焦らし作戦大成功、それにお酒のせいもあったのでしょう、精魂尽き果てるまで逝かされた妻は泥のように眠っていました。 私も妻の美しい寝顔を見ているうちに、いつの間にか寝ていたようです。 ふと、目が覚めると、隣に寝ていた妻も同時に目を覚まして視線が合いました。 時刻はもう24時を過ぎています。 妻は悪戯好きな子供のような表情で「ねぇ、話の続きは?」と言うと、私に抱き着き、キスをしました。 「保健の先生」のお話のスタートです。 昔、昔、大昔、私の通っていた学校は所謂、名門校で、独身の教諭たちのために、寮の替わりに学校の隣接地にあるマンションを借り上げていました。 「その先生もそこに住んでたんだよ」 「ふ〜ん、それで?」 もうすぐ卒業というタイミング、可愛がってくれていた自分の担任の男の先生も同じ借り上げたマンションに住んでおり、当時、その学校のすぐ近くに住んでいたので、気楽によく遊びに行っていました。 「ある日、アポなしでその男の先生の所に遊びに行ったら、部屋から別の、その保健の先生が出てきたんだよ」 「あ〜〜、付き合ってた?あっバレたみたいな」 「そういうこと、後に2人は結婚するんだけどね」 「へ〜、それが何で、その人と初体験になるの?」 「それから、卒業式も終わって春休みになるんだけど、ヒマだから、けっこうその先生の所に行ってたの」 「保健の?」 「いや、男の先生の方」 もう、私が卒業したので、隠す必要もないと判断したのか? それとも、もう学校ではオープンな関係だったのかは分かりませんが、遊びに行って、その保健の先生がいても気にもしないようになっていました。 「なんで、間違えが起こるの???その年の子相手に???」 そこなんです。 大人になってから、よ〜く冷静に考えてみましたが、保健の先生は超一流大学出身で、そんな名門学校に採用されるくらいだから、家柄も良くて、でも、今考えても、なかなか気性の荒い女性でした。 あとで、聞いた噂によると、その男の先生も、文句なしのピカ一の学歴、出自も文句なしの方だったので、どちらも引かず、喧嘩が絶えなかったらしい。 「そういえば、その事が起こる前にも、部屋に遊びに行ったら揉めてたことがあって、気まずかった」 「なるほどね〜、でも普通、彼氏、しかも、結婚するつもりの人と喧嘩したからって、とんでもない年下とやっちゃうって話が飛躍してない?」 「そうなんだけど、保健の先生って美鈴が想像しているイメージとは、たぶん、だいぶ違ってると思う」 保健の先生さん(仮名)は今でいうグラドルみたいな派手な顔立ちのスーパーボディ、そんな肉食系の人が浮気とかしてフライデーとかされちゃうっていうような感じの、はっきり言って性欲を持て余すようなタイプの女性でした。 ある時、お昼すぎに先生のお部屋に遊びに行くと、インターフォンを鳴らしても応答はありません。 「ちょうど、その時、保健の先生が帰宅して、夕方まで帰って来ないよって言わて、あんまりがっかりしてたら、うちで待ってればって部屋に入れてくれたんだ」 初めて入る大人の女の部屋、女性らしい可愛い飾りつけ、ソファーに並んで座ってテレビを見ていると得も言われぬいい匂いがして私は頭がクラクラしました。 「生まれて初めて女を意識した瞬間だったと思う」 そして、これがすべての間違い、いや、最高の間違いの始まりとなったのです。 出典:妻を盗聴 リンク:http://tumatanin.blog.jp/ |
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