あれは、確か1990年初期だったと思う 俺は、研究所の仕事が終わってから神奈川某駅の裏道に車を止めて、ぶらぶらと歩いていた ふと、横目で視界に入った情景に違和感を感じ、行き過ぎた道を戻った そこには、みちばたで立ちつくす少年と、うずくまる少女 そして、タイヤのフレームがゆがんで横たわる自転車 少女を見ると、足がぽっきり折れて、痛々しく不自然な方向に向いている 少年の自転車が路地に入ろうとして、出会い頭に少女と衝突したのだろう 俺はあわてて、近くの店の人に救急車を呼んでもらった その後、俺は言葉をかけることもできずに、ただ少年のそばにしゃがんでいた 本当は、少女の手を握って、励ましてあげればいいのに、いろいろ考えてしまってできない その時、ひとりのOLが状況に気づいて、少女に寄り添った 俺は少しほっとした 待つ時間は、とても短かったように感じた やがて、サイレンとともに救急車が到着して、少女と少年は病院へ向かった 俺とOLは、救急隊員に名前と電話番号を聞かれた たぶん、少女と少年に意見の食い違いが出た場合、聞かれるのではと思ったが、その後問い合わせはなかった 俺とOLは救急車を見送ると、会釈をして別れた あの後、少年は親に叱られて、警察には厳重に注意されただろう 少年には、忘れることのできない苦い経験だったに違いない けれど、この経験を教訓に、慎重に生きていると信じてる ちなみに、そのOLは今の俺の嫁ではないし、その後一度も会っていない また、その少女と少年が結婚したのかは、わからない 出典:a リンク:a |
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