1 「え?留学?どこに?」 「オーストラリアだよ。ダメ?」 大学近くのカフェ、果歩は恋人である友哉の切り出した話に少し驚きの表情を見せていた。 「ダメじゃないけど・・・。」 「語学留学したいって、前から思ってたんだよ。バイトで留学資金、やっと貯まったんだ。」 友哉はまじめな性格だ、留学資金は親には頼らず自力で何とかしようと思っていたのだろう。 「そういえば友哉、最近デートもしないでず〜っとバイトしてたもんね〜。」 果歩は少し怒ったようにほっぺたを膨らましてみせた。 「ごめんごめん、そのくらいバイトしないと貯まらなかったから・・・。そのかわり、向こう行く前に果歩の行きたいところに遊びに連れて行ってあげるからさ。」 その言葉を聞いて果歩の目が輝きだした。 「え?ホント?やった〜!どこにしよっかなぁ。」 「果歩の好きなところでいいよ。」 留学の事を果歩に話すのには少し不安があった友哉だが、今の果歩の表情を見てひと安心だ。なにせ長い期間会えなく・・・。 「でも、友哉えらいね。自分だけでお金貯めて1人で留学だなんて・・・。私1人で海外なんて行けないなぁ・・・。」 割かし社交的で行動力のある友哉に比べ、普段は大人しく、人見知りもする方である果歩にとっては留学して外国人と交流して・・というのは少々ハードルが高く感じていた。 「最近は留学する人も少なくなっているみたいだけどね、でもやっぱり外国で生活していろんな人と交流できればこれからの考え方も視野が広がると思うしね。」 コーヒーを飲みながらそう語る友哉の姿は、果歩には非常に頼もしく見えた。 「しっかりしてるなぁ、友哉は。」 「じゃあ果歩、俺が留学するのOK?」 「うん、もちろん!友哉がいなくなるのは寂しいけど日本から応援してるよ。」 果歩のその言葉を聞き友哉の顔はパァっと明るくなった。 「ありがとう、向こうに行ったら毎日メールするから・・・よかった、果歩嫌がるかなぁって思ったけど、安心したよ」 「私そんなに心狭くないよ〜だ。楽しんでおいでよ、私もこっちで何かにチャレンジでもしようかなぁ・・・。」 「俺がいなくても大丈夫か?果歩、結構抜けてるとこあるもんなぁ・・・。」 「え〜!大丈夫だよ、友哉がいなくてもちゃんとやっていきます。」 「じゃあいつもみたいに大学のレポート手伝ってぇ!ってメールしてくるなよ。」 「あ〜それはちょっと困るかも・・・フフ・・・も〜大丈夫だよっ。」 友哉からの留学発表も終わり、注文したケーキを食べながら2人は今度どこに遊びに行くかを楽しそうに話していた。近頃は友哉がバイトで忙しかったのもあり、こうして2人でゆっくり話すのも久しぶりだ。 そんな中、果歩がふと思い出したように友哉に質問する。 「友哉、ところでどのくらい向こうにいるつもりなの?」 「ん?1年かな・・・。」 「え〜!!!1年も!?」 付き合い始めて1年近くなる友哉と果歩、お互いに異性と付き合うのは初めてだった。 好きになったのは友哉の方からで、互いに大学生になりたての出会った当初は、果歩からすれば友哉はひょろっとした外見からなんとなく頼りない印象であったが、いざ話してみれば友哉は外見の印象とは異なり、しっかりとした芯のあるまじめな性格と、周りの人たちにも気を配れるやさしさを持った男性なんだと、果歩の中で友哉の印象は変化していく。 そして果歩はそんな友哉に惹かれていった。 友哉は女性にアプローチするのは苦手だったが、不器用なりにも果歩には気持が伝わっていたようだ。 友哉と果歩が付き合いだした事で周囲に驚く者が多かったのは仕方のない事かもしれない、外見が可愛らしく性格もやさしい果歩には言い寄ってくる男は結構いた、一方友哉は頭もいいし性格もよく友達が多かったが、男性にしては小さい身体と決してかっこいいとは言えない顔立ちであったため全く異性からはモテなかった。 しかし、しっかり者の友哉と可愛くてやさしいけどちょっと天然の入っている果歩の組み合わせはいつしか学部内ではお似合いのカップルになっていた。 「はぁ・・・行っちゃった・・・もう向こうに着いてるかな。」 1人暮らしをしているアパートの自分部屋で写真を見ながらため息をつく果歩。その写真の中には楽しそうにミッキーマウスの横で笑っている友哉と果歩の姿がある。 (楽しかったなぁ・・・ディズニーランド・・・) 友哉がオーストラリアに行く前の最後のデート、2泊3日のデートは果歩にとって実に充実したもので、友哉といっしょにいるのが幸せだと再認識したデートだった。 (寂しくなるなぁ・・・一年か・・・。) 今の時代、携帯電話やパソコンでいつでもメールはできるが電話はお金がかかるからめったにできないし、長電話もできない。 一年くらい別に平気だと思っていた果歩だが、友哉が海外に発ってから急に寂しさを感じ始める、最後のデートが楽しかっただけにそれは想像してたよりも大きなものだった。 夕日が差し込むシーンとした自分の部屋で果歩は友哉と撮った写真をしばらく眺めていた。 「そっかぁ、友哉君もう行っちゃたんだぁ、果歩寂しくなるね。」 「うん・・・でもメール毎日するって約束したし。」 大学の食堂、果歩とランチをしながらそう話す相手は友達の知子だ。 「でも心配よねぇ、1年だもんねぇ」 「え?なにが心配なの?」 果歩と知子は卓球サークルで出会った仲のいい友達、よくこうして大学の食堂でランチを食べたり、大学以外でも買い物に行ったり食事に行ったり、恋愛の相談もよくする仲である。 「浮気よ、向こうの学校って日本人も結構いるって聞くじゃない?あ、相手が日本人とは限らないか、すっごい綺麗な金髪の子とかいたりして・・・フフ・・・。」 「う、浮気なんて!浮気なんて・・・友哉がするわけないよ・・・もう!何言ってるの知子ちゃん。」 知子は冗談のつもりだが果歩は結構動揺した様子。 「冗談冗談!フフッでも、友哉君みたいなまじめな人が意外と・・・だったりして、フフッ」 悪戯っぽく笑う知子、こうやってなんでも真に受けてしまう果歩をからかうのが好きなのだ。 「も〜ないよ、友哉に限って・・・それより知子ちゃん、私バイト増やそうかなって思って・・・友哉は1年いないし、こうなったらいっぱいお金貯めようかなって思って。」 「へぇ、でもたしか今果歩がバイトしてる雑貨屋さんってあんまり給料良くないんじゃなかった?お店は可愛いけど。」 果歩は大学に入ってからは前々から気に入っていた可愛らしい雑貨屋で週三日アルバイトをしていた。 「うん、でも雑貨屋さんのバイトは続けたいから他の3日間に別のバイト入れようかと思って・・・。」 「え〜!じゃあ果歩週6日もバイトするの?きっついよ〜。大丈夫?」 確かに大学生の中にはバイトのし過ぎで大学の勉学と両立ができなくなっている学生もいる。 「ん〜でも友哉もいっぱいバイトしてたけど頑張って大学と両立させてたし・・・私もなんか頑張ってみたいの・・・ねぇ、知子ちゃんどっかいいとこ知らない?できれば給料のいい・・・」 「ん〜いいとこねぇ」 腕を組んで考える知子。 「ん〜まぁ果歩は可愛いしやろうと思えばすっごい稼げる仕事はあるわよねぇ・・・フフ・・・日給何万ももらえる仕事・・・」 知子はまた悪戯っぽく笑みを浮かべて言った。 「え〜すごいね!あ・・・でもそれってすっごく如何わしくない?」 「フフ・・・意外と果歩はそういうの向いてるかもねぇ・・・果歩ムッツリだし・・・フフ・・・」 知子のその言葉を聞いて果歩は顔を赤くする。 「ち、ちがうよ!・・・もっと普通のバイトでだよ・・・もぉ・・・。」 「フフ・・・冗談よ。でも動揺してるとこ見るとムッツリは図星でしょ?」 「違うってば!!」 顔を真っ赤にして怒っているのか照れているのか・・・そんな表情の果歩。 そんな会話をしていた2人に近づいてくる人物がいた。 2 「いいバイトならあるわよ。」 ふとその声のする方に顔を向ける果歩と知子。 「あっ!秋絵先輩!」 そこには知子と同じく卓球サークルで知り合った先輩の秋絵がランチプレートを持って立っていた。 秋絵は大学内では有名な美貌の持ち主で、それでいて勉強もでき、しっかりしていた。 そのため秋絵を慕う後輩も多く、果歩と知子にとってもそんな秋絵は尊敬や憧れの対象になっていたのだ。 「ここいいかな?」 「はい、どうぞ」 知子はそう返事をして奥の席に移動して、手前の席を秋絵に譲った。 「ありがとう。・・・相変わらず仲良しね、知子ちゃんと果歩ちゃん。」 「秋絵先輩が食堂なんて珍しいですね。」 果歩は溢れんばかりの笑顔で秋絵に聞いた。 果歩の秋絵へ憧れの念は結構なもので、自分はドジでおっちょこちょいな所があると自覚がしている果歩にとって、秋絵のようにしっかりしていて完璧に見えるかっこいい美人は大きな目標でもあるのだ。 もちろん果歩もルックスでは大学内の男子学生に人気はあった、しかしそれは秋絵のように「かっこいい」「美人」というタイプではなく「可愛らしい」というタイプだろうか・・・。 「今日はちょっと朝寝坊しちゃって・・・お弁当作る時間がなかったのよ。」 「え〜秋絵先輩でも寝坊とかするんですね。」 知子は意外といった表情で言った。 「でもでも、毎日お弁当作ってるなんてやっぱりすごいですね!秋絵先輩。美人で頭も良くてスポーツもできて、料理もできて。」 尊敬の眼差しで目をキラキラさせながら話す果歩。 「お弁当といってもいつも簡単なものよ。」 「私たちなんて毎日食堂で済ませちゃってるし、果歩に限ってはお寝坊は日常茶飯事だしね〜。」 知子はまた悪戯っぽく笑いながら言った。 「も〜知子ちゃんイジワル〜・・・確かにそうだけどぉ・・・。」 そんな果歩と知子のやりとりを秋絵はニコニコしながら見ている。 「あ、そうそう、果歩ちゃんアルバイト探してるの?」 思い出したように秋絵が話をきり出した。 「え・・・あ、はい!今は週3日バイトしてるんですけど、他の3日で別のバイトしようかなって・・・。」 「週6日アルバイトかぁ、頑張るね。それで・・・実は私の知り合いでスポーツジムを経営してる人がいるんだけど、その人が今ちょうどアルバイト欲しがっているのよ。そしたらちょうど今知子ちゃんと果歩ちゃんがアルバイトの話してるの聞こえたから、果歩ちゃんどうかなって思って。」 「スポーツジム・・・ですか、スポーツジムのバイトってどういう事するんですか?」 あの秋絵が紹介してくれる所だ、きっとちゃんとした所なんだと思った果歩だが、スポーツジムと聞いて少 し不安になったのは、果歩は運動神経にはあまり自身がない、それに重いものを運んだりするのは非力な自分には向いてないと思ったからだ。 「うん、詳しくはわからないけど、多分受付とかだと思うけど。女の子に重いもの持たせたりって事はないと思うわよ。トミタスポーツっていう所なんだけど・・・ちなみに時給結構いいわよ。」 その話を聞いて果歩の顔がパァっと明るくなる、時給がいいに越した事はない。 「わぁ!そうなんですかぁ!ん〜どうしようかなぁ・・・。」 「やってみなよ果歩、秋絵先輩の紹介だし、時給いいなら申し分ないし。それに、スポーツクラブならかっこいいインストラクターいっぱいいるかもしれないよ。」 「それは別にいいけど・・・。やっぱりお金貯めるなら時給高い所の方がいいよね、もうひとつのバイトは好きなことやってるし。」 「それじゃ果歩ちゃん、このアルバイトの話前向きに検討してくれるかしら?」 「はい、あの・・・あ、じゃあそういう方向で考えたいと思います・・・。」 まだ少し迷いはあるもののせっかく秋絵からもらった話だ、とっさに果歩は承諾の方向で返事をしてしまった。 「じゃあ私先方に伝えとくから、詳しい事はまた近いうちに連絡するわね。」 「は、はい。よろしくお願いします・・。」 「それじゃまたね。」 そう言って秋絵は食べ終わったランチプレートを持って席を立った。 「よかったね果歩、バイト早々に決まったじゃない。」 昼食を終わらせ、大学の中庭のベンチに果歩と知子の2人は座って話をしていた。 「なんかトントン拍子に決まっちゃって・・・よかったのかな・・・。」 「秋絵先輩が紹介してくれた所なんだから大丈夫でしょ、きつかったら辞めればいいし、バイトなんだから。」 そう言う知子に果歩は少し困ったような顔をする。 「秋絵先輩が紹介してくれたんだからそんな簡単に辞めれないよ。・・・でも・・・うん!頑張ろっ!友哉もきっと頑張ってるだろうし。」 「その意気その意気!スポーツジムなんだから逞しい身体したイケメンも多いかもしれないし、ムッツリの果歩には目の保養になるわよきっと。」 またからかうような笑みで知子が言った。 「ち、ちがっ!私そんなんじゃないよ〜!」 「だってさっきその話した時うれしそうだったじゃない?」 「ち、違うってば!も〜!」 【こっちはホームステイ先の家族との生活が始まって、今日はその家族に羊のステーキをご馳走になってすごいおしかったよ。1ヶ月後には一人暮らしの部屋を見つけるつもり、バイトは近くのレストランですることになったし、明日からはこっちの学校も始まるし何かと忙しくなりそうだよ。果歩の方はどう?変わりな くなく元気でやってる?】 夜、雑貨屋でのバイトが終わって自分の部屋に帰ってきた果歩は早速パソコンを点けてメールをチェックした。 そこに友哉の名前を見つけた果歩はとてもうれしそうな顔をしながらメールを開いて読み終わるとすぐに返信メールを打ち始めた。 【え〜羊さんかわいそ〜!でもおいしそ〜(笑)ホームステイ楽しそうでいいなぁ、でも友哉すっごい忙しくなるんだね、がんばってね。私はなんだかそんな忙しい友哉に影響されてか新しいバイトを始めます、友哉がいない間にいっぱいお金貯めるぞ〜!】 順調に海外の生活をスタートさせた友哉のメールを見て、自分も何か頑張らないといけないという気持ちになりながら果歩はメールを書いていた。 (お金貯めて・・・どうしようかなぁ・・・私も1年は無理でも数ヶ月留学して英語の勉強でもしようかなぁ・・・) 大学生活2年目の果歩、しっかりと目標を立ててそれに向かって努力している友哉のように、まずは目標を立てなくては・・・。 (はぁ・・・とりあえずバイトよね。頑張らないと!) 数日後・・・ 「え〜っと・・・ここだよね・・・。」 果歩は大学の先輩である秋絵に紹介されたバイト先、トミタスポーツを訪れていた。 その建物の外観はまだ建てられてからそんなに経っていないのか、ガラス張りのオシャレで綺麗な建物だった。 それはまるでどこかの美術館かと思ってしまうほどで、スポーツクラブと言えばなんだか汗臭いような感じのイメージを抱いていた果歩にとっては、その外観はいい意味でそんなイメージを打破してくれた。 同時にこれから始まるバイトに大きな期待を膨らます果歩であった。 3 『それじゃ先方には私から連絡しておいたから、明日大学が終ったらトミタスポーツに行ってくれる?一応面接みたいなのするって言ってたけど大丈夫、私の紹介だし果歩ちゃんなら絶対合格だから安心して。場所は・・・わかるわよね?』 『はい、場所は調べて確認しました。秋絵先輩ありがとうございます、本当になにからなにまで・・・。』 『いいのよ、だいたい最初にバイトお願いしたのは私の方からだし、引き受けてくれてありがとうね。それじゃ明日からよろしくね。』 『はい、頑張ります!』 果歩は昨日の秋絵との電話の話を思い出しながらトミタスポーツの建物の中に入っていく。 元々人見知りもするタイプの果歩、アルバイトの面接とはいえ多少緊張していた。 入ってすぐ入り口付近に受付のカウンターがあった。 (まずはあそこで聞けばいいかな・・・) 「あ・・・あの・・・今日ここのアルバイトの面接に来たんですけど・・・。」 「あ、アルバイトの面接の・・・、それじゃ奥に面接するところあるんで、今からそちらに案内しますね。面接はここのオーナーがする事になっているんで。」 受付をしていたのはハーフパンツにTシャツ姿の男性だった。 その人の後ろについて行きながら周りを見渡す果歩、ここにはプールもあるのだろう、塩素の消毒の匂いがする。 (それにしても外観もそうだったけど中も綺麗な造り・・・この辺は高級住宅街もあるし、お金持ちさんが来るような所なのかなぁ・・・。) 果歩がそんなことを考えているうちに部屋のドアの前に着いていた、どうやらこの部屋で面接するみたいだ。 ドアをコンコン・・・と、その男性がノックすると部屋の中から「どうぞ〜」という男性の声が聞こえる。 案内人の男性とともに部屋の中に入ると、椅子に深々と座った上下ジャージ姿の男性がいた。 部屋には立派なデスク、その前には黒い革でできたソファとテーブルがあり、どこかの会社の社長室といったような雰囲気だ。 しかしそんな部屋とここにいる男性のジャージ姿が果歩にはミスマッチに思えた。 「あ、水野果歩さんですね?どうぞどうぞ、そこの椅子に座って。」 「あ、はい!失礼します。」 やはりスポーツクラブだからであろうか、この部屋で待っていた男性も、ここまで案内をしてくれた男性も、身体は大きく肌がこんがり焼けていて、いかにもスポーツマンといった感じだ。 「ここのオーナーの富田です、よろしくね。果歩ちゃん」 デスクの椅子から立ち上がり、果歩の座ったソファとテーブルを挟んで向き合うように置いてあるソファに富田は座った。 果歩は初対面であるにも関わらず、いきなりのちゃん付けに少々驚いた。 「は、はい。こちらこそよろしくお願いします。」 このオーナーだという富田という男性は果歩の目にはかなり若く見えた。まだ20代後半くらいだろうか・・・。 それになんだか良く言えば気さくな印象だが、軽い男にも見える。とにかくこんな立派なスポーツジムのオーナーには見えない。 「いやぁ、秋絵ちゃんにかわいい子だって聞いてたけど、ほんとかわいいねぇ。」 「い、いえ・・・そんな・・・」 こんなセリフは40代や50代の男性が言えばいやらしく聞こえるかもしれないが、富田が若く見えるためだろうか・・・果歩はそれほど不快には感じなかった。 きっとこれが普通・・・富田さんにとってはこれが普通のあいさつなんだろうなぁ・・・と果歩は思った。 「聞いてるかもしれないけど、秋絵ちゃんは俺の大学の後輩でね・・・って事は果歩ちゃんも俺の後輩なんだけどね。」 「そ、そうだったんですか・・・聞いてなかったです。」 (でも秋絵先輩と知り合いという事はやっぱり富田さん若いのかなぁ・・・) 富田の年齢は30歳、このスポーツクラブの系列の会社、トミタグループの社長の息子だ。 高校卒業後、2年浪人生活をした後大学に入った。大学生活はほとんど遊びほうけており、一度留年を経験している。 それでも大学院まで通って、果歩の1年先輩である秋絵と出会ったのはその頃だ。 富田は27歳の大学院生で秋絵は18歳の新入生の頃だ。 翌年、果歩が大学に入学する年に富田は大学院を卒業。 相変わらず遊んでいた富田は就職活動もろくにせず、結局父親のコネで今のトミタスポーツに就職した。 インストラクターとして1年働いた富田は、やはり父親のコネですぐにトミタスポーツのオーナーになった。 オーナーと言っても実質その業務をやっているのは会計士や他のスタッフだ。 富田はオーナーとなっても今までどうりインストラクターをしているだけ、それどころか遅刻や突然の欠勤は日常茶飯事、まさにやりたい放題。 それでも給料はここの誰よりも高かった。 「じゃあ、面接と言ってもたいした事じゃないんだけど、いくつか質問いいかな?」 「はい。」 「それじゃ、とりあえず果歩ちゃんが週どのくらいここでバイトするか希望を聞きたいんだけどね。」 「はい、あの・・・週3日希望なんですけど。」 「3日?結構少ないんだね・・・こっちとしては人手が足りないからもっと出てほしいんだけどねぇ・・・。」 そう言って冨田は少し困ったような顔をした。 「すみません・・・あの、実は今もうひとつ別のアルバイトを週3日してるんです。」 「そうなのかぁ、それじゃ仕方ないね・・・。ちなみにどんな所でバイトしてるの?」 「雑貨屋さんです、○○駅の前の・・・。」 「あ〜あそこの可愛らしい店ね、あそこ好きな女の子多いよねぇ、店員も可愛い子ばっかりだし。それにしても週6日もバイトなんて結構大変だよ、金貯めてなんかやりたい事とかあんの?」 「いえ、特には・・・まだ決めてないんですけど・・・。海外にホームステイとかしたいなぁとか少しは考えてるんですけど・・・。」 「へぇ・・・でもそんなにバイトしてたら彼氏と遊ぶ時間もあんまなくなっちゃうでしょ?果歩ちゃんくらい可愛かったら彼氏ぐらい当然いるんでしょ?」 「は、はい。でも彼は少し前から海外に留学してるんです。」 「へぇ・・・海外留学かぁ、じゃあ果歩ちゃん寂しいでしょ?ちなみにその彼氏って果歩ちゃんにとっては初めてできた彼氏?」 「え・・・はい、あの・・・そうですけど・・・。」 アルバイトの事とは関係ないとは思ったが、別に聞かれて困る事でもないし、果歩はありのまま答えた。 「やっぱりそうかぁ!ハハッ!やっぱり大学生活、恋人くらいいないと楽しくないもんなぁ。それじゃ果歩ちゃんその彼氏とはもうどのくらい付き合ってるの?」 「え・・・え〜っと、1年くらいです。」 果歩のその言葉を聴くと富田はニヤっと笑みをつくった。 「へぇ・・・1年ねぇ・・・じゃあもう果歩ちゃんはヤッちゃったんだ?」 4 果歩は一瞬何を聞かれているのかわからなかった。 あまりにも突然の質問ですぐにはその言葉の意味を理解することができなかったのだ。 「え・・・あ、あの・・・それって・・・どういう・・・」 どう答えていいのか分からず果歩は顔を赤く染めた。 まじめで恥ずかしがりやで大人しい果歩も年頃の女の子だ、富田の言う「やっちゃった」の意味がわからないわけでもなかった。 しかし、今目の前にいる新しいアルバイト先のオーナーである富田の言っている事が冗談のつもりなのかどうかがわからなかったのだ。 「あ、いや冗談冗談!今のは冗談だから!ハハッ、果歩ちゃんは真面目なんだねぇ。いやぁごめんごめん、ハハッ」 「はぁ・・・いえ・・・そんな・・・。」 果歩はまだ顔を赤くしていて、動揺して困ったような顔をしていたが、これは富田の冗談だったんだと理解した。 「ごめんねぇ、オーナーはいつもこういう下ネタの冗談多いから、あんまり引かないであげてね。」 と、立っていたここまで果歩を案内をしてくれた受付の男性が言った。 「はい・・・すみません、ちょっとビックリしちゃって・・・冗談だったんですね・・・。」 「オーナーもあんまりそんな事言ってると果歩ちゃんアルバイト引き受けてもらえなくなっちゃいますよ。」 「いやぁ、ごめんごめん、いやぁいつもの癖でねぇ、果歩ちゃんがあまりにも可愛いから。」 富田はいやぁまいったね、といった様子で頭をかきながら言った。 「果歩ちゃんもこれからはオーナーの下ネタは無視していいからね。」 「フフッ・・・はい、わかりました。」 果歩はそう笑いながら答えた。 一瞬富田の印象を悪く考えそうになった果歩だが、冗談だとわかって安心していた。 それになんだか案内人の男性とオーナーの富田がツッコミとボケでうまくバランスが取れているように思えて面白い人達なんだなと、むしろ果歩の中では富田は好印象になっていた。 「それじゃ質問に戻るけどいいかな?果歩ちゃんは週3日は何曜日にこっちのバイトに来れそう?」 「あの、雑貨屋さんのアルバイトが月水金なので、火木土をできたら希望したんですけど・・・。」 そんな風なやりとりが続き、時々富田は冗談も入れ、そのたびに果歩の笑いをとり、終始なごやかな雰囲気で面接をしていた。 「・・・うん、じゃあOK!果歩ちゃんは採用ってことで。」 「わぁ、ありがとうございます。」 その言葉を聴いて果歩の顔がパァっと明るくなった。秋絵には大丈夫と言われていたが、こうやって早々にアルバイトが決まったことに、果歩の顔には安心とうれしさが表れていた。 「それじゃ、最初は受付の仕事からだな。しばらく果歩ちゃんの教育係はそこにいる山井が担当するから、仲良くしてやってね。本当は俺が果歩ちゃんにいろいろと教育してあげたいんだけど。」 案内してくれた男性は山井というらしい、富田もそうだが山井もさっきから話は面白く果歩には好印象だった。 「うち、女性スタッフ少ないからむさ苦しい職場だけど、よろしくね。」 「いえ、こちらこそよろしくお願いします。」 (女の人は少ないんだぁ・・・) 雑貨屋でのバイトは逆に女性しかいなかったので、男性ばかりというのは少し不安にもなったが、富田も山井も好印象だったので何とかやっていけそうだと、果歩は思った。 「それじゃ、仕事は来週からってことで。今日はそうだな・・・俺が果歩ちゃんに、ここの施設をぐるっと周って一通り説明してあげたいんだけど、果歩ちゃんいい?今日まだ時間あるよね?時給もサービスでつけてあげるから」 「わぁ、いいんですか?よろしくお願いします!」 富田の提案に果歩は喜んでのった、見学だけで時給が貰えるのだから。 「じゃあさっそく行こうか果歩ちゃん。」 「はい」 笑顔で元気のいい返事をした果歩は富田の後についていった。 まず最初に連れて来られたのはジム、ランニングマシーンや身体を鍛えるための多種多様な機械が並べられ、今日も多くの逞しい身体をした男性達が汗をかきながらトレーニングしていた。 「どう?果歩ちゃん、ここには最新のトレーニング機器が揃えられているんだよ」 「はぁ・・・なんだか皆さん真剣に取り組んでいて、すごいですね。」 果歩の言うとおり、ここでトレーニングしている者は皆黙々と自分のトレーニングに集中していた。 「うん、トレーニングにはこういう集中できる環境が大事なんだよ。時には友達とおしゃべりしながらって人もいるけど、そういう時はスタッフが注意するんだよ、スポーツジムにも規律やマナーはあるからね。」 富田の真面目な顔で話す言葉を、果歩はうなずきながら聞いていた。 それと同時に富田の事を(ホントは真面目な人なんだ)と、果歩は思っていた。 さっきまで冗談ばかり言っていた富田とは別人のようなギャップを感じたため、余計にそう思えたのかもしれない。 次に果歩が連れて来れれたのはプールだ、広々とした50メートルプール、他には綺麗で清潔感のあるシャワールーム、サウナ、それに専門のマーサージ師がいるというマッサージ室まであるらしい。 「どこも清潔感がありますね、ここなら皆さんトレーニングに集中できますね。」 「ハハッそう言ってもらえるとうれしいよ。ちなみにここのスタッフはいつでも無料でここの施設を使える事にしてるんだ、果歩ちゃんもプライベートでもいつでも来て使ってくれていいんだよ。」 「え、ホントですかぁ!わぁうれしい〜!ダイエットとかでも来れますね。」 「ハハッ、でも果歩ちゃんはダイエットなんて必要ないんじゃないんじゃないか?」 そう言いながら富田は果歩の身体を下から上までジーっと舐めるような視線を向けた。 果歩は富田のその視線にはまったく気づいていないようだ。 「あれ・・・あの、ここの部屋はどういった部屋なんですか?」 この建物の一番端の部屋、中は広々としていて、側面と天井は全面が鏡になっている。下はビニール製のマットが敷き詰められていて、部屋の四隅にはそれぞれ大きなスピーカーのような物が置いてあった。 「ここ・・・エアロビックスとかそういうのに使うんですか?」 「いや、そんなんじゃないけどね、ここは・・・。まぁ今は使ってないんだけど、たぶん近々毎日のようにトレーニングで使う事になると思うけどね・・・。」 「へぇ・・・そうなんですか。」 その時の富田がつくっていた不敵な笑みの意味に、果歩は気づくわけもなかった。 5 その日、施設内の見学と、富田による一通りの説明を聞き終えた果歩は、ひとまず帰る事になった。 本格的なアルバイトの仕事を始めるのは来週からだ。 アパートに帰宅した果歩はすぐにパソコンのスイッチを点けた。 もちろん海外との遠距離恋愛中の彼氏、友哉から届いているはずのメールをチェックするためだ。 友哉が発ってから約2週間、アパートについてからすぐにメールをチェックするのは、はやくも果歩の習慣になっていた。 【今日はホームステイ先の家族に俺が腕をふるってお好み焼きを食べさせてあげたよ。それがすっごい好評でさ、親父さんは5枚も食べてくれたよ!日本に帰ったら果歩に食べさせてあげるわぁ!】 そのメールをうれしそうに読む果歩、すぐに返事を打ち始めた。 【わぁ〜喜んでもらえてよかったねぇ。そういえば友哉の手料理って私食べた事な〜い!絶対帰ってきたら食べさせてね。私の方は今日バイトの面接行ってきたよぉ、来週から新しいバイト始まるからね。私も忙しくなるかなぁ・・・お互い頑張ろうね!】 メールを打ち終えた果歩は、一日の汗を流すべくお風呂場に入って行った。 「果歩ちゃん想像以上可愛かったっスねぇ!」 果歩が帰った後のトミタスポーツジム、果歩が面接をした部屋に二人の男の姿があった、富田と山井だ。 「あぁ、ありゃかなりの上物だな。ハハ、こりゃマジで楽しみだわ・・・へへ・・・」 そう言いながら不適な笑みを浮かべる富田の表情は大好物の獲物を前にする獣ようだ。 「でも富田さん、果歩ちゃんってかなり真面目そうな感じじゃないッスか?大丈夫っすかねぇ?」 「フフ・・・まぁあれは今までにないくらい純なタイプだな・・・しかも彼氏に一途でなかなか難しいかもなぁ・・・。」 「そうっスよねぇ・・・こりゃ今回ばかりは今までのようにはいかないかもなぁ・・・。」 そう言って山井は残念そうな顔をした。 「まぁ俺に任せておけよ、時間はたっぷりあるしよ。」 「え〜俺そんなに我慢できないッスよ富田さ〜ん」 「俺だってそんなに我慢するつもりはねぇよ。ま、こっちには強力な助っ人もいるし、意外と早いうちになんとかなるかもな・・・。」 富田は自信ありげにまた不適な笑みを浮かべていた。 夜のスポーツジムの一室で、昼間はさわやかなスポーツマンの顔をしていた男達が、目の色を変えて練っている計画に、果歩は気づく予知もなかった。 「じゃあ受付の仕事とマニュアルはこんな感じで、さっき練習した通り接客は笑顔でね。」 「はい、わかりました。」 トミタスポーツでのアルバイト初日、果歩はトミタスポーツのロゴの入った白のTシャツと紺のハーフパンツ姿で教育担当である山井に受付の仕事の教育を受けていた。 「まぁ、こんな可愛い子が受付にいるんだから、こりゃきっとお客さんも増えて忙しくなるなぁ!ハハッ!」 「そんな・・・でも、一生懸命頑張ります!」 「よし、じゃあもし変なお客さんとか来たりしたら、俺を呼んでね、やっつけてあげるから。」 「え〜やっつけちゃうんですかぁ?」 「ハハッ冗談冗談!まぁホントわからない事とかあったら俺でも他のスタッフでもいつでも聞いてもらってかまわないから。」 こうして新しいアルバイトの仕事はスタートした。 しかし、始めてみると果歩にとって受付の仕事は割かし楽と感じるものであった。 それはこんな仕事内容であんな高い時給でいいのかと思うほどで、忙しく働く事を予想していた果歩は少し拍子抜けした。 それでもお客はそれなりに来るので、暇というわけではなかったが・・・。 ふと果歩は受付をしていてあることに気がついた。 (ん〜・・・あれ?・・・ここの会員さん、女性がほとんどいない・・・) 受付に置いてあるノートパソコンの会員名簿をざっと目を通してみても女性らしき名前は見当たらない。 そういえば、果歩が受付に立ってから来た客は男性ばかりで女性はいなかった。 (ジムってやっぱり使ってるのは男の人ばっかなのかなぁ・・・。最近はジムに通う女の人増えたって聞いた事あったけど・・・。綺麗なとこだし、女の人にも人気出ると思うんだけどなぁ・・・。) そんなことを考えていると、ふと女性の声が果歩の耳に届く。 「果歩ちゃん」 果歩はパソコンを見るのをやめ顔をあげると、そこには果歩がよく知っている人物が立っていた。 「秋絵先輩!?」 果歩の顔がパァっと明るくなる。 「フフッ、頑張ってる?受付の仕事だけじゃちょっとつまんない?」 「いえ、そんな・・・でもでも!どうして秋絵先輩が・・・?」 「果歩ちゃん頑張ってるかなぁと思って、様子見に来たのよ。」 「え、そうなんですか・・・わざわざありがとうございます。」 「まぁそれもあるんだけど・・・ホントはね、今日はお客として来たのよ、私ここの会員なのよ。」 「え、そうなんですか!?・・・でも・・・」 (名簿には秋絵先輩の名前はなかったような・・・) 「おぉ〜秋絵ちゃんよく来たなぁ!」 ふと果歩の後ろから男の大きな声が聞こえた、オーナーの富田の声だ。 「こんにちは、富田さん。」 秋絵は上品な笑顔で富田にあいさつした。 「いやぁ秋絵ちゃん、また手伝いに来てくれたのか?ありがたいねぇ、秋絵ちゃんはホントできてる子だなぁ」 富田はこんがり焼けた顔に真っ白な歯を見せながら言った。 「違いますよ富田さん、今日はお客さんとして来たんですよ。」 果歩は二人の会話を少し疑問を持っているような顔で聞いている。 「果歩ちゃん、私ね、実はちょっと前までここでバイトしてたのよ。今でも時々富田さんに頼まれて手伝いに来てるの。今日は違うけどね。」 「え〜そうだったんですか?」 富田はそんな少し驚いた様子の果歩を見て、口を開いた。 「秋絵ちゃんも最初は受付やってたからね。秋絵ちゃん目当ての男性客が増えて商売繁盛だったんだぜ。果歩ちゃんも頑張ってくれよな。」 「え〜私なんか駄目ですよ・・・」 「そんな事ないわ、果歩ちゃんなら可愛いし、大丈夫よ。」 「そうそう!果歩ちゃんがちょっとお色気使っちゃえば、お客さん倍増間違いなし!ハハッ」 「クス・・・でも私お色気なんてないし。」 果歩は自分に色気なんてないと思っていた、それはきっと秋絵にはあって自分にはないだろうと。 「それがいいのよ・・・きっとお客さんたくさん来るわよ・・・・たくさんね。」 「え・・・?あ、はい、頑張ります。」 ニヤっと笑みをつくりながら秋絵が言った言葉の意味が一瞬よくわからなかった果歩だが、そこを深く聞くことはなかった。 「さて、それじゃそろそろ私はトレーニングに行くわね。」 「秋絵ちゃん、着替えたらあの部屋においで。今日はインストラクターでもある俺が特別会員の秋絵ちゃんにスペシャルトレーニングメニューを用意しといたからよ。」 「スペシャルですか・・・フフ・・・楽しみ・・・お手柔らかにお願いしますね。」 富田の言葉に秋絵は意味ありげな笑みを浮かべてそう答えた。 「ハハッ!俺がじっくり鍛えてやるから楽しみにしとけよ。」 「フフ・・・じゃあ果歩ちゃん、アルバイト頑張ってね。」 「はい、秋絵先輩もトレーニング頑張ってください。」 秋絵と富田がいなくなり、再び果歩は受付の仕事に戻った。 (でも秋絵先輩、ここにトレーニング通ってたんだぁ、だからあんな大人っぽい綺麗なスタイルしてるなかなぁ・・・) 秋絵と果歩、二人とも美人であったが、しかしまだどこかあどけなさが残る果歩。 秋絵には果歩にはない大人の女を感じさせるなにかがある・・・と、果歩は思っていた。 果歩のその考えはある意味当たっていた・・・。 6 「しかし・・・秋絵には感謝するぜ・・・あんなカワイ子ちゃん連れてきてくれたんだからよ。」 「ン・・・ン・・・ンハァ・・・はぁ・・・はい・・・でもこちらの誘いに乗ってくれるかわかりませんけど・・・あの子結構まじめな子ですから・・・ン・・・チュパ・・・」 トミタスポーツの建物の中の一室、周りを鏡に囲まれた部屋に富田と秋絵はいた。 ここでの富田は、果歩の前にいるときとは違い、秋絵を呼び捨てにしている。 「ハハッ!秋絵だって、出会った頃は相当まじめだったぜ・・・今の果歩以上にな。」 「ン・・・ンフ・・・ハァ・・・私・・・今でもまじめです・・・」 チュパ・・・ジュルル・・・ハァ・・・あ・・・ン・・・ 下半身裸の富田は仁王立ち、秋絵はその前に一糸纏わぬ姿でひざ立ちになって、大学でも評判の美しい顔を、富田の毛深い股間に埋めていた。 秋絵の身体はまるでモデルのようだった、長くスラっとした手足。かといってやせ細っているわけではない、ふっくらと丸みを帯びた臀部、まさにそれは大人の女の尻。 胸は決して大きくはないがツンと張りのある美しい形だ。 しかし、意外にもその頂点にある乳首は少し黒ずんでいた。 秋絵の頭は長いストロークでまるで肉棒をむさぼるように激しく動く、白くてしなやかな手は富田の太ももや尻をなでるように動き回っている。 ジュルル・・・チュパ・・・はァ・・・あ・・・はァ・・・ジュル・・・チュパ・・・ この部屋の造りは音が響きわたるようにできていた。 そのため秋絵の奏でるいやらしいネットリとした音は部屋中に響き渡り、自分の耳に返ってくる。 「でも、あの頃はこんなにチ○ボ好きじゃなかったよな・・・おい、玉袋も・・・わかってるな・・・」 「・・・ん・・・ハイ・・・はァ・・・」 秋絵が咥えていたものを吐き出す・・・現れたのは男の巨大な肉棒。 それは力強く天に向けて反り返り、色は赤黒く、まるで凶器のような雰囲気を醸し出していた。 そして何よりその男根は異常に太く、長かった。 血管の浮き出た茎の部分はカチコチに硬く長い、そして不気味なほど黒い。 さらに赤黒い亀頭部分は茎よりも大分太く巨大で、エラが張り出していた。 パク・・・ジュルルルル・・・・・んぱァ・・・ 秋絵は多くの毛に覆われた富田の玉袋、睾丸を毛を気にすることなく口いっぱいに含み、口の中で自分の唾液をたっぷり絡ませ、舌を使ってマッサージするように舐めあげる。 そしてやさしく引っ張るようにして口からポンっと音を立てて吐き出す。 富田の睾丸はその肉棒同様、通常の何倍もあるくらいの大きさだった。 秋絵はその逞しい男性器をまるで愛しいように音を立て舐め上げ、口に含んでいく。 「どうだ秋絵、俺の味は・・・?あ、フフ・・・そういや俺さっき小便したばっかだわ・・・」 「チュパ・・・はァ・・・おいしいです・・・オシッコの味もおいしい・・・です・・・はァ・・・」 大学にいるときや果歩の前にいる時の秋絵の顔とはまったく違う、いやらしく淫らな表情。 富田を見つめるその目はウルウルと潤んでいて、まるで富田に何かを求めているようだ。 そして秋絵がその欲求を抑える事を我慢できなくなってきていることを富田はわかっていた。 「秋絵・・・どうしてほしんだ?いつも言ってるだろ?ちゃんと口に出さないとわかんねぇだろ・・・。」 「はい・・あの・・・入れ・・・入れてほしいです・・・おち・・・。」 「何を何処に!?どんな風にしてほしいんだぁ!?いつも言ってるだろ!お前頭良いならあんまり同じ事言わすなよ。」 富田の激しくなる口調、とても偉そうで汚い言葉使いだ。 しかし秋絵がそれに反抗する事はない。 「私の・・・オマ○コに・・・富田さんのデカチ○ボ・・・入れて・・・いっぱい突いてほしいです・・・はぁ・・・」 「ハハッ!とんだ淫乱女だなぁ・・・秋絵ぇ。ほらっ!入れてほしいなら俺がチ○ボをお前の淫乱マ○コに気持ちよく入れられるような格好になれよ。」 「はい・・・・・。」 秋絵は返事をすると、この部屋の床一面に敷かれたビニール製のマットの上に四つん這いの格好になる。 秋絵はそのまま顔をマットにつけ、丸みを帯びたなんともいやらしい尻を富田に向けて突き出す。 そして両手を後ろにもっていき、柔らかな自分の尻たぶをグッと掴み、左右に広げた。 性器、さらには肛門までも富田の前に曝け出す格好になった秋絵。 富田はその秋絵の秘部に顔を近づけ、まるで軽蔑するよな目でそこを眺めた。 「おいおい秋絵ぇ、下の口がだらしないぞぉ。」 秋絵の陰裂は、はしたなく半開きになり、そこからだらしなくヨダレを垂らしていた。 「それにしても・・・秋絵のマ○コはエロくなったなぁ、ハハッこんなに色も黒くなっちまって・・・」 富田の言うとおり、秋絵の秘部は小陰唇が伸びてしまっていて、その色は黒ずんでいる。 陰核は皮がしっかりめくれて、大きく勃起いた。 一目見れば、その性器が大分使い込まれているであろう事は誰にでも容易にわかりそうだ。 富田は秋絵のフェラチオによってしっかりと勃起し、へそに付きそうなくらい上に反り上がった巨大な肉棒を手でしっかり握り、グッと下に向けその先端を秋絵の秘裂にあてがう。 「はぁ・・・ハア・・・富田さん・・・あ・・・」 「我慢できないか?秋絵。結構久しぶりだもんなぁ・・・前にヤッたのは、一ヶ月くらい前か?」 肉棒の赤黒い亀頭の先端からは透明の液体が溢れている。そのガマン汁をクリトリス塗し着けるように亀頭を擦り付け秋絵を刺激する。 「はあ・・・あっあっあっ・・・はああ・・・」 「せっかくセックス漬けの生活から開放してやったのになぁ・・・今日は呼び出しもしてねぇのに来ちまって、ハハッ!やっぱりお前には無理かぁ!俺とのセックスがない生活は!」 「はあ・・・富田さん・・・あぁ・・・早く・・・わたし・・・はあ・・」 「ハハッ!どんだけ飢えてんだよこの牝は!おら!もっとおねだりしてみろよ!」 バチ〜ンッ!バチ〜ン!!と部屋に響き渡るほど大きな音をたてて秋絵の尻を手の平で何度も何度も、尻が赤く腫れ上がるほどにひっぱたく。 「あああ!あぁ!ん・・・はぁ・・・あああ!・・・」 「挿れて!いれてください!チ○ボ!あああ!・・・ほしい・・・もう我慢できないです!あああ!・・・お願いします富田さん!」 「・・・・・・このど淫乱女が・・・」 まるで軽蔑するかの様にそう小さく呟いた富田は、自身の巨大な肉棒を秋絵の性器に押し込んでいく。 「はぁあああ!んあぁあ!」 たまらなく気持ちよさそうな声をだす秋絵の下の口は驚くほどの拡がりを見せ富田の肉棒を呑み込んでいった・・・。 この部屋の壁にはしっかりとした防音加工も施されていた。 そのためこの日、長い時間秋絵から口から出され続けた悲鳴のようなあえぎ声は、同じ建物内にいた果歩の耳には聞こえるわけもなかった・・・。 7 「あ、そういえば果歩、来週果歩の誕生日じゃない?」 急に思い出したかのように知子は口を開いた。 「え?・・・うん・・・。」 大学の食堂でいつものように果歩と知子はいっしょに昼食をとっていた。 「あ〜友哉君いないもんねぇ、寂しいんでしょ?遠距離恋愛のつらいところねぇ。」 知子は窓の外へ向け遠い目をしながら言った。 「うん・・・でも誕生日の日は電話してきてくれるって約束なの。」 「へぇ・・・なんだかあんた達ってホント真面目なカップルよねぇ。」 「そう・・・かな・・・?普通じゃない?」 「なんか清く正しいお付き合いって感じ・・・ちゃんとやる事やってるの?」 「え・・・なに?やる事って・・・?」 「え〜それは決まってるじゃな〜い」 まったくそっち方面の話に疎い果歩、知子はそんな果歩にあきれ気味だ。 「あ〜もしかして果歩、一年も付き合っててまだしてないの!?」 さすがの果歩も知子の言っている意味がわかってきたのか顔を赤くする。 「え、それは・・・・・・て、てゆうか知子ちゃん声大きいよぉ・・・。」 「今日も楽しそうね、お二人さん。」 その声を聞いて、果歩と知子は声のする方に顔を向けた。 「秋絵先輩!」 二人が声を合わせてそう言うと、秋絵はニッコリと笑顔をつくった。 「ここ、いいかな?いっしょに食べてもいい?」 「はい、もちろんです。」 秋絵はそう言って椅子に座ると、バックの中からお弁当箱を取り出した。 「あ、秋絵先輩の手作り弁当ですかぁ?」 「うん、簡単なものばっかり、詰めただけだけど。」 そう言って秋絵は弁当箱の蓋を開ける。 「わぁおいしそう!やっぱり秋絵先輩、料理上手なんですねぇ!」 尊敬の眼差しで目をキラキラさせながら言う果歩。 秋絵の弁当箱の中身は、おかずや野菜が彩り良く盛り付けされていて、実においしそうだ。 「ホント、おいしそう・・・これは私達には無理ね、果歩。」 知子は料理はまったくやらないので、手作り弁当など未知の世界と言った様子だ。 「フフ・・・案外簡単なのよ。・・・そういえば果歩ちゃん、もうすぐ誕生日なの?」 「は、はい。来週の土曜なんです。」 「秋絵先輩、果歩彼氏が海外だから今年は一人の誕生日なんですよぉ。」 「友哉君はそういえば留学中だったのね・・・それじゃ果歩ちゃん寂しいわね。」 「いえ、そんな・・・一年の辛抱ですから・・・。」 明るく振舞う果歩だが、正直誕生日を一人で過ごすのは寂しいと感じていた。 「そうだ、果歩ちゃん知子ちゃん、私の部屋で果歩ちゃんの誕生日会やらない?私が料理とかつくるし。」 秋絵は急に思いついたように二人に提案した。 「え!?誕生日会ですか!?いいんですかぁ!?わぁ・・・・・・あ、でも土曜日、アルバイト・・・」 明るくなっていた果歩の表情が一瞬曇る、土曜はトミタスポーツでのアルバイトを入れてしまっていた。 どうせ一人の誕生日、アルバイトで寂しさを紛らわして、夜友哉と電話しようと考えていたからだ。 「大丈夫よ、私がアルバイト休めるように富田さんに言っといてあげるから。」 秋絵は笑顔で果歩にウインクした。 「わぁ、ありがとうございます。秋絵先輩の手料理、楽しみですぅ。」 ぱぁっと果歩の表情が明るくなった、秋絵からの提案は本当にうれしかったのだろう。 「それじゃ知子ちゃんも、来週の土曜日大丈夫かな?」 「はい!もちろんです!それじゃ私はいっぱいお酒買って行きます!」 「知子ちゃんあんまりお酒買ってきすぎないようにねぇ・・・秋絵先輩の部屋でこの前みたいにならないでよぉ・・・。」 果歩が知子に釘を刺すように言った。 それは以前二人で食事に行った時に、知子がワインを飲みすぎて泥酔し、店や店員に迷惑をかけたという経験があったからだ。 「私の座右の銘はクジラのように飲んで馬のように食べるなの!大丈夫、秋絵先輩の部屋では加減するわよ。」 「ホントかなぁ・・・。」 少し不安そうな果歩、知子の酒癖の悪さをよく知っているのだ。 「フフ・・・それじゃ二人ともOKね。詳しい時間とかはまた連絡するわね。」 「秋絵先輩、ありがとうございます。ホント楽しみにしてます。」 果歩は本当にうれしそうにそう秋絵にお礼を言った。 (ホント秋絵先輩優しいなぁ・・・あ〜なんだかすっごい楽しい誕生日になりそう!) 期待を膨らます果歩、寂しい誕生日を覚悟していた分、秋絵の提案は余計にうれしかった。 「果歩ちゃん、知子ちゃん、こっちよ」 「秋絵先輩、すみません、お待たせしちゃって・・・。」 「ううん、今来たところだから。・・・フフ・・・たくさん買ってきたわね。」 駅で待ち合わせした果歩、知子、秋絵の三人。 今日は予定通り、秋絵の部屋で果歩の誕生日会。 少し遅れてきた果歩と知子は両手に買い物袋をさげていた。 「も〜・・・知子ちゃんがお酒選ぶの遅いからぁ・・・。しかもすごい量だし、重くてもう手が痛いよぉ・・・。」 「いいでしょ〜好きなんだからぁ・・・せっかくの果歩の誕生日会なんだし。」 「知子ちゃんがほとんど飲むんでしょ〜?」 「フフ・・・いいじゃない果歩ちゃん、今日はパア〜っとやりましょ。」 秋絵はいつものように仲の良さそうな二人のやりとりを見て微笑みながら言った。 「はい!でも知子ちゃん飲みすぎてこの前みたいにならないでよぉ。」 「はいはい、わかってますって。」 三人はそんな会話をしながら駅から歩いて秋絵が住むマンションがある閑静な住宅街に入っていった。 「わぁ!秋絵先輩、こんないい所に住んでるんですかぁ!?いいなぁ!」 「ホント、すごいいい所ですね。」 秋絵が住むマンションに着いた三人、果歩と知子は驚きの声をあげた。 秋絵が住んでいるのはかなり立派なマンションだった。 そこは普通の大学生はもちろん、働いている若い社会人でも住める人は少なそうな家賃の高そうなマンションだった。 「両親が勝手に用意した部屋なのよ・・・セキュリティがしっかりしてないとだめだってうるさくって・・・。学生でこんな所に住んでるなんて逆に恥ずかしいわ・・・。」 「え〜でもうらやましいです。私もこんな所に住んでみたいなぁ・・・。」 三人はマンションに入りエレベーターに乗って秋絵の部屋がある階に向かった。 「わぁ・・・すてきな部屋ですね、インテリアもオシャレですし・・・。」 秋絵の部屋にあげてもらった果歩と知子はまたも驚きと羨ましそうな声をあげた。 「なんだか、できる女性の部屋って感じねぇ・・・。」 たくさんの難しそうな本が並べられた本棚を見て知子は言った。 秋絵の部屋は、いわゆる女の子らしいかわいい部屋ではなく、シンプルでシックなデザインのインテリアで、広々とした部屋、特にキッチンは立派なもので、ちゃんとしたオーブンまで付いていて、何を作るにも不便はなさそうだ。 「それじゃ私、料理仕上げちゃうから、知子ちゃんと果歩ちゃんは座って楽にしてて。」 「あ、私も何か手伝います!」 こうして果歩の誕生日会は始まった・・・・。 8 「わぁ、おいしそう〜。やっぱり秋絵先輩料理上手なんですねぇ!」 テーブルの上に色とりどりの料理が並ぶ。 フルーツトマトとモッツァレラチーズのカプレーゼ お酒にもよく合う豚のリエットや鶏レバーのパテ ルーコラのサラダ 魚のカルパッチョ ボローニャ風のミートソースのペンネ 秋絵は得意のイタリア料理を前日から仕込んで当日仕上げるという手の込みよう。 そのかいあってか、果歩と知子からはおいしいおいしいと、絶賛だった。 「ほんとおいしいです、私の買ってきたワインにもよく合う。」 「そう言ってもらえると作ったかいがあるわ。」 「やっぱり秋絵先輩のこと尊敬しちゃいます、私も料理できるようになりたいなぁ。」 「じゃ今度はいっしょに作ろうか、このくらいの料理ならちょっと練習すればすぐ作れるようになるわよ。」 「え〜いいんですか?わぁ、こんな料理作れるようになったら自慢できますよね。」 「果歩って意外と不器用だから、秋絵先輩、教えるの苦労しますよぉ。」 「もぉ〜知子ちゃんに言われたくないよぉ。」 「私は食べる飲むが専門なの!」 しばらく話は秋絵が作った料理に集中していたが、女の子が三人集まったのだ、しだいに話は恋愛話に切り替わっていった。 まぁ恋愛話と言っても話題のほとんどは果歩と友哉のカップルの事で、秋絵と知子が果歩に聞きたい事を質問して、果歩がそれに答えるというかたちだ。 知子が「友哉君、今頃金髪のおねえさんと浮気してるかもよぉ」とからかったり、とにかく果歩は毎度の事だが、いじられ役だった。 「でもさぁ、果歩ってなんで友哉君好きになったの。言っちゃ悪いけど友哉君って外見は果歩のタイプじゃないわよねぇ?」 「ん〜なんでだろう・・・?なんか気づいたら好きになってたの。友哉ってあぁ見えてしっかりしてるから・・・。頼りになるっていうか・・・。」 果歩の正直な言葉だった、外見がタイプではないというのは確かにそうだが、今の果歩にとってはそんな事は重要ではなく、とにかく友哉の事を好きというのは確かな気持ちだと思ったのだ。 「フフ・・・いいじゃない、男は外見より中身って言うし。・・・ところで、外見はタイプじゃないって言ってたけど果歩ちゃんは見た目だけならどんな人がタイプなの?」 「ん〜外見ですかぁ・・・ん〜どうかなぁ・・・」 少し考え込んでいる果歩を見て知子は笑みを浮かべて 「果歩は逞しいマッチョの人がタイプなんだよねぇ!友哉君とはまったく逆のタイプ。」 「え?私そんな事言ったことないよぉ。」 果歩は少し顔を赤くして慌てて言った。 「このまえお店でお酒飲んでる時言ってたじゃない、果歩覚えてないの?」 「ん〜もう・・・そういう記憶だけはしっかり残ってるんだからぁ・・・。」 困ったような顔をする果歩。どうやらお酒を飲みながらそう言った事は果歩も覚えていたようだ。 「へぇ・・・それじゃ果歩ちゃんよかったわね、トミタスポーツはお客さんもスタッフも逞しい人ばっかりだし。」 秋絵もからかうように笑みを浮かべて果歩に言った。 「え〜秋絵先輩までそんな事言わないでくださいよぉ!」 「ハハッ、じゃもしかして浮気するなら果歩のほうがしちゃうかもねぇ!」 「もう・・二人とも酔っ払ってるぅ!・・・・・・・あ・・・電話・・・」 ♪〜♪〜♪〜♪〜 ふと果歩のバックの中の携帯の着信音が鳴った。 指定設定してある着信音を聞いて果歩にはすぐこれが誰からの電話なのかわかった。 果歩は携帯をバックから取り出した。 「・・・友哉からだ。」 携帯のディスプレイには友哉の文字が。それを見た果歩の表情は実にうれしそうだ。 「果歩ちゃん、隣の寝室の部屋使っていいわよ。私たちのことは気にしないでゆっくり話しておいで。」 「あ、すみません、ありがとうございます。」 秋絵に寝室に案内された果歩。寝室もやはり立派なつくりで、中央には大きなベッドが置いてあった。 「わぁ・・・大きなベッド・・・。」 「ベッドに座っていいからね、それじゃごゆっくり・・・フフ。」 「あ、はい、ありがとうございます。」 秋絵が部屋から出て行った後、果歩は電話のボタンを押した。 「もしもし、友哉?・・・うん・・・今ね、秋絵先輩の部屋でね・・・・・・うん・・・・」 果歩は若干浮かれ気味な様子で友哉との会話を楽しんでいるようだった。 「うん・・・じゃあ・・・うん・・・友哉も身体には気をつけてね・・・うん・・・私も・・・うん・・・それじゃあね・・・。」 電話を切った果歩は実に幸せそうな表情をしていた。 電話は30分くらいだっただろうか、国際電話は割高であったし節約を心がけている二人、そう長電話はできない。 それに気にしなくていいよとは言われたが、自分の誕生日会をしてくれている秋絵と知子をあまり待たせるわけにはいかなかった。 (友哉・・・フフ、元気そうでよかったぁ) 果歩は心の底からそう思い、また友哉の声を聴いてホントに涙が出そうになるほどうれしい気持ちになった。 きっと自分では気づかないうちに友哉と会えない寂しさを心に溜め込んでいたのかもしれないと、果歩は思った。 「んしょ・・・それにしても大きなベッドだなぁ・・・ん?あれ・・・」 電話も終わり、座っていたベッドから立ち上がった果歩は広い寝室とベッドをあらためて見渡していた。 ふと、ベッド横にあった棚に目がいった果歩、そこには横に長い長方形の紙箱が、蓋が開いた状態で置いてあった。 その棚の一番上にあるのはその箱だけだったので、なんとなく果歩の目に止まったのだ。 果歩は特に何も考えずその棚に近づき、箱の中をそっと覗いた。 中には正方形のビニール製でできた袋がいくつか束になっていて、中に入っているであろう円形のものが少し浮かびあがっている。 それが何であるのか果歩にもすぐわかった。 箱には ・・・うすうす・・・BIGサイズ・・・60個入り・・・ などの文字が書かれていた。 「・・・これって・・・あれ・・・だよね・・・?」 果歩はボソっとそうつぶやいた。顔を赤くして少し動揺した様子の果歩。 (この部屋にあるってことは、これ・・・秋絵先輩が使ってるって事・・・かな・・・?) 心臓の鼓動がドキドキっと大きく早くなっていることに気づく果歩。 (だ・・・ダメだよ・・・何やってるの私・・・人の部屋のもの勝手に見ちゃだめじゃない・・・。) そう自分に言い聞かせて、しばらく深呼吸をして心を落ち着かせると、果歩は部屋のドアに向かった。 棚に置いてあったコンドームの箱、60個入りと書いてあったが、その中身はほとんど空で5個くらいが束になって残っているのみであった・・・。 さらに大量の破られたコンドームの袋と、もう一箱同じ紙箱が空の状態で棚の横にあったゴミ箱に捨てられていた事も、果歩は帰り際に偶然目に付き、気づいてしまっていた・・・。 9 「あ、果歩、どうだった?友哉君元気そうだった?」 「う、うん・・・。楽しくやってるみたい。」 さっき寝室で見た大量の使用済みコンドームの袋を見つけてしまったためか、知子と秋絵のいる部屋に戻ってきてからも、そのことが頭から離れない。 (秋絵先輩が彼氏さんと使ったのかのかなぁ・・・でも・・・あんなにいっぱい・・・) 「果歩ちゃん、友哉君とは順調なお付き合いって感じで羨ましいわね。」 そう笑顔で言う秋絵の顔を見て果歩は顔を赤くしてしまっていた。 あの大量のコンドームから、秋絵が男性と何度も何度も交わっている姿をついつい想像してしまう。 「そんな・・・あ、あの・・・秋絵先輩・・・あの・・・秋絵先輩は今付き合ってる彼氏さんとかいるんですか?」 何気ない質問だが、果歩は確かめたくなっていたのかもしれない。 いったいあの大量のコンドームを誰と使ったのだろう・・・。 果歩も今は大学生の歳だ、男女が付き合い始めればいずれ身体の関係を持つ、という事は果歩も承知していた、それに秋絵ほどの美人ならきっとそういう人もいるだろう、と。 秋絵は果歩にそう聞かれて、飲んでいたお酒の入ったグラスをテーブルに静かに置いて口を開いた。 「今はいないのよ・・・というか、しばらく誰とも付き合っていないの。だからラブラブな果歩ちゃんと友哉君が羨ましいわ。」 「え・・・そうなんですか・・・?」 意外な秋絵のその答えを聞いて果歩の頭の中は動揺し、当然疑問も浮かびあがっていた。 (え・・・じゃああれは・・・?秋絵先輩のじゃなかったのかなぁ・・・でもでも・・・ここは秋絵先輩の部屋だし・・・) 「え〜秋絵先輩に彼氏がずっといないんて意外ですねぇ」 知子は少し驚いたように言った、秋絵は大学でも有名な美人なだけに、秋絵を知っている人なら驚くのは当然なのかもしれない。 「フフ・・・そんなに意外かしら、彼氏がいなくてもそれなりに楽しくやってるわよ。」 (じゃあ・・・秋絵先輩、もしかして彼氏でもない人と・・・ううん、でも・・・あ・・・私何考えてるんだろ・・・秋絵先輩のそんなとこまで詮索するのはよくないよ・・・ダメダメ・・・もうやめよ・・・) 果歩は一人で首を横に振り、もうあれは見なかったことにしようと心に決めた。 「ところでさ・・・果歩ちゃん?」 「・・・え?あ、ハイ?なんですか?」 「フフ・・・何か考え事してた?」 「え?い、いえ・・・別に・・・」 秋絵の声に気づき、ついつい顔を赤くして慌ててしまう果歩。 もうあの事は考えちゃだめ・・・ 「ところで、果歩ちゃんは友哉君との付き合いは順調みたいだけど・・・フフ・・・あっちの方はどうなのかな?あっちの相性もいいのかしら?」 「あっち・・・ですか・・・?あっちって・・・?」 よく秋絵の言ってる意味がわからないのか、果歩は首をかしげている。 「あ〜それ私も聞きたかったんだぁ!で、果歩、どうなの?フフ・・・」 「え・・・?あっちって?なに知子ちゃん?」 「え〜果歩とぼけすぎよぉ!あれよあれ、ほらぁ・・・愛しあう男女がする事があるでしょう?もう・・・」 「え・・・あっ・・・」 知子のその言葉を聞いて、やっとその意味がわかった果歩はなんと言っていいのかわからなくなり、恥かしそうに下を向いてしまった。 「ていうか、果歩と友哉君がエッチしてるところってなんか想像できないなぁ、友哉君まじめだし。」 「も、もう・・・知子ちゃん想像しなくていいよぉ・・・」 「フフ・・・でも果歩ちゃんと友哉君も1年以上付き合ってるんだし。当然エッチはもうしたんでしょう?」 「秋絵先輩・・・・・・・・・はい・・・あの・・・エッチは・・・」 顔を真っ赤にして恥かしそうにそう答えた果歩。 普段そんな会話はあまりしない果歩だが、今日はお酒の力もあったのかもしれない、そこは素直に答えた。 「え〜!やっぱり果歩もエッチするんだぁ、アハハッ、ねぇねぇ友哉君と果歩ってどんなエッチするのぉ?」 「もぉ〜なんで・・・知子ちゃんすっごい酔っ払ってるでしょ?」 「だってぇ、果歩がどんなエッチするのか気になるんだも〜ん。」 「もう・・・やだぁ知子ちゃんお酒飲むとぉ・・・」 果歩は恥ずかしがりながら知子からの質問に困った様子だった。 「フフ・・・でもね果歩ちゃん、エッチの相性って男女間にとってはすごく重要なのよ。」 「そ・・・そうなんですか・・・?」 秋絵は果歩にやさしく教えるような感じでそう言った。 果歩もこういった話に興味がないわけではなかった。 いや、むしろ知識が少ない分、本心では興味津々だったのかもしれない・・・。 「でも・・・エッチの相性って言われても・・・よくわからないです・・・」 「じゃあ友哉君とエッチしてて気持ちいいとか感じたことはないのかしら?」 秋絵からのストレートな質問に頬をピンクに染めながら考える果歩。 「ん〜・・・・気持ちいいとかは・・・よくわからないんですけど・・・幸せだなぁとかは思ったりしますけど・・・。」 実際、友哉のセックスは淡白なものだった。 愛撫も挿入時間も短く、いつも決まって体位は正上位での行為だった。 しかし果歩にとって友哉が初めての男であり、果歩はそれが普通だと思い、友哉と過ごす時間にとても幸せを感じていたため、なにも不満に感じることはなかった。 「フフ・・・そうなの、じゃあ果歩ちゃん達は週に何回くらいエッチはするのかしら?」 「え、え〜とぉ・・・2週間に1回・・・くらいかな・・・。」 「あらぁ・・・そうなの・・・」 秋絵は果歩が恥かしそうに言った答えを聞いて、少し苦笑いのような表情をした。 「え・・・普通そのくらいじゃないんですか・・・?」 果歩は少し不安そうな表情だ。 それは経験も知識も少ないため仕方ないのかもしれない、どういった男女の性生活が普通なのかまったくわからないのだから。 「果歩ぉ、それってすごい少なくない?あ〜ぁ、てゆうか友哉君エッチ下手だったんだぁ。」 知子はかなり酔っているのか、なりふり構わず思ったことを言っていた。 「もぉ・・・あんまり言わないでよぉ知子ちゃん・・・」 果歩は恥かしいやら、なんだか友哉をバカにされているような気がして、今にも泣き出しそうな表情だ。 「フフ・・・知子ちゃん、あんまり果歩ちゃんをいじめちゃダメよ。」 「エヘヘ、は〜い。でもそっかぁ、友哉君まじめだもんねぇ・・・フフ」 「でも・・・それじゃ果歩ちゃんはイッた事とかもないんだ?」 秋絵の質問は大胆だったが、実に自然に聞いてくるため、変な意味でのいやらしさは果歩は感じなかった。 「イッた事・・・ですか・・・あの・・・よくわからないです・・・。みんな普通そうなったりするんですか?」 女性が性交渉のときに、エクスタシーに達することもあるということは、果歩も知識では知っていた。 しかし、実際に友哉とのセックスで自分がそれに達しているのかどうかはよくわからなかった。 「ううん、そうなる子もいれば、そうならない子もいるんだけどね。フフ・・・でもね、イクと気持ちいいわよ。」 「そ、そうなんですか・・・。」 秋絵のかなり大胆ともいえるその発言に果歩は顔を真っ赤にし、同時にさっき寝室で見つけた大量のコンドームのことも思い出してしまった。 (やっぱり秋絵先輩そういう経験あるんだぁ・・・じゃあさっきのもやっぱり・・・) ふと、果歩は自分の胸の辺りに気配を感じることに気づいた。 「え?・・・あ、キャッ!!ヤダ!アンっ・・・ァ・・・やめてよ知子ちゃん!もう酔っ払ってるぅ!」 静かに果歩の背後に周っていた知子が急に両手で果歩の胸の膨らみを服の上から鷲づかみにしたのだ。 「わぁ、果歩のオッパイ柔らか〜い!フフ・・・てゆうか果歩意外に胸あるね、もっとぺチャパイだと思ってたぁ。」 知子はそう言って大胆に果歩の胸を揉むことをやめようとしない。 果歩は顔をこれまで以上に顔を赤くして知子に抵抗する。 「ちょ・・・ちょっとぉ・・・アンッ・・・ぁ・・・知子ちゃん・・・ぁ・・・やめてよ・・・えっちぃ・・・」 「あれぇ、果歩って敏感なんだねぇ、これでイッたことないなんて・・・フフ・・・」 知子は冗談ぶった感じで言って、果歩の胸を揉む手をまだ休めようとはしない。 「フフ、ホント2人は仲がいいのねぇ・・・フフ・・・。」 秋絵はそんな二人を見て楽しそうに笑っていた。 「秋絵先輩ぃ・・・ぁ・・・知子ちゃんを止めてください・・・ぁ・・・もう知子ちゃん酔っ払いすぎぃ〜!」 こうして少しエッチな果歩の誕生日会の時間は過ぎていった・・・。 10 「フゥ・・・サッパリしたぁ・・・」 お風呂場から出た果歩は湿った髪の毛にタオルを当てながらベッドに座った。 「・・・・はぁ・・・・・・・・」 あれから秋絵宅での誕生日会は、女の子だけの集まりとは思えないほど、話は下のネタばかりであった。 特に、かなり酔っ払っていた知子からはエッチな質問攻めをされて、果歩もアルコールがまわっていて大胆になっていたのか、恥ずかしがりながらも正直に答えてしまった。 「・・・もぅ・・・知子ちゃんエッチな事ばっか・・・」 そんな事をを呟きながら、ふと果歩は机の上に置いておいた紙袋に目をやった。 (あ、そうだ・・・) 紙袋を手にして中を覗きこむ果歩、今日の誕生日会の終わり際、秋絵が誕生日プレゼントとして渡してくれたのだ。 『わぁいいんですか?ありがとうございます。』 『フフ・・・中身は帰ってから見てみて。遠距離恋愛中で寂しい思いしてる果歩ちゃんにはぴったりの物よ。』 『そうなんですかぁ、わぁ〜なんだろう・・・楽しみだなぁ』 『フフ・・・きっと気に入るわ果歩ちゃん・・・』 果歩は紙袋から綺麗にかわいくラッピングされた箱を取り出す。 なんだろうなぁ・・・フフ・・・ 果歩はワクワクしながら包装紙を破かないように丁寧に剥がしていく。 「・・・え・・・なんだろ・・・?」 出てきたのは真っ白でなにも書いていないDVDケース。 そしてもうひとつ、透明の箱に入っていたのは、何やら紫色をした棒状の物。 それを見て、口に手をあてて驚いた様子の果歩。 それが何なのか・・・果歩には大体予想がついた。 こういった事に疎い果歩でも、この棒の形が何を模っているのかはわかった。 これって・・・・・やだ・・・秋絵先輩・・・どういうつもりで・・・ そう思いながらも、箱から紫色をしたそれを取り出し、手に取る果歩。 「・・・やだ・・・いやらしい・・・」 それは明らかに男性の性器を模った物、下の方にはなにやらスイッチのようなものと、電池を入れるスペースがあった。 それは実にリアルに造られていた。 全体に反り返っている棒、陰茎はボコボコと血管が浮き出ているところまで再現されている。 先端の亀頭部分は陰茎部分よりも太く、カリのエラが張り出していた。 しばらくその男根を模ったおもちゃをボーっと眺める果歩、心臓がドキドキしているのが自分でわかる。 そしてもうひとつ・・・果歩はDVDケースに目を移した。 エッチなプレゼント・・・秋絵先輩ってやっぱりエッチなのかなぁ・・・はぁ・・・なんだろう・・・ パソコンの電源を入れる果歩。 好奇心にも似た感情が果歩の身体を動かしていた。 パソコンが起ちあがる間に、DVDケースを開ける。 中にはケース同様、何も書いていない白いDVDが入っていた。 何も書いていなくても男根の形をしたおもちゃといっしょに入っていたのだ、それがとてもエッチでイヤらしいDVDであることを果歩は予想していた。 ・・・いや、果歩は心のどこかでそれを期待していたのかもしれない・・・。 パソコンにDVDを挿入する。 ブ〜ンというディスクを読み取る音が部屋に響く・・・。 ・・・・・・ゴク・・・・・・ 自分でも意識してないうちに生唾を飲み込んでしまう果歩。 パっとピンク色の画面がディスプレイに映る。そこに大きな文字で出てきたのは 《バイブレーターを使ったオナニーの仕方講座》 バイブレーター・・・オナニー・・・ 心臓の鼓動が速くなる・・・ドキドキドキドキ・・・・ 少ししてから切り替わった画面には【本編再生】の文字。 果歩はマウスをそこに合わせクリックした。 切り替わった画面に出てきたのは下着姿の美しい女性だった。 歳は果歩と同じくらいか、少し上に見えた。 しかもこの女性が身に着けている下着、隠す部分が小さく、なんだか少し、中の乳首やヘアが透けて見えているようだった。 ・・・すごいイヤらしい下着・・・・ 『これからここでは、女の子のマスターベーション・・・オナニーですね・・・』 突然音が出たことにビックリした果歩は慌てて、停止ボタンをクリックした。 はぁ・・・イヤホン・・・どこにあったっけ・・・ 机の引き出しを上から順番に開けてイヤホンを探す果歩。 ここの部屋は壁が薄い・・・よく果歩の部屋にも隣の部屋のテレビの音が聞こえてくることがあった。 こんな内容のDVDを見ていることが隣人にバレでもしたら大変だ・・・。 イヤホンを見つけた果歩、パソコンに挿し込んで両耳にそれをつける・・・・ひとつ深呼吸をして、再生ボタンをクリックした。 『これからここでは、女の子のマスターベーション・・・オナニーですね。ここにあるバイブレーターを使ってするオナニーの仕方を説明したいと思います。』 『女性の中にはオーガズム・・・つまり恋人とのセックスでも絶頂を経験したことがない、イッたことがないという方はいると思います。』 ・・・私のこと・・・かな・・・ 『ここでは、今あなたが持っている紫色のバイブレーター・・・そう、その男の人のオチ○チンの形をした大人のおもちゃ・・・これを使ってあなたに生まれて初めてのオーガズムを経験してもらう。そのためのお手伝いを今日はさせてもらいます。』 『さぁ、まずはソファ、またはベッドの上で楽な体勢になってください・・・』 DVDの映像をじっと見つめる果歩、頬っぺたをピンク色に染め、口は少し開いている。 時折ピッタリ閉じている足の太ももを擦り合わせるような仕草をする果歩。 その動きは時間が経つに連れ、回数が増えていっていた。 グチュグチュグチュグチュ・・・ 『あッ!あ!アン!・・・ぁ・・・はぁあああ!あ・・・ぁ・・・はぁ・・・あッ!イク!あっあっあっあっ!イクイクイク!あぁあああン!』 パソコンの画面の中では、さっきまで大人びた表情で説明をしていた女性がソファの上で全裸になって、まるでオーガズムの手本を見せつけるかの様に身体を仰け反らせ、絶頂の言葉をに叫んでいた。 このDVDは無修正、つまり女性の局部はモザイク加工がされていなかった。 そのためバイブレーターを咥え込んでいる女性の性器は丸見えの状態。 性器とバイブには女性のワレメからあふれ出てくるネバネバしている液体がベットリ付いていて、テカテカと光っている。 果歩は画面の中で股間にあるバイブを激しくグチュグチュと抜き差しをしながら絶頂に達する女性を呆然と眺めていた。 ・・・すごい・・・ハア・・・こんなになっちゃうの・・・? 女性が絶頂すると時はこんなにも乱れてしまうものなのかと果歩は思った。 自分も絶頂に導きられたらこんな風になってしまうのだろうか・・・ 男性の前でこんな姿を曝け出してしまうのだろうか・・・ 身体が熱い・・・心臓のドキドキが止まらない・・ ドキドキが下半身の中心に移動して集まってきているような気がする・・・ アソコがジンジンする・・・ 果歩は自分の性器が濡れてきてしまっている事に気づいていた。 ・・・私・・・はぁ・・・興奮してる・・・ じっと机の上に置いてある紫色のバイブレーターを見つめる果歩。 ゆっくりと椅子から立ち上がった果歩は、少し汗ばんだ手を、そのバイブレーターに伸ばしていった・・・。 出典:メンメンの官能小説 リンク:http://menmen1106.blog130.fc2.com/blog-category-9.html |
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