スーっとするの、わしだけだったら申し訳ないのだが吐き出させてくれ。 おじさん、遅くしてできた一人娘がいるんだが、赤子の頃に母乳を一切飲めなかったからか、はたまたミルクが飲めなくて二ヶ月成長がとまったからか、とても体の小さい病弱な子だった。 お金もなくて小さい頃に治療させてやれんかったせいで、大人になった今とても苦労をしとる。 そんな娘が立派に成人式迎えた年、おじさんの務める会社が結構な黒字をだしてな、感謝祭を開くことになった。 感謝祭は家族を呼んで会社の土地使ってお祭りみたいな事をする。娘は成人したし興味無いかと思っとんだが、お父さんの職場見てみたいって言ってくれてな。祭りに来てくれた。 その時にな、うちの社長と仲の良い、取引先の社長とその跡継ぎのぼっちゃんに鉢合わせして挨拶しとったのよ。 おじさんの娘は病弱なせいか、いっつも中学生に間違えられるくらい小柄で、それがコンプレックスだったのよ。 でも、ぼっちゃんはうちの娘をたいそう気に入ってくれて、周りからはお前んところの娘は子ども産めるんかとか馬鹿にされとったんだが、なんとうちの会社の社長通じて、見合いを申し込まれた。 ぼっちゃんの年齢を聞くと30過ぎとったし、断る気満々だったのが、周りの圧力もあってぼっちゃんと娘をあわせることになった。 相手方の社長はええ人なんだが、ぼっちゃん、一人息子で甘やかされたのか、娘に対して背は小さいのにとか、失礼な冗談言い出して、わし、もう握りしめた手が震えとった。 でも、俺と付き合えば平社員のお父さんの仕事も口聞きますよなんて言われて、立つ瀬がない。 たしかにわし、平社員よ。でも前の職場で忙しすぎて娘の入園式にも出られんかったのを悔やんで、今の職場で平社員しとんのよ。 この時はとにかく悔しかった。 そしたら娘、静かに言ったんよ。 「私、父の誠心誠意まごころ込めてものづくりしてる姿が好きなんです。父が作り上げた部品は、誰にも負けません」 いい大人が人前でぼろぼろ泣き出しそうでしたよ。 そしたらぼっちゃん、君の振る舞いによってはその仕事も危ういよとか言い出してね、そしたらまた娘のターンですよ。 「父の仕事への気持ちが侮辱されるくらいでしたら、私が父を養うことくらい、なんともありません。仕事がなくなっても父の作品は世の中に受け継がれ人々の生活を支え続けます」 おじさんの涙腺崩壊しましたよ。 その後は社長に頭を下げて、話は無かったことにして貰った。 相手の社長さん、やっぱりいい人で、ぼっちゃんの件は逆に謝られた。 三十路超えて結婚できないのは性格に難ありだからだと解ってたらしい。自分の教育が悪くて恥じ入るばかりだとおっしゃっとった。 娘はその後病気にも理解のあるええ青年を見つけて結婚した。娘の通院にもきっちり付き合ってくれとるらしい。 わし、いまから孫が楽しみでしかたのない。 出典:2ちゃんねる リンク:2ちゃんねる |
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