ク〜リスマスが今年もやぁってく〜る♪ 今年もクリスマスの時期になりましたね。 街を彩るイルミネーションを見ながら行き交うカップルもいつも以上に楽しそうなこの季節、私も5年前にとびきり素敵なプレゼントをもらいました。 毎年この時期になると思い出すんですよね。 世界一のプレゼントをもらった、あの夜を。 『ね〜!いつになったら結婚するの?』 私がビールを飲みながらテレビを見ていると、テレビと私の間に割り込んで彼女がそう言います。3日に1回の恒例行事なので、私も恒例で 『うん、結婚しようね。Kちゃん大好き』 と応えます。小さな1ルームアパートで僕と彼女は暮らしていました。 付き合って4年、車で3時間の距離に住んでいた彼女は私の実家の近くにアパートを借り、2人での、まるでおままごとみたいな同棲生活を送っていました。 『もぉ〜!そうやってお酒飲んでる時だけ、調子のいいこと言うんだから!』 膨れっ面で彼女は言います。 私も彼女との生活は楽しかったのですが、結婚に踏み切る自信がなかったのです。 『来年の春ね』 『今年の秋には』 なんて言いながら、気が付けば彼女と付き合って6年以上が経っていた。私自身も30才になっていたので、そろそろかと思い友人たちを呼んで小さな、ささやかな結婚式を挙げました。 結婚してもうすぐ3年になろうかという時に彼女から 『妊娠したみたい!やったね!』 と嬉しい報告がありました。なんだか実感が湧かないまま彼女の毎日大きくなるお腹を、不思議な気持ちで見つめていました。 『ほら!動いたよ!さわってみて!』 彼女は何回も私にお腹をさわらせます。 『もうすぐ3人家族になるよ。嬉しいね』 その頃の彼女の口癖でした。 予定日は1月でしたが、彼女の母親が12月の半ばから我が家に来ていてくれたので、私は通常通りの不規則な仕事を続けていたのですが、12月23日の夜、仕事中に彼女の母親から電話がありました。 『Kがとてもお腹が痛いと言っている。今から病院に行って来る』 私も早々に仕事を終わらせて病院に向かいます。義母の話しだとちょっと早いけど産まれるかもしれないとのこと。 嬉しさ半分、戸惑い半分で待ち続けたのですが、産まれずに朝になってしまったのです。 仕事を休む訳にいかなかったので義母にお願いして病院を後にしたのですが夕方にまた義母から電話が。 『先生が来て欲しいと言っている。なんとか仕事を切り上げて病院に来られないか』 嫌な胸騒ぎと共に病院に急ぎました。 先生からの説明では 『奥さんは内臓にトラブルがある。母子の安全の為に帝王切開に切り替えたい。ついては同意書を』 との事。動揺しながら同意書にサインしました。 夜中に無事産まれて可愛い我が子と初対面です。 真っ赤な顔をした天使がいました。 しかし、彼女はいつまでもオペ室から出て来ません。 ようやく出てきたのは夜も明けようとする頃でした。 先生の話しでは、彼女の内臓トラブルは婦人科の範囲まで広がっていた。出血も多く輸血が間に合わない程だった。万が一の事も想定しておいて欲しい。との事。 麻酔から覚めた彼女と会えたのはもう夕方でした。私たちの天使を見せると目を細めながら何度も頭を撫でていました。 それから3日後。 彼女は亡くなりました。 彼女は自分の命と引き換えに私に天使を授けてくれたのです。 世界一のプレゼントを。 彼女からのプレゼントは今年のクリスマスで5才になります。 大きな二重まぶたの目や、ちょっとだけ上向きな鼻も段々と彼女に似てきました。 K、プレゼントありがとう。いつまでも天国で見守ってね。 出典:オリジナル リンク:オリジナル |
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