続・続・お局様がやってきた (ジャンル未設定) 8536回

2018/10/18 17:14┃登録者:えっちな名無しさん◆aQaLO1m2┃作者:名無しの作者
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前々作「お局様がやってきた」
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前作「続・お局様がやってきた」

Mさんは、旅先から戻り、無事に出社してきた。
いつも通りの彼女だった。存外に明るい。
期待以上に楽しい旅だったかな?
これで、吹っ切れてくれたか。
それなら、意識せずにいつも通りに接していこう。

昼休み。他のスタッフが昼食に出ている間に、旅行中の出来事を聞いてみた。
そして、また、驚かされた。
ツアーコンダクターの男性と、恋に落ちたらしい・・・。
驚きはしたが、衝撃というほどのことではない。
失恋の傷を癒しに旅に出て、旅先で新たな恋人に出会うというのは、
それ程、珍しくはないし、恋愛小説やコミック、ドラマの定番にもなっている。
俺の信条。あまり立ち入って、深く詮索するのはやめておこう。
但し、これまでの反省も込めて、彼女が話したいことは、聞いておこう。
聞き役に徹することにした。
いずれにしても、俺は、彼女の恋愛対象ではなくなる。大いに安堵した。
既に、彼女の俺への思いは、例の2人を含めて、社内の何人かが知るところ
なのだろう。が、俺は、告白をされてすらいないのである。
同じ職場で俺を見ていたら、抱いていた「俺像」とは余りにも違っていて
幻滅し、冷めてしまったと、そういうことにしてしまえばいい。
彼女に対しても、社内の事情を知る者たちにも、とにかく俺は、女心を
察知できない鈍い男だと、未だに気づいていないのだろうと、そう思われる
ことで、彼女への敬意と贖罪に代えようと、そう決めた。

が、驚きは更に続く。

彼女は、聞いてきた。
「ねえ、俺さんの結婚式って、来年のいつごろ?」
「4月の中旬から下旬になるんじゃないかな」
「じゃあ、3月には式をあげなきゃ・・・」
「え? そんなところまで進んでるの?」
「んー・・・でも、だって、俺さんより先には結婚しちゃいたいし・・・」

3泊4日の旅行だったとして、帰国してから両家のご両親に会い、了解を
取り付け、婚約してしまうというのは、本人たちの意志さえ固まっていれば、
できないことではないだろう。けど・・・まあ、ないよなぁ。
ただ、彼氏とそういう話はしているんだろうな。
俺が先に結婚する姿をこの職場で見送るのは、彼女のプライドが許さないか。
いっそ、先に寿退社で去ってしまいたいというのは理解できるけど、それを
受容し、短期間で一緒に向かっていこうとする彼氏の度量の広さと包容力が
すごい。そして、しみじみと思った。

そうか、彼女が、その彼氏と出会うためには、俺という存在が先に必要だった。
そういうことだったんだなと。

それからの数か月。
彼女には、俺に聞こえるように呟く独り言が多くなった。
また、どうしても「俺さんは、変な男(人)」なんだと決めつけたい言動が
多くなる。
特に印象的で面白かった、彼女の語録を拾い出してみたい。

俺のネクタイの右側上部が少し左側にずれて、下側部分が見えていた。

M「俺さん、ネクタイが変!」
俺「俺の縛り方だと、きっちり右に寄せて固定しないとこうなっちゃうんだ」
M「それって、変よね!?」

職場の隅で、周囲から見えないように、ティッシュを右手の指に被せて
鼻をほじっていた。
なぜか、彼女にしっかりと見られていた。

M「なんで、そんなことしてるの?」
俺「え?だって、鼻くそを取りたきゃこうしない?
  Mさんはどうしてる?」
M「私?・・・綿棒を使うけど?」
俺「ほう・・・綿棒、持ち歩いてんだ」

一度、彼氏が、この職場に来たことがある。
なかなかのイケ面である。体格は、細マッチョという表現が合っているかな。
背丈は、俺と同じくらい。
挨拶もそこそこに、彼氏が彼女に向かって「全然、普通の人じゃないか」と
言うと、彼女は、「へ・ん・な・の!」と、女児が『あたしの言ってることは
嘘じゃないもん。あたしが正しいんだから』と、駄々をこねるような言い方で
否定する。
少なくともこれまでは、俺に対して、「変な人だね」というようなことを
言ったり、そういう目で見たりすることはなかった筈だが。
彼女には、こういう一面もあったんだなと、ある意味では興味深かった。

また、『ああ、やはり彼女はお嬢様育ちなんだな』と思わせる会話もあった。

M「私、『う・なんとか』とか、『お・なんとか』とか、言えないのよね」
(「う〇こ」や「お〇っこ」のことだな)
俺「・・・じゃあ、何て言うの?」
M「便(べん)」

すると、『お〇っこ』は、「尿」なのか? 聞かなかったけど。
そういや、看護士さんたちは、そういう言い方をしてったっけ。

これまで、俺の性格もあるが、あまりお互いにプライベートな会話は
してこなかったのに、海外旅行から戻ってきた後から、
『もっと、私のことをいろいろと知って欲しかったのに!』
とでも言いたげに、話してくるようになっていた。

勿論、結婚に向けて、彼氏との愛を育んでいるのだから、彼氏のことを
最優先で思ってはいるのだろうけれど、俺が目の前にいると、沸々と、
消し難い感情が滾ってきてしまうようだ。
ありがとう。
君のような素晴らしい女性が、忘れようにも忘れ難い情愛を向けてくれる。
それだけで、一度は失っていた自信を少しは取り戻せそうだ。

ある日、彼女がこんな独り言を呟いた。

「結婚するんだから、しちゃってもいいんだよね」

そうか、彼氏に抱いてもらったんだな。
間違いなく、彼女にとっての「初めて」を彼氏に捧げたんだろう。

嫁子も俺とが初めてだったが、「結婚するまで」或いは「婚約まで」は、
「そういう関係」にはならないという、貞操観念の強い女性は、結構いる。
この会社に来てからだけでも、取引先や社内の子で、何人かから直接
聞いていた。
俺は、地元と東京を往復しながら、ほんとに数えるほどでしかないが、
いつも避妊などせずに嫁子と行為に励んでいたので、嫁子は慣れて来た頃に、
「赤ちゃん、できちゃったらどうしよ。すぐに、結婚するんだし、いいよね」
と、言っていた。
おっと、これは、どうでもいいことだった。

3月。
彼女の結婚式の二次会に、俺は、招待された。
Mさんのたっての要望で「嫁子さんと一緒に」と。
天然な嫁子は、単純に喜んでいたが、俺たち二人は、彼氏の友人たちの
好奇の眼に晒されていた。
そしてめでたく、彼女は、念願だった寿退社を果たした。

4月。
俺たちが結婚式を挙げた。

5月。
連休明けに新婚旅行をし、新居に住み始めて間もなくの頃。Mさん
(もう「M」ではないのだが)と彼氏(旦那)が一緒に訪ねてきた。
そして、俺がまだだいぶ若い頃に、嫁子の親父と写っている写真を
見て、彼女は、やっと納得したようだった。

第三者にしてみれば、萌え要素のないかもしれない話を連投して、
申し訳ない。
娘が、来年早々には、嫁ぐことになる。
息子は、公務員で、2年おきに転勤を繰り返すから、地元に落ち着く
ことはないだろう。
来年春先以降、30年ぶりに嫁子と二人だけの生活が始まる。
あれやこれやと考えているうちに、ふと思い出してしまい、頭から
離れなくなったので、リセットのために書かせて頂いた。

文才なく駄文ですが、書いている内容は、概ね事実です。
Mさん夫妻と読者の皆様にご多幸あらんことを願いつつ。

<了>

出典:実話
リンク:オリジナル
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