身近に女たらしがいます (その他) 46248回

2013/08/18 05:32┃登録者:えっちな名無しさん┃作者:名無しの作者
最初に断っておくが、感動も興奮も笑いもない「そんな奴いるんだねぇ」という話。
読む前に期待値を下げてもらえるとありがたい…と、予防線を張っておく。

さて、職場の同期に松本という男がいる。名うての女たらしだ。

イケメンで口が上手いというのが女たらしの条件と考える人も多いが、
それ以上に、いい女と見れば見境なく口説きにかかる腰の軽さと、
口説き始めたら落とすまで粘る根性の方が大事だろう、と個人的には思う。
女の噂が絶えない有名人を見ると、必ずしも男前じゃなかったりするし。

その点、松本はジャニーズ系の容姿、聞き上手で話し上手な話術に加え、
女に関して軽さと粘り強さを併せ持つ、実に完成度の高い女たらしと言える。

そんな松本が、別部署から異動してきた島田さんに目を付けた。
島田さんは35歳。絶世の美女とは言わないが、可愛くて男好きのするタイプだ。

ややムッチリ体型で、歩くたびユサユサ揺れる豊かなバストとヒップ。
職場じゃ別にセクシーな服装や化粧でもないが、R18系の妄想をかき立てる。
アダルトな外見と裏腹に性格は明るく無邪気で、かなり天然も入ってる。
年増好きに言わせれば、そのギャップがたまらないらしい。

女子中学生でも、その母親の40女でも「イケてれば行くよ」と公言する松本。
元西武(元日本ハム)の奈良原を彷彿とさせる守備範囲の広さを考えれば、
奴が島田さんに照準を定めたこと自体は不思議でも何でもない。

だが、相手が結婚8年目の人妻で、旦那が隣の部署の次長となれば話は別だ。



「男は誠実じゃなきゃ。軽薄な男って嫌い!」という女性は多いと思う。
旦那の浮気に目を光らせる立場の奥様ともなると、なおさらだ。

しかし、女に「嫌い」と思われるようでは、女たらしとしてまだまだ未熟。
事実、その軽さの割に、松本に対する職場の女性陣の好感度は意外なほど高い。

ギャル濃度の高い遊び人OLや、学生気分が抜けきらない新入りだけじゃない。
日ごろ軽薄男に辛辣なマジメ系の女も、「趣味は仕事」と公言する堅物の女上司も、
生理が上がって男性化が進行中の掃除のオバさんも、なぜか松本とは仲がいい。

もちろん、奴がその全員と深い仲になったわけじゃない。職場での親密さの話だ。

例えば、オタク臭を放つブサ男の同僚が半径2メートル以内に立ち入ると、
たいていの女性は何をされるわけでもないのに「不快」と感じるらしいが、
松本は気が付けば、すぐ横にいても、肩に手を置かれても平気な存在になってる。
さらに、女性の側がその「近すぎる距離」をほとんど自覚してなかったりする。

天賦の才か努力して身につけたのか、女性に不快感を持たれない距離を察知し、
その距離を知らない間に詰める能力が抜群に高いんだろう。

これを読んで「さりげなく肩に手を置くとか、私ならそんなキモい男イヤだわ」と
感じる女性は多いと思う。それが普通だし、職場でもそういう女性が多数派だ。
そして、そんなあなたの肩にも「キモい」と思われず手を置けるのが松本という男。
身の程をわきまえずまねて、白い目で見られた馬鹿男は職場に何人もいる。

松本が職場で何人の女に手を付けたか知らないが、新人から管理職まで全女性と
「肩に手を置いて嫌がられない関係」を築いたのは、ある意味尊敬に値すると思う。
念のため、別に松本が日ごろ女上司の肩に手を置いて話をしてるわけじゃない。
相手が先輩や上司でも失礼と思われずに、それくらい親密になれるって意味だ。



そんな松本だが、島田さんに対しても才能を如何なく発揮した。

彼女が配属された初日の夕方には、早くも隣で楽しそうに談笑。
これは後で聞いたが、2日目にはアドレスを交換してメールで「雑談」を始めた。
4日目の昼休みには2人仲良くランチに出た。もちろん松本が誘った。
肩に手を置いたのがいつかは不明だが、2週間とかからなかったのは確かだ。

いくら手が早い松本でも、これは異例の早業。まして相手は人妻だ。
思うに、奴がそれだけ気合を入れたというより、彼女の方が無警戒過ぎたんだろう。

もともと島田さんは、誰に対しても当たり柔らかく接する「善意の人」。
言葉を換えれば天然だが、松本の爽やかな笑顔の裏に潜む邪な欲望に気付かず、
単純に「面白くて気遣いのできるハンサムな後輩」くらいに見てたようだ。

それに、肩に手を置くのもそうだが、松本はどの女性とも親しげに接するし、
奴とメールしたりランチに出たりする職場の女性は他にも大勢いる。
島田さんが「他の女性社員を誘うのと同じように私を誘った」と解釈し、
大して警戒しなかったとしても無理はない。

まあ俺を含め、松本以外にそんな芸当ができる男がいないことを考えたら、
それが決して普通じゃないことくらい分かりそうなものだが。



配属から1カ月、十分に仲良くなったところで松本が次の一歩を踏み出した。
島田さんを夕飯に誘ったのだ。

「会社員生活」の一部である昼飯と違い、夕飯は私的な時間を割く必要がある。
しかも、たいていアルコールが入るし、時間的な制約も昼飯よりずっと緩い。
異性と2人で出掛けるのに必要な「親しさ」は、同じ飯でも昼夜で大きく違う
…という持論がどこまで一般的な賛同を得られるか分からないが、
少なくとも松本は、ランチとディナーを明確に区別してるらしい。

実際、松本は手を付けるか否か関係なく職場のほぼ全女性と昼飯を食ってるが、
夕飯を共にした女性はある程度限られている。それでもかなりの人数だと思うが。
そして、俺の知る限りだが、2人で夕飯に連れ出すのに成功した女はほぼ全員、
遅かれ早かれ奴の餌食になっていた。股間の「特上肉」を提供したわけだ。

つまり、松本にとって女を夕飯に誘うのは、肉体関係を結ぶための正式な第一歩。
だから、奴が島田さんを夕飯に誘ったと聞いた時、俺を含め事情を知る社員は
「あいつ、本気で落とすつもりかよ」と驚き呆れた。

もっとも、事前に話が漏れたのは松本らしからぬ失態だ。同期で仲が良い俺も、
たいてい後から聞いて「えっ、おまえあの人も食ったの?」と驚かされてたし。
俺すら知らない間に毒牙にかけた女も、何人もいるはずだ。

話が漏れたのは何のことはない、何も知らない島田さんが女同士のお喋りで、
「松本君にご飯に誘われたの♪」と打ち明けたから。この辺が天然たるゆえんか。
その場にいた女性のうち何人が顔を引きつらせたかは知らないが、
結果として俺を含む男性社員の一部にも情報が伝わることになった。

利害関係のない俺なんかは「相手は次長の奥さんだぜ。よくやるよなあ」と、
いささか呆れながらも興味津々で傍観を決め込んだ。
女性陣からも、身に覚えがある人を含め、特にリアクションは出なかったようだ。

ところが、男性社員の中に1人「不道徳を許すまじ!」と燃える奴がいた。
自分も島田さんに気があったのか、単に松本が気に入らなかったのかは知らないが、
こともあろうに旦那の次長へ「ご注進」に及んだわけだ。

この男、松本がいかに女にだらしなく、社内で数多くの女性を毒牙にかけてきたか。
そして夫人の警戒心の薄さにつけ込んで、2人がいかに「親密」になったか説明し、
次長に「奥様の貞操の危機です!」と訴えたらしい。よくやるわ。

この男の容姿や女性陣からの評判は、まあ説明するまでもないと思う。
ちなみにご注進男、この直後こそ「してやったり」と得意満面だったが、
なぜか上司から新人まで職場の全女性から目の敵にされ、
針のむしろに座らされた挙句、3カ月後に会社を去った。理由は今もって謎だ。



さて、報告を受けた次長は烈火のごとく怒り、そして焦った。
もともとうるさ型で部下からの評判は良くないが、それはさておくとしても、
愛妻が女たらしに狙われていると聞かされて、穏やかでいられるはずもない。

その一方、40代前半で次長に昇進しただけあって、ご注進男よりは頭が回る。

今の時点で奥さんが不貞を働いたわけじゃないし、自分も女性と夕食くらいする。
隣の部署に乗り込み「人の女房に手を出すな!」と松本をどやし上げたところで、
下手すれば恥をかくのは自分だ。相手は名うての女たらしだから口も達者なはず。
やんわり脅しても「食事くらいで何を大げさな」とかわされかねない。

奥さんに注意するにしても、そもそも彼女は天然で警戒心が薄い。
同僚に打ち明けたということは、モーションをかけられてる自覚もないんだろう。
いくら「松本は危険な男で、おまえを狙ってるんだ!」と説いても、
奥さんの方は日ごろ職場で女性陣から好かれてる松本を見ているわけで、
「あなた、心配しすぎよ」と笑われるか、逆に反発される恐れすらある。

…次長が本当にそう考えたかどうかは知らない。
あくまでも俺が想像しただけだが、それほど外れてない気もする。

そして、次長が出した結論は、島田さんと松本の夕食に同席を求めることだった。

もともと職場の付き合いの延長で飯を食うわけだ。部署こそ違うが
同じ会社の管理職でもある夫が一緒でも、それほど不自然じゃない…はず。
奥さんが無警戒なら断る理由もないし、渋るとすればやましい気持ちがある証拠だ。

何よりこちらが恥をかくことなく、松本にプレッシャーをかけられる。
というか普通は夫が来たらビビって、何とか理由をつけてキャンセルするだろう。
旦那が警戒態勢を敷いてると分かれば、あえてちょっかいを出すこともあるまい。
ふふふ、我ながら見事な解決策…と次長が自賛したかどうかは知らない。



果たして、無邪気で天然な奥さんは旦那の心中も知らず、
松本に「主人も是非ご一緒したいんですって。いい?」と伝えた。
そして驚いたことに、松本は顔色一つ変えず「どうぞどうぞ」と歓迎した。

食事は大して高級でもないが、今風のイタリア料理店。
自分が狙ってる女の旦那とテーブルを挟んで飯を食うというのも大した度胸だが、
松本は俺に「不思議な緊張感があって、なかなか面白かったぞ」と言ってのける。

さすが常識人の次長、食事の席で直接威圧するような言動は避けたらしいが、
『俺が来たってことは、どういうことか分かってんだろうな』と無言の圧力。
島田さんは、無邪気に「ワインおいしー♪」と大喜びしてたそうだ。

小心者の俺なら、緊張して飯が喉を通らなかっただろう。
それ以前に、そんな場には絶対行きたくないし、行く奴の気が知れない。
俺、男前でも口が達者でもないのは自覚してるが、松本を見てると
うらやましい以上に世の中には「異人種」がいるもんだ、と改めて実感する。

えっ? 落ちがないとか今さら言われても困るんだが。
掲示板に修羅場話は溢れてるが、その一歩手前でギリギリの攻防を繰り広げる男女は
さらに多い、というだけの話。読んで損した!と今さら思っても手遅れだw



感心したのは、それからわずか2週間で松本が島田さんを本当に落としたこと。
俺が知ったのは2回ほど寝た後で、どうやって口説いたかも教えてくれなかった。

まあ、詳しく聞いたところで参考にできる器量や技量が俺にあるわけじゃなし、
Fカップを揺らして喘ぐ島田さんのハメ撮り動画を見れただけラッキーか。

今日も2人、とても仲良く仕事してた。次長に報告? するわけないだろw

出典:俺が読んで損したから
リンク:同じ思いを味わわせてやる
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