3年ほど前、一人の女性を巡って俺ともう一人の男で争ったことがあった。 勝負は互角。彼女もどちらにするか決めかねていた。 ある日、A男が提案する。「じゃ、彼女とエッチして、彼女をたくさん喜ばせたほうが勝ちってことにするか」 たまげる俺。彼女も目を丸くしている。 A男:「顔と性格で勝負つかず。だったら残ってるのはエッチのテクニックしかないだろ」 その理屈は無茶苦茶だったが、結局彼の提案を受け入れざるを得ない状況になってしまった。 まず、簡単なルールを決めた。 時間は最長で一時間。もしくは男の側が達したら終わり。 先攻の男のあとに後攻の男と続き、二人が終わった後、彼女が採点する。 彼女の採点は絶対で、不服は述べない。 負けた男は潔く手を引く。 じゃんけんの結果、先攻はA男に決まった。 「結果は見えてるがな」無駄口を叩いてA男は彼女とともに隣室に消えていく。 いてもたってもいられない状況の中、しかし俺はただ時計の針を睨み続けた。 隣室からは彼女の声が漏れてくる。気が狂いそうだった。 きっかり一時間経過したのち、A男が得意げな表情で戻ってきた。 次は俺だった。 負けられない。俺は勢いよく立ち上が…ろうとしたのだが、なぜかちょっと前屈みの情けない格好で隣室へ移った。 彼女が布団に横になっていた。 上に何もかけず、生まれたままの姿を晒している。 肌は桜色に染まり、気だるそうに投げ出された四肢が何とも色っぽい。 すぐにでも彼女に覆い被さり、夢にまで見たその姿態を自由にしてみたかった。 「どうしたの?」彼女がうっすらと目を開く。「好きにしていいんだよ」 俺は物言わず彼女に近寄り、上着を脱いだ。 そして、脱いだシャツを横たわる彼女にかけてやる。 「俺は…やめた。やっぱり、こんなのおかしいよ」 彼女はまぶたに涙を浮かべていた。俺は見逃さなかった。 「つらい思いをさせちゃって、ゴメン。勝負は、俺の負けでいい。B子ちゃんをこれ以上苦しめることは、俺にはできないから」 勝負はA男の勝ちに決まった。 (中略) だが、彼女は俺と付きあうと言いだした。 やけになったA男が捨てぜりふを吐く。 「ふんっ、俺に抱かれたときは『気持ちいい』とか言って自分から腰使っ…」 A男のセリフが完結することはなかった。 なぜならその瞬間、俺の右の拳が炸裂したからだ。 |
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