先日、夜勤明けの非番だったんだが、女房孝行のつもりで、 代わりに保育園まで息子を迎えに行った。 お遊戯室では20人くらいの園児が、ワイワイ遊びながらお迎えを待ってた。 楽しそうだし邪魔するのも悪いかな、と思い、別に急いでもなかったんで、 部屋の外で保母さんや他の園児の母親を口説…もとい談笑してた。 何人かのメアドはゲットしたが、それより親としては息子が気になる。 息子はまだ俺が来たと気付いてない。親の目が届かない小さな「社会」で 子供が日ごろどう振る舞ってるのか、やっぱり心配というか興味があった。 部屋の入り口近くに身を隠し、息を潜めて探すと…すぐ近くに息子を発見。 向かいには女の子がいる。それも3人! なんだこのヤロー、 おとなしそうな顔して結構やるじゃねーか、と感心しながら観察してみた。 息子は俺に似てイケメン…というのは親の欲目で、まあ普通の子だと思う。 性格は穏やかでおとなしいが、暗い感じじゃなく、いつもニコニコしてる。 嫁によると、あまりお喋りな方じゃないものの、友達はそこそこ多いそうだ。 息子はお遊戯室の床に腰を下ろし、向かい合って座る女の子とお喋りしてた。 女の子の両脇には別の女児が2人、やはり息子の方を向いて座ってる。 1対3で息子が尋問されてるように見えなくもない。 女A「そしたら、おとーさんが怒っちゃってー(長いので以下略)」 息子「ふーん、そうなんだー」 女A「そんでね、せんせーがアタシと一緒に来てくれてー(以下略)」 息子「ほんと? よかったー」 女A「でね、アタシはミカちゃんと同じのが良かったんだけど(以下略)」 息子「うんうん、そうだよねー」 他の餓鬼どもも騒がしかったから全部聞こえたわけじゃないが、 どうやら「ごっこ遊び」じゃなく、普通に会話してるだけらしい。 いや、会話というより、女の子が一方的にまくし立てるのを息子が聴いてる。 全体の9割超を女の子が話し、息子はテキトーに相槌を打ってる感じだ。 会話は5分ほど続いただろうか。脇で聞いてた別の女児が割り込んできた。 女B「ねーねー、アタシねー、こないだ××行ってー(以下略)」 息子「えーっ? それすごーい」 女B「△△のぬいぐるみがあってー、すっごいかわいくてー(以下略)」 息子「うんうん、そうだよねー」 会話から押し出された子は明らかに不満そうな表情で、割り込んだ子をにらむ。 息子はと言えば、それまでと全く変わらぬ様子で新しい子の話し相手を始めた。 女B「◇◇より△△の方が絶対かわいいよねー(以下略)」 息子「うん、ボクもそう思うなー」 女B「でねー、おかーさんに買ってって言ったらー(以下略)」 息子「へー、いいなー」 「◇◇」とか「△△」、俺には全然分からなかったが、 アニメか何かのキャラクター名じゃないかと推察した。 あいつ、そんなのに関心があったっけ? 意外に思ったが、隠れて観察する限り、 息子は相手の子の顔をじっと見て、実に興味深そうに話を聞いてる。 時折大きく目を見開いたり、何度も頷いたり、知りたくてたまらない様子。 それに乗せられるように、相手の子も口角泡を飛ばして一生懸命説明してた。 するとさらに約10分後、それまで黙ってた3番目の子が話に割り込んでくる。 ちなみに、息子はこの時点まで「すごーい」とか「そうだよねー」とか、 およそ5種類+その派生形のセリフを使い回し、女の子の話し相手になってた。 女C「ねーねー、ユキノリくんて、ひどいんだよ。こないだなんて(以下略)」 息子「えー、それってひどいよねー」 女C「そんでさ、アタシ言ってやったんだ(以下略)」 息子「うんうん、やっぱりそうだよねー」 しかし、今回は割り込まれた子も引き下がらない。 女B「でねー、おかーさんが買ってくれないから(以下略)」 息子「そうなの? 言えばよかったのにー」 傍若無人な振る舞いにカチンと来たのか、3番目の子が語気を強める。 女C「ユリちゃん、今アタシ喋ってんのよ!」 息子「うん、そうだよね。ボク、聞いてるー」 するとここに来て、おとなしく弾き出された最初の女の子も再び参戦してきた。 女A「ユリちゃんずるいよー。アタシが一番に喋ってたのにー」 女C「そうよ、ずるーい。アタシも喋ってたんだよー」 可愛らしいながらも、少し険悪な雰囲気。2番目の子は気が強そうに見えたが、 2対1だと分が悪いのか、下を向いて泣きそうな顔になった。 女B「アタシだってさ、まだ喋ってたのに…(グズッ」 息子「ユリちゃんの話、すっごくおもしろいよー」 息子が慰めるように2番目の子の肩に手を置いた。残る女の子2人も ちょっと言い過ぎたと思ったのか、気まずそうな表情で互いに顔を見合わせた。 息子「でさー、ユリちゃんが買ってもらったの、今度見たいなー」 女B「(グズズッ)いーよ…」 女A「えー? アタシは△△より◇◇がいーなー」 女C「うそー、△△のが絶対いいよねー」 女B「そーよ、△△のが可愛いしー」 よく分からんが、再び雰囲気は和み、半泣きだった2番目の子も加わって 文字通り女3人による「姦(かしま)しい」会話が再開。 息子はと言えば、相変わらず「うんうん、そうだよねー」と熱心に話を聞いてる。 そろそろ息子をカオスから救い出すのが親の任務、と判断した俺は、 さっきメアドを聞いたばかりの保母さんに「うちの子、お願いします」と声をかけた。 保母「○村リュウイチく〜ん、お父さんが来ましたよ〜」 息子「あっ、パパだぁ! パパァ〜〜ッ!!」 迎えに来たのが嫁じゃなく父親だったのが珍しかったのか、 息子は満面の笑顔になって、俺の所に駆け寄ってきた。 取りあえず、女の子トリオに「仲良くしてくれてありがとねー」と挨拶。 3人は「バイバイ」「またねー」と笑顔で、俺たち親子を見送ってくれた。 帰り道、手を繋いで歩きながら息子と話してみる。 「楽しそうだったな。なに話してたの?」 「んとね…いろいろ」 「いろいろって、例えばどんな?」 「んとね…忘れた」 うーん、やっぱり女の子との会話内容まで、親には話したくないのかなー。 というか、さっきまで話してたことをマジで覚えてない…ようにも見えるが。 「ふーん、でさ、△△って流行ってんの?」 「んとね…よく知らない」 「へっ? 知らないで喋ってたの?」 「…うん」 途中、息子のリクエストに応え、肩車して残りの家路を急いだ。 「お喋りする女の子って、たくさんいるんだ?」 「んとね…ユリちゃんと、ミキちゃんと、カズミちゃんと、ハルナちゃんと…」 「多すぎw」 帰宅後、嫁に聞いてみた。やはりというか、△△や◇◇は女児向けのキャラ。 息子は別にグッズを持ってるわけでもなく、男の子同士じゃ話題にも上らない。 「あの子は知らないんじゃない? 少なくとも興味ないと思うけど」 今年のバレンタインデー、息子が保育園でもらったチョコの数が、 俺が職場でもらった数を上回ったんだが、その理由が少し分かった気がした。 出典: リンク: |
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