逆に、なぜ東大なんですか? (その他) 23557回

2013/08/20 12:27┃登録者:えっちな名無しさん┃作者:名無しの作者
スーパーIT灘高生が、大好きな日本を救う 新世代リーダー Tehu スーパーIT灘高生

東洋経済オンライン2013年8月19日 23:12更新

 「なんでオレ、ペーパー試験の点数だけで判断されなあかんねん。これまで勉強以外のこともいろいろやってきたのに、それがまったく評価されないのは納得いかない。ふざけんなって感じ」

 これは落ちこぼれの不良少年が教師に反抗して吐いた言葉ではない。関西屈指の名門、灘校で東大理Iを狙える成績の優良少年が、「なぜ東大を受験しないのか?」と聞かれて答えた言葉である。

 東大を“蹴った”のは高3のTehu(テフ)君。「スーパーIT高校生」の異名を持つ。初めて会った人は、まず背の高さに驚くだろう。大リーガーのダルビッシュ有と同じ196センチ。体重、誕生日まで一緒だ。ダルはイラン人と日本人のハーフだが、テフは両親とも中国人。本名は張惺(ちょう・さとる)。「ちょう→蝶→てふ」だからハンドルネームがTehu。

 Tehu君が勉強以外にやってきた「いろいろ」とは何なのか。

「なだいろクローバーZ」がネットで話題に

 現在の肩書きは、デジタルクリエーター、プログラマー、プロデューサー、パーソナリティーだ。アイドルが好きで、「ももいろクローバーZの百田夏菜子推し」。今年5月の灘校文化祭では、灘高生による「なだいろクローバーZ」を企画プロデュースした。この女装男子5人組アイドルは、ネット上でも「クオリティーが高い」「ピンクが可愛すぎる」と話題になった。

 「なだクロは、ももクロを完全にパクッてます。衣裳もパクッてます。あいつら、これのために全身脱毛してますから。正直、気持ち悪いなあと思いながら、一晩かけてPV(プロモーションビデオ)を作りました(笑)」


 ももいろ、なだいろ、たしかに「いろいろ」だが、もちろん活動はこれだけではない。Tehu君の人生を追ってみよう。

 1995年、阪神淡路大震災の年に神戸で生まれた。震災の1カ月前、母親のお腹にいる時に、両親が「子育てのために」と引っ越した。それまで住んでいたアパートは全壊。新居で7カ月後に誕生する。

 教育熱心な親のもと、「おまえは灘に入って医者になれ」と言われて育ち、小学4年生から受験勉強をして灘中学に合格した。

 入ってすぐに化学、物理学の研究系に進みたいと思った。「医者にはなりません」と親に告げると、「そうか」とあっさり認めてくれた。「でも、ちゃんと稼げよ」「はい、大丈夫です」。親の期待から解き放たれたTehu君の飛行が、ここから始まる。

 研究の道を志したものの、隣の席に大学の物理の問題集を解いている生徒がいた。彼はのちに物理オリンピックで金メダルを取る。のちの化学オリンピックや数学オリンピックのメダリストもいた。「こいつらには勝てんわ」と早々に悟り、研究の道はあきらめた。

灘で埋もれないためにどうする?

 「飛び抜けた天才がごろごろいる灘で埋もれないためにはどうしたらいいのか…。自分にしかできないことをしたい」。2歳から触っていたコンピュータで何かしようと考え、プログラミングを独学で習得する。

 2009年、中学2年生の時にiPhoneアプリ「健康計算機」を3時間で作って公開したところ、180万ダウンロードを記録、AppStoreで世界第3位となった。まだアプリの数自体が少なかった頃だ。雑誌やテレビで取り上げられ、「スーパーIT中学生」と呼ばれるようになる。

 このアプリを作ったきっかけは、学校の健康診断で「少しやせたほうがいい」と忠告されたから。自分のためにBMI(肥満度)を簡単に計算できるアプリを作ったのだった。

 おしゃべりとラジオが好きなTehu君は、中学3年生の時にユーストリームで「Tehuのオールナイトニホン」の放送を始める。自分で“冠番組”を持ち、パーソナリティーになったわけだ。

 「どうせやるならたくさんの視聴者に見てもらいたい」。以前から米アップルの新製品記者発表があると、IT仲間の5、6人にスカイプを使って英語を日本語に同時通訳しながら解説してあげていた。それが仲間内で好評だったので、自分の番組で放送してみようと思いつく。

 目論見は当たった。2010年、iPadが出た直後、iPhoneOS4の名前がiOS4に変わった時の記者発表を同時通訳すると、アメリカ時間に合わせた深夜2時からの生放送にもかかわらず、6000人が視聴してくれた。

 さらに「この同時通訳、中学生がやっているらしいぞ。スゲー」とツイッターで口コミが広がり、視聴者が増えていった。これまで通算20回放送したなかで最も多かったのは、ジョブズが亡くなる直前、iPhone4Sの記者発表。35万人もの人が視聴した。

 同時通訳する競合番組はほかにもいくつかあるが、「Tehu君の番組が一番わかりやすい」という声が届くという。その理由をこう自己分析する。

 「たぶんボクはソフトウェアとハードウェアの知識があるからだろう。ほかの人は、ただのアップルファンだったり、もしくはアップルをよく知らない翻訳のプロだったりするので、実際の記者発表以外の情報量が違う」

英語の教材は公文とジョブズ

 では英語力はどうやって身につけたのか。

 「単に英語を始めたのが早かっただけ。3歳から公文で習った。公文式は何がいいかというと、文法から入らないこと。3歳だと『主語』とか言われても何?って状態なので、ひたすら例文を読んで書いて体に染み込みこませるという、いわゆるネイティブ的な覚え方をした」

 これを知って「くもん、いくもん♪」と言う3歳児が増えるかもしれない。だが、お受験ママたちよ、ちょっと待ってほしい。Tehuママは一手間も二手間もかけている。

 「公文の教材は、英単語の後ろにカタカナで読み方が書いてあった。たとえば『future』だったら『フューチャー』って。うちの母親は、『これは絶対いけない』と言って、ボクに教材を渡す前に修正テープで塗りつぶして、フォニックスという英語の正しい発音を学ばせるメソッドをやらせた」

 カタカナで覚えてしまうと、耳に入ってくるネイティブの発音が認識できないため、聞き取ることができない。日本人のリスニング力が弱いのはこのせいだとTehu君は指摘する。

 ただ、公文はCDの教材もある。リーディング、ライティング、リスニングは公文式で鍛え、スピーキングに関しては、ジョブズのプレゼンを繰り返し見ながらシャドウイングして鍛えた。「ジョブズは1時間半のプレゼンを毎年約3本やっていて、10年分をネットで見られる。全部マスターすれば英語が相当うまくなる」。

 ちなみにTehu君は算数も公文で習い、5歳で微分積分を解いた。

 2011年3月、中学3年の終わりに東日本大震災と原発事故が起きた。放射能の聞き慣れない単位や数値が飛び交い、人々の不安が高まるのを見て、「放射能計算機」のiPhoneアプリを3日間で作った。

 アップルの申請には通常約1週間かかるが、アップル本社の担当者に電話して「緊急だから承認を急いでくれ」と訴えた。2日で承認がおり、3月20日にリリースできた。これは65万ダウンロードを記録する。このアプリを作ったのは、人のために何かしたいという気持ちからだった。

 「スーパーIT高校生」になると、さまざまな仕事の依頼が舞い込むようになる。アプリやシステムの開発、CGデザインやソフトウェアデザイン、子どもたちがプログラミングを学ぶキャンプ「Life is Tech!」の参画。IT系だけでなく、地元アイドルグループのプロデュースや、ラジオ関西の番組プロデュースも手がけるようなる。

 「将来はコンピュータを使ったメディアアートやエンターテイメントの仕事をしたい。人に楽しんでもらえるようなモノづくりをしたい」と抱負を語る。

 こうした「いろいろ」な活動を評価するシステムが東大にはないのが不満だ。センター試験も二次試験もペーパー一発勝負。

 「なんでオレ、勉強だけで判断されなあかんねん。こんなにいろいろやってきて、ここで将来生きていきたいのに、大学に入る時にそれが考慮されないって、おかしいやろ」

 東大の研究室一覧をウェブで調べても、そもそも行きたい学科はなかった。学内を見学し、先輩たちに話を聞いても、「ああ、東大はダメだと思った。やっぱりガチガチの研究重視で、アートやデザインを軽視している。ボクはITを使って人間の感覚や感情を刺激するものを作りたいんです」。

 従来の価値観に染まった人たちからは、「東大に行けばいいのに。もったいない」と言われる。だが、「逆になぜ東大なんですか?と聞きたい。ほとんどの人の理由はひとつしかなくて、『東大がナンバーワンだから』。たしかに政治や経済の世界では東大出身は強い。でも、モノづくりやアートの世界で東大出身が何人いますか?」。

日本を離れられない理由はももクロ…

 高校2年の時に一緒に対談本を出したグーグル日本法人元会長の村上憲郎さんは、共著のなかでTehu君にアメリカの大学に進学するように勧めている。Tehu君は実際にアメリカに行き、ハーバード、イェール、スタンフォード、MITを見学した。コンピュータ・サイエンスもアートも学べるので行きたいと思った。

 しかし、「いまは行けない」と首を振る。「日本は30年に1回ぐらいの変革期を迎えているから」。いったい何の?

 「日本のポップカルチャーですよ! ももクロ、Perfume、きゃりーぱみゅぱみゅなどの新しいものが出てきて、すごく盛り上がっている。世界のどこを探してもこれほど熱い、魂を燃え上がらせるものはない。この変革期を見届けないで日本を離れるわけにはいかない」


 ゆくゆくは音楽ライブのプロデュースもしたいと考えるTehu君にとって、コンピュータを使った映像、音楽、アートが一体化して見る人の心を揺さぶる日本のポップカルチャーは、日本にとどまらせるぐらいのパワーがあるという。

 「ポップカルチャーだけでなく、日本の文化すべてが素晴らしい。ボクは日本の文化が大好きなんです。そして、日本の売りは文化しかないと思っている。ソフトウェアでもハードウェアでもなく、文化。これをもっと進化させて、世界中に広めて、日本を救いたい。最終的には世界中の人を日本の文化で幸せにしたいと考えている」

 灘で埋もれないために自分にしかできないことを模索してきたTehu君はいま、日本が世界で埋もれないために日本にしかできないことを考え、日本のため、世界のためと視野を広げている。世界における日本の素晴らしさに気づいていないのは、当の日本人かもしれない。まさに灯台もと暗し。

「スーパーIT大学生」になったら

 この夏、慶応SFCをAO入試で受けた。

 「ここは成績だけで評価しない。ボクが中学、高校でずっとがんばってきた活動を評価し、ボクが何をしたいのか、その大学に合っているか、人となりを総合的に判断してくれる。コンピュータ・サイエンスもアートもデザインも何でもできるし、勉強だけしていたらもうダメなんだという空気がある」と志望理由を話す。合否の判定は秋だ。

 では「スーパーIT大学生」になったら、どんな活動をしていくのだろうか。

 「いまはまだかっちり固める段階じゃない。まず何でもかんでもやってみる段階だと思っている。ボク自身が見つけていない何かがあるかもしれないから」

 この8月16日に18歳になったばかりのTehu君。羽を広げて、「いろいろ」が本格始動する。既存の尺度にとらわれず、自分の触覚をたよりに自由に飛んでいく先々で、未来の花を咲かせるに違いない。

 (撮影:梅谷 秀司)


出典: 
リンク:http://money.jp.msn.com/news/toyokeizai-online/%e3%82%b9%e3%83%bc%e3%83%91%e3%83%bcit%e7%81%98%e9%ab%98%e7%94%9f%e3%81%8c%e3%80%81%e5%a4%a7%e5%a5%bd%e3%81%8d%e3%81%aa%e6%97%a5%e6%9c%ac%e3%82%92%e6%95%91%e3%81%86-%e6%96%b0%e4%b8%96%e4%bb%a3%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%80%e3%83%bc%e3%80%80tehu%e3%80%80%e3%82%b9%e3%83%bc%e3%83%91%e3%83%bcit%e7%81%98%e9%ab%98%e7%94%9f-1
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