昔のこと (昔の彼女(彼)との体験談) 9400回

2020/12/07 07:35┃登録者:えっちな名無しさん┃作者:名無しの作者
記憶が美化されているかも知れないし、あやふやなところもある。
辻褄合わせに、話に脚色も入っているだろう。
それでも書こうと思う。

今から30年ほども前の話である。
東京の大学に進学するため、地方から上京することになった。
高校までは住んでいたところは山や川が多く自然豊かなところであった。
山で栗をとったり、川で鮒を釣ったりして遊んでいた。
電線に止まったスズメの鳴き声で朝起きたり、夜は夜でカエルの大合唱が聞こえる、
そんなところに住んでいた。
しかし、東京首都圏は殺風景なところで、
どこに行ってもコンクリート、アスファルト、車ばかりで
凛とした葉の瑞々しさや水の冷たさを感じることはなかった。
ちょっとしたカルチャーショックだったかも知れない。
大学では、淡々と進める無味乾燥な講義を受け、人間味の無いつまらない授業を
義務的に受けていた。
大学の同級生は、いかに自分が優れているか偉いか自慢話ばかりをする人が多かった。
今風で言うと、人間関係をマウントごっこに頼っている感じの人が多かった。

つまらなかった。
本当につまらなかった。
つらかった。

それでも、挫けなかった。

東京の大学に進学して、親から期待されている。
決して安くない学費を出してくれている親に迷惑をかけられない。
大学は意地でも卒業しようと思った。

生活費を稼ぐため、社会経験のため、少しでも今の生活を変えたいため、
近くのファミレスでバイトをした。

そこで出会ったのが、亜樹子さんだった。
亜樹子さんは小柄で華奢な女性だった。
切れ長の大きな二重の眼がとても綺麗で、可愛らしい女性だった。
私より9歳年上で、4年前に結婚して北の大地から上京したと言っていた。
東京は色々物は揃っていて便利だけど凛とした空気の透明感がないと言っていたことを
覚えている。

感性が合っていたというしかない。
1年目の秋には、禁断の男女の仲になっていた。
何故このようになったかは覚えていない。
初めて亜樹子さんを連れて道を歩いているとき、金木犀の匂いがしたことを覚えている。

亜樹子さんは暖かった。
上京して、初めて、人のぬくもりを感じた。
素敵な人だった。
私にとって、初めての女性だった。
着痩せするタイプらしく、裸体は出るところは出ていて、肌は潤っていた。
殺風景な灰色の部屋に置いた瑞々しい檸檬のようであった。

亜樹子さんは、東京に憧れて上京目的で結婚したけれども、
無味乾燥な東京は肌に合わないと言っていた。
亜樹子さんの夫は仕事人間であり、自信満々、自意識過剰、見栄っ張りなところが
あるらしく、
若くて綺麗な妻がいることだけが自慢であり、亜樹子さんをかまってあげなかった。
亜樹子さんは淋しかった。
そのような心の隙間に、タイミングよく私が入り込んだのかも知れない。

亜樹子さんのすべてが欲しかったので、彼女自身を味わい尽くした。
薔薇の花びらに丁寧に舌を這わせ、
お返しとばかりに、亜樹子さん自身は溢れんばかりの蜜を流した。
迷路荘の秘密を探らんとばかりに、
亜樹子さんの反応を確かめながら、浅深と角度、リズムを変えた。
鎹が解けないように、我儘に暴れだす小さい体に、力いっぱい覆いかぶさった。
東京の殺風景な寒い季節に、肌の温もりを感じる日々が続いた。


2年目の桜が咲く頃、初めて、亜樹子さんのなかに私の分身を出した。
亜樹子さんのピンクを白に染めんとばかりに、乳白色の獰猛な液体を注ぎ込んだ。
窓から見える淡い桜と白い雲が、亜樹子さんと同化しているように思えた。

一度覚えた快楽は止められない。
桜の花が散り、代わりに生命力溢れる新緑の季節になっても、中出しを続けた。
生で味わう襞の感覚の気持ち良さ。
中に出すことの満足感。
生きていることを実感した。
この感覚、生きるという感覚は今になっても忘れられない。
私は亜樹子さんを所有し続けた。

梅雨の季節、大雨が降る夜、人気の無い公園で、妊娠を告げられた。
恐らく私の子。
夫とのアリバイはある、血液型も大丈夫。心配しないで。
女はしたたかなのよ。
元気な子供を産むから、私を待っていて。


待った。
亜樹子さんを抱くのを待った。
たまに亜樹子さんと会った。
会うたびにお腹が膨らんでいく。
お腹が大きくなるにつれて、胸も大きくなっていった。
生で触らしてもらった。
お腹からは生命の躍動を、胸からは母親の自覚を感じた。
観覧車から見える色とりどりの紅葉が綺麗だった。


2年目の終わり、弥生の望月のころ、満ち満ちた桜の夜に、女の子が生まれた。
亜樹子さんそっくりな女の子だった。

小さい体で子供を産むと、やはり、ダメージが有るみたいだ。
産後の経過が良くなく、亜樹子さんは辛そうだった。

待った。
我慢した。


厳しい残暑が続く9月に、初めて、亜樹子さんのお住まいにお邪魔した。
待って待って、我慢に我慢を重ねて、1年数か月ぶりに、抱いた。
以前に比べて、反応が良くなっていた。
感覚が鋭敏になり、以前は無反応であったところに、感じ始めている。
感度に深みを帯びたためか、以前より、体のしなり具合が大きい。
産道を赤ちゃんが通ったためか、多少、緩くなっている。
でも、不思議と私自身の大きさや形状にフィットしている。
何より、胸が大きくなっている。
肩幅が狭い華奢な体に、ぷるんとした大きな胸。
秋の女王マスカットの瑞々しさを感じた。

合体しながら、はち切れんばかりの胸にしゃぶりついた。
舌に甘い味が広がった。
人間って哺乳類なんだなと初めて感じた。
手荒くあしらっても、すぐに自分の居場所を力強く主張する。
ゴムまりのようなマスカットを堪能した。
葡萄の先端に吸い付いた。
甘い蜜が口に広がった。
それ、赤ちゃんのだからあまり吸わないで、と言われた。


それから大学卒業までは、人生最高の時だったかも知れない。
大学の方も、人間的に余裕ができたためか、人間関係も勉学も楽になった。
いまだにマウントごっこする同期が子供に思えた。
亜樹子さんとはめくるめくような時を過ごした。
亜樹子さんの体を細部まで確かめた。
亜樹子さんはよく答えてくれた。
体のことを考えて、妊娠だけは気を付けた。
代りに飲んでくれた。
愛おしかった。
赤ちゃんのおむつも取り換えた。
全くの無垢であった。
幸せだった。

4年生になり、名前が通ったところに就職が決まった。
亜樹子さんは私が社会の一員になることを喜んでくれた。


形だけの卒論を書き、大学を卒業した。
松の木には薄い雪が積もっている。
隣の梅の木には鶯がとまっている。
意を決して、亜樹子さんに結婚を申し込んだ。

亜樹子さんはとても驚いたようだった。
しばらく考えて、それはできないと言われた。
ああ見えても、夫は傲慢不遜だけれども、私がいないと何もできない人よ。
夫の眼を盗んで、私と関係を持って、子供まで作った。
裏切り行為だけど、それはそれで仕方ないのよ。
好きな男性の子供を産みたい衝動はどうしようもならない。

再度、結婚を申し込んでも、断られた。
私のことは好きだし、子供を産みたいと思った。
世間体なんて気にしない。自由に生きたい。
でも、夫は私がいないとだめなのよ。

女性は分からない。
恋愛体質なのか、打算なのか、現実的なのか、分からない。
当時の私には、全く分からなかった。

そのとき、何かが切れた。
亜樹子さんの何もかも奪いたくなった。
亜樹子さんを押し倒して、スカートの中からパンティーを剥ぎ取り、
半ば無理矢理、生で姦った。
姦りながら、服をはぎ取った。

亜樹子さんの心も体も私のものだ。
私と亜樹子さんの子供もできた。
私の就職先も決まって、それなりに困らない生活を送れる。
なせ結婚してくれない。

亜樹子さんは抵抗していたが、お構いなしだった。
おれの女だ。
私自身から白い液体が放出された。
体の奥へと、猪突猛進に暴れた。
亜樹子さんは、何かを悟ってか、抵抗しなくなった。
私の頭の後ろに手をまわして、ゆっくりと手を引き寄せた。
私の頭は二房のぶどうの間に埋まった。
柑橘類の匂いがした。
さらに強く手を引き寄せた。
顔が葡萄の谷間に埋まった。
息ができない。
遭難しそうだった。
ゆっくりと時間が流れて、静かな時を過ごした。
だが、私自身は動物の本能は目覚めており、二度目の衝撃が迸った。
心地よさそうに亜樹子さんは目を瞑っていた。
葡萄の谷間から窓の外を見た。
鶯はもう居なかった。

刈り揃えた芝生の青々とした匂いが立ち込める公園。
見事に咲き誇っていた桜の花が散り、代わりに、新緑の芽が伸びやかに生命力を謳歌している。
隣には、薄紅色のハナミズキが咲いている。
懐妊を告げられた。
12月ごろが予定日だという。
それまで待ってくれる?


入社一年目、懸命に仕事をした。
狂ったように仕事をした。
早く一人前になって、亜樹子さんと子供ふたりを迎えたい。
その一心で仕事をした。
残業200時間を超えても、問題なかった。
季節の移ろいなど気にしなくなった。


12月のとても寒く乾いた夜だった。
東京の明るい夜空でも、南天に天狼星が滔々と輝きを放っていた。
私と亜樹子さんの息子が生まれた。
息子に会えたのは年の瀬だった。
二重の大きな瞳をした色白の男の子だった。

少し遅れたけれども、娘と息子にクリスマスプレゼントの子供服を渡した。
母娘喜んでいた。息子は寝ている。
亜樹子さんを見つめた。
自分で稼いだお金で買った指輪を捧げた。

とても嬉しい。プロポーズしてくれたことではなく、
引っ込み思案だったあなたが一人前になったことが嬉しい。
あなたのことはとても好き。
でも、その指輪は受け取れない。
今日で別れましょう。
いままでありがとう。

女性は何を考えているか、分からない。

4月になると、ご主人の都合で、亜樹子さんは首都圏を離れることになった。
連絡先は教えてくれなかった。

虚脱感、喪失感に覆われた。
仕事だけが心を満たしてくれた。

いくつかの歳月が流れた。
亜樹子さんのことも、きれいな思い出として記憶の奥底にしまうようになった。
私は人間的に亜樹子さんに育てられた。
引っ込み思案だった私を一人前に人前でしゃべれるようにしてくれた。
社会の中で生きていけるように育ててくれた。
女性の体の柔らかさ、弾力、そして温かみを教えてくれた。
私との間に二人の子供まで作ってくれた。
亜樹子さんにいくら感謝しても足りない。


私もいつしか結婚して、妻と可愛い娘二人と暮らすようになった。
温かい家庭を築くことができた。
人並みに幸せな家庭を作れたと思う。

でも、亜樹子さんのことを思うと、少しもの悲しい。
亜樹子さん、今、どうしているだろうか....

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