水原と再会した夜の次の日、俺達は一緒に不動産屋を回った。そしてボロくて古いが、そこそこ安価なアパートを見つけ、そこに三人で暮らし始めた。 住めば都…とはよく言ったもので、俺は水原と赤ん坊がそばにいてくれさえすれば、どんな所でもよかった。 それに俺の両親も理解してくれ、いろいろ援助をしてくれた。 引っ越しも済ませ、俺達は新しい生活を始めた。ちなみに赤ん坊の名はレイナ。女の子だ。俺と水原の字をくっつけたそうだ。 それを聞いた時は少し複雑な気持ちになった。なぜ俺の名前を…と。でも今のレイナはまぎれもなく俺の娘。大切な存在であることに変わりはない。 夜になり、レイナが寝た後、俺と水原は空白の時間をうめるように毎晩愛し合った。母親になった水原だが、美しさはあの頃と全く変わっていなかった。 唯一残念だったのは…胸が張ってしまうため、揉むことができない…W しかしそんな事はどうでもいい。俺は水原に触れているだけで幸せだった…。 しかし…正直なところ、一度でも別の男に抱かれたかと思うと…少し寂しい気持ちになった。 でも、もういい…。もう二度と水原を離さない…そう誓って自分に言い聞かせていた。 ある日、俺達はレイナを俺の母親に預け、二人っきりで出かけることにした。 二人で以前よく行った店を回ったり、あの思い出の商店街をブラブラしたり…。そして初めて水原を抱きしめたあの公園へも…。 そして夕食はやっぱりあのマックへ…。 あの時と同じく、回りは学生で溢れていた。 「なぁ、制服着てくりゃあよかったな!」 俺は冗談っぽく言った。 「バァカ…。子持ちの女が制服着てたら、ただの悪趣味なコスプレじゃん…」 水原は呆れたように言う。 「水原、お前全然子持ちなんかに見えないよ。まだ女子高生で通る!だって可愛いもん…」 「えぇ!?キモいよぉ…アンタしばらく会わない間にオヤジ化した…?」そんな下らない会話をし、俺達は今度こそ最後までハンバーガーを食べた。 その日の晩、俺は渋る水原に制服を着させてエッチしたのは言うまでもないW 俺との思い出だから…という事でちゃんと取ってあったのだという。正直…ジーンとした…。そんな楽しい日々が続くある日、俺はずっと避けてきた事を水原に聞くことにした。 それは…なぜ急に消息をたったのかということ…。 その答えが、「好きな人ができたから」ならそれでもいい…。ただちゃんとハッキリ水原の口から理由を聞きたかった。一つの布団に一緒に寝る水原に、俺は訪ねた。 「まだ起きてるか?」「うん…」 「少し話したいことあるんだ…」 「どうしたの?」 水原は目を開けた。 「なんであん時さ、急に連絡してくれなくなったんだ?」 水原は何も答えてくれなかった。 「俺、どんな理由でも受け止めれるから…。正直に言ってよ。」 水原はふと身体を起こした。 「アンタ…やっぱ気付いてないんだね…」 俺はなんの事なのかサッパリだった。 「子供はね、宿ってからほぼ10ヶ月経たないと生まれないの。レイナがお腹にいるのがわかったのは、母さんが亡くなって翌月だった。そん時にもう4ヶ月に入ってた。」 「4ヶ月前まで私と一緒にいてくれてたのは誰だった…?」 水原は探るように言った。 「マジかよ…?でも俺…見覚えが…。」 「別れる日の前の晩…、したでしょ…?多分あの時だと思う。」 俺は状況が全く読み込めなかった。頭は完全に混乱状態…。 「じゃ…どうして…。連絡できなかったのは…?」 「アンタにさ…子供なんか困るって言われたどうしようって思って…。それで言い出せなくて…。ならもう一人で育てようって…。」 俺は気付くと、水原の頬をはたいていた…。「お前、バカか!俺が困るって…そんな事言うわけないだろ!俺…話してくれてたらなんとでもしたって!」 「でもあん時アンタ…仕事もこれからって時期だったし…早く社員になりたいって言ってじゃん。そんな時の邪魔になりたくなかったから…」 「俺はな、水原と結婚できるくらいの稼ぎが欲しかったから早く社員になりたかったんだよッ!」 そう言うと水原は俺にすがりついて、声を上げて泣いた。俺に何度も「ごめん、ツラかったよ…」と漏らしながら。 俺も泣きながら、水原をいつまでも抱きしめていた。 結局、レイナは俺の実の娘だった。しかし、その事実は案外すぐに受け入れることができた。実のところ、俺も不思議だった。 いくら水原の子とはいえ、俺との血の繋がりはないのにどうしてこうもレイナを愛おしく思えるのかと…。 やっぱり、血は知っていたのだと今になって思う。 もうすぐレイナは一歳になる。子供の成長というのはすごいものがある…見ていて飽きない。レイナもきっと水原に似て、可愛い女の子になるに違いない。 俺に似て変わった娘にならなきゃいいが…W 水原と出会って今年で6年…本当にいろんな事があった…。 楽しい事、ツラい事…二人で泣いて、笑って…。 でも…俺の気持ちは、初めて水原にカレーパンを差し出したあの時の気持ちと全く変わっていない。 そう…全てはあの時から始まったんだ。 (以上、終章:全てはあの時から…。) 苦手なヤンキー女2 http://sakura01.bbspink.com/test/read.cgi/hneta/1112182963/l50 |
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