【イチロー伝説】打つのではなく導く者 (エロくない体験談) 10723回

2013/06/04 17:20┃登録者:えっちな名無しさん┃作者:名無しの作者
今だから言える「イチロー2年契約の真実」
スポルティーバ - 2013年06月04日 13:00

メジャー13年目のシーズンを迎えたイチロー。photo by Getty Images 

 華やかしい記録を保持するイチローにとって、昨年の冬はこれまでとはひと味違った偉業を成すことになった。それが、契約終了時に40歳を超える野手への複数年契約というものだ。 

 最近10年間、契約終了時に40歳を過ぎ、複数年契約を交わした野手で思い出されるのはふたり。ゴールドグラブ賞の常連だったオマー・ビスケルと、まったく年齢を感じさせないプレイで魅了したフリオ・フランコだ。 

 2004年のオフ、サンフランシスコ・ジャイアンツは37歳のビスケルと3年契約を交わし、2005年にはニューヨーク・メッツが47歳のフランコと2年契約を結んだ。最終的にビスケルは45歳まで、フランコは49歳まで現役を続けた。 

 そしてイチローも、昨年末にヤンキースと2年契約したことにより、輝かしい実績を残した彼らの仲間入りを果たした。 

 昨年の夏、ヤンキースはシアトル・マリナーズのイチローをトレードで獲得した。 

 シーズン終了後、イチローは野球人生で初めてフリーエージェントになった。ヤンキースがイチローを引き留めたいと思っていても、彼の獲得を熱望する他球団との争いは避けて通れなかった。フィラデルフィア・フィリーズがイチローに2年契約を持ちかけた時、おそらくヤンキースは同等の契約を提示しなければ再契約するのは難しいと考えたに違いない。 

 フィリーズのフロントには、ジェネラル・マネージャー(GM)を補佐するシニア・アドバイザーという職にパット・ギリックが就いている。彼はGMとして3度のワールドシリーズ制覇(92、93年ブルージェイズ、08年フィリーズ)を成し遂げ、2010年に殿堂入りを果たした。 

 また、1999年にシアトル・マリナーズのGMに就任したギリックは、2000年11月にメジャー初の日本人野手となるイチローを獲得したことで脚光を浴びた。当初、イチロー獲得は大きな賭けと思われていたが、2003年にギリックがマリナーズを去る頃には、「イチローとの契約は賢い選択だった」と球界に高く評価されることになった。 

 その歴史に残る決断から12年経った昨年のオフ、フィリーズのGM補佐となったギリックはイチローの技術に魅了され、契約終了時に40歳を過ぎる野手には稀(まれ)な複数年契約を結ぶように強烈に後押しした。 

「私たちは彼のことを、ずば抜けた才能を持ち、並外れた選手であるという目で常に見てきた」とギリックは複数年を後押しした理由を説明し、そしてこう続けた。 

「私は、年齢というものは数字だけで表せるものではないと思っています。現在、イチローは39歳。ある選手にとっては、その年齢はキャリア終盤かもしれません。しかしながら、彼の野球に対する理論、体の状態、そして試合の運び方は、35歳以下だと私たちは見ているのです。我々が所属するナショナル・リーグは指名打者がないので、守備もできる野手というのが非常に大切になってきます。まだまだイチローは、打球を追うことに優れているだけでなく、肩も武器だし、そうしたことを踏まえると、ナショナル・リーグではとても価値があります。我々の望んでいる守備力の高いチーム作りに、2年間十分に貢献してくれると思いましたし、その先のことも考えていました。イチローとはシアトル時代からの仲なので、彼がどのように戦い抜くか熟知しているつもりですし、彼の能力はこのチームに莫大な利益をもたらしてくれると思いました」 

 俊足だったイチローの足が衰えたんじゃないかというネガティブな声もあったが、ギリックがイチローを獲得したいと思う気持ちを変えることはなかった。 

「まったく関係ない。誰でも歳をとればスピードは落ちるものです。重要なのは、そのことが彼の打撃に影響するかどうかなのです。私の答えは『ノー』です。確かに、内野安打は減ってしまうし、その分、打率は下がるかもしれません。でも、彼のバットにボールを当てるという能力に影響するわけではないのです。彼の打ち方そのものが、足のスピードとは関係のない構造なのです」 

 ギリックによると、イチローのユニークな打法は、その他にも利点があるという。多くの打者は歳をとるにつれて足腰が弱くなってくるため、打撃に致命的な衰えが見えてくるケースが多々ある。だがイチローの打法は、そこまで下半身に頼った打ち方ではないため、他の打者とは違いそれほど影響は受けないとギリックは考えている。 

 この考えを説明するのに、ギリックはちょっと変わった比較をした。彼は、トロント・ブルージェイズのGMを1978年から17年間務める間、アイスホッケーの虜(とりこ)になっていった。ちょうどその頃、アイスホッケー史上最高の選手と称されていたウェイン・グレツキーの全盛期で、エドモントン・オイラーズとロサンゼルス・キングスで活躍していた時期だった。 

 グレツキーは8シーズン連続50ゴールを獲得するなど、合計で9シーズン50ゴールを達成した。1980−81年シーズンにはリーグ記録となる92ゴールを獲得。歴代最多となるゴール数、アシスト数、ポイント数を記録し、1999年にキャリアを締めくくった。 

「こんなことを言うのもおかしな話なんですけど......」と言い、ギリックは語り始めた。 

「もちろん、失礼な意味で取らないでほしいんですけど、イチローは打っていないと思うんです。彼はボールを導いているのだと思います。イチローは、グレツキーがアイスホッケーのパックを導くかのようにボールを打ちます。グレツキーは動きの速い選手であったわけでも、身体能力がいちばん優れていたわけでも決してなかったと思います。ただ、リンクの上でどこにパックがあるのかということがわかっており、打つのではなくパックをゴールに導いていたのです。彼は今まで見たこともないような、華麗で優雅な選手でした。感心してしまうのは、彼が強く打ち過ぎたところを一度も見たことがありません。彼のパックへの感触は完璧で美しかった。それがイチローとまったくダブるのです。私が思うに、イチローはどこにでもボールを導くことができます。もしそれが意識しているものでなければ、それは常に繰り返し行なわれていた練習の賜物(たまもの)だと思います」 

 そうしてギリックは、イチローのメジャー3000本安打の可能性についても語り始めた。 

 6月2日現在、デレク・ジーターやアレックス・ロドリゲスが戦列を離れているため、イチローは今シーズン試合に出場している選手の中で最多の通算2652安打を放っていることになる。それでも、早くてもヤンキースとの契約終了後の2015年シーズンにならなければ達成は難しいだろう。でもギリックは、これまで28人しか達成していない3000本安打をイチローは達成すると思っている。 

「達成するでしょう、絶対に。彼が、3000本を打たないわけがない。イチローの3000本安打達成に関して疑問な点は、なぜヤンキースはその2年の契約終了後のオプションを付けなかったのかということです。例えばの話をしましょう。もし2年後、彼が2900本以上打っていたとします。3000本安打をニューヨークで迎えられたら、彼にとってどんなに素晴らしいことか。この契約が2年プラス、オプション付きのものでなかったことに驚きました」 

 イチローが複数年契約をしたこと自体珍しいが、この世代で最も優秀なGMのひとりである彼にとっては、もっと稀な出来事だった。つまり、実に50年近くフロント経験のあるギリックが、契約終了時に40歳を超える野手に複数年契約を持ちかけたことは、イチロー以外では記憶にないと言う。 

ブラッド・レフトン●文 text by Brad Lefton 


出典:イチロー物語はまだまだ中盤なのかもしれません
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