愛されるということ (エロくない体験談) 14226回

2013/06/10 04:58┃登録者:えっちな名無しさん┃作者:名無しの作者
30手前で何やってんだと言われそうだが、某女性アイドルグループが好きだ。
オタクに走るほど入れ込んでるわけじゃないが、よく動画を見たりする。

中でもリーダー格のリードボーカルの子がお気に入り。
もちろん彼女だって完璧な美人じゃないし、ちょっと意地悪っぽく見えなくもない。
でも、そんなマイナス点を含めて好きになるのがファンってもんだろう。

動画サイトのコメント欄を見ると、当然アンチの叩きもあるわけだが、
いろんな国の言葉で「可愛い!」「素敵!」「大好き!」といった称賛が溢れてる。
アイドルだからそれが商売なんだろうが、それにしても凄まじい愛されようだ。



…それを見ながらふと思った。「愛される」ってどんな気分なんだろう。

実は俺、生まれてこの方、たぶん誰からも愛されたことがない。
別に特殊な環境で育ったわけじゃなく、地味だけど凡庸な人生だった。
ただ、どうしようもなく嫌われるってだけだ。

理由というか思い当たるフシはある。

まず見てくれが悪い。ネタにできるような愛嬌のある不細工じゃなく、
表情が乏しくて、近寄られると軽くイラッとくるタイプの醜さらしい。
やや小柄で手足が短く小太り。お世辞にもスタイルが良いとは言えない。

頭も悪くて成績はいつも下の方。この文章からも頭の悪さが滲み出てると思う。
音楽が得意とか絵が上手といった才能にも全く恵まれなかった。

しかし、何といっても性格がどうしようもなく悪い…らしい。
「らしい」ってのは、どこがどう悪いのか、よく自覚できてないんだ。

暴力的な所はなくて、むしろ控えめな方だと思う。
確かに暗いかもしれないが、他人との意思疎通に障害があるほどでもない。
優しさ溢れるとは言わんけど、それほど悪意を持って人に接してるわけでもない。

自分じゃ「そこまで嫌な奴でもない」と思うが、なぜか周りから嫌な奴と見られる。
まあ「欠点を自覚できてない所が一番悪い」と言われれば、それまでだけどな。



別に「嫌われたっていいや」と、ずっと一匹狼を気取ってたわけじゃない。
好かれたい、愛されたいとは思ってたし、自分なりに努力もしてきたつもりだ。

お洒落は絶望的にセンスがなかったが、なるべく清潔を心がけてきた。
小学校時代、同級生たちから無視とか悪口とか軽いイジメに遭って、
とりわけ女子から「あいつ臭いよね」「バイ菌」と陰口を叩かれたからだが、
清潔にしても嫌われるのは同じ。実際の体臭はそれほどひどくもなかったけど。

周りに受け入れてもらえるよう、言動にも気を使った。
例えば中学時代、俺と同類の不細工なのに人気者のクラスメートがいて、
そいつの行動を研究してひょうきんなキャラを演じてみたこともある。
しかし、人気者がやると喜ばれても、俺がやると「こいつ、なに媚びてんだ?」。
結局、馬鹿にされこそすれ、好かれないことに変わりなかった。

同級生や先輩・後輩だけじゃなく、教師も俺の前では不愉快そうだった。
イジメられっ子や学習障害児には過剰なほど優しい先生すら、俺には冷たかった。
もっと本格的に殴る蹴るのイジメを受けたら同情してもらえるのか、とも思った。
結局、小学校から高校まで、教師に優しく接してもらったことはなかったな。

特に女子からの嫌われっぷりは半端なかった。
男子にも友達と呼べるほど仲の良い奴はいなかったが、それでも何人かとは
努力して「友達じゃないが、そこまで嫌われてもない」間柄になれたと思う。
しかし、女子は文字通り誰も俺と関わりを持ちたがらなかった。

俺だって思春期に入ると、人並みに好きな女子ができるわけだが、
頑張って言葉を交わそうとしても、俺が近づくだけで露骨に嫌な顔をされる。
「好きな子の前だと緊張で言葉も…」なんて話を聞くが、俺の場合はそれ以前に
どの女子からも「近づくな」「視線向けるな」というオーラを発散されてたな。



高校を卒業して働き始めてからも同じ。さすがに小中高ほど露骨じゃないが、
上司も先輩も同僚も、俺をあまりよく思ってないことは何となく伝わってきた。

努力しても、男の上司や同僚と仕事に支障を来たさない関係を作るのが精一杯。
仕事が終わってから飲みに行こうと誘われたこともないし、
こっちが誘っても何やかんや理由をつけて断られた。

女性陣に至っては、挨拶するとこわばった表情で返してくれるが、それで終わり。
それ以上に踏み込んだ会話を試みても、やんわりと、しかしきっぱりと拒絶された。
出張で土産を買ってきても「下心が見え見えで嫌らしい」と評判を下げるだけだった。

なんで俺がそんなに嫌われてるのか、人を介して探ったことがある。
女性陣の意見は「あの人キモい」「なんか不快」「生理的に受け付けない」etc。
何が悪くてどうすれば好かれるのか、全く分からずじまいだった。

だから彼女とか恋人なんて、夢どころか、同じ世界じゃあり得ないほど遠い話だ。

会社の別の部署の1年後輩にちょっと気になる子ができて、
何とか仲良くなろうと仕事の合間に話しかけるようにしたことがあった。
頭から拒否される感じじゃなくて、少しくらい脈があるかもと思ったんだが、
しばらくしたら人を介し「嫌がってるからつきまとわないであげて」と言われた。

昼休みによく行く喫茶店に、明るくて人の良さそうなバイトの女の子がいた。
感じが良かったんで、なるべくその子に注文するようにしてたんだが、
そのうちその子が店にいても、別の男性バイトが注文を取りに来るようになった。

念のため言っておくと統合失調症じゃない。実は心配で心療内科にも行った。
「みんな俺の悪口を言ってるような気がする」とか統失の症状そのものだしな。
どうやら俺の場合、単に周囲と良好な人間関係を結ぶのが下手ってことらしい。
つまり、自分が嫌われてると思い込んでるんじゃなく、本当に嫌われてたわけだ。



友達も恋人もいなくて寂しいかと言われたら、たぶん寂しいんだろうな、と思う。
ただ、俺の場合は周囲に誰もいないのがずっと当たり前だったから、
愛したり愛された経験がある人が感じる寂しさとは、少し違うかもしれない。

親の愛情も、あまり感じたことはない。事情があって俺が物心ついた頃には、
母親の愛情は再婚相手の男と、俺とは胤違いの弟に向けられてた。
新しい父親は別に酷い人間じゃなかったし、弟は優秀でまともな奴だと思うが、
俺が高校を卒業して家を出るまで、結局「家族」として認知されなかったようだ。



そんな俺だが、人生の残り時間はどうやらあまりないらしい。
いや、世の中に絶望して自殺するとかじゃなく、病気に気付くのが遅すぎただけ。

人並みに生への執着はあるんで、一通り嘆き悲しみはしたものの、
よく考えたらそこまで悲しむ理由はあるんかな、という気もしてきた。
いやまあ、悲嘆するのに理由もへったくれもないんだけどな。

俺は独身だから、死んだら父親が喪主になって葬式を挙げるんだろう。
父親と弟が葬式で涙一つこぼさないだろうってのは、何となく予想がつく。
情が薄いとか人間性に問題があるとかじゃなく、そういう間柄だったんだ。
せめて母親くらい泣いてほしい気もするが、これも望み薄かな。

現役社員のまま死ぬわけだし、直属の上司くらい葬式に来るんだろうな。
ただ、職場の同僚も後輩も、さすがに「清々した」と思う奴がいるか知らんが、
「悲しい」とか「残念」と考える奴はいないな。当の俺ですら想像できない。

同窓会にも呼ばれたことないから、かつての級友たちも俺の死を知らないままか。
次の同窓会で「○○が死んだってさ」と話題に上ることが、果たしてあるかな。
それ以外の知人…アイドルのファンクラブの知り合いとかを含めて、
俺の死に心を1ミリでも動かす奴は…うーん、正直言って思いつかない。



嘆いても仕方ないとは思う。そういう人生を送ってきたんだし。
好かれようという俺の過去の努力は、たぶん根本的に方向性を間違ってたわけで、
結果的に周りから嫌われ続けたのは自業自得、と言われればそうなんだろう。

それでも思うわけだ。お気に入りの女性アイドルみたいにとは言わんが、
世界中の誰からも、一度も愛されずに人生を終えるのも、残念というか悔しい。

誰かに愛されるって、どんな気分なんだろうな。気分良いんだろうな。
注がれる愛情が多すぎると、慣れてしまって感覚が分からなくなったりするのか。
いいなあ。うらやましいわ。

別に俺が何を書いたところで、世の中への影響は皆無ってことくらい分かってる。
でも、やっぱり最後に言っておきたくなるんだ。この辺が凡人なんだけどさ。

愛されるって、実はものすごく貴重なことかもしれんのだよな。



そうだ、「この文章を読むだけで、書き手の性格の悪さが分かるわ」と思った奴は
気をつけた方がいい。俺も今、読み直してまさに同じことを考えたから。

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