夜の公園での会話 (エロくない体験談) 15556回

2013/04/26 04:48┃登録者:えっちな名無しさん┃作者:名無しの作者
俺の住んでる地区では毎年秋、町内対抗の運動会があって、
いい年したオジさんオバさんが結構真剣に走ったり飛んだりしてる。

うちの町内は特に気合いが入ってて、本番2週間前くらいになると、
大縄飛びやリレーに出場する選手が集まって練習する熱の入れよう。
もっともホントの目的は「練習後」で、オジさんたちは連れ立って飲みに行き、
オバさんたちはどこかの家の軒先でお喋りに花を咲かせたものだった。

俺も何種目かエントリーしてたんで、面倒だったが練習にお付き合い。
夕食後に近所の公園に集まったんだが、日ごろの運動不足がたたり、
最後の方で足がつってしまった。というわけで情けないが練習は途中抜け。

みんな練習してるのに1人だけ帰るのも何だし、気候も良かったんで
自販機で買った缶ビールをチビチビ飲みながら芝生に寝っ転がってたら、
何だかウトウトしてしまったんだな。芝生は立ち入り禁止だったけど。



「あー疲れたぁ。ちょっと休憩しよ」
「あ、はい」

ハッと気付いたら練習は終わってた。植え込みの後ろ側で寝てたんで、
オジさん連中は俺に気付かず飲みに行ってしまったらしい。くそっ、不覚だ。

声の主は筋向かいの高田さんの奥さんと、横町の直人君だった。
確かあの2人、男女混合二人三脚でペアを組んでたはず。
団体競技の練習が終わった後、残って二人三脚の練習をしてたようだ。

ちなみに二人三脚の組み合わせは特に決まりもないんだが、
いろんな力関係で、なぜか女子大生や若いOLさんはオジさんとペアを組む。
結果、一番足が速いはずの若い男の子はオバさんと組まされるハメになる。
これ、ものすごく資源を無駄遣いしてる気がするな。

「直人君さ、遠慮しないで、もっとくっついていいんだよ」
「すみません。なんか緊張しちゃって…」

高田さんは30代前半くらい。旦那は公務員で頭のハゲた面白いオッサンだ。
奥さんも明るく気さくな人で、新婚当時よりちょっと肉は付いたが可愛らしい感じ。
夫婦とも戦力的にはともかく、運動会には欠かせないムードメーカーだった。
視覚イメージは…う〜ん、山田まりやをソフト&主婦っぽくしたタイプかな。

「直人君って男子校だから、女の人とくっつくの慣れてないのかな?」
「いえ、まあ…そうかも…」

直人君は高1だったはず。インテリ一家で中高一貫の進学校に通ってた。
おとなしい子で、近所の子はほとんど公立中に進むから友達も少ないようだ。

両親はあまり近所付き合いがいい方じゃなかったが、直人君は義理堅いのか
頼まれたらこの種の行事にちゃんと顔を出すから、大人の評判は良かったな。
中高生になると「町内で運動会とかタルいし〜」と参加したがらない子が多いんで、
まじめに練習にも来る直人君は戦力的にも貴重だったんだろう。

「だいたい、こんなオバさん相手に緊張してどーすんのよw」
「いえ…というか、高田さんだとなんかドキドキするんです。すみません」

直人君はイケメンというか可愛いタイプだから、共学だとモテたはず。
男子校でも遊んでる子はいるが、直人君はそういうタイプじゃなさそうだしなぁ。
視覚イメージは10代の頃の小池徹平。いや実際かなり似てるんだわ。

「えーっ、アタシって、そんな怖い?」
「いえ、前から素敵な人だなって…キレイだし…あ、すみません」
「ふふーん、オバさん喜んじゃうぞw」

最近は言葉を交わすが機会ないが、直人君の口癖は「いえ」と「すみません」か。
うーん、両親とも厳しそうだしなあ。なんか可哀想になった。

「でも、アタシでそんなんだったら、可愛いギャルだと大変じゃない?」
「いえ、近所のお姉さんとかと話すときはそうでもないんですけど…」
「オバさんだと緊張するってw」
「いえ、その…高田さんだけです。こんな緊張するの」

俺はむっくり体を起こした。虫に食われたのか、体が所どころチクチクする。
高田さんと直人君は数メートル先のベンチに並んで腰掛けてた。
芝生に背を向けてたんで、俺の存在には全く気付いてないようだ。

「なんでアタシだけなんよw トラウマになるようなことしたっけ?」
「そうじゃなくて…その、なんて言うか…ずっと憧れだったし…」
「…ずっと?」
「はい…彼女とかにするんだったら…その…高田さんみたいな人がいいなって…」
「あはは、オバさんまた喜んじゃうぞw」

直人君の声は小さいが、口調ははっきりしてた。2人ともTシャツとジャージ。
直人君はヒョロリと背が高く、高田さんは小柄でむちっとした感じだ。

「でも、直人君てカッコいいし、彼女なんてすぐできるでしょ?」
「そんなこと…。高田さん以外の女の人のこととか…考えないんで…」

キャラに似合わぬ大胆発言…のはずだが、どこかオドオドしてるのが可愛い。
会話の端々に何となく緊張感が漂ってるようにも思える。

「ふーん、もしかして直人君、年上が好みとか?」
「年上というか…その…高田さんのことが…」
「も〜、そんなこと言ったらアタシまで緊張しちゃうじゃないw」
「…すみません。でも…ずっと前からなんです…」

念のため断っとくと、セリフは思い出しながら適当に書いてる。
ホントはこんなクサくて現実離れした表現じゃなく、もっと自然だったはず。
だいたいこんな中身だったが、聞いてた俺がそれほど違和感を覚えなかったし。
読んでる人には申し訳ないが、自分の文章力のなさに呆れるというか笑うしかない。

「結婚してる女の人を好きになるの、良くないよ。嬉しいけどねw」
「…そうですよね。諦めなきゃいけないですよね…」

セリフの最後に付けてる「w」で表現したかったんだが、
高田さんはなるべく冗談めかした雰囲気に持って行きたかったみたい。
にもかかわらず、というかむしろそのせいで、妙にシリアスで張りつめた空気。
なんだか覗いてる俺の方がドキドキしちまうじゃねえか。

2人の距離は少しだけ縮まったようにも見える。
気まずいって感じでもないが、モヤモヤした沈黙を破ったのは直人君だった。

「あの…高田さん、今日…すぐ帰らなきゃいけませんか?」
「えっ? う〜ん、どーせ旦那は飲んでるけど、あまり遅くなるのは…」

高田さんの声は裏返って震えてる。明らかに動揺してるのが分かった。
シチュエーションは全然違ったが、俺が直人君と同い年くらいのころ、
片想いしてたマユちゃんに告った時を思い出した。壮絶に振られたけどな。

「もう少しだけ、その…隣に座ってていいですか?」
「…ん、いいよw」

憶測だが高田さん、もっと凄いこと持ちかけられると一瞬思ったのかもしれない。
少し笑いの交じった「いいよw」に、ホッとしたような、
ほんの少しだけ肩透かしを食ったような微妙な響きを感じた。

見つからないよう少しだけ頭を高くして見ると、
高田さんと直人君の距離はさらに縮まり、ほとんどぴったり寄り添ってた。

「あっ…」
「ほらっ、これも緊張しないための練習w」

高田さんが直人君の手を握ったらしい。直人君の緊張が俺にまで伝わってくる。
やがて高田さんは直人君にもたれかかり、肩に首を預けるような姿勢になった。
そのまま15分くらい寄り添う2人。風が少しだけ涼しくなってきた。

「そろそろ…帰ろうか」
「あ、はい。すみませんでした」
「もう、なに謝ってんのよw」

高田さんが伸び上がって、直人君の頬にチュッとするのが見えた。
手をつないだまま立ち上がった2人。夜の公園を歩きながら
「運動会終わったら、2人で打ち上げする?」「えっ? あ…はいっ!」
なんて話してるのが聞こえた。

心がちょっと温かくなった。
同時に「人妻と高校生が夜の公園であんなコトやこんなコトを…」とか
期待した自分が、いかに薄汚れたクズ野郎か実感し心底反省した。

ちなみに高田さんと直人君のペアだが、練習のかいもなく(?)
本番の運動会じゃ6組中4着で予選落ちという中途半端な結果だったな。



…というのが去年の話。

その後、高田さん夫妻は結婚8年目にして待望の子宝を授かり、
お腹が大きくなった奥さんは、今年の運動会では応援に専念してた。
あまりにめでたいんで、思い出して書いてみました。

出典:投稿は2011年10月でした
リンク:無事に生まれたんでしょうね
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