強まるナショナリズム、世界の混乱要因―西欧で極右政党躍進 (エロくない体験談) 5269回

2014/05/30 00:04┃登録者:えっちな名無しさん┃作者:名無しの作者
強まるナショナリズム、世界の混乱要因―西欧で極右政党躍進

 過去10年間にわたって過激なイスラム主義が世界的な悩みの種だった。過激なナショナリズムが今後10年間の世界の悩みの種になるのだろうか。

 そうなり始めているようにみえる。ロシアで、欧州全域で、そしてアジアで、ナショナリズムの運動とそれをかざす政治家が台頭している。何十年も前にさかのぼる民族同士の敵対関係や不満が再び噴出しており、国際的に認められた国境や制度に疑問が投げ掛けられている。

 これを如実に示す最も新しい動きが先週末に表面化した。25日まで投票が行われた欧州議会選挙で、欧州統合に反対するナショナリスト諸政党が劇的に躍進したのだ。最も顕著なのはフランスで、激烈なマリーヌ・ルペン党首率いる極右の国民戦線(FN)が投票の4分の1以上を確保し、政権与党の社会党と、中道右派野党でライバルの国民運動連合(UMP)をいずれも下した。

 しかし、ナショナリズムの流れが見られるのはフランスだけではない。それは自国民ないしエスニック(民族)グループは保護されなければならないし、他者よりも優れているとの古典的な信念を掲げるナショナリズムだ。同様のナショナリスト的政党はギリシャ、デンマーク、英国でも躍進し、もっと幅広い欧州統合実現のための何十年間にも及ぶ努力に新たな疑問符が付いた。

 最近まで米国の国務次官(経済、エネルギー、環境問題担当)を努めたロバート・ホーマッツ氏は「欧州の多くの地域で、こうしたポピュリスト(大衆迎合)的、ナショナリスト的政党の台頭がみられ、その一部は極めて過激だ」と述べた。そして「これは、高失業、移民に対する嫌悪感、国家主権を侵害しているかにみえる(欧州連合=EU=の)規制への怒り、そして強烈な反グローバリゼーション感情などの要因を受けた結果だ」と語った。

 欧州におけるナショナリスト運動の復活は、1940年代の世界大戦につながった諸勢力の記憶を必然的に呼び起こす。しかし西欧版ナショナリズムの傾向は、最も危険ですらない。それは他の地域にある。

 ロシアでは、プーチン大統領が、クリミア編入とウクライナいじめを正当化するにあたってナショナリズム感情をあおった。同大統領は、母なるロシアには本国以外のどこであってもロシア語を話す人々(民族)の権利を保護する義務があると暗に示唆した。それは、国際的に認知された国境を踏みにじることの正当化につながる恐れもある。とりわけバルト諸国との国境だ。

  プーチン大統領のこうしたごり押し的態度は、古典的なナショナリスト運動の特徴を備えている。それは、民族の起源に対する誇りの感情の復活であり、アウトサイダーの手にある屈辱感に対する憎悪の念だ。ロシア国内では、この運動はプーチン氏の人気急上昇につながった。

 一方、アジアでは、日本の安倍晋三首相が20年間にわたる経済的、政治的な停滞から日本を脱却させようと努力しているが、ナショナリズム感情の復活もその推進の一要素にしようとしている。そうした努力には、60年間続いた日本の軍事力(自衛隊)の制約要因の撤廃も含まれている。それは米国を喜ばせる動きだが、アジア地域の他国に不安感を投げ掛けている。

 日本でのナショナリズムの台頭は、ますます自己主張する中国での同様の傾向と衝突しつつある。中国は近隣諸国に対する積年の恨みを晴らそうとしている。とりわけ一連の係争諸島をめぐる恨みだ。このプロセスは第2次世界大戦当時の不満を復活させた。それは水面下で依然としてうずいている不満であり、最近は中国とベトナム艦船との海上の対峙(たいじ)として表面化した。

 新しいナショナリズムの台頭は、欧州とアジアで極めて顕著だが、米国でもその片鱗があるとみる向きもあるだろう。台頭するポピュリスト感情やとりわけ茶会運動の一部の要素にみられるのだ。それは移民への反対や自由貿易協定への敵意という形をとっている。

 新しいナショナリズムは、少なくともある程度まで、ますますグローバル化する経済に対する自然発生的な反発だ。モノ、雇用、技術、そして人がより自由に国境を越えるにつれて、経済的な苦境や緊張の原因は他者にあると非難するのは容易だ。

 新ナショナリズムの行く末はどういうものになるのだろうか。1920年代、30年代には、国家経済を保護することを目指した貿易障壁が経済成長を鈍化させた。その結果、世界的な経済破局につながり、それが恐怖と嫌悪感を一層助長した。そしてナショナリスト的な指導者が権力を掌握し、戦争につながった。

 今日のナショナリズム台頭の結末は、必ずしもそのように劇的に展開するとは限らない。恐らく、より直接的には、ナショナリスト感情は、米国が欧州やアジアとの間で新貿易協定を締結するのを一層困難にする潜在性がある。

 しかし、もっと陰鬱な結末の潜在性も、同様にあり得るだろう。地域の主要国を互いに反目させ、米国がその間に挟まってしまうという可能性だ。オバマ米大統領は28日、ウェストポイント(米陸軍士官学校)の卒業式の演説で、外交政策に言及する準備を進めているが、ナショナリズムの新たな波を、厄介な国際問題の懸案リストに加えるべきかもしれないのだ。


>>さて、先日の欧州議会選挙の結果は、まさに世界(特にグローバリズムを信奉する人々)にとって「激震」だったようです。特に、WSJのコラムが、何となくパニックに陥っているようで面白かったです。

出典:強まるナショナリズム、世界の混乱要因―西欧で極右政党躍進
リンク:http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052702304357604579586912989711256?mod=trending_now_5
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