ミドリと実の両親は絶縁したの?
お義母さんは普通じゃないよね??どんな感じなの?

お義姉さんとか、彼氏の母親に娘を預けてお父さんもどういっ
た心持ちなのか、



704 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 02:44:14.32 ID:SBzO9ltG0

>>700
一緒に生活することが苦手なだけですよ。
憎みあったり絶縁したりは、してませんので。
それ以上のことは、聞かないようにしています。


701 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 02:41:14.40 ID:mZpKzrI80
ハッピーエンドで良かったー!
楽しかったよ!
末長くお幸せに(*´∀`*)



704 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 02:44:14.32 ID:SBzO9ltG0

>>701
ありがとうございます。


702 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 02:41:39.37 ID:jWBEjWT60
くっ、
阪神・・
いやなんでもない、なんでもないぞ



704 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 02:44:14.32 ID:SBzO9ltG0

>>702、703
そっちですか(笑)



705 : 忍法帖【Lv=20,xxxPT】(1+0:8) :2012/10/07(日) 02:46:19.43 ID:IDs4SB+x0
幸せもらった!



706 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 02:46:19.83 ID:SBzO9ltG0

では、落ちます。

おやすみなさい。




708 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 02:47:11.20 ID:c8r6nYNC0
>>706
お疲れさまでした!お幸せに!!


712 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 02:50:50.36 ID:SBzO9ltG0

>>708
ありがとうございます!!


707 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 02:47:05.07 ID:52UZnwbQ0
俺お前の母ちゃんと結婚するわ



712 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 02:50:50.36 ID:SBzO9ltG0

>>707
いい奴ですよ(笑)


709 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 02:48:04.97 ID:Kvkj67Eu0
おやすみ〜
楽しませてもらいました、ありがと〜



712 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 02:50:50.36 ID:SBzO9ltG0

>>709
おやすみなさい〜


711 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 02:49:13.27 ID:3fxo9X5D0
ミドリちゃん良い子産めよな



712 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/07(日) 02:50:50.36 ID:SBzO9ltG0

>>711
ありがとうございます。
女の子なら、マジでミドリにしようかな(笑)

では、本当に最後です。
おやすみなさい。



713 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 02:51:58.39 ID:f3MOVVtg0
お疲れ。ハッピーエンドで
ホッとしたよ。



714 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 02:53:13.35 ID:lzV8fDDBP
いい話読めた〜(T_T)
>>1ありがとう!
ミドリちゃんとお子さん絶対に幸せにするんだぞ!



715 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 03:07:01.05 ID:4+P98gvW0
楽しませてもらったよ、ありがとう
なんだかこっちまで幸せだ!



716 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 03:08:05.45 ID:fc4wulA50
こんな話を聞かされちまって俺たちはパンツを脱いでは履き一喜一憂していたのに一体どうすりゃいいだよ!
もうパンツ被るわ

お幸せに



719 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 05:08:31.24 ID:eHqq1/2r0
嫁と子供を幸せにしやがれー!



720 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 06:03:27.54 ID:0xAXanZD0
おめでとう



721 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 07:44:09.15 ID:lU9yYExU0
おめでとう!本当に良かった。ハッピーエンドで嬉しい。



725 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 10:54:58.67 ID:00j2uhfqi
完走 乙!



726 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 10:59:36.69 ID:PVCnDreS0
いい話だった。。。



727 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 11:52:12.73 ID:KYUBxr2V0
おめでとう!
楽しく読ませてもらいました



728 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 13:24:41.03 ID:UtCtA0Jq0
おめでとう!ハッピーエンドでよかった。



729 :名も無き被検体774号+:2012/10/07(日) 15:45:04.71 ID:VkPfbNgN0
>>1
本当に良い話をありがとう
週末にほっこり幸せになれた(´∀`)



出典:easterEgg
リンク:http://eegg.dip.jp/text/20121008150517.html
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