夕子-雅の人形 (オリジナルフィクション) 2542回

2015/10/02 17:01┃登録者:あでゅー◆UokxQKgo┃作者:あでゅー
20151002-『夕子-雅の人形』byあでゅー


1.出会い

夕子さん、彼女と出会ったのは、まだ残暑厳しい日の夕暮れだった。
私は当時学生でアルバイトに氷運びをしていた。
そのお得意さんが彼女の店だった。

「おあがりやす」

「どうも済みません。
じゃ、頂きます」

よく冷えた麦茶を頂いた。
彼女は、私がそれを飲んでいるのをニコニコしながら見てた。
私は少し恥ずかしくなり、お礼を言って、そうそうに立ち去った。

しっかし、美人だなー。
一人で店をやっているのかな?
そう思って帰り道を歩いていると、バイト先に友人の羽賀が来ていた。

「よう、お疲れさん」

「よっ、どうした?」

「それがさー、コンパに面子が集まらなくて」

「人数あわせか、いいよ」

「ありがたや、恩に着るよ」

彼には日頃授業の代返やらノートやらでお世話になっている。
こんな事位で恩に着るとは、逆にこちらの方が恐縮する。


コンパの席で女子が、「私今日は生理なんです、だからエッチ出来ません」、と大声で宣言した。
あの人の口からこんな事を聞いてみたいなー、と妄想する。
途端に股間が熱くなる。
いかん、と思い円周率の暗唱をして息子を黙らせた。

コンパが終わり支払いの計算をしていると、女の子が誘ってきた。
「悪い、今日は見たいテレビがあるんで、済まない」、と断った。
君みたいな軽い子はカンベン、と思っていた。
「しっかし、勿体無いなー、頂いちゃえば良いのに」、と言う羽賀の言葉に笑って誤魔化す、そんな偏屈だった。

その日、夕子さんでオナニーをした。
(竹内くん、私今日は生理だから中で出しても大丈夫だよ)
そんな事を妄想しながら行った。


ある日、夕子さんが相談があるといって来た。
お店のカキ氷の機械が古くなって、もう買い替えの時期だそうだ。
私はカタログを見せて、「これなんかあそこの店でも購入していて結構良いみたいですよ」と教えた。
それからは、夕子さんは何かあると私に相談するようになった。

それで分かった事だが、夕子さんには無くなった旦那さんが居たみたいだ。
今恋人はいるのか、何故再婚しないのか、は分からない。
けれど時折見せる寂しそうな姿は、きっと誰もいないのだろうと思う。
年が10才以上離れてはいるが、そんな彼女を欲しいと思った。
いや、結婚したいと思った。


2.逢瀬

それは大学2年目の夏だった。
買い物に出かけ漸くお目当てのCDを手に入れた時だった。
道端にうずくまる人がいた。

「大丈夫ですか?」

声を掛けて見ると、それは夕子さんだった。
今日は用事で遠出をして、ちょっと立ち眩みがしたようだ。
私は、肩を貸して家まで連れ帰った。
布団を敷き、着物のまま寝かせた。
ヒンヤリシートが利いたのか、大分良くなったようだ。

「ありがとう」

「いいえ、困った時はお互い様ですから」

「実は私生理で。
それが重い方なのね。
ごめんね、重かったでしょう?」

「いいえ、そんな事ありませんから。
気にしないで寝てください」

彼女の口から「生理」と言う言葉を聞いて、私の股間は堅くなった。

「もう少し側にいてね」

「はい」

彼女は白湯を一口口に含み眼を閉じた。


彼女は1時間ほど眠り眼を覚ました。
それに気付かずに私もうとうとしていた。
その時だった。
彼女は私の手をそっと掴んで、自らの股間に持っていったのだ。
私は途中で気付いたが寝た振りをした。
手が着物を分けて彼女のあそこに触れた。
薄い毛並みの中に導かれると、そこは濡れていた。

「あっ、うーーーん」

僅かにあえぎ声が聞こえる。
彼女は私で自慰をしているのだ。
艶かしい声と、強く擦り付けられる手で私は破裂寸前だった。
程なくして彼女は行った。

もう我慢できない!
私は眼を開き彼女の唇にキスをした。
それはもう狂おしいほどの思いで。

「だめ・・・」

その言葉には意味が無かった。
彼女は強く唇を貪った。
そして私は思いを遂げた。


3.別れ

今日も私は彼女の家に行く。
まるで恋人の様に。
それを知った芳賀が言う。

「もうやめろよ」

「良いじゃないか、お互い独身だし」

「あの人は昔芸子だったんだ」

「そんな事とっくに知っているよ。
何故そんなに気にするんだ?」

芳賀は黙ってしまった。

「・・・好きなんだ」

「えっ」

「お前の事が好きなんだ」

私は何も言えなかった。
悪いな、俺は女が好きなんだ、と言えば終わるのに。
この時は怖くて言えなかった。
私は、「悪い」とだけ言って家に帰った。



その晩、私は叩きおきされた。
警察に。

「田中夕子さん、彼女が昨夜殺されました」

それ以降の言葉は私には入って来なかった。
私は放心状態でパトカーの乗せられ、長い事情聴取をされた。
殺したのは芳賀だった。



それから1年の留年をして大学を卒業した。
その後僧侶に成った。
それは彼女が只殺されたからでは無い。
首を折られて殺されていたから。
遺体安置著で見た彼女は首の骨が肉を裂き飛び出していた。
190cmもある大男の力だ。
無理も無い。

私はその業を供養するために僧侶となった。
だが、幾ら拝んでも、幾ら修行しても、この苦しみから逃れられない。


(終わり)

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
↓1999年以前に書いた実話です。
これから広げて書きました。けど、10枚程とエラク短いですが。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
1999-2『雅の人形』byあでゅー


あれは高校の修学旅行の出来事だった・・・。

京都での自由時間、私達はお土産屋の通りに入り込んだ。
見るもの何もかもが情緒的な、なにか古の風習や風格が感じられるような、そんな感覚に成っていたと思う。
なにせ、北海道の田舎から出てきた人間だから、歴史とか風習や雅と言う言葉に弱い。

そんな風に、只お土産屋の雰囲気を楽しんでいると、一軒の人形屋が目に入った。
そして、その中の一体の人形に、私は吸い寄せられていった。

 雪のような白い肌、優しく見つめる瞳、鮮やかな真紅の唇
 傘を包むほっそりとした指、振り袖にまとった柔らかい物腰
 この世のものではない
 美しい・・・、美しすぎる

私は震え、居ても立ってもいられずに、売り子を呼んで叫んだ。

「これを下さい!」

それも、箱に仕舞ってある同じ人形ではなくて、

「あの展示している人形が欲しい!」

と言って、頼み込んだ。
そう、人形の顔は一体一体肉筆なので、微妙に表情が違うのだ。


私はどんな旅行でもそうだが、自分にさえ箸一本として買い帰る事は無かった。
それは、私が貧しい家庭だった為、実生活に必要の無い物を極力買わない様にしていたからだった。
その私が買った初めての自分へのお土産、それが彼女だった。

私は、そのお気に入りの彼女の入った箱を、衣類で包み込んでカバンに入れ、修学旅行の道中ずっと大切に抱きかかえて過ごした。


修学旅行から帰り下宿に着いた私は、真っ先にあの人形の箱を開けた。
しかし、・・・首が折れていた。
あの美しい人形が、この世に一体しかないあの雅やかな人形が、・・・死んでいた。

私は力なく立ち尽くし、涙をポタポタと畳の上に落とした。
そう、私は惚れていたのだ、あの人形に。

それは二度目の恋だった・・・。


20年近く経った今も、あの人形の遺体は、実家の押し入れに大切に置かれてある。
生きていれば、今も私を虜にしていたかもしれない、あの雅の人形。

供養すべきか、それとも継ぎをして添い遂げようか・・・。


出典:オリジナル
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