おはよう、いま起きました。 12時半です、きょうも遅くなりました。 タバコを吸うので口の中が不味いです。 サッパリさせたいのでジュースを飲みました。 バイトは夕方からなので、それまでの自由時間にネットをやったり、本を読んだり、絵を描いたり。 3時過ぎにチャイムが鳴って、近所の奥さん、裕子さんが来ました。 お皿を持って、お料理のおすそ分けです。 僕が裕子さんの弟に似ているからって。 「いつもありがとう、コーヒー飲みませんか?」 さっき湧かしたコーヒーがまだ冷めていないので、それを勧めます。 二人でソファーに、食事もテレビを見るのもこのソファーとテーブルです。 「ここは日当たりがいいから暖かいわね」 「お天気の日は暖房いらないです」 「脱いでいいかしら」 「いいですよ全部脱いでも」 全部脱ぐわけはないんですけど。 「良次さん冗談ばかりね」 「本心です」 「それが冗談でしょ」 「嘘から出たまこと、ではなくて真から出た嘘です」 「Hなこと言うともう帰っちゃうわよ」 帰って欲しくないのを知っててそう言う。 「帰りたいですか?」 「まだ時間があるから」 「いっしょに居たい?」 「ええ」 「僕も」 ずっと一緒に居たいですよ。 「旦那さんといつ別れてくれるんですか?」 「別れないけど」 「僕はどうなるんですか?」 「誰かと結婚して幸せになれば」 裕子さんと結婚したいんですけど。 「僕のこと好きでしょ?」 「ええ」 「僕も」 「好きだけど」 「キスさせてくださいよ」 「ダメよ」 キスさせてくださいよ、は何回目になるけど、 ダメよと言われるのが快感で、また言う。 「触るのも駄目?」 「ダメ、どこに触るの?」 「胸とか」 「胸なんかダメよ」 「お尻もでしょ」 「そうね」 「旦那さんは触るんでしょ」 「ええ」 旦那さんは良くて、僕は胸もお尻もダメ、これが現実か。 「そろそろ帰らないと」 「帰るんですか」 「時間だから」 「帰るとこ見たくないです、さよならも言いたくないし」 「じゃ、そっち向いてて」 僕はドアと反対の方を向く。 「お・す・そ・わ・け・も・ら・っ・た」 で振り返ると裕子さんはまだいる。 また、 「お・す・そ・わ・け・も・ら・っ・た」 で振り返る。 何回目かにドアの閉まる音が聞こえた。 2019.12.30 出典:なし リンク:オリですから |
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