3 :VIPがお送りします[sage]投稿日:2013/06/01(土) 21:08:02.18 ID:t2KTt/y80[2/37 ] クロトワ「さすが王族専用の重コルベット、端に至るまで豪華なことで」 クシャナ「なんだ、居ないと思えば艦内を見て回っていたのか」 クロトワ「あ、ハイ殿下。 広いだけでなく立派な風呂まであるたァ驚きましたね」 クシャナ「貴重な水をそこにまで回す余裕は無いがな」 クロトワ「そりゃ残念」 4 :VIPがお送りします[sage]投稿日:2013/06/01(土) 21:11:38.44 ID:t2KTt/y80[3/37 ] クシャナ「……お前のような男の目が 子供のように輝く日が来ようとはな」 クロトワ「滅多に乗れるもんじゃありませんからね。 今のうちに堪能しておこうと思いまして」 クシャナ「ふん、王族にして重コルベットも持たぬ私に対する皮肉か?」 クロトワ「いえ滅相も! 現にこうやって乗っているわけですから」 クシャナ「この艦とて本来父を迎えに来たものだ。 私のものではない」 クロトワ「しかし父君は殿下に王位を譲ると遺言を。 もはやこれも、殿下の所有にあると言っても過言じゃあありませんぜ」 クシャナ「……まぁよい」 5 :VIPがお送りします[sage]投稿日:2013/06/01(土) 21:14:58.59 ID:t2KTt/y80[4/37 ] 「交替の時間だ、操縦替われ」 「ああ、助かる」 クシャナ「……クロトワ、お前も休んだらどうだ」 クロトワ「へっ?」 クシャナ「私の軍目付として配属された時より随分と老け込んだように見える。 他の兵と同様疲れているだろう、無理せずに休め」 クロトワ「お気遣い感謝しますが、殿下の前で休むなど。 それにオレはもう充分休んだんでね、殿下の付きっ切りの看病の下で」 クシャナ「いやあれは」 クロトワ「むしろ殿下に休んでもらいたいってのが隊員の総意です」 6 :VIPがお送りします[sage]投稿日:2013/06/01(土) 21:18:33.42 ID:t2KTt/y80[5/37 ] クシャナ「私には兵を本国まで送り届ける責任がある。 それまで指揮をとらねばならん、休むことは許されない」 クロトワ「あとは真っ直ぐ帰るだけ、大した指揮は要りゃしませんぜ」 クシャナ「……」 クロトワ「何より。 国民の前に立つ人間が疲れた顔をしていて、 そのような人物に皆が賛同してくれるとでもお思いでしょうかね」 クロトワ「更に言うなれば――」 クシャナ「もうよい」 8 :VIPがお送りします[sage]投稿日:2013/06/01(土) 21:22:49.77 ID:t2KTt/y80[6/37 ] クシャナ「半時だけ仮眠をとる。 これでいいか」 クロトワ「ええ、俺らもそれで一安心です」 クシャナ「ふん……時間になったら起こせ」 クロトワ「ハッ」 ツカツカツカ クロトワ「……俺に休め、ねぇ。 丸くなっちゃってまぁ」 10 :VIPがお送りします[sage]投稿日:2013/06/01(土) 21:25:36.48 ID:t2KTt/y80[7/37 ] ―――― ―― ― クロトワ「クロトワです。 殿下、お時間になりましたぜ」 コンコン クロトワ「……殿下ー?」 コンコン クロトワ「……失礼します」 ガチャ クシャナ「スー…スー…」 クロトワ(起きねぇでやんの。 まぁ仕方ないっちゃ仕方ないが) クロトワ「……かわいい顔しやがって。 起こせねーっての」 12 :VIPがお送りします[sage]投稿日:2013/06/01(土) 21:28:43.21 ID:t2KTt/y80[8/37 ] 「おや 参謀殿、殿下をお呼びしに行ったのでは?」 クロトワ「まだぐっすり眠っとられる。 何か用でもあったか?」 「いえそうではなく。 ありがとうございます、参謀殿がああ仰っていなければ、 おそらくクシャナ殿下は不眠不休で本国に降り立つことになっていたでしょう」 「ご自分もお辛いでしょうに、我ら末端ばかり気に掛けて下さりました。 今お目覚めにならないと聞き安心しています。 ゆっくりと休んでいただきたいものです」 クロトワ「本人は望んでないだろうが、このまま朝まで寝てもらうとするかね」 クロトワ「はーぁ……まーた俺、叱られるんだろうなぁ」 「ハハハ! その時は我らも共に頭を下げましょう」 14 :VIPがお送りします[sage]投稿日:2013/06/01(土) 21:32:31.62 ID:t2KTt/y80[9/37 ] ――――― ――― ―― クシャナ(――……) クシャナ(……しまった深く眠りすぎた、……!?) ハッ クシャナ「クロトワ!!」 クロトワ「はっ殿下、お呼びd」 クシャナ「外が明るくなっている、一体どういうことだ」 クロトワ「そりゃ朝なんで。 おはようございま」 クシャナ「……」 チャキ クロトワ「ヘ、ヘヘ、その物騒なモン仕舞ってくれませんかね」 16 :VIPがお送りします[sage]投稿日:2013/06/01(土) 21:35:29.23 ID:t2KTt/y80[10/37 ] クシャナ「私の言いたいことは分かるな」 クロトワ「ええ。 何故定刻通り起こさなかったか、でしょう?」 クロトワ「一応弁解しておきますと、一度は起こしに来てるんですぜ? けど疲れが溜まっているのか起きなかった。 だからそのまま、という訳です」 クシャナ「万が一、私が眠っている間に襲撃があったらどうする。 私を起こす一瞬の間に事態が悪化する可能性については考えなかったのか」 クロトワ「考えに至った結果がこれです。 起こす必要性を見出せませんでしたので」 クシャナ「なんだと」 17 :VIPがお送りします[sage]投稿日:2013/06/01(土) 21:38:16.51 ID:t2KTt/y80[11/37 ] クロトワ「仮に襲撃があったとしても、陀輪については俺の専門。 指揮も操縦も俺がするんで、その間に殿下を起こしに行かせても充分間に合うでしょう」 クロトワ「それに先程申したように、殿下は国民の前に立つお方。 艦の操縦は誰にでもできますが、人を纏めるなんてこたぁ殿下にしかできません」 クロトワ「都に着いたら忙しくなるのは目に見えて分かってるんですから 休める時に休んでおかねぇと、あっという間に身体へばっちまいますぜ」 クロトワ「それで一番困るのは、殿下ご自身じゃあないんですかねぇ?」 クシャナ「……」 20 :VIPがお送りします[sage]投稿日:2013/06/01(土) 21:41:31.93 ID:t2KTt/y80[12/37 ] クロトワ「ま、言い訳垂れたところで殿下の命令を無視したことにゃ変わりないんですが」 クシャナ「分かっているのなら当然、咎めを受ける覚悟もあるのだな」 クロトワ「ええ もちろん。 何なりとお申し付けください」 クシャナ「……」 クロトワ「……」 クシャナ「……チッ」 クシャナ「今回だけは放免してやる。 ……次からは許さん」 クロトワ「恐れ入ります」 クロトワ(そー言うと思った。 かわいいぜクシャナ) 21 :VIPがお送りします[sage]投稿日:2013/06/01(土) 21:45:18.42 ID:t2KTt/y80[13/37 ] クシャナ「現在地は」 クロトワ「今しがたギクデス島上空を通過しました。 順調に進めばあと半日程度で首都トラスに到着するでしょう」 クシャナ「そうか。 下がってよい」 クロトワ「ハッ」 クシャナ「ついでに休んでおけ。 数時間しかないだろうがな」 クロトワ「しかし」 クシャナ「命令だ。 今度は聞けぬとは言わせん」 クロトワ「……は、はぁ」 ポリポリ 22 :VIPがお送りします[sage]投稿日:2013/06/01(土) 21:49:08.55 ID:t2KTt/y80[14/37 ] クロトワ(昨日の仕返しってわけかね) クロトワ(つってもなぁ、あと数時間じゃ ゆっくり眠れもしねえ) 道化「ヒヒヒ」 チリーン クロトワ「おまけにコイツはうるせーし」 道化「ヒヒ うるさいと言うヤツが一番うるさい」 24 :VIPがお送りします[sage]投稿日:2013/06/01(土) 21:54:07.41 ID:t2KTt/y80[15/37 ] ――――― ――― ―― クロトワ「殿下。 そろそろ」 クシャナ「ああ」 クロトワ「総員に告ぐ。 これより本艦は着陸態勢に入る。 その前に、クシャナ殿下より有難いお言葉を頂戴する、心して聞け」 クシャナ「……待ち焦がれた故郷もすぐそことなった。 皆ご苦労だった」 クシャナ「大切な仲間や友人が犬死したのは私に責がある。 そのように多くの者が死んでいく中 生き残ってくれたお前たちには感謝している」 クシャナ「しかしまだ序章に過ぎない。 トルメキア再建に向けこれからも忙しい日々は続くだろう」 クシャナ「だからこそ、今日は……よく食べよく飲み、騒ぎ、ゆっくりと休め」 クシャナ「以上だ」 25 :VIPがお送りします[sage]投稿日:2013/06/01(土) 21:58:58.92 ID:t2KTt/y80[16/37 ] ウオォォーン…… ズガガガガッ ズズズズ…… ズゥン…… 「機体停止しました! ハッチ開けます」 ウイー… 「敷物 急げ!」 バタバタ クロトワ「お前たちは殿下の両側を歩け。 鎧でお守りしろ」 「ハッ」 クロトワ「さ、殿下。 演台へ」 クシャナ「ああ」 27 :VIPがお送りします[]投稿日:2013/06/01(土) 22:03:10.93 ID:t2KTt/y80[17/37 ] クシャナ「……」 クシャナ「……今、戻った」 クシャナ「長きに亘る土鬼との争いもついに終戦を迎えた」 クシャナ「多くの戦友は死に、兄達は行方をくらませ――父王陛下は、お隠れになった」 クシャナ「その今際の際、陛下は私に王位を譲ると仰った」 クロトワ「この者が証人だ」 道化「ハイ確かに! ワシはこの目でしかと見ましたぞ、 毒蛇の牙が砕ける瞬間を、そして新たな王が誕生する瞬間を!」 チリリン 道化「あな恐ろしや、毒蛇の呪いを継いだるは女! 都の砂埃は深まるばかり、いつの間にやら破滅の道を歩んでいたとさ!」 チリーン クロトワ「余計なことはいいんだよ、引っ込め」 30 :VIPがお送りします[]投稿日:2013/06/01(土) 22:11:41.59 ID:t2KTt/y80[18/37 ] 「……クシャナ陛下」 「クシャナ陛下の誕生だ!」 「クシャナ女王陛下万歳!!」 バンザーイ! バンザーイ! ワーワー クシャナ「……だが一つ、言っておかねばならぬことがある」 クシャナ「私は――王位を継がぬ」 「なんだと」 「いったいどういうことだ!」 「だったら誰が王になるってんだ!」 ザワザワ…… クシャナ「……」 クシャナ「……ある、少女に出会った」 32 :VIPがお送りします[sage]投稿日:2013/06/01(土) 22:17:48.50 ID:t2KTt/y80[19/37 ] ――――― ――― ―― クロトワ「殿……陛下! 気は確かですか、あんな事を民の前で堂々と発表して! 正式な王にはならないどころか、土鬼と協定を結んで復興支援するなどと!」 クシャナ「遅かれ早かれ、いずれは発表していたことだ」 クロトワ「だからって……王族や貴族の連中が黙っていませんよ! あんな――」 クシャナ「……」 クロトワ「!」 ドキッ クロトワ(……ナウシカと同じような目をしやがる) クロトワ「ったく……」 34 :VIPがお送りします[]投稿日:2013/06/01(土) 22:25:29.23 ID:t2KTt/y80[20/37 ] クシャナ「……城に行く前に……寄りたい場所がある」 クロトワ「?」 クシャナ「お前はここで待っていろ」 クロトワ「ハッ」 クロトワ(ここは……離宮?) 36 :VIPがお送りします[sage]投稿日:2013/06/01(土) 22:31:04.27 ID:t2KTt/y80[21/37 ] クシャナ「母上に会いに来た。 一人でよい、下がれ」 「クシャナ様……し しかし、お待ちを――」 ギィィ クシャナ「……?」 クシャナ「……どういうことだ、母上はどこに……」 「王妃様は……お亡くなりになりました」 クシャナ「……なんだと」 38 :VIPがお送りします[]投稿日:2013/06/01(土) 22:36:39.89 ID:t2KTt/y80[22/37 ] 「つい先日のことです。 いつものように私が朝食をお持ちしたところ…… 王妃様は首に布を強く巻きつけており――すでに、冷たくなっておりました」 「足元には人形があり、ずっと胸に抱いていたものと思われます。 王妃様は最後まで、あなた様を、クシャナ様を……愛しておられました」 クシャナ「……」 「王妃様はこちらに眠っておいでです」 クシャナ「わかった。 下がってよい」 クシャナ「……」 クシャナ「母上」 クシャナ「……ただいま、戻ってまいりました」 39 :VIPがお送りします[]投稿日:2013/06/01(土) 22:43:03.02 ID:t2KTt/y80[23/37 ] クロトワ(お偉方の家庭事情は知らねえが……) クロトワ(普段 冷静なクシャナが、侮辱されただけで逆上しちまうほどだ) クロトワ(それが死んだとなりゃ、胸中穏やかじゃあないだろうな……) クシャナ「城に戻るぞ」 クロトワ「は……へ? もうよろしいので?」 クシャナ「時間が圧しているのだろう」 クロトワ「イエその……」 クシャナ「……」 クロトワ「……ハッ」 40 :VIPがお送りします[]投稿日:2013/06/01(土) 22:48:31.33 ID:t2KTt/y80[24/37 ] 「陛下、晩餐会の御仕度をいたしますので、こちらに」 クシャナ「ああ。 クロトワ、ご苦労だった。 雑務が終わり次第お前も帰ってよい」 クロトワ「ハッ」 クロトワ「……陛下、お気を付け下さい。 飲み物や食べ物は特に……」 クシャナ「フン、この大舞台で騒ぎを起こそうなどという者もいるまい。 王族や大臣だけならば話は別だが、今日は各領主や貴族も集まっている」 クロトワ「そうですがまぁ、万が一というのがありますからね」 クロトワ「では陛下。 ごゆるりと」 クロトワ「……大丈夫かねぇ……色々と」 42 :VIPがお送りします[]投稿日:2013/06/01(土) 22:55:16.16 ID:t2KTt/y80[25/37 ] ――――― ――― ―― 「小娘が……偉そうに玉座に座りおって」 「土鬼の支援だと? 馬鹿げたことを。 あのような蛮国など放っておいて潰してしまえばよいのだ」 「しかも王は要らぬと言いながら、代王を名乗るなど調子の良いことを抜かしおる」 「ヴ王や兄達を心底恨んでいた。 都合の良いことを述べて、本当はあ奴自身が殺したのではないか?」 「ふん、あり得ぬ話でもなかろうな。 魔女の考えそうなことだ」 「いやそれよりも――」 ―― ――― ――――― 43 :VIPがお送りします[]投稿日:2013/06/01(土) 22:59:21.40 ID:t2KTt/y80[26/37 ] コンコン クロトワ「失礼します……っても誰も居ねぇか」 ガチャ クロトワ(とりあえず書類の束はここに置いて、と) クロトワ(ま、今日できる仕事は ざっとこんなもんか) パラパラ クロトワ(……どうせクシャナもしばらくは戻ららねぇだろうし、少し居座るかね) クロトワ「はー……艦もデカけりゃ部屋もデカいのな、王ってのぁ……」 クロトワ「おまけにこの椅子、何時間座っても尻が痛くならなさそうだぜ」 ボフッ クロトワ「これに座って指示を出すのはさぞ気持ちいいんだろうな。 ……クク、悪い気はしねぇな、王の椅子」 44 :VIPがお送りします[]投稿日:2013/06/01(土) 22:59:58.14 ID:t2KTt/y80[27/37 ] ガチャ クロトワ「!!」 ガタタッ クシャナ「……クロトワか。 何の用だ」 クロトワ「で、殿……陛下、その、明日の会議の要項など書類をお持ちしまして」 クシャナ「そうか、ご苦労」 クロトワ「……晩餐会の真っ最中じゃあないんで? 今日の主役でしょう」 クシャナ「私がおらずとも貴族達は勝手に盛り上がっている。 久々の祝典だから尚更な」 クシャナ「それに……私がいない方が盛り上がる話、というのもあるだろう」 クロトワ「は、はぁ」 45 :VIPがお送りします[]投稿日:2013/06/01(土) 23:04:40.08 ID:t2KTt/y80[28/37 ] クロトワ(びっくりするぜまったく、いきなり来やがるんだもんな) クロトワ(しっかし、今夜のクシャナは……) チラ クシャナ「……なんだ」 クロトワ「あ、いえ。 ドレスがお似合いだな、と」 クシャナ「世辞はよい」 クロトワ「滅相も。 大変麗しゅうございます陛下」 クシャナ「……不思議なものだな。 鉄の帷子でできた鎧よりもこちらのほうが窮屈で重く感じる」 クロトワ「慣れ、でしょうな。これからは鎧を着る機会も減っていくことでしょう」 クシャナ「だと良いがな」 47 :VIPがお送りします[]投稿日:2013/06/01(土) 23:10:53.04 ID:t2KTt/y80[29/37 ] クシャナ「フー……」 ストン クロトワ「流石の陛下もお疲れでしょうか」 クシャナ「……」 クロトワ「……陛下?」 クシャナ「……クロトワ。 お前はこの椅子をどう思う」 クロトワ「へ? そりゃ最高の座りごk……いえ、王に相応しい最高の逸品かと」 クシャナ「王に相応しい、か」 クロトワ「?」 49 :VIPがお送りします[]投稿日:2013/06/01(土) 23:17:12.69 ID:t2KTt/y80[30/37 ] クシャナ「確かにこれは王の椅子だ。 これに座り一言でも指示を出せば、みな その命令に従うだろう」 クシャナ「だが"私"の命ではない。 "玉座に座する者"の命だ」 クロトワ「……玉座にこそ人を動かす力があると?」 クシャナ「そうだ。 王の名を借りざるをえないのは私にその力がないからだ。 玉座にすがらなければ……誰も、私の話になど耳すら傾けぬだろう」 クシャナ「分かってはいたが、私はナウシカのようにはなれないのだと考えて、な」 クロトワ「……ナウシカは特別でしょう。 あの娘の真似をできる人間なんかいませんよ」 クロトワ「しかし、どうしたんです? 弱気になるなど、らしくありませんぜ」 クシャナ「……そうだな。 やはり少し疲れているのかもしれん」 51 :VIPがお送りします[]投稿日:2013/06/01(土) 23:22:32.91 ID:t2KTt/y80[31/37 ] クロトワ「あるいは……王妃様のことでしょうか」 クシャナ「…………なぜそう思う」 クロトワ「離宮から帰って以来 ずっと顔色が冴えないご様子で」 クシャナ「……」 クロトワ「抱え込むぐらいなら、吐き出した方がちったぁ楽になりますぜ?」 クシャナ「……私の相談相手にでもなろうというのか」 クロトワ「そりゃ一応、参謀っつー肩書きなんでね」 クシャナ「ふん、最も信用に値せぬ人間だな。 気味が悪い」 クロトワ「酷い言われようで」 54 :VIPがお送りします[]投稿日:2013/06/01(土) 23:28:08.49 ID:t2KTt/y80[32/37 ] クシャナ「……」 クシャナ「……これは、ただの独り言だ」 57 :VIPがお送りします[]投稿日:2013/06/01(土) 23:35:10.01 ID:t2KTt/y80[33/37 ] クシャナ「母上は……気高く 賢く 美しい女性だった。 だが毒によって心を狂わせられた。 ……私の身代わりとなってな」 クシャナ「見る者全てが敵にしか映らず、私すらも判別できなくなった。 以来 母上は離宮へと移され、ぬいぐるみと共に孤独に暮らしてきた」 クシャナ「そのぬいぐるみを――"クシャナ"を、わが子のように大切に育てながらな」 クシャナ「私は母上をそのような姿にした父や兄達を恨んだ。 辺境派遣の命を受けたのもその毒牙を砕くためだった。 ……だというのに」 クシャナ「みな、あっけなく死んでいった。 もう敵など居らぬというのに、母上すらも」 クシャナ「これは喪失感というのだろうな」 クシャナ「……いや、だがそれ以上に……むしろ」 59 :VIPがお送りします[]投稿日:2013/06/01(土) 23:41:35.15 ID:t2KTt/y80[34/37 ] クシャナ「むしろ私は、解放されたとすら思っているのではないか?」 クシャナ「苦しむ姿を、部屋の隅で怯える姿を、私のせいでそうなってしまったその姿を、認めたくなかった」 クシャナ「人形を我が子の様に抱く母上を、私を私と認めない母上を、私に敵意をむき出しにする母上を」 クシャナ「心のどこかで、疎ましいとさえ――」 クロトワ「陛下!」 クシャナ「!」 クロトワ「それ以上は」 クシャナ「……すまぬ。 私が母上を侮辱するなど、どうかしている……」 クロトワ「……いえ」 60 :VIPがお送りします[]投稿日:2013/06/01(土) 23:44:45.23 ID:t2KTt/y80[35/37 ] クロトワ「……出過ぎたことは言えませんので、こちらもただの独り言ですが」 クロトワ「解放されたのは、王妃様の方でしょう。 誰に穢されるわけでもなく、自らの手で苦しみから解放された」 クロトワ「聞くところによると愛娘の"クシャナ"と共に眠りに着いたとか。 ある意味、最も喜ばしいことだったのではないかと思うんですがね」 クシャナ「……」 クロトワ「きっと王妃様は、陛下に感謝していたことでしょう」 クシャナ「……安い言葉だな」 クロトワ「本当にそう思ってます?」 クシャナ「……」 61 :VIPがお送りします[]投稿日:2013/06/01(土) 23:50:29.24 ID:t2KTt/y80[36/37 ] クロトワ「おそらく色々な出来事のせいで整理がつかず 気に迷いが生じているんでしょう」 クロトワ「要は……心細いんですよ」 ぎゅっ クシャナ「っ! なにを」 クロトワ「今日の陛下は、一人にすると消えちまいそうだ。 そういう時は不思議なモンで、人肌を感じると安心するもんなんですよねぇ」 クロトワ「どうです陛下? 人の温もりというのは――」 キラッ クロトワ「……っかしいな、剣も銃も装備してないハズなのに背中に嫌〜な感触が……」 クシャナ「知らなかったのか? 蛇とは常に牙を隠しているものだ」 クロトワ「なるほどね……」 63 :VIPがお送りします[sage]投稿日:2013/06/01(土) 23:56:07.95 ID:t2KTt/y80[37/37 ] クシャナ「もう一度訊こう。 なんのつもりだ」 クロトワ「そりゃまぁ……抱きたいんですけども」 クシャナ「ふん、人の弱みにつけこんだと思えば目的はそれか。 やけに素直だな?」 クロトワ「嘘ついたって仕方ないでしょう。 男なんてみんな こんなモンでさ」 クシャナ「それで――許されるとでも思っているのか」 クロトワ「不敬罪で死刑にでもなりますかね」 クシャナ「分かっているのならさっさと離れることだ。 せっかく生き延びたというのに、こんな下らぬことで命を落とすこともあるまい」 クロトワ「はぁ、そうかもしれませんね」 クロトワ「……ですが」 ひょい クシャナ「……!」 どさ 65 :VIPがお送りします[]投稿日:2013/06/02(日) 00:00:27.59 ID:0HuLJx6W0[1/22 ] クロトワ「陛下を抱いて死ねるのなら、それもまた本望」 ギシ クシャナ「なっ……」 クロトワ「どうせ生きてたって、年金で細々と暮らすのが関の山」 クロトワ「つまらねぇ人生送るぐらいなら、最後に良い思いしてサクッと死にたいもんだ」 クシャナ「貴様……」 クロトワ「ずっと思ってたんですよ、貴女を抱きたい、と」 クロトワ「怖いですか? 土鬼の皇帝をも恐れぬ陛下が、平民相手に」 クシャナ「……っ」 クロトワ「ねえ、クシャナ陛下」 スッ ギシッ… 68 :VIPがお送りします[]投稿日:2013/06/02(日) 00:05:29.06 ID:0HuLJx6W0[2/22 ] クロトワ「……なんてね」 パッ クシャナ「っ、……」 クロトワ「失礼しました、少々冗談が過ぎましたね。 さ、お手を」 クシャナ「…………冗談を言う者の目か、それがっ」 パシッ クロトワ「ありゃ」 70 :VIPがお送りします[]投稿日:2013/06/02(日) 00:10:40.46 ID:0HuLJx6W0[3/22 ] クロトワ「許してください、とは言いませんよ」 クシャナ「当然だ。 褒美は無し、更には減給でもするか」 クロトワ「へ? ……一国の主を組み伏せた罰がその程度で?」 クシャナ「殺してやりたいのは山々だが 不殺を宣言した以上手を出す訳にはいかぬ」 クシャナ「……もっと重い罰を期待していたか」 クロトワ「期待というか……実を言うと俺ぁ 今夜で陛下の元を去る気でいたんでさ」 クシャナ「……なに?」 クロトワ「元は三皇子側についていた人間、要は裏切り者。 そんな俺が城に足を踏み入れてちゃ、お偉方はあまりいい顔をしないでしょう」 クロトワ「まだ死にたかないんでね。 もちろん陛下がどうしてもと仰るなら話は別ですが」 クシャナ「…………勝手にしろ。 貴様の顔を見ずに済んでむしろ清々する」 71 :VIPがお送りします[]投稿日:2013/06/02(日) 00:16:43.65 ID:0HuLJx6W0[4/22 ] クロトワ「陛下のお許しも得たことですし、これで安心して抜けられます」 クシャナ「夜道には気をつけることだ」 クロトワ「そりゃまた恐ろしい事を仰る。 陛下も早くお戻りください、主役がいつまでも席外してちゃマズいでしょ」 クロトワ「では……世話になりました、益々のご繁栄をお祈り申し上げます」 クシャナ「言われずとも」 クロトワ「…………死なないで下さいよ。 この国にゃあんたが必要だ」 ギィ クシャナ「ふん」 バタンッ クシャナ「……」 73 :VIPがお送りします[]投稿日:2013/06/02(日) 00:21:53.99 ID:0HuLJx6W0[5/22 ] クロトワ「で……無職、と」 クロトワ(ホントは最後ぐらいクシャナと寝たかったが……) クロトワ(本気で怯えてやがんの。 生娘かっての、やる気もなくなるぜ まったく) クロトワ(とはいえ、鎧ナシの女の抱き心地ってのは良いもんだった) クロトワ(匂いも良し、引き締まっちゃいるが出るトコ出て女らしい柔らかさもアリ……) クロトワ「……あー……駄目だな」 クロトワ(久々に女の身体に触れたからか……) クロトワ(娼館にでも行きますかね……) 「……」 75 :VIPがお送りします[]投稿日:2013/06/02(日) 00:26:59.68 ID:0HuLJx6W0[6/22 ] ドン ドンドン ワハハハ キャッキャ クロトワ(表通りはすげー人混みだ) クロトワ(夜中になっても花火が上がってお祭り騒ぎ) クロトワ(空元気に見えなくもないが……ま、閑散と腐ってるよりはマシか) クロトワ(さて、娼館は……っと) 「……」 タタッ クロトワ「おっと」 ガシッ 「……!」 クロトワ「せっかくの夜に随分と物騒なモン持ってんな?」 76 :VIPがお送りします[]投稿日:2013/06/02(日) 00:30:23.32 ID:0HuLJx6W0[7/22 ] クロトワ「俺を殺そうってかい」 「……」 クロトワ「誰に雇われたかは知らねぇが……大人しく帰れば今なら見逃してやるぜ?」 「……ヘヘッ」 クロトワ「あ? なに笑っ」 ドスッ クロトワ「って……」 「残念、一人じゃあないんだなこれが」 「ヘヘヘ……これで金は俺たちのもんだ」 クロトワ「っ……!」 ズル 79 :VIPがお送りします[]投稿日:2013/06/02(日) 00:37:13.84 ID:0HuLJx6W0[8/22 ] クロトワ「この、ヤロ……!」 パァン!! 「うぎゃ! あ、脚がっ」 「立て ずらかるぞ!」 タタタタタ… クロトワ「ハッ、ハァッ、……くそっ」 ズル、ズル クロトワ「……っとに、ツいてねぇ……」 クロトワ「……――――」 83 :VIPがお送りします[]投稿日:2013/06/02(日) 00:41:51.74 ID:0HuLJx6W0[9/22 ] カリカリカリ… クシャナ「クロトワ」 クシャナ「……いや、奴はもう出ていったのだったか」 クシャナ「……」 フゥ 「陛下!」 クシャナ「なんだ」 「クロトワ閣下が――」 クシャナ「……どうした」 84 :VIPがお送りします[]投稿日:2013/06/02(日) 00:51:03.74 ID:0HuLJx6W0[10/22 ] ――――― ――― ―― クロトワ「――……ぅ」 クシャナ「! ……目覚めたか」 クロトワ「……ぁー……ここは天国で?」 クシャナ「自分が天国に行けるとでも思っているのか」 クロトワ「ごもっとも……イテテ」 クシャナ「無理に起きるな、寝ていろ」 86 :VIPがお送りします[]投稿日:2013/06/02(日) 00:58:39.16 ID:0HuLJx6W0[11/22 ] クロトワ「……城の医務室、ですか」 クシャナ「紋章をつけたままだったせいでな。 まだ城付き扱いだ」 クロトワ「ああそういえば、返していませんでしたね……」 クシャナ「……」 フー クロトワ「もしかして心配してくれました?」 クシャナ「以前にも買被るな、と言ったはずだが」 クロトワ「でもわざわざ来てくれてるってことは、そうなんでしょう?」 クシャナ「……死に損なっても口の減らん奴だ」 クロトワ「お褒め頂き光栄です」 88 :VIPがお送りします[]投稿日:2013/06/02(日) 01:02:01.27 ID:0HuLJx6W0[12/22 ] クシャナ「深く 出血も多かったが、運よく急所は逸れていたそうだ」 クロトワ「そうですか」 クシャナ「……誰にやられた」 クロトワ「おや、陛下の差し金かと思ったんですがね?」 クシャナ「ふざけるな」 クロトワ「酔っ払いの喧嘩に巻き込まれて」 クシャナ「……」 クロトワ「……まぁ恐らくは三皇子派の手先でしょう。 このご時世、端金でも二人ぐらい簡単に雇えるようで」 クシャナ「……」 90 :VIPがお送りします[]投稿日:2013/06/02(日) 01:06:41.09 ID:0HuLJx6W0[13/22 ] クシャナ「……」 クロトワ「……なんて顔、してるんですか」 クロトワ「陛下は兵士が死んだときも同じ顔をなさる。 まさかご自分に責があるとお思いで?」 クシャナ「……」 クロトワ「……この任を受けた時点で俺が殺されるのは分かりきっていた事」 クロトワ「それに、俺とはもう関係ないはずでしょう」 クシャナ「……ならば早くトラスを去り二度と足を踏み入れぬことだ」 クロトワ「まぁそれが賢い選択でしょうね」 クロトワ(さっさと出ようとしてる間に殺されてちゃ笑い話にもならねーがな) 91 :VIPがお送りします[]投稿日:2013/06/02(日) 01:12:31.87 ID:0HuLJx6W0[14/22 ] 「陛下、そろそろ」 クシャナ「ああ。 ……もう寝ろ」 クロトワ「ええ、お言葉に甘えて」 クシャナ「お前を置いておくのもタダではない。 さっさと治して出て行け」 クロトワ「ヘッ……まぁ頑張ってみますよ」 クロトワ「ふー……」 クロトワ(……忙しいくせによく来るぜ。 しかも俺のために?) クロトワ(よく分からねぇ女だ……イテッ) クロトワ「……とにかく今は寝るか……」 92 :VIPがお送りします[]投稿日:2013/06/02(日) 01:16:21.81 ID:0HuLJx6W0[15/22 ] ――――― ――― ―― クロトワ(それからクシャナが病室を訪れることはなく) クロトワ(俺はひたすらベッドの上で飯を食らい眠るだけの日々) クロトワ(風呂にもゆっくり浸かれねぇ、酒も飲めねぇような場所に長居したいわけもなく) クロトワ(多少の無理を押してここを出ることに) クロトワ「ま、馬を追って岩山を走ることも もう無いだろうしな……大丈夫だろ」 クロトワ「ったく、クシャナに会ってからというもの、ひでぇ目に遭ってばっかりだぜ」 94 :VIPがお送りします[]投稿日:2013/06/02(日) 01:20:57.68 ID:0HuLJx6W0[16/22 ] クロトワ「失礼します」 ガチャ クシャナ「今日 部外者と会う予定は無かったはずだが」 カリカリ クロトワ「そんな冷たいことを仰らず」 クシャナ「……もういいのか」 クロトワ「これ以上酒を我慢してたら余計悪化しちまいまさァ」 クシャナ「それで何の用だ」 カリカリ クロトワ「いやね、紋章を返しそびれていたな と」 クシャナ「そこに置いておけ。 ……人手が減ってな。 今忙しい」 カリカリ クロトワ「人手ね……」 96 :VIPがお送りします[]投稿日:2013/06/02(日) 01:27:03.44 ID:0HuLJx6W0[17/22 ] クロトワ「それについてですが」 クシャナ「……」 カリカリ クロトワ「抜けると言った手前、非常に申し上げにくいのですが―― 今一度、陛下のもとで……トルメキア軍として、働かせて頂けないか、と」 クシャナ「……」 ピタ クロトワ「……なんて。 ま、無理なのは分かりきっていますがね」 クシャナ「……」 クロトワ「さ、紋章 お返し致します」 クシャナ「……」 97 :VIPがお送りします[]投稿日:2013/06/02(日) 01:31:04.00 ID:0HuLJx6W0[18/22 ] クシャナ「……お前は」 クロトワ「ハイ?」 クシャナ「お前は、もっと"生"に執着していた。 泥に塗れながらもな」 クシャナ「しかし今は殺されかけても尚 この地に留まろうなどと……まったく理解しがたいな」 クロトワ「自分でも驚いていますよ。 まぁ時間はいくらでもあったんでね、考えたんですよ」 クロトワ「俺は一度、蛇の巣に足を踏み入れちまった」 クロトワ「蛇ってのは厄介なもんで、絡みつくと中々離れない。 無理に出ようとすればするほど締め付けが強くなり、挙句絞め殺されちまう」 クロトワ「だったらいっそのこと、巣の中で大人しくしていたほうがいいんじゃないか、と」 クシャナ「いつかは嬲り殺されると分かっていてもか」 クロトワ「ええ。 なにより……このままおめおめと田舎に帰っちゃあ "彼ら"に恐れをなして逃げたのだと思われそうで、あまり面白くないんでね」 98 :VIPがお送りします[]投稿日:2013/06/02(日) 01:36:41.68 ID:0HuLJx6W0[19/22 ] クロトワ「ま、先ほど申したように無理は承知なので、真に受けず……」 クシャナ「……紋章はまだお前の手の内だ」 クロトワ「それは……、」 クロトワ「……クック、素直じゃありませんね」 クロトワ「そういうときは陛下。 いつもどおり、堂々と命令してくれればいいんですよ」 クシャナ「……ふん」 クシャナ「ならば、命ずる。 再び私の下でその職務を全うしろ」 クロトワ「――ハッ!」 100 :VIPがお送りします[]投稿日:2013/06/02(日) 01:41:07.00 ID:0HuLJx6W0[20/22 ] ――――― ――― ―― クロトワ「陛下、こちら土鬼との平和条約の草案です。 ご確認を」 クシャナ「ご苦労」 クロトワ「……今さらですが……俺なんかが側仕えでよろしいので? 俺みたいな平民にゃただのコルベット乗りがお似合いだと思うんですがね」 クシャナ「知っているか? 王には道化がつきものらしい」 クロトワ「俺を道化扱いですか。 酷い事を仰る」 クシャナ「私に不敬を働く者などお前しかおらぬ」 クロトワ「滅相も。 私は陛下の忠実なる僕、そのような事は一切御座いません」 クシャナ「ふん……タヌキめ」 101 :VIPがお送りします[]投稿日:2013/06/02(日) 01:46:32.82 ID:0HuLJx6W0[21/22 ] クロトワ「しかしまぁ、そう仰るのなら――」 チュッ クシャナ「っ!!」 クロトワ「これぐらいの不敬は、お許し頂けるんでしょ?」 クシャナ「…………やはり貴様には死よりも恐ろしい罰を与えるべきか」 クロトワ「えちょ」 クロトワ「あのですね陛下、別に悪気は」 クシャナ「黙れ」 103 :VIPがお送りします[]投稿日:2013/06/02(日) 01:52:11.20 ID:0HuLJx6W0[22/22 ] クシャナ「……そうだな、では」 クシャナ「私に度重なる不敬を働いた罰だ」 クロトワ「……」 ゴクリ クシャナ「楽に死ねると思うな。 無論 私の許可なく死ぬことは許さん」 クシャナ「貴様のその身が滅びるまで、一生こき使ってやる」 クロトワ「!」 クロトワ「……はは、」 クロトワ「それはそれは……大変、恐ろしい罰で」 fin. 出典:クシャナ「なんのつもりだ」 クロトワ「そりゃ抱きたいんですけど」 リンク:ttp://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1370088304/ |
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