今日は焼き魚だという。 (オリジナルフィクション) 5504回

2014/02/19 05:19┃登録者:えっちな名無しさん┃作者:名無しの作者
妻が料理しているのを眺めている。今日は焼き魚だという。 

 私はしがない文筆家。妻は学校の教師をしているので大抵は家にいる私が家事をすることになる。 
たまに休みの日など妻が家で料理をすることもあるが、それは極々レアなケースなのである。 

 今日の魚は甘鯛だな。高級魚だがたまに近所の魚屋にも並ぶことがある。妻は魚を漬け汁から引き上げ水分を拭く。漬け汁は酒と醤油と味醂を少し混ぜたものだ。 
ここまでの手順はよい。 


 妻は時々テレビに出たりもして私より随分稼ぎもよいものだから、その分私は自分が家事くらいするのは当たり前だと思っているし、第一私は家事が得意で好きなのだ。元々きれい好きな方で掃除洗濯はお手のもの、料理だって我ながら大したものだと思う。 
 妻は 
「たまには外食なんかどう?」 
と言ったりするし、一応はダブルインカムなので経済的にも余裕はある方なのだが、料理は私の趣味でもある。 
 家にいて暇だからというのもあるが、料理本や料理番組で研究しては、その成果を妻に披露して悦に入るのも悪い趣味ではないと思う。 

 妻が魚を火にかける。甘鯛は白身魚だが脂があって水分も多く、焼くとフワリと仕上がって私の好きな魚の一つだが、ウロコをつけたまま焼くのが他の魚との違いだ。 
 丁寧にウロコがパリパリになるように焼き上げる、コレがなかなかコツを要して難しいのだ。 
 焼き魚を裏返すと、果たしてウロコが綺麗に逆立っており上々の出来。さすがである。 

 多才な妻ではあるが、実を言うと私が妻に惚れた一番は彼女の料理のセンスでもあった。数年前私は取材の一環で料理を習いにいったことがあるが、妻とはそこで出会ったのだ。 

ま、今はそんな話はどうでもいい。ここからが気の抜けない所なのだ。 

さて、妻が焼き魚を仕上げ、盛り付けに取りかかっている。 
そろそろだな。 
ほう、そういう風に盛り付けるのか、なかなか良いセンス、付け合わせはカブの胡麻和えか、いいね、などと言いながらメモを取る。 
 司会の女性に促され妻が「今日のお料理は甘鯛のウロコ焼きです」と言い、女性がレシピを読み上げるとともに画面には材料や調味料の分量が次々に流れていく。 
これを見逃さないようにメモするのが大変なのだ。 


出典:今日は焼き魚だという。 
リンク:今日は焼き魚だという。 
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