馴れ初めは簡単。 (ジャンル未設定) 50476回

2013/08/05 00:49┃登録者:西風◆.BAZzflo┃作者:名無しの作者
馴れ初めは簡単。
俺が大学3年の頃、嫁が入学。
同じサークルへ。
容姿もよく「近頃の若い者は」と言わせない礼儀正しさと教養で80人からいた大所帯のサークルでもかなりの人気を獲得。

俺もかなり気にはなっていたが、上下関係がそれなりにあるサークルでパワハラにならないよう、男子部員は慎重に行動していたこともあって目立って動けず(暗黙の了解で部内恋愛は自重してた)。

実は惚れたのは嫁が先。恋愛に冷ややかなサークルの雰囲気のため(恋愛禁止ではない。あくまで慎重にということ)告白する勇気がなくて、俺に知恵を絞って何度となくアピール。
策の弄し過ぎと俺の鈍感さで気づかないまま俺卒業。
両想いならサークルに遠慮はいらなかったものを・・・。
嫁、俺への片思いを引きずりつつ良い出会いにも恵まれず2ちゃんでいう喪女と化す。

その頃、そんな言葉はなかったと思うが。

嫁の証言

「俺先輩のせいじゃなくて、わたしが悪いんですけどw
 でも先輩が無関心すぎで一時は恨みました。
 あんな鈍感男はカシュガルの奴隷商人に売られて人間燭台にされてほしかったです。
 表向きは明るくて真面目で身持ちの固いキャラで通しましたけど、
 もう内面は彼氏いないコンプレックスの塊で。
 学生時代、勉強もサークルも頑張ったはずですけど、
 振り返るとオトコのことしか考えてなかったような気がしますww」

一方、俺は入社先で彼女もさっさと作り順風満帆・・・のはずが25歳の春、彼女に二股かけられて振られる。
二股女はもう片方の男にも振られて、会社に居づらくなって辞めたのは「ざまあw」だが俺も世間体悪すぎて退職したから笑えん。
気分は負け犬で、今の会社に就職するまで6か月無気力な無職生活。

心配していたサークルOBの友人連中が俺の再就職祝いの飲み会を企画。
友人A子(同期。嫁とも仲良し)が、嫁(社会人1年目)に連絡。

「俺男が彼女と別れた。チャ〜〜〜ンス! もう1回行け」

嫁「俺先輩の不幸を喜ぶなんて、ああ、わたしはダークすぎ」

と逡巡。

A子「行かず後家よりマシ。今度は大丈夫だと思うよ」

飲み会で祝われ励まされつつネタにされる俺。
友人というのはありがたいものだ。
みんな笑ってるのに、嫁だけ周囲をスプートニク1号みたいに周回して、俺がみんなの言葉に傷ついてないか心配そうに伺う。
こっそりやってるつもりで、あからさまに目立つ。

なんというか、仕草や表情で「あ、こいつ、俺のことが好きなんだ」とわかった経験のある人もいると思う。
この時の俺がそれ。
久々に会う嬉しさもあったし、本気で心配してくれてる様子も嬉しいし帰り際に肩を叩いて

「気持ち嬉しかった。俺、大丈夫だから」

というと俺の再就職を祝いつつ涙ぐむ嫁。
「そこまでか・・・」と感動する俺。
俺にGJサインを送って帰る暗躍A子。

次の休みに嫁とデート。
会って1分後に告白。
嫁、うれし泣き。
俺も嬉しいが5年も回り道させた責任感じてちょっと萎縮。
昔みたいに気の置けない先輩後輩のノリで楽しく話すはずが、お互いに意識していてカチコチ。

「A子から聞いた。なんというか、その、今さらだけど、え〜、気づかなくて何と言ったら、
 お詫びのしようもないというか・・・・(本気で申し訳なくて延々しゃべる)」

「いえ、そんなのは、こうなったんで、その、もういいし、嬉しいですし、わたしのですね、
 その、あれが、えー、どういったらいいか(話進まず)」

「ああ、あれ、初めての相手?」

「ひゃはー、それですけど、あからさまには言わないでください」

「うむ(初めての彼氏という意味だったんだがな)」

「まあ、嬉しいんです、俺先輩とこうなって、わたしは」

少し慣れてきて、思い出話。

「バレンタインのチョコ、あれは気づいて欲しかったです。
 苦労して2人きりになって綺麗なラッピングにして高いのあげたのに」

「義理チョコにしては丁寧だなあと」

「本命ですって」

「きみが、相談のお礼です、と義理を強調するからだw 他の人に見られたら誤解されるとも言った。
 好きですの一言で済んだのに」

「照れ隠しの可愛い嘘じゃないですか。そこを見破ってくれなきゃ」

さらに思い出話。

「すると、夏祭りに浴衣着てきたのも俺のためだったんだな?」

「先輩もあわせて浴衣着てくれましたよね」

「Tシャツ4人で浴衣1人じゃ、浮いて可哀そうだと思ったから・・・あれは浮きたかったのだなw」

「アピールしたかった、と言ってくださいw でもあれはカップルみたいで嬉しかったです」

「うん、浴衣似合ってたしね。可愛かった。本当の彼女ならなと思った」

「それを言ってさえくれてたら・・・。5年前に戻ってそれ言って欲しい」

まあ、そんなこんなで。最後にエロネタで悪いけれど。
何度目のデートだったか。

「先輩、わたし、もう23なんです」

「それで?」

「ですからね、もっとお互いを知る機会は早くてもいいと思うんです」

あの照れたような色気のある笑顔は今も忘れられない。

出典:神爆笑.com
リンク:http://kamibakusho.com/archives/51534672.html
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