品評会 (エロくない体験談) 66867回

2004/07/10 12:47┃登録者:長いぞぉーー┃作者:名無しの作者
[692] 品評会1 投稿者:ミチル 投稿日:2002/08/17(Sat) 23:20

「うちのは絶対に無理だと思うよ」
窓際に設置されている砂時計をひっくり返しながら、最年長の堀田が言った。
「へえー、それって愛されてるって自信ですか?」
肩肘をついてタオルの上に寝そべっている新見が尋ねた。
「いやいやそういうことじゃなくて。興味がないんだからセックスそのものに。結婚して12年経つけどさ、絶対3桁はいってないよ、回数」
「ええっ、じゃあ月平均一回もないってことですか?」
「月1どころか、最近じゃ年1だよ。ちょっと普通じゃないんだから、うちのは。第一、セックスなんてのは単なる子孫繁栄の手段であって、快楽の対象としては絶対に考えられない、なんていつも豪語してるからね。ましてや、亭主以外の男とねんごろになるなんて、あいつにとっちゃ、はるか彼方異次元の世界の話だよ。まあ、だからこそ一度でいいから、他の男に抱かれてヒーヒー泣き叫ぶあれの姿見てみたいんだけどね」
温度計の針が90℃を指している。顔中から滴り落ちる汗を両手でぬぐいながら堀田が言った。
「新見くんとこなんか、まだ新婚だし、“オレの女房にゃ指一本ふれさせねぇ”なんてタイプに見えるけどなぁ」
「自分でもずっとそうだと思ってたんですけどね、あることがきっかけでこんな風になっちゃったんですよ」
「あることって?」
「半年くらい前のことなんですけどね。女房が泊りがけで高校時代の同窓会に出かけたんですよ」
「うん」 堀田が相槌を打つ。
「女房とは高校の同級生でね、オレも一緒に出席したかったんだけど、仕事でどうしても行けなくて、女房一人で行かせたんです」
「ふん、ふん」
「帰ってきてから女房の様子がちょっと変だったんで、ひょっとして向こうでなんかあったのかと思って、出席した友達に電話して訊いてみたんですよ」
「そしたら?」堀田が身を乗り出した。
「そいつが言うにはね、その同窓会、かなり盛り上がっちゃったみたいで、明け方近くまで飲んで歌っての大騒ぎで、そのあとお昼過ぎまで男女入り乱れて雑魚寝したらしいんですよ」
「うん、うん、それで」
「それだけならいいんですけど、女房のヤツその時、高校時代にオレの前に付き合ってたいわゆる元カレと、ひとつの布団にくるまって寝てたって言うんですよ。しかも2人だけちょっと離れた場所で」
「おお、焼棒杭に火か。そりゃ新婚夫婦の旦那にとっちゃ、心中穏やかじゃないねぇ」
「でしょう。その友達が言うには、かなり怪しい雰囲気だったって。この時なんですよ、おかしなことに、怒りよりも自分が性的に異常に興奮していることに気づいたのは。これには自分でもちょっとびっくりしました。電話でその話聞いてる間中、あそこがもう痛いくらいビンビンで、電話置いた後、堪らずトイレで一人で抜きました」
寝ころがっていた新見が起きあがり、顔の汗をぬぐいながら、さらに話しを続けた。
「さっそく女房に問いただしたら、一緒に寝てたことは認めるけど、あなたが思ってるようなことは絶対になかったって言い張るんですけど、オレの方はどうにも収まんなくて、その日は朝までケモノのように女房犯しまくっちゃいました。女房のヤツ結局最後まで頑なに否定し続けたんですけど、終いにはオレ、「美咲、頼むから『幹男のヤツにやられた』って言ってくれ」って叫びながら腰動かしてましたよ」
「おお、わかるよ、その気持ち」堀田がさかんに頷いていた。

「高梨さんとこは?」新見が私に訊いてきた。
「うち?うちは、お宅らのような特殊な事情はないんだけど・・・・。強いていえば、亭主の口から言うのもなんだけど、非の打ち所がないっていうのがね、一番の要因かな」
「へえー、“非の打ち所がない”、ですか」
「家事全般、子育て、ご近所付き合い、どれをとっても完璧なんだよ。人あたりがよくて、世話好きで、人に嫌われたことなんて一度もないし、オレの両親ともうまくやってるしさ。かと言って妙に所帯地味ても無いし、もちろん女としても最高だとオレは思ってる。セックスの方だって、まぁどっちかと言えば淡白な方なんだけどそれなりにエンジョイしてるしさ。とにかく、主婦として、母として、妻として、文句の付けようがないっていうの?」
「あらあら、みごとにストレートなおのろけですね。で、その文句の付けようがないってのが、要因だと」
「そう。あいつがね、理性の箍を外して、他の男の腹の上で思いきり乱れ狂う様を一度でいいから拝んで見たい、いつ頃からかなぁ、そんな願望がどんどん膨らんでいったんだ」

とあるフィットネスクラブのサウナ室。自分の女房の寝取られ願望を吐露する3人の男。
大手食品会社に勤める堀田洋平は、今年で四十路を迎える妻・紀子と、一男一女の子供たちに囲まれて暮らす43歳。
中古車ディーラーの営業マン・新見勝俊は、今年新婚2年目の26歳。同い年の妻・美咲との二人暮しで、現在子作り奮闘中。
そして私、高梨 徹は事務機器メーカー勤務の36歳。妻・響子31歳、5歳になる長女・詩織と暮らす、新米中間管理職である。

「で、今の話きいててどう?伊能さん」
そしてもう一人、90℃の酷暑の中、さっきからわれわれ変態亭主の間抜けな会話を涼しい顔をして聞いている男がいた。サウナ部屋の最上段に、大股開きで腕を組んで座っている。
「なんにも、問題なしですよ。最初の約束どおりみなさんの奥さんひとり残らず、この私が完璧に寝取ってさしあげますから」
男の名は、伊能 竜一。27歳の独身である。
身長183cm、体重72kg、長い手に長い足、陽焼けした肌に、嫌味の無いに程度についた筋肉の造形美、引き締まった小さなお尻。その身体は、どこをとっても隙がなかった。端正なマスクは、20cm近くも身長差のある私の1周り、いや2周りは小さく、ナチュラルブラウンの長い髪が、風に吹かれてサラサラと流れる様は、男の私でさえしばし見とれてしまう程の美しさであった。
しかしこの男のハイライトはそれだけに止まらなかった。こと容姿に関して世の男が欲しがるものすべてを兼ね備え、ただでさえ女を蕩かすフェロモンを体中に満載にしているこの男に対し、神は更なる最終兵器を与えていたのだ。それは、威風堂々、股間に鎮座するイチモツであった。
太さ、長さは、インターネットのエロサイトや洋ピンビデオの外人に勝るとも劣らず、なによりそのエラの太さ、大きさはまさに目を見張る程のもので、これまで何人の女の秘窟の粘膜を掻き毟ってきたことであろうか。極細短小、その上仮性包茎ときている粗チンの身には、コンプレックスの程甚だしく、私はこの男の前で腰に巻いたタオルを外すことができなかった。
さらにこの男、その昔、アダルトビデオのスカウト兼男優をやっていたということで、業界では「ツリ師の竜」の名でかなり有名だったらしい。スカウティングの腕前はまさに100発100中、狙った相手はどんなことがあっても逃がさない極めつけの執念深さが身上だったという。そんなエロスの塊のような男が、われわれ亭主の寝取られ願望をかなえてやるというのだ。

伊能は、自分のペニスを指でつまんで、上下左右にブルブルと振りまわした。ペニスが太股にあたって、バチンバチンと派手な音をたて、汗の飛沫を飛び散らした。
「でも、レイプとか、ドラッグ使うとか、そんな手荒なのはダメですよ、伊能さん」
私は伊能のあまりの自信に、“この男ひょっとして犯罪まがいのことを仕出かすんじゃないだろうか”と、不安になっていた。
「見損なってもらっては困りますね高梨さん。オレはそんな姑息な手は絶対に使いませんよ。あくまでみなさんの奥さんの同意が大前提ですから」
伊能はどこまでも自信に満ち溢れていた。
「それでわれわれはどういう方法で寝取られてる現場を見れんの?」と堀田が訊いた。
「品評会ですよ」
「品評会?」
「ええ。オレとあんたらの奥さんの事の一部始終をビデオに撮って、みんなで一緒にお互いの女房の乱れ具合を品定めするって趣向ですよ」
「ウヒャー!そりゃすごいなあ!そんなことが現実に起こったら・・・ああ考えただけで、おちんちんおったっちゃいますよ」と股間を押えて新見がおどけた。
「新見さん、それが現実に起こるんですよ」伊能が新見を睨み付けた。
「それじゃ、まずあなたのとこから行きましょうか新見さん」
「えっ、オレとこから!?」
「はい、この一ヶ月の間にあなたの奥さんを寝取った様子をビデオにまとめて、来月の今日、みなさんにご披露しますよ」
「ほ、ほんとにそんなことができるんですか?」
「くどいな新見さん、とにかく来月を楽しみにしててくださいよ。それじゃ、第一回品評会のヒロインは新見夫人・美咲さんに決まりですね。 そうだな、再来月は、堀田さん、最後に高梨さんということにしようかな」
そう言って伊能は立ち上がり、サウナ室の少し広くなっている場所で仕上げのストレッチを始めた。身体を動かすたび、引き締まった筋肉と筋肉の谷間に、幾筋もの汗が流れ落ちて行く。
これを見つめていた私の脳裏に、突然、真っ白な妻の身体が伊能の褐色の身体に絡み取られていくシーンが浮かびあがった。その白と黒の淫らなコントラストに私の股間がむくむくと反応した。いつしか、下腹部を覆っているタオルがこんもりと盛り上がっていることに気づいた私は、あわててその淫らな想像を中断した。

「ただ、ひとつ断っときますけど、俺が寝取った結果、みなさんの奥さんがどんなことになっても知りませんよ。へたすりゃ取り返しのつかないことになっちゃう可能性だってありますからね。やめんなら今のうちですよ。半年前に落とした某一流商社の支店長夫人なんか、今じゃもう見るも無残な有り様なんだから。清楚で可憐な支店長夫人がオレの前では卑猥な牝ブタ、いやありゃそれ以下だな。毎日、毎日、してくれしてくれってそりゃもうしつこいのなんの。この前なんか、アナルファックの最中に『しょんべんで浣腸してやろうか』って言ったらガクガク何度も頷きやがるんで、遠慮なく腹ん中一杯にぶちまけてやったら、気がふれたようにヨガリやがって、最後は白目むいて失神しやがった。ありゃもう絶対普通の生活には戻れないだろうな。そんな風になってもオレは責任持ちませんよ。あちちちー!もうダメだ、それじゃオレ、先あがります。お疲れさんでした」
それだけを一気にしゃべって、伊能がサウナ室から出ていった。




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[693] 品評会2 投稿者:ミチル 投稿日:2002/08/17(Sat) 23:36

「どう思います?堀田さん」
一度でいい、自分の女房が他の男と交わる姿を見てみたい、確かにその思いは強い。だが、さっきの過激な発言や、あの男が発するあまりに淫蕩で危険な匂いに、こいつは、関わりあいにならない方がいいんじゃないかと思いはじめていた。
ところが堀田は、
「おいおい高梨さん本気にしてんの?アハハハッ、んな、うまくいくわけないって。あんな若造になにができんの。ああいう輩は、普段ろくでも無い尻軽女とばっかり関わってるから、世間の女はみんなホイホイ引っ掛かるもんだと思いこんでんだな。普通の主婦がそんなに簡単に落ちるわけないよ」と、はなから伊能を相手にしていない。
「さっきの支店長夫人の話は?」
「あれも、どこまでほんとかわかりゃしないよ」
「そうですよね」と新見が続く。「意外と口先だけの男のような気がするなぁあいつ。AVのスカウトって話もなんかちょっとウソ臭いしね」
「そりゃ、オレもあいつにバコバコ犯される女房見てみたいけどさ、安もんのエロ小説みたいにはいかないよ。まぁ約束のその日まで、いつやられるかやられるかってちょっとした刺激を味わうだけでもいいんじゃないの。ま、なんにしてもさ、来月どんな顔してヤツが現れるか楽しみだよ」
そう言って堀田が水風呂へ向かった。

「ただいま」
「おかえりなさい」
リビングの扉を開けると、響子がハンカチにアイロンをかけていた。
「お疲れ様。おそかったのね」
「ああ、終わってからちょっと話しこんでたから。詩織、もう寝たの?」
「ええ、ほんのさっきまであなたに似顔絵見せるんだって、頑張って起きてたんだけど」
「そうか」
「話しこんでたって、今日も堀田さんと新見さん?」
「ああ」
「いいなぁ、なんだか楽しそう。私も通いたいな」
お腹の贅肉が気になりはじめてフィットネスクラブに通い始めて三ヶ月。世代の違う堀田と新見であったが、最初から妙に馬が合った。ひょんなことから、3人ともが自分の女房を寝取られることに興奮を覚えるというアブノーマルな嗜好を持っているということがわかってからというもの、ますます親近感が増し、クラブの帰りにちょくちょくと飲みににも行くようになった。そんな3人のところへ、クラブの非常勤のインストラクターである伊能が今回の話しを持ちかけてきたのだった。

「なぁ響子」
「なに?」
「おまえ、結婚してから男に声かけられたことある?」
「ええ?なによ突然。声かけられたって・・・ああ、ナンパされたってこと?」
「ああ」
「あるわよ。何度も」
「ええ!うそ!?」
「ほんと」
「で、どうしたの?」
「どうしたって、どうもしないわ」
「無視すんの?」
「うん。だってこわいもの。そんなのにホイホイついてかないわよ」
「でもそれが、お前のお気に入りの藤○直人みたいな二枚目だったらどうする?」
「ああ、それならお茶くらいはいっちゃうかな、へへっ」
「それでも、お茶だけか?」
「そうよ、それ以上は絶対NG。当たり前じゃない。何?あなた、ちょっとおかしいわよ。どうしたの?なにかあったの?」
「いやなんにもないよ、ちょっと訊いてみただけ。なぁ響子」
私はいきなり響子の手を引いて、その身体を抱き寄せた。
「あん、なに・・・だめよ・・・・、まだアイロン残ってるし・・・んんっ・・・・」
貪るように唇を吸う。
「響子、オレのこと好きか?」耳元に唇を這わせた。
「どうしたの?・・だ、だめだったら・・・・・あん・・・ああ・・・・」
「答えろ響子、なぁ響子、好きか?」
「あん・・・あん・・」響子が無言でコクリと頷いた。
“品評会か・・・・。この女があの男の毒牙にかかってしまうというのか?、この愛しい耳たぶや唇さえも、すべて蹂躙し尽くされてしまうというのか?そしてその様子を堀田や新見と共に品定めするぅ?そんなことが現実に起こるというのか・・・・ああ、響子ぉ、オレの響子ぉ、・・・ああなんてすごい刺激なんだ・・・”
この日以来、伊能の影におびえながらのセックスは、私にかつて経験したことのないほどの強烈な快感をもたらした。
そして、長い長い1ヶ月が過ぎ、ついに約束のその日を迎えたのだった。



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[696] 品評会3 投稿者:ミチル 投稿日:2002/08/18(Sun) 11:52

第1回品評会のその日、われわれ3人は、クラブのロビーで伊能の登場を今や遅しと待ち侘びていた。
「なんだか余裕だね、新見くん。もっと青い顔してると思ったけど」
言いながら堀田が4本目のタバコに火をつけた。口では余裕のあるようなことを言っている堀田であったが、その仕草からは、意外に緊張していることが見て取れた。
「それが全く拍子抜けなんです。この一ヶ月間、少しは女房に変化があるかと思ったんですけど、これがなーんにもないんですよ。隠し事があるとすぐ顔に出ちゃうヤツなんで、なにかあるとすぐにわかるんですけど、それがないってことは結局空振りだったのかなと」
「変なヤツに声かけられたとか言ってなかった?」と堀田が言った。
「ええ、そんなことはなにも」
「結局担がれたんじゃないの、オレ達。サウナでいつもあんな話ばっかりしてるから、ちょっと悪戯してやろうって調子でさ。きっとそうだよ」そう言って堀田がソファにふんぞり返った。
「でも、残念だなー、あの巨根に思いっきり突かれて泣き喚く女房の姿見てみたかったんだけどなー。“夫のことは忘れます!、私は今日からあなたの牝奴隷ですぅ!”みたいなね」と新見が笑うと、
「そうそうそれ、寝取られ亭主族のあこがれのセリフだな、アハハッ」と、続けて堀田が笑った。

約束の時間から30分が過ぎても、伊能は現れない。
「やれやれ、やっぱり担がれてたみたいですね。さぁてそろそろ引き揚げましょうか。おっと、そうだ、このまま帰るのもなんだし、残念会ということで、隣の居酒屋でちょっとやってきますか?」
「おっいいね、行こう、行こう」
と、三人が立ち上がったその時だった。ロビーの自動扉が開いて、ひとりの男が入ってきた。
伊能であった。三人の顔から瞬時に笑みが消えた。
「お待たせして、すみません」
「遅かったね・・・」
「すみません、ちょっと用事が長引いちゃって。それじゃ早速行きましょうか」
「行くって、どこへ?」私の問いに、
「オレのうちですよ。品評会の準備できてますから」と、伊能がこともなげに答えた。
「ええっ!それじゃ・・・」
「はい、美咲さん、寝取らせていただきました。もっと手間かかると思ったんだけど、案外あっさりとしたもんでした」
「そ、そんな・・・・」新見は、その場で凍ったように立ち尽くした後、へなへなとソファにへたりこんでしまった。
「さぁ、行きましょう、表に車止めてますから」
新見がソファに沈み込んだまま、動こうとしない。
「そんな・・・美咲が・・・そんなことが・・・」唇がワナワナと震え、美咲、美咲と、うわ言のように繰り返している。
「新見くん、とにかく行ってみよう。まだわかんないよ。さっき君が言ってたように担がれてるのかもしれないしさ。さぁ立って」そう言って、私は新見の手を引いた。

表に出ると伊能の愛車、紺色のSAAB95がハザードランプを点滅させていた。
「さあ、乗ってください」
伊能に促されて、三人はSAABのたっぷりとした後部座席に乗り込んだ。ぷーんとレザーシートの高級な匂いがした。
「これ、なんかの勧誘の類じゃないの?どこかに連れ込まれてうんというまで返してもらえないみたいなさ」車が走りだしてすぐ堀田がひそひそと私に耳打ちをしてきた。
「さあ。でもこうなった以上、とにかく行くしかないでしょう」
車は30分ほど走って、とある瀟洒なマンションの地下駐車場に滑り込んだ。
「着きましたよ」
エレベーターに乗り込み、伊能が最上階のボタンを押した。
ロビーでの威勢はどこへやら、誰もが堅く口を閉ざしていた。新見の顔が死人のように青ざめている。
「ここです。さあどうぞ」伊能が玄関の扉をあけ、3人を中へ招き入れた。
玄関からまっすぐに伸びた廊下のつきあたりの扉をあけると、悠に30畳はあろうかという広大なリビングルームが広がっていた。
「へえー、伊能さん、すごいとこに住んでんだね」堀田があたりをキョロキョロと見まわした。
「のど乾いたでしょう。みなさんビールでいいですか」
「あ、どうも」
「そんな突っ立ってないでどうぞ適当に座ってください」
部屋にある調度品の豪華さには目を見張らずにはいられなかった。しかもどれひとつとして、いわゆる成金趣味のゴテゴテしいものはなく、部屋全体が極めて高いセンスでまとめられていた。
“この男はいったい何者なんだろう?ひょっとして、オレ達はとんでもない世界に住む男と関わり合いになってしまったんじゃないのだろうか” 
伊能に勧められるままソファに腰を降ろすと、目の前のローテーブルに、ビールとつまみが運ばれてきた。
「みなさん。お待たせしました」そう言って、伊能が部屋の照明を落とした。

「それでは第1回品評会をはじめさせていただきます。みなさんご承知のとおり、今回のヒロインは新見さんの奥様でいらっしゃいます、美咲さんです。この1ヶ月間、いろいろとお付き合いさせていただきまして・・・、おっと、余計な説明はいいですよね、とにかくまずビデオを見ていただきましょうか。いいですね新見さん?」
血の気の失せた顔で新見がコクリと頷いた。
皆が固唾を飲んだ。私は口の中がカラカラに乾いていることに気づき、伊能が注いでくれたビールを一口、口にした。
リビングの壁面に、50インチはあろうかという大型のプラズマディスプレイが取りつけられている。もし伊能の言葉が本当ならば、これからわれわれは、この巨大な画面に映し出される伊能と新見の妻との許されざる淫行を目の当りにすることになる。人妻ものAVの“えせ人妻”などとは違う、正真正銘の人妻を溺れせしめたその淫行の数々は、いったい我々にどれほどの衝撃をもたらすのであろうか。ましてや、当の本人である新見が受ける衝撃たるや、いかほどのものか。われわれは今、行く先のわからぬ暗澹たる航海へ船出しようとしていた。

「それじゃ、さっそくはじめますよ」
皆の注目の中、伊能がリモコンの再生ボタンを押した。
傍らで、新見がぶるぶると身体を震わせていた。



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[701] 品評会4 投稿者:ミチル 投稿日:2002/08/21(Wed) 00:13

真っ白な画面に、徐々にざわついた音が聞こえ始めた。軽い音楽、かすかに場内放送の声が響いている。ゆっくりと映像が現れた。スーパーマーケットの野菜売り場のようだった。
いきなりあられもない姿の美咲が登場するのかと思っていた私は、少しほっとした気持ちになって、フーと長い息を吐いた。
しばらく静止していたカメラは、ゆっくりと動き出し、カートを押して歩く一人の長身の女に近づいて行った。辛し色のタンクトップに、タイトフレアジーンズ。背中まで伸びた淡いブラウンのロングヘアが歩くたびに左右に揺れた。カメラはその女の後姿を、足元から頭まで、下から上へと舐めるようにゆっくりと捉えていった。
「奥さん?」
私の問いに、新見が「は、はい」と短く答えた。片時も画面から目をそらさない。
すばらしいスタイルをしていた。まさにはちきれんばかり、むっちりとしたお尻にジーンズがピッタリと張り付いていた。少しフレアな裾が、長い足をよりいっそう際立たせている。
美咲は陳列棚からキュウリを手に取り、カートに乗せた買い物篭に入れた。撮られていることには全く気づいていないようだ。
野菜売り場の突き当たりまで行って、始めて美咲がこちらを向いた。
「おおっ!美人じゃないか!新見くん。スタイルもいいし、へえーこりゃびっくりしたなぁ」と堀田が感嘆の声をあげた。
「どうも」と新見が気の無い返事をした。
「誰かに似てるなぁ。タレントの・・・あれなんだっけ・・・ヨネ、、なんとか・・・」
「米倉○子ですか」画面から目をそらさずに私が答えた。
「そうそう!似てるよなぁ」
重苦しい空気を少しでも軽くしようとしているのか、堀田が努めて明るく振る舞おうとしていたが、この状況の中で、それは無駄な努力としか思えなかった。
ただ、堀田の賛辞は決してオーバーなものではない。確かに、きれいな女であった。こんなことを言うと新見に失礼なのだが、あまりパッとしない容姿の新見にはかなり不釣合いに思える程の女だった。
レジで支払いを済ませ、品物を袋に詰めている美咲の横顔がアップになった。くっきりと長い睫に縁取られた瞳と、少しふっくらとした唇が、濡れたように光っている。タンクトップの襟元からわずかに顔を覗かせた胸の谷間が白く輝いていた。
その直後、画面が白くフェードアウトし、ゆっくりとタイトルらしきものが浮かび上がった。
『若妻牝奴隷・美咲』
充分に演出も施されているようだ。
“ゴクリ” 堀田の生唾を飲む音が聞こえた。
早くもこの時点で私の股間がムクムクと反応を始め、第一陣のカウバー腺液がペニスの先端を湿らし始めていた。

しばらくして、ソファに腰をかけている美咲が映し出された。
「すっごいのねぇ。まさかこんな部屋に住んでるなんて。あなたほんとは何やってる人?」
さっきのわれわれと同じように、辺りをキョロキョロと見まわす仕草をみせながら美咲が言った。
画面のソファはどうやら今われわれが腰をおろしているもののようだ。どういったいきさつかはわからないが、伊能が美咲をこの部屋に連れ込むことに成功していことは確かなようだ。この時点ですでに、“美咲を寝取った”という伊能の言葉に嘘偽りのないことがほぼ証明されたように思われた。
「ただのフリーターだよ。ここはね、おやじが仕事に便利なようにって買った別宅なんだ。ま、その実はお妾さんとの密会用だったんだけどね。で、おやじが去年亡くなって、オレが居ついちゃってるってわけ」
伊能の姿は見えない。お茶の用意でもしているのだろうか、カチャカチャと食器の音がしている。
「ヘー、資産家のご子息なんだ、伊能さんて」
「別にそんな御大層なもんじゃないよ。ああ、ワイン庫、そこの奥にあるから、勝手に入って見てくれていいよ。それと、専門書はあっちの本棚にあるから」
「ありがとう。じゃさっそく見せてもらおうかな」
「どーぞ。へへっ、今日は、お近づきの印に、これ開けちゃおっかなぁ」
伊能が一本のワインを持って、画面に現れた。
「すご〜い!それ、シャトーマルゴーじゃない!ええ〜っ!しかも94年もの!」
「これって有名なんだよね」
「そう、「失楽園」で心中の前にふたりで口移しで飲んだワインよ」
「さすがあワインコーディネーター、詳しいね」
「いいの?、そんな高いもの」
「ぜ〜んぜん。美咲さんみたいな素敵な訪問者のために取っといたもんなんだから」
「あらあら、お上手だこと」

「美咲さんが趣味でワインコーディネーターの専門学校へ通っていることがわかったんで、そこの新入りの生徒のふりをしてロビーで声をかけたんですよ。うちに本格的なワイン庫や専門書の類がいっぱいあるよって言ったら、彼女是非見てみたいって。あっさりついてきました。親父の趣味が妙なところで役に立ちましたよ」
画面を見ながら、伊能がいきさつを説明した。

「それじゃあ、こうして出会えた偶然に、乾杯。なーんて」
「アハハッ、ありがとう、乾杯」
2人は伊能が用意した高級ワインの注がれたグラスを合わせた。
「先輩、新入生にワインの話、いろいろ聞かせてよ」
「いやだ先輩だなんて、あたしも始めて3ヶ月なんで、まだなんにも知らないのよ」
といいながらも、ここから延々と美咲のワイン講義が始まった。その間の伊能の聞き手ぶりは、それは見事なものであった。亭主ならこうはいかない。仕事で疲れて帰った後で、女房の趣味の話しを長々と聞かされるほど煩わしいものはない。吸い込まれるような大きな瞳をキラキラと輝かせ、聞きかじりのシロウトのワイン講義を、さもありがたそうに聞いてくれる美男子を前にして、美咲の気分が高揚しないはずがなかった。
それでも、始めは初対面の緊張感からか、どことなくぎこちない美咲の態度を伊能の巧みなトークが解きほぐし、ワインの酔いも手伝ってか、その声はどこか、媚びるような甘えを含んだものに変わって行った。
そして乾杯から15分、最初ローテーブルを挟んで向かい側に座っていた伊能が、いつのまにか美咲の隣に席を移していた。
「ええーほんとにぃ?!信じられない!」
「ほんと、ほんと」 「そうなのー。じゃあ一度見てみたいなぁ」
「今度連れてってあげるよ」 「えぇ!ほんとに?うれしい!」
伊能は、次ぎから次ぎへと女の琴線に触れる言葉を吐き続けた。会話のま、声の抑揚、顔の表情、そういった要素すべてが緻密に計算され尽くしていた。ときおり、美咲の手を取るなど、スキンシップによる接近も欠かさない。伊能は、徐々に徐々に美咲との距離を詰め、ついにはほとんど身体が密着するまでになっていた。



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[703] 品評会5 投稿者:ミチル 投稿日:2002/08/22(Thu) 00:32 

話しの内容が、当たり障りの無いものから、少うしづつ、淫蕩なものへと移行していく。それと共に、伊能の美咲に対するスキンシップの度合いも高くなっていった。この段階で性的なことはまだなにも行われていないが、これまでの映像を見るだけで、新見の胸の中は伊能に対する嫉妬心でパンパンに膨れ上がっているに違いない。

ここを頃合と見たのか、伊能が切り出した。
「ね、変なこと訊いていい?」言いながら、伊能が美咲の肩に手を回した。
「なに?」美咲に拒む気配はなかった。
「美咲さん、初体験っていつ?」
「えー!やだぁ、なんでそんなこと訊くの?」
「これほどの美人妻ってさ、いったい今までどんなヤツとSEXして来てるのかって、興味あるじゃない。ねえいつ?」
「うーん、16のときかな」
「相手は?」
「クラブの先輩」
「それから今まで何人とした?」
「やーん、アダルトビデオみたいじゃない。もう、なにぃ」
「へぇー、アダルトビデオみたいって、よく知ってるね。見てんだ、そんなの」
「うん、ダンナが好きなんで、たまに一緒に見るけど」
「ふ〜ん。どんなの見んの?」
「最近は人妻物ばっかりね。普通の人妻がダンナに隠れてAV出演、みたいなやつ」
「ダンナさんが好きなの?そういうの」
「そうなの。最近なんだか変なの」
「変て?」
「半年くらい前だったかな、同窓会旅行に行ったのね」
「うん」
「その時に、あたしが昔のカレとエッチしたって思ってるみたいで、それからなのよ、おかしくなっちゃたの」
「おかしいってどういう風に?」
「あれしながらね、ウソでも言いから、同窓会の夜にその昔の男とエッチしたって言ってくれってせがむの」
「なんだい、そりゃ」
「変でしょう。もうすんごいのよ。ほんと目がいっちゃてるもの。で、あたしが、“うん、したよ!、幹男とエッチいっぱいしたよ!“って叫んであげたら、それはもうめちゃくちゃ興奮しちゃって、すぐにいっちゃうの。男の人って、そんなになっちゃうことってあるのかなぁ」
「いやぁ、オレはよくわかんないけど、いるみたいだよそんな人。女房寝取られて喜ぶみたいなのが」
「えー!そうなんだ。それってもしかして変態かな」
「さぁ、でも普通じゃないよね。で、さぁ、本当はどうだったの?その昔のカレと」
「なんにもないわよ」
「ほんとにぃ?」
「ほんと、ほんと、絶対ほんと」
「な〜んだ、つまんないの。美咲さんて結構まじめなんだね。ずっとだんな一筋ってヤツなんだ」
「へへっ・・・・」
「“へへっ”って・・・え、違うの?」
「うん・・・、違う」
その瞬間、「へえぇっ・・・」と、新見が素っ頓狂な声をあげた。
伊能が新見に一瞥をくれてニヤリと笑った。
「ね、相手はどんな人!?」
「フフッ、それは秘密」
「そんなぁ!教えてよ!ね、お願い」
「訊いてどうすんの。誰でもいいじゃない」
「でも、訊きたい、訊きたい」
新見へのサービス精神からか、伊能はしつこく美咲の浮気の相手を聞き出だそうとした。
「そんなに訊きたいなら教えてあげる。あの専門学校のね、講師」
「へぇー、そうなんだぁ!美咲さんもやるなぁ!ね、それでどうだった?ダンナよりよかった?」
「いやーん、訊かないでよそんなこと」
「訊きたい!訊きたい!ね、どうだった?」
「へへっ、もう全然よかった」
「うひょー、興奮しちゃうな!うまいのその人?」
「うん。それに・・・・」
「それになに?」
「大きいの」
「どこが?」
「もう、やだぁ、言わせるかあ」
「大きいの好きなんだ」
「そりゃあ、小さいよりはね」
「ダンナさんって小さいの?」
「まぁどっちかと言えばそうかな・・・やだあたし、なに言ってんだろ。あーだいぶ酔っぱらっちゃったみたい」
私は、もう新見の顔を見ることができなかった。隣からは、はぁ、はぁと荒い息遣いだけが聞こえていた。
「それで今日は記念すべき結婚後2人目の体験ということになるんだね」
「アハハハッ、なにそれえ。だからあ、これだけ飲んだら帰りますぅって」
見事な手管で、伊能はどんどんと美咲をゴールへといざなっていく。美咲の眼が確実にとろけてきていた。
やがて、肩にまわした伊能の手が、美咲のタンクトップの肩紐をおろし始めた。
「ちょ、ちょっと・・・・」
美咲は咄嗟に右手で伊能のその手を押えたが、私の目にはそれが全く拒む意思のない、形だけのものであるように見えた。
伊能の手がゆっくりとタンクトップの襟元から胸の奥へと潜り込んで行った。





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[707] 品評会6 投稿者:ミチル 投稿日:2002/08/25(Sun) 03:51 

美咲は両肩を寄せて身体をくねらせ、右手で伊能の手の動きを封じようとしている。
『ちょ、ちょっと、だめよ・・・・・ねぇ・・やめてったら・・・・』
『へー、スリムな割に結構胸あるんだね。あーすべすべして気持ちいい』
『ねえ・・・あたし、夫がいるのよ。だーめ』
『専門学校の講師はよくて、オレはダメなの?ねぇじゃこれならどう?』
突然、美咲の声の音色が変わった。
『アッ!ダメッ!』
伊能の指が胸の敏感な突起物に触れたようだ。
『だめ・・・・そんなことしたら・・・・・ああん・・・・やめて・・・・』
『なーんだ、もうコチコチじゃない乳首。いつも、こんななの?なわけないよねー。ほんとはいっぱい感じちゃってんだよねー』
『アッアア・・・ダメッ・・・アッアッ!』
『したくて、したくて、堪らないんでしょ。正直に言ってみなよ』
『いやん・・・はぁ・・・はぁ・・・あはぁん・・』
伊能の右手が伸び、ジーンズの上から股間を撫で上げて行く。
『アァッ!・・・・だ、だめ・・・・』美咲が慌てて両手でそれを制する。
『大変だ、美咲さん。ジーンズ濡れちゃってるよ。早く脱がないと、シミになっちゃうよ。さ、早く』
そう言って、伊能がジーンズのフロントボタンをはずし始めた。
『だめよ!そこは絶対だめ!』
美咲が叫んだ。構わず、伊能はボタンを外していく。
『ああん・・・だめだったら・・・・』
『うひゃー、ぐっしょりだよ美咲さん。こりゃ着替えなきゃ風邪ひくよ』
すべてのフロントボタンを開放した伊能の手が、性器の形そのままに張り付いた美咲の鮮やかなブルーのサテン地のショーツの上から、小さな尖りを探し当て、その部分に指を擦り付けた。
『ア、アアッ!』
水気を含んだショーツからねちゃねちゃと卑猥な音が出た。
『アン・・・はぁん・・・はあうっ・・・』
さらに、爪の先でコリコリと引っ掛けるようにして布越しの尖りを攻めたてる。
『アアアッ!だめぇぇ!か、か・・感じ・・・・アア・・!』
『感じる?美咲さん、ねえ』
美咲の首がガクガクと縦に数回振られた。
「み、美咲ぃ・・・・・」新見の涙混じりの声が聞こえた。
『そう。やっと正直になってくれたね』
そう言って、すばやくタンクトップの裾を捲り上げ、矢継ぎ早にショーツとお揃いのブラジャーのフロントホックをはずす。伊能が言うように、細身の割にはまずまずの量感をたたえた美咲の乳房が露になった。
引き続き右手で股間の愛撫を続けながら、美咲の胸にキスの雨を降らして行く。
『ああ・・・・ああ・・・だめ・・・・あたし・・も、もう・・・・』
暫くすると伊能の唾液で美咲の胸中が光り輝くほどになっていた。
『美咲さん、ジーンズとショーツ脱いじゃいなよ』
もう抗う様子はない。美咲はすばやくジーンズを脱ぎすてた。
伊能がショーツに手をかけると美咲が軽く腰を浮かせた。そして伊能が焦らすようにそれをゆっくりと引き降ろしていく。膣とショーツの間に愛液が長い糸を引いていき、やがてソファの上にトロリと垂れた。長い時間、ジーンズとショーツに押しつぶされ、べったりと下腹部に張り付いた黒い茂みがあらわになった。ぷっくりとした肉の裂け目からぬめり輝く粘膜がわずかに顔を覗かせていた。
「さあもっと足を開いてごらん」
なんのためらいも見せずに、美咲がゆっくりと足を開いていく。
伊能はソファから降りて、美咲の足の間にひざまづき、両方の膝の下に手を入れて、太股をグイッと持ち上げた。
「いや〜ん・・・恥ずかしい・・・・」
両の膝がソファの背もたれにつくほどに、身体が完全に二つに折り曲げられた。股関節が極限まで折り曲げられたことによって突き出た尾てい骨の様子が、卑猥さを増長させた。
突然カメラのアングルが切り替わり、美咲の女のすべてが50インチの大画面にさらけ出された。どうやらカメラは1台ではないらしい。
“いったいどこまで周到にできあがっているんだ”
私は、この先の展開が恐ろしくなってきていた。
エロサイトの見過ぎで、女性器のアップはいささか食傷気味であったが、この映像の興奮度はケタが違っていた。
秘裂からは驚くほどの淫蜜が溢れかえっていた。陰毛が小陰唇の脇から会陰、さらに肛門の周りにまでびっしりとはえそろい、そのすべてが淫蜜で濡れそぼって、周辺の土手にべったりと張り付いていた。
「どうです?新見さん、いくらダンナさんでも、こうもマジマジと自分の女房のあそこを眺めることってないでしょ。ほらこんな際どいところにホクロがあるって知ってました」言いながら、伊能が左の小陰唇の内側を指差した。
「いや、最高においしそうなおまんこしてますよね。あ、それとみなさんに匂いをお届けできないのが残念です。顔を近づけたら、甘酸っぱい牝の芳香と微かなアンモニア臭が混じりあって、それはもう格別な匂いでしたよ。」
伊能はわれわれを刺激するツボを心得ていた。こういった趣向は始めてではないのだろう。きっとわれわれと同じような輩を集めて何度かつづけているに違いない。美咲のみならず、われわれ3人もろとも、この若き淫魔にいいように弄ばれていた。
「さぁみなさん、これから元プロのクンニがどれほどのものか、とくとご覧に入れますよ」
画面の伊能が小陰唇を指で摘んで、左右に広げた。美咲の内臓の末端が剥き出しにされ、それと同時に溢れかえった淫蜜が会陰を伝ってアナルに垂れていった。
『いやん、そんなに広げちゃ・・・』
『見えるよ、全部。美咲さん、お腹の中まで丸見えだよ』
『アアン・・・・お願い・・・』
『なに?』
『お願い・・・・舐めて・・・』
『どこを、そんな風に舐めて欲しいか、ちゃんと言わないと舐めてあげないよ』
『あたしのクリトリス、やさしく舐めて・・・・いっぱい舐めて・・・』
『よし、じゃ自分で剥いてごらん』
左右の人差し指を表皮の付け根の部分にあてがい、美咲は要求通りに伊能の愛撫ですっかり膨れ上がったクリトリスを剥きあげて見せた。
『ああ、すごいよ美咲さん。クリトリス、まるでこどものおちんちんみたいに突き出てるよ』
『アアン、恥ずかしい・・・はやく・・・』
伊能は舌を尖らし、その膨らみきったクリトリスにゆっくりと近づいていく。
「や・・・やめろ・・・」新見が低くうめいた。
もう、ことは済んでいるのだ。今更何を言ってもどうなるものでもない。ただ、それでも声を出さずにはいられない新見の気持ちが痛いほどに伝わった。
『は、はやく・・・、お願い、きて、きて・・・』美咲の懇願が続く。
「やめろ・・・やめろ!・・・」新見が叫ぶ。
『ああん・・・はやくぅ・・・』
二人の声が奇妙なハーモニーを奏でた。
新見の舌が目標まで、あと数ミリに迫る。
「あ〜!やめろ、やめてくれ!」
新見の最後の叫びを、美咲のこの日一番の嬌声が掻き消した。
『アアアアアアアアアアア!!いいっ!感じるぅ!感じるぅ〜!そこよぉ!そこっ!』
剥きあげたクリトリスにチロチロと舌を這わせ、時折チュウチュウと音をたてて吸いあげた。
『アァァッ!な、なに?!なんなの?!こ、こんな・・・!あ、ああ・・・いいわ〜!いいわ〜!こんなすごいのはじめて!・・・・あ・・・もうすぐにいっちゃうそう・・・・』
やがて美咲が腰を前後に動かし始めた。
『アアア!もっと!もっと舐めて!吸って!いっぱい吸って!!』
美咲が両手で伊能の頭を掴む。
“チュー、チュー、ジュルジュルジュル”
伊能の吸引音がさらに大きくなる。
『あっ!もうだめ!いく!いくわ!』
隣の新見の息遣いがさらに大きくなった。
「美咲ぃ・・・美咲ぃ・・・いいのか・・・そんなにいいのか・・・・」
ふと見ると、シコシコとズボンの上からペニスを扱き出していた。
『アアアアアアアアアッ!!いぐぅーーーーーー!』
ピクピクと両足を痙攣させながら美咲が果てたその瞬間、「うっ・・・・」とうめきながら新見が頭を下げ、両手で股間を押えて身体を振るわせた。
伊能が立ちあがり、ティッシュペーパーの箱を持ってきてローテーブルの上に置いた。新見は立て続けに3枚引き抜くと、ソファから立ちあがり、われわれに背中を向けて後始末をした。丸まった背中に寝取られ亭主の悲哀が滲み出ていた。
“この男は今夜これからいったい何度の射精を余儀なくさせられるのだろうか”
と、心配したのもつかの間、2度目の射精ポイントがこのすぐあとに訪れたのだった。
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[722] 品評会7 投稿者:ミチル 投稿日:2002/08/31(Sat) 02:22 

弛緩した美咲の身体を伊能はさらに愛撫しつづけた。太股から膝を通って、足首を舐め、吐息が足の裏にかかったあたりで美咲が反応を再開した。
『アン・・・・』
足の親指を口に含み、指の間に舌を這わせると、美咲の喘ぎが元の調子を取り戻した。
『アアン・・・くすぐったいけど気持ちいい・・・・』
伊能は美咲の足の指の一本一本を丹念にしゃぶり尽くして行く。シャンパンゴールドのペディキュアが伊能の唾液のコーティングによってひときわ輝いて見えた。
『ねぇ、キスして・・・お願い・・・キスして・・・・』
美咲の要求に伊能は足の指への奉仕を止め、途中お腹と胸を軽く愛撫しながら、徐々に美咲の身体を這い上がって行く。伊能が顔を寄せると、美咲が両手を広げて迎え入れ、愛おしむ様にその頭を包み込んだ。
二人の唇が重なって行く。ねっとりと舌と舌とが絡み合う。それは紛れも無く、ステディな恋人同士が交し合う、愛情確認のための体液交換の図そのものであった。くちづけの余りの激しさに、唇を飾っていたパールの紅が乱れ、美咲の頬に淡い線を引いた。伊能が指先でそれをそっと拭ってやった。
「うぅぅ・・・・・・」また新見がうめき始めた。
夫の新見にとってこの映像は、ある意味でイチモツの挿入よりもずっと衝撃が大きいはずだ。この無慈悲な淫魔は、己が愛しい妻の、身体のみならずその心までをも寝取ってしまおうというのか!?新見の苦悩が伝わる。だがしかし、そうした新見の思いをよそに、二人の“愛の交歓”はさらなる激しさを見せた。
思いきり突き出した伊能の舌を美咲が口に含み、まるでフェラチオをするように、頬を窪ませクチュクチュと出し入れした。
「美咲ぃ・・・おまえ・・・ああ・・・そんなことまで・・・あうっ・・・」
新見が、あっけなく二度目の射精の時を迎えた。

右手を軽くヴァギナに挿入し、耳たぶを甘噛みしながら伊能が言った。
『ねえ、さっきの専門学校の講師とのエッチの話しだけどさ、あれ、1回や2回のことじゃないでしょ』
『なんでわかっちゃうのぉ』
『へへ、なんとなくそんな気がした』
『初めて誘われたのが2ヶ月半前かな。それから週に1度は逢ってる・・・あ・・いい・・そこっ・・』
伊能の指がヴァギナに出はいりした。
『はははっ、やっぱりね』
『すごい、伊能さんにだとなんでも素直に話せちゃう。あ・・・もっとこすって・・うん、そう・・・もう、気持ち良すぎて・・・なんだか天国にいるみたい・・・』そう言って、二人はまたくちづけを交わす。
『でさ、ダンナにはやってなくて、彼にだけやってあげてるサービスってなんかある?』
『う〜ん・・・・。よくわかんないけど・・・』
『なんでもいいよ。言ってよ』
『お尻の穴を舐めてあげることかな』
『えー!アナル?!舐めちゃうの?!』
『うん。彼とっても喜ぶの』
『どうやんの?』
『彼がね、さっきあたしがあなたに舐められたときみたいなポーズをとるの。自分で足首もって。それであたしがフェラチオしてあげて、そのあとずっと下におりてって、アナルをペロペロって。そしたら彼、女が愛撫されてるときみたいな声出すの。それが可愛くって』
『それだけ?』
『あと、指を入れたりもする。あん・・抜いちゃダメ・・・』
『へーすごいなー。じゃ美咲さんのここもやられちゃってんのかな』言いながら、美咲のアナルをちょんちょんと指でつついた。
『・・・・・』
『あはははっ、わっかりやすいなあ君って、もうほんと可愛いよ』と美咲の髪をなで、鼻にキスをした。
『でも、おちんちんはまだよ。今、彼に開発されてるの。この前やったときにね、やっと指一本、根元まで入るようになったの』
『そうなんだ、どれどれ』そう言って、人差し指をゆっくりと美咲のアナルに忍ばせた。
『アッ!ダメ・・・』
『第二関節までスルッて入っちゃったよ。すごいね。ね、いつまでも指だけじゃつまんないでしょ、今日はいよいよアナル処女捨てちゃう?』
『いや〜ん。こわいよ、それはまだだめ』
『そうか、じゃ、アナル舐めはどう?やってくれる?』
『うん、それならいいよ』

『アナルはダンナにはやらしてあげないの?』
Tシャツとカーキ色のカーゴパンツを脱ぎながら伊能が言った。
『うん、それはイヤ』
『どうして?』
『なんか、あそこのプレイってぇ、やっぱり非日常的な空間でじゃないと楽しめないじゃない。うちではだめよ』
『非日常的?』
『そう。例えば、キャビアは高級レストランでちょこっとだけ食べるのがおいしいでしょ。うちで食べるものじゃないじゃない。そんな感じかな』
『ふ〜ん。そんなもんかなぁ』言いながら、伊能がトランクス一枚でソファに腰をおろした。
『美咲さん、脱がせて』

いよいよだ。ついに、勃起した伊能のイチモツが陽の目に晒されるときが来たのだ。
美咲がトランクスに両手をかけ、ゆっくりと引きおろす。
「おおっ」私が思わず声をあげた。
画面一杯に、黒く、太く、長く、そしてなによりも先端部が異常に張れあがった、まるで大きな牛骨のような物体が現れた。
『す・・・ご・・・・い・・・・』美咲は微動だにせず、目の前にそびえるその黒い物体を眺めていた。
「す、すげぇー」堀田が、驚嘆の声をあげた。
その威容は私の予想を遥かに超えていた。長さ、太さは言うに及ばず、色、艶、反りの角度、そして自慢の刈首。それはまさに芸術品と言っても過言ではない。高々と聳え立ち、先端から染み出た先走り汁でてらてらと黒光りするその物体が、私にはそれ自信極めて淫蕩な意思を持つ一個の生命体に見えた。
見つめる美咲の目が、前にも増してとろけきっている。
美咲はまるで大きな饅頭を丸まま頬張る様に、そろりとその先端の塊を口に含んだ。無様に膨れあがった頬の卑猥さが堪らない。
美咲の小さな口では、このバケモノペニスを出し入れすることなど到底不可能である。塊を口に含んだまま、右手で懸命に胴体部をしごく。口端から漏れ出した美咲の涎と伊能の先走り汁の混合液が、美咲のアゴに垂れていく。
“じゅぱあっ”
美咲が塊からいったん口を離し、尿道口に唇をあて、じゅるじゅると先走り液を啜った後、バケモノペニスの胴体に舌を這わせた。
美咲の愛撫がそこから蟻の戸渡りに移ると、伊能が自ら両足を上げ、両手で尻を割り、その毛むくじゃらの谷間から、セピア色の窄まりを覗かせた。
『舐めて、そこ』
美咲の舌が伊能のアナルに触れた。尖らせ、皺をなぞる。時折、舌先を固くして、中心部に差しこんだ。
『おお〜いいっ!美咲さん・・たまんないよ』
さらにアナル全体を唇に含み、ちゅぱちゅぱと吸い上げる。
『ああ・・・・気持ちいい、ねぇ指入れてよ』
唇をまたペニスの胴体部に移動し、人差し指をアナルへ挿入して、ゆっくりと出し入れした。
『うまいよ美咲さん・・・プロの性感マッサージ嬢みたいじゃん』
『彼にいろいろと教わったの。こうすると、もっと気持ちいいでしょ』
『ああ・・・いいよ〜美咲さ〜ん』
中で指を折り曲げているのか、伊能が激しく身悶えた。
が、その次ぎの瞬間、美咲が突然喘ぎ出し、ペニスから口を離した。
『ああっ・・・!』
見ると、伊能の足が膝立ちする美咲の股間に潜りこんでいた。足の指をヴァギナに挿入しているようだ。
『美咲さん、やめないで続けて』
懸命にペニスへの愛撫、アナルへのマッサージを続けようとする美咲であったが、伊能の股間への攻撃によってだんだんとペニスから口を離す頻度が高くなり、ついには、伊能への奉仕を放棄し、両手を後ろの床について、足をMの字に広げた。
伊能の足の親指を含めた3本が美咲のヴァギナにスッポリと飲み込まれていた。
たまらず、床に仰向けに寝転がってしまった美咲に伊能が言った。
『足を持ち上げて、足首をつかんどいて』
美咲は伊能の言葉通りのポーズをとった。細くて長い脚が窮屈そうに折れ曲がる。
『美咲さん、お返しだよ』
そう言って、空いている方の足の親指を美咲のアナルへねじ込んだ。
『アァァァァ!だめ・・・そこは・・・』
右足をヴァギナへ、左足をアナルへ挿入した形で、伊能が両足をゆっくりと前後に動かした。
“ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ” リビングに卑猥極まりない音が響く。
『ア〜〜〜!!感じるぅぅ〜〜!』
動きがだんだんと激しくなった。
『どうだい、美咲さん、ダブルだよ。好きだろこんなの。ねえ、ねえ』
美咲が、顔を横に向け、自分の右手の甲を噛みながら、“うんうん”と大きく頷いた。
『ワインの先生にも、イヤらしいこといっぱいされてるんでしょ、ねぇ美咲さん、ねえどうなの?』
“ぐちょ!、ぐちょ!、ぐちょ!”
伊能の足が動くたび、そそり立つ股間のいちもつがぶるんぶるんと前後に揺れた。
『うん、されてる・・・されてるぅ・・・でも・・あなたの方がずっと素敵・・・・』
『うれしいよ、美咲さん』
伊能は足の動きを緩めない。
『アアアア・・・・お願い・・・・』
『なに?』
『お願い・・・・ほしい・・・あたし・・・も、もう我慢できない・・伊能さんの・・あれ・・・頂戴・・・・』

「はぐぅ・・・・・」
夫、新見の三度目の射精の中、人妻美咲がついに、最後の懇願の言葉を口にした。



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736] 品評会8 投稿者:ミチル 投稿日:2002/09/08(Sun) 01:44      

『アダルトビデオ見てんなら、そんな時はどうやってお願いするか知ってるでしょ。ほらちゃんと言わないと』
『伊能さんの・・・・・・おちん・・・ちん、美咲の・・・おまんこに入れて・・・・』
『さすがだね美咲さん。いいよ、入れたげる。美咲さんのおまんこがぶにゅぶにゅにふやけるまでヤリまくろうね』
『うん、うん』美咲が涙混じりの声で答えた。

「美咲・・・・・・」新見も泣いていた。
ソファからずり落ち、床に寝そべって、頭だけをかろうじてソファの端にもたらせかけていた。最早なりふりなどかまっていられないのだろう、ズボンとトランクスを膝までずり下げ、股間には数回の射精でくたびれ果てた粗チンが横たわっていた。画面の伊能の巨大ペニスとの対比があまりにも悲しかった。それは単なるものの大小の問題にとどまらず、雄としての格の違いをまざまざと見せつけていた。

伊能は美咲の手を引いて立たせ、ソファに腰掛ける自分の膝の上に座らせた。
ローテ−ブルに置いてあるワインの瓶を手に取ると、
『美咲さん、“失楽園ごっこ”しようか。これから天国に連れてってあげるよ』
そう言って、ワインを瓶ごとラッパのみし、美咲の口に移した。
『んごぉ・・・・・っ』
こぼれたワインが美咲の首筋を通って、乳首を濡らし、下腹部へと流れて行った。
伊能は、美咲の膝の下に手をとおし、カメラに向けて下腹部を完全にさらけ出させた状態で後ろから美咲を抱え上げた。挿入シーンをはっきりと見せつけるつもりだ。
伊能の巨大なペニスが美咲の膣口にあてがわれた。
『さぁ、美咲さん、行くよ、いいかい?』
先端の塊が小陰唇を完全に押し潰しながらメリメリと埋めこまれて行く。
『あ・・・・ゆっくり・・・お願い・・・あ・・ゆっくり・・・・』

「おお・・・・」
新見が今や勃起する力を失った“ふにゃちん”を無理矢理にしごき始めた。目は虚ろで、惚けたようにあんぐりと口を開け、右手を懸命に上下させていた。最早その行為は、性的な快感を得るためのものではなく、出しても出しても尽きることのない嫉妬という老廃物を吐き出す為の排泄行為に他ならない。

刈首が膣口を極限まで押し広げる。
『だめ、・・・キツイ・・・こ、こわい・・・・こわい・・あ・・ゆっくりして・・・』
『大丈夫だよ、もうちょっとだからね』
そしてついに・・・・・
“ゴリッ!”
そんな音が聞こえたかと思うほどの衝撃的な挿入シーンであった。
その瞬間、美咲の狂声が響きわたった。
『ぎゃあ〜〜〜〜!!ア・・・ア・・・ア・・・ア・・・ア・・・、お・・・ねがい・・・、じっと・・・じっとしてて・・・アアアアアアアア!だめ!動かさないで・・・・はあぅぅ・・・・』

「美咲・・・・美咲・・・・美咲・・・・」
いっこうに勃起しないイチモツを猛烈な勢いでシゴキながら、新見がうわ言のように妻の名前を連呼した。

伊能が、抱きかかえた美咲の身体をゆっくりとおろして行く。
『アアアアアアア!裂ける!裂けちゃう!!アア!アア!アア!アア・・・・も、もう・・だめぇ!』
半分近くが埋めこまれたところで今度は美咲の身体をゆっくりと持ち上げ、刈首が姿を見せ始めたところで、また身体を沈ませていく。
『はうあ・・・ああ・・・・すごい・・・』
巨大刈首がその機能を充分に発揮しているらしく、ペニスが引き抜かれるたび、膣口からはねっとりとした蜜と無数の小さな気泡が、大量に掻き出された。
『アッアッ!はぁ、はぁ、はぁ、アアアアアアアア・・・』
美咲の声が挿入時の怯えたものから、徐々に熱を帯びたものへと変化していく。
次第に油送のスピードが上がってくる。
『はぁ、はぁ、アアアン・・・・・気持ち・・・・気持ちいい・・・伊能さん・・・気持ちいい・・・』
半分までの挿入が、7分目、8分目と深くなり、終いにはあの巨大ペニスが美咲の身体の中にすっぽりと埋めこまれてしまった。
“あのバケモノペニスを飲み込んだ・・・・・”
これを見た私は、女性器の底知れぬキャパシティに、不思議な感動を覚えた。

『美咲さん、いい?そんなにいい?』
美咲がガクガクと何度も頷く。
『ワインの先生と比べてどうなの美咲さん、どっちがいいの?』
『アァァ!こっち・・・こっちよ・・こっちがいい・・・・・』
『忘れるぅ?ねぇ、美咲さん、ワインの先生のこと、もう忘れられる?』
『忘れるぅ・・・忘れるぅ・・・もう逢わない・・・絶対、逢わない・・・あなたがいい・・・ねぇ、もっとぉ、もっとぉ、もっとぉ、もっとぉ・・いっぱい・・・・・』
“ぺったん、ぺったん、ぺったん”
美咲の尻たぶと伊能の太股のぶつかり合う音が、ペニスの挿入の深さをうかがわせた。
伊能がさらに奥へ突き入れようと尻を浮かせ、腰を突き上げた。
『アァァ!!・・・アッアッ・・・・・だめぇ!、イッ、イッちゃう!・・・・』
『美咲さん!中に出すよ!』
『ま、待ってぇ〜!!ダメ!それだけは絶対ダメ!!今日は危ない日なの!お願い、外にだして』
『だめだ、絶対に中出しだよ!いやなら、止めちゃうから』
そう言って、伊能がペニスをヅルヅル引き抜いた。
『アァァ・・・だ、だめ!抜いちゃだめ〜〜!!抜いちゃだめ、お願い入れてぇ!あなたのおちんちんで・・・・・おちんちんでイキいたのぉ!』
『じゃ、出してもいいかい?それが条件だよ美咲さん!』
『あ・・・でも・・・それだけは・・・、か、顔に出してくれてもいいから!お願い!』
『だめだよ』
そう言って、ペニスの先端をクリトリスに擦り付けた。
『アァァァァァァァァァァ!!いいわ!!そ、それも・・・イイ・・・・』
さらに、スピ−ドを上げて擦り付ける。
『アァァァ!、いくわ!いくわ!ねぇ、もういく・・・・』
が、その瞬間、伊能がクリトリスの摩擦を止めた。
『アァん!どうして!止めないで!続けて!お願い!』
伊能がクリトリス攻めを再開する。
『ア!、いい・・・もう・・・すぐにいっちゃいそう・・・・』
そしてまた中断する。
こうして、何度となくいわゆる“寸止め”を繰り返すうち、次第に美咲が狂乱の様相を呈すようになってきた。目は白目に近い状態で、乱れた髪がだらしなく開かれた口に入って、舌に絡んだ。口端からドロっと粘度の高い涎がたれ、まさに薬がきれたシャブ中毒者のように、イクことのみを貪ろうとしていた。
『お願い〜!お願いだから、逝かせてぇぇ〜!!』
『じゃ中で出してもいい?美咲さん?』
『アアアアン・・・・ひどい・・・・伊能さん・・・・』
『ねえどうなの?ねえ、ほら欲しがってるよここっ、オレの熱いの欲しがって、こんなにドロドロと涎たれ流してるじゃないか』そう言って右手をヴァギナへ挿入して止めど無く溢れ出す淫蜜をすくい取り、美咲の口元へと運ぶ。躊躇無くそれをしゃぶり取る美咲に対して、残る手でクリトリス、ヴァギナ、アナルへの三点攻めを開始する。
『ンンン〜!!』
『いつまで我慢するのぉ?いい加減、観念しなよ美咲さん!』
と、伊能がさらに奥へと指を突き入れたその時だった。
『ンンンン〜〜〜〜!!!!も、もう、ごうぎでもひへ!!』
伊能の指を咥えながら美咲が叫んだ。
『なに?わかんないよ、もう一度ちゃんと言って!』
そう言って、伊能が美咲の口から指を引き抜く。
『アアアアア!どうにでもしてぇぇ〜〜!!と、とにかくイカせて!伊能さんのおちんちんでイカせて欲しい〜〜!!』
『出していいんだね!?美咲さんのおまんこの中に出していいんだね!?』
『いい!出して、出していい!だから!ねえ、お願い!早く、早く入れて!!』
『よしきた』

「美咲・・・おまえぇ・・・・そ、そこまで・・・・・」泣きながら新見がうめく。

伊能は、美咲の身体を回転させて、自分の方へと向け、
『じゃ、本格的にいくよ。一緒に逝こうね美咲さん。天国にさ』
そう言って、ペニスを膣口にあてがい、今度は一気に挿入した。
『アアアッ!・・・・・・ああ・・・・いい・・・・』
伊能は、美咲の両手を持って自分の首の後ろで組ませ、ソファから立ちあがった。いわゆる“駅弁”スタイルの完成である。
『アアアアアアアッ!!ダメェ〜!!ダメェ〜〜!!お、奥まで・・・奥まで入るぅぅ〜!こ、こんな・・・・おおおおおおっ・・・・・!』
伊能は美咲の身体を抱えたままカメラの近くに移動し、美咲の顔がより大写しになるようにした。
『ア・・・ア・・・アア・・・・・アッ・・・イイ・・・』
のどチンコが見えるほどに、ぽっかりと空いた口の端から今また“トロリッ”と涎が流れ出た。

『ねぇ、ワインの先生のこと忘れたついでにダンナのことも忘れちゃいなよ美咲さん』
『アン!アン!いいい・・・・・・』
『ねぇどうなの、ほらほら』
『忘れる・・・・アァッ・・忘れる・・・・・』
『忘れてオレの奴隷になるぅ?、従順な牝奴隷になってみるぅ!ねぇそうしなよ!』
『アァァ・・・アッアッ・・』
『ねえ!美咲さん!!答えてよ!!』
『アアァァァァァァ!!な、なるぅ!なりますぅぅぅぅぅ!!』
あっけなく、美咲が寝取られ亭主族の“あこがれのセリフ”を口にした。

「美咲ぃ・・・・美咲ぃ・・・・愛してるよ・・・・愛してるよ・・・・・・」新見のシゴキが最後の追いこみに入った。

『そら、いっぱい出すよ美咲さん、孕んでも知らないよ!そら、出すよ!』
『き、きて!きて!きて!!出して!中に、中に出して!アァァ!お、お願い、いっぱいだしてぇぇぇぇぇ!!』
『ウウッ!』
『アアッ!!イクゥゥ〜〜!!』
伊能が美咲を抱きしめ、その唇を貪りながら熱い迸りを放つ。同時に美咲が思いを遂げた。
「おおおおおお!!!」
新見の最期の咆哮がリビングに響き渡った。

伊能の巨大ペニスから発射された数億の精子が、美咲の腹の中をひとつのゴールへと向かって一目散に突き進んでいるその瞬間、ほぼ時を同じくして発射された新見の今日4度目の精子の塊がポタリと空しく床にこぼれ落ち、行く宛てもなく一斉に死に絶えていく。この不条理極まりない行為を嬉々として受け入れる寝取られて亭主のなんたる哀れなことか。がしかし、そんな今日の新見の姿を見て、それを哀れむ気持ちと裏腹に、いやそれ以上に、その姿を羨む気持ちが自分の中に存在することを、この時はっきりと自覚していた。

「この後、奥さん、慌ててトイレへ行って懸命に膣の中をビデで洗浄してたみたいですよ。あれって効果あるんですかね。それほどまでして、オレのおちんちんでイキたかったなんて、なんか感動しましたよ」
堀田が股間を押えながら、「伊能くん、ちょっとトイレ借りるよ」と席をたった。小用のためではなく、射精のための離席であることは明らかだった。かく言う私も、我慢の限界に来ていた。堀田に続いてトイレへと駆け込むことになるだろう。
新見が死んだように横たわっていた。右手が、一晩四度の射精に耐えたペニスに添えられていた。
こうして、第一回品評会の熱い夜がふけて行ったのだった。



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[740] 品評会9 投稿者:ミチル 投稿日:2002/09/15(Sun) 23:24      

帰りの車中、新見は憔悴しきった表情で窓に寄りかかり、瞬きもせず、じっと中空の一点を見つめていた。労いの言葉をかけることもはばかられ、堀田と私はただ黙って後部座席にへたり込んでいた。こうして無言のままクラブに到着し、静かに散会、そうなることだと思っていた。ところが・・・。
車が伊能のマンションを出て10分程経ってからのことだった。突然伊能が車内のハンドフリーホンで電話をかけだした。

「もしもし、隆志?オレ」
『おお、竜一か』
「どうだい、そっちは?」
『そろそろクライマックスだよ』
「またいつものスペシャルコースかよ」
『そりゃ、決まってんじゃないの』
「好きだなあ、お前も。おい、ちょっと代わってくれよ」
『おお、ちょっと待って』
“どこへ電話しているんだろう”
てっきり自分達には無関係な場所への電話だと思っていた私は、次ぎに出た声に愕然とした。

『もしもし』
車内に、少し鼻にかかった女の声が響いた。
美咲であった。
窓に寄りかかっていた新見が、慌てて身を乗り出した。

「美咲?、オレだよ」伊能が美咲を呼び捨てにした。
『ああん、伊能さん』
「今日は隆志のヤツにたっぷり可愛がってもらったんだろ」
『はい。でも伊能さんに居て欲しかった・・・』
「また今度な。なあ美咲、今日隆志にされたこと、全部言ってみな」
少し間があいて、美咲が答え始めた。

『ブラシの柄を入れられました』
「どこに?」
『お尻の穴に・・・・』
「他には何を入れられた?」
『・・・・・きゅうりとか・・・・バナナとか・・・』
「へーすごいんだね。他にどんなことされた?」
『自分の指を入れさされました。』
「それもお尻の穴?」
『はい』
「何本?」
『二本です』
「ちゃんと入ったか?」
『はい、根元まで入って・・・入っているところを鏡に写して見さされました・・・』
「よかったか?」
『はい、感じました・・・・・』
「他には?」
『見ている前で・・・・』
「見ている前で?」
『トイレをさせられました・・・・』
「2種類あるけど、どっちの方?」
『大です・・・・大の方です』
「おい、そんな気取ってないでちゃんと言えよ」
『は・・・はい・・・ウ、ウンコしてるところを見られました・・・』
「見られてどうだった?」
『恥ずかしかったけど・・・・』
「恥ずかしかったけど?けど、どうだったの?」
『すごく・・・・か、感じました・・・ああ・・・・』
「そうか、そうか。美咲ぃ、お前、今言いながら感じてんだろ」
『あ、はい・・・感じます・・・・』
「ぬるぬるだろ、あそこ」
『はい・・・』
「ちょっと音聞かせてくれよ。おまんこに携帯もってって、指でこすってみて」
『はい』
“ぴちゃぴちゃ・・・・・くちゅっ・・・ぴちゃぴちゃぴちゃ”と、卑猥な音が車内に響き渡った。

「で、それから何されたの?」
『か・・・・・浣腸されました』
「何個入れられた」
『3個です』
「すごいねえ、美咲。よく頑張ったじゃない。それで今、なにされてるの?」
『またお尻の穴に、変なものを入れられています・・・・』
「変なものって?」
『いやん・・・・恥ずかしい・・・言えない・・・・』
「ちぇっ、なにを今さら・・・・ほら、ちゃんと言えよ」
『ああ・・・・プ、プチトマトです・・・・』
「あっはっはっはっ、やっぱりね。あいつ好きなんだよ、それ入れるの。で、今何個入ってるの?」
『四個入ってます。あ!・・・・・い、いま・・また・・・・あっ・・・・はいっ・・・・たぁ・・・・・』
「いいぞ、いいぞ。おい、ちょっと隆志に代わってくれ」

『もしもし、なんだ?』
「おい、そろそろいいだろ。トマトひり出させろよ。お前実況してくれ」
『よっしゃ。・・・・・・・・・はい奥さん、頑張ってトマト全部出して。うんと気張ってね』
『ん・・・ん・・・』かすかに美咲のイキむ声が聞こえる。
『そう、そう・・・・・お、赤いのが見えてきた。そうだよ。その調子・・・・・・ああっまた引っ込んじゃったぁ。さっきあんなに長くて太いのブリブリとひり出したんだからさぁ、これくらいわけないでしょう。さぁもう一回・・・・・・・そうその調子、その調子、おお、出そう、出そう・・・・・おおお!あ、出た!、ひとつ目が出たぁ。なぁ、竜一よ、これ五つとも出させたら、肛門処女いただくぜ』
「好きにしろ。どうせオレのは肛門には無理だからな。せいぜい可愛がってやってくれ。それじゃな隆志」そう言って、伊能が電話を切った。
新見が目を閉じて顔を天井に向け、大きな深呼吸を繰り返していた。


クラブに着き、屋上にある駐車場へと向かうエレベータの中、長い沈黙を破って新見に声をかけた。
「大丈夫かい?一人で帰れる?」
「ええ、まぁなんとか・・・・」
「それにしてもすごかったね」堀田が言った。
「はい・・もうなんていったらいいか・・・」
「今の心境は?今回の一件、後悔してる?」
「もう何がなんだか頭ん中がぐちゃぐちゃでよくわかりません。でもとにかく今は美咲のことが愛しくて愛しくて堪らないんです。こんなにあいつのことを愛していると思ったことはありません」
「あんなに裏切られても?」自分ならどうだろうか。響子があれだけの裏切りをして、今の新見のような気持ちになれるのだろうか。そう思いながらの質問だった。
「ええ、だからこそだと思います。もうどうしようもないマゾ男ですよ。なんか情けない・・・」
「そんなこと言うなよ。オレ達みんなそうじゃないか」堀田が新見の肩を叩いた。
「それにしてもわかんないもんだよな。あれだけのことがありながら、この一ヶ月間、君の前ではなんのそぶりも見せなかったんだろ」
「ええ、隠し事はできない女だと思ってましたけど・・・もう見事にやられちゃいました」
「今日は?」
「友達の家に行くから遅くなるって。よくあることですから、何の疑いも持ちませんでした」
「女はみんな女優だよ。その気になりゃ、男の観察眼など無力さ」そう言って、堀田が腕を組み壁にもたれかかった。

エレベータが屋上に着く。
「で、来月は掘田さんですね。今の気持ちは?」
車のある場所へ向かいながら、私が言った。
「うん・・・確かに伊能の実力はさぁ、今日でいやっていうほどわかったんだけどさぁ、何度も言うようだけど、うちのは絶対ああはなりっこないと思うんだよ。どう考えたってあいつがあんなことには・・・いや、やっぱり想像できないなぁ」言いながら堀田が首を傾げた。
確かに、新見の妻・美咲は伊能のような男に簡単にたぶらかされてしまう、そういう因子を持つ女、平たく言えば元来“浮気ぐせ”のある女であったがゆえ、今回の見事な成功があったといえるのだ。堀田の妻・紀子のようなセックスなどにはまるで興味がないなどと豪語する女に伊能の手管がどこまで通用するのか。 “絶対ああはなりっこない”という堀田の言葉もわかる気がした。

ところがである。
この一ヶ月後にわれわれが見ることになる紀子の狂態は、今日の美咲のそれを遥かにしのぐ、それは凄まじいものであった。



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[747] 品評会10 投稿者:ミチル 投稿日:2002/09/20(Fri) 23:30      

「アアアアアアアアアア〜〜!いい!いい〜〜〜〜〜!!伊能さん、もっと!もっと!突いてぇ!奥まで・・・・奥まで突いてぇ!!」
「きょ、響子ぉぉ!やめろ響子ぉ〜」
「伊能さん!イクわ!イクぅ・・・・・出してぇ!伊能さん!あたしの中に!あなたのものをいっぱい、いっぱい出してぇ!」
「ま、待てっ!響子ぉ!それだけは・・・・だめだ響子!」
「あなた!あなた!いい!いいのぉ!出してもらうの!伊能さんにいっぱい出してもらうの!!あなたサヨナラ・・・サヨナラ・・・・・あたし・・・あたし・・・イクゥ・・・逝きますぅ!!」
「待て響子ぉぉぉぉぉ!響子ぉぉぉぉぉぉ〜〜!!」

「あなた、あなたっ、あなたったらぁ」
「響子ぉ・・・」
「ねえ、あなたったらぁ、起きてっ」
「はっ・・・」
目が開いた。
“えっ?どこだ・・・?・・・ここは・・・え?”
そこにいつもの響子の顔があった。
「夢か・・・・・・」
「大丈夫?すごいうなされ方だったわよ」
「そうか・・・」
「“待て響子、やめろ響子”って、夢であたしがどうかしたの?」
「い、いや、よく覚えてない・・・」
「汗びっしょりよ。着替え持ってくるわ。ちょっと待ってて」
しばらくして隣の部屋から響子が替えのパジャマとタオルを持って戻ってきた。
「あなたこの頃変よ。はい、早く汗ふいて」
「ああ」
「寝つきも悪いみたいだし、何を訊いてもなんだか上の空みたいで。それに・・・・急に変な事してくるし・・・・。なんか悩んでることがあるんなら言ってよ」
「いや、なんでもない。ちょっと疲れてるんだよ。新米課長だからね。ストレスの溜まることばっかりで」

第一回品評会の狂乱の一夜から一週間が過ぎていた。
私の脳裏には、伊能の巨大ペニスを深々と咥えこみ、狂ったように泣き喚く美咲の姿がしっかりと刻まれていた。
“あれがもし、響子だったなら・・・・”
そう思うとたまらなくなって、日に何度も自慰をした。ぼーっと考え込む時間が多くなり、食欲が落ちて、仕事も手につかなくなっていた。

「あなた本当にあたしに隠し事してない?」
そう言って、響子が上目遣いに私を見た。
「隠し事?」その言葉が胸に突き刺さった。
「あなたのこと、うちのお母さんに話したらね」
「うん」
うつむいて、しばらく間を置いた後、
「ひょっとしたら・・・・ガンの告知でもされたんじゃないかって・・・・」そう言って、真剣な眼差しで私を見つめた。
「ガン!?」
「うん・・・あたしにショックを与えないように一人で思い悩んでるんじゃないかって・・・」
「アハハッ、何言ってんだよ。そんなことあるわけないよ」
「ほんと?本当にそんなんじゃないの?」
「ないよ、ほらこのとおりピンピンしてるさ」とおどける私を見て、突然響子がべそをかき始めた。
「お、おい・・・・」
「だって、心配してたんだから・・・まさかとは思ったけど、最近食欲もないみたいだし、ひょっとしたらって・・・」
「ごめん・・・響子」
そう言って響子を抱き寄せ、その髪に顔をうずめた。
「いい香りだ、響子の匂いがする・・・」
“何やってんだオレは・・・。こんなに愛しい女を陥れようとしているんだぞ。あーもうやめようか”
「へたすりゃ、取り返しのつかないことになりますよ」
伊能の言葉がよみがえる。
しかし、既にゲームは始まっている。堀田や新見の手前もあるし、一人だけ一抜けたと言うわけにはいくまい。それに今回はまさしく千載一遇のチャンスなのだ。この機会を逃せば、自分の妻を他人に寝取らせるなどという気違いじみた願いは、このまま一生、妄想の域を出ずに潰えてしまうに違いない。最早、引き返そうにも引き返せないところまで来てしまったのだ。
“これは裏切りでない。愛情の証なのだ”
私の中の淫魔がそう囁いた。


「何やってんだ、伊能のヤツ!このあいだといい、今日といい、人を待たすのをなんとも思ってやしねーんだから、まったく・・・」
第二回品評会のその日も、伊能は約束の時間には現れなかった。
堀田がさっきから、そわそわと落ち着かない様子で、クラブのロビーをウロウロと歩き回っていた。
灰皿には、吸殻の山ができていた。
「堀田さん、奥さんに変わりは?」
「いや、特にないよ。まぁあるとしたら、月の前半結構機嫌がよかったのが、突然無口になっちゃって・・・。でもそんなことはよくあることだからね。特に変わったことではないね」
「新見くんの方は?あれから奥さんどう?」
「ええ、なにかと理由をつけてよく一人で出かけてますね。相変らず、浮気をしてるなんぞはおくびにも出さないですけど」
「そうか・・・」
「でも近頃は、あいつが出かけてる間、ひとりきりで悶々と過ごす時間がたまらない快感になってきちゃって・・・」
「ほーそんなもんかなあ」
「その夜のSEXはそりゃもう興奮の極みですよ。あれは味わったものでしかわかりません」
「へーなんだか、すごい生活送ってんだね」
「はい。毎日苦しいんですけど、これが自分が望んでた生活なのかもしれません」
「今日は、もう来ないと思ってたんだけど・・・」
「やっぱり、堀田さんの奥さんのことが気になって・・・あっ!来ましたよ!伊能さん」
自動扉のガラス越しに、伊能の姿が見えた。
その瞬間、堀田がその場に立ちすくんだ。
「すみません。また遅れちゃいましたね」
伊能が余裕の表情を見せていた。
「で・・・・どうだった・・・の?」恐る恐るに私が訊いた。
“ゴクリッ”。堀田が生ツバを飲みこんだ。
「はい、大成功です。紀子さん、誓いましたよ」
「誓った?」
「はい、牝奴隷ですよ。“あなたの牝奴隷になります!”って、そりゃもういい声で鳴いてくれました」
その直後、堀田が「ウソだ!」と叫んだ。
「ウソって・・・、ここでオレがウソ言っても仕方ないでしょ」と伊能が堀田を睨み付けた。
「あ・・・い、いや、まさかあいつがそんな・・・信じられん・・・」
「とにかく、みなさん行きましょうか。今日も楽しんでいただけると思いますよ」

車に乗り込んでも堀田が執拗に伊能に食下がった。
「伊能くん、本当なんだろうね。本当に妻が・・・僕の妻が、あの美咲さんのようになってしまったって言うのか?」
「いや、違います」
「ええ?なんだ違うのか。どっちなんだよ!」
「違うと言うのは、堀田さんの奥さんの乱れ方が美咲さんどころじゃなかったということです」
「な、なんだって!」
「堀田さん、奥さん、セックスにはまるで興味がないなんて言ってましたよね」
「ああ、言ったけど」
「ククッ・・・それが笑っちゃうんだよなぁ」
「どういうことだね!」
「まぁまぁ、こんなところで押し問答したってしょうがないじゃないですか。百聞は一見にしかずですよ。ビデオ楽しみにしててください」
「ああん、もうじっとしとられんなぁ。伊能くん、車もうちょっと飛ばしてくれないか」

伊能のマンションにつき、前回のようにめいめいソファに腰をおろすと、例によって伊能がビールとつまみを運んできた。
「それじゃ第ニ回品評会を始めさせて頂きます。本日のヒロインは堀田紀子さん・・・」
「伊能くん、前置きはいいから早く見せてくれ!」堀田が喚いた。
「フフッ。わかりました。それじゃさっそく始めます。ただ、堀田さん」
「なに?」
「さっき車の中でも言いましたけど、とにかくすごい内容ですよ。覚悟しといて下さいね」
「あ、ああ」
こうして、第二回品評会の幕が切って落とされた。



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[757] 品評会11 投稿者:ミチル 投稿日:2002/09/26(Thu) 21:27      

伊能がリモコンの再生スイッチを押すと、三人の目が一斉にリビング壁面の大画面に注がれた。期待感から来る心臓の高鳴りは、前回を遥かに上回っていた。堀田の瞳が早くも血走っている。
しばらくして、白い画面からゆっくりと一軒の家が姿を現した。朝の風景だろうか、小鳥のさえずりが聞こえる。やがて繰り広げられるであろう狂乱の宴を前に、物語は静かな始まりを見せた。

「あれっ?」堀田が身を乗り出した。
「こ、これ・・・うちだ!」
カメラが門柱にズームインする。
“堀田”の表札が見えた。
さすがは大手食品会社の管理職のことだけはある。我が家のような隣との隙間が10センチにも満たないちゃちなペンシルハウスではなくて、堂々とした庭付き一戸建て住宅だ。
カメラが表札からそのまま左へスライドし、ダイニングで食事をしている四人の家族を窓ガラス越しに捉えた。ワイシャツにネクタイ姿の堀田が新聞を広げていた。
「あ!オレ・・・いったい、いつのまに・・・」堀田が呟いた。その横にいる女性が妻の紀子だろう。

『麻奈美、早く食べないと遅刻するわよ』
『はい』
『ごちそうさま』
『勇介、まだサラダ残ってるじゃない。全部食べなさい』
『だって、もうお腹いっぱいなんだもん』
『もお、好きなものしか食べないんだったら明日からはサラダだけにしちゃうわよ。さあ、残さずに食べなさい』
『はーい』
集音マイクを使っているのか、それとも盗聴機でも仕掛けているのだろうか、家の中の会話がはっきりと聞こえた。
『それからパパぁ』
『うん?』
『またトイレで煙草吸ったでしょ』
『ああ』
『あれほど吸わないでって言ったのに、ほんとにもお・・・』
どこの家にでもある朝の一コマであった。
その後画面から四人が消え、しばらくして玄関の扉が開いて、紀子と二人の子供が姿を見せた。堀田がセックスに全く興味がない女だなどというから、自分が女であることも忘れてしまったようなくたびれた中年おばさんを想像していたのだが、なかなかどうして年の割には男好きのしそうな魅力的な女であった。流行りの熟女モデルにでもなれば結構人気が出そうな容姿をしていた。

『勇介、体操服持ったの?』
『あ、忘れた』
『もお、しようのない子ね』そう言って紀子が再び家の中へと消えた。


『どうだい、サトル。涎が出んだろ』
『は、はい』
『正真正銘のシロウト熟女妻だぞ。お前好きだもんな熟女』
『はい・・・』
『見ろよあのケツ。あの綿パン、下着ごとひん剥いて思いっきりむしゃぶりつきたいだろ』
『はい、そりゃもう・・・』
堀田の家族の声とは明らかに違うトーンのニ人の男の会話が始まった。

『やらしてやるよ』
『ええっ?!』
『あの奥さんお前にやるって言ってんだよ』
『ほんとですか!?竜一さん!』
『ああ、ほんとさ。いつも使い走りばっかやらせてるからな。たまにはご褒美もやんないとな』
『あ、ありがとうございます』
『どんなことしてみたい?なにやってもいいんだぞ』
『え、・・・それじゃ・・・』
『なんでもいいぞ、言ってみろ』
『お、おちんちんしゃぶらせてもいいですか?』
『そんなこたぁ準備体操じゃねえか、もっと他にあるだろ』
『それじゃ・・・中出し・・・OKっすか?』
『ああ、いいよ、たっぷり注ぎ込んでやれ』
『ほんとっすか!?すげえー!』
『他には?』
『あと、アナルに入れたいです・・・』
『おお、いいよ、それから』
『それから・・・あそこの毛、剃っちゃっていいですか・・・』
『アハハッ、変態だなおまえ』
『すいません』

しばらくして紀子が玄関に戻ってきた。
『はい、体操服。気をつけて行くのよ』
『はーい、行ってきまーす』
『いってらっしゃい』

『いいよ、剃っちゃえ、剃っちゃえ。きっと毛深いぞあの奥さん。肛門の周りまでビッシリと生えてるはずさ。きれいに全部剃っちゃえよ』
『はい』
『もっと、アブ系なことでもいいぞ』
『え、それじゃ・・・おしっこを・・・』
『おしっこ?おしっこを、どうしたい?』
『かけられたいです。それと僕のをかけてやりたいです』
『よしよし、やらせてやるよ。好きなだけ引っかけてやれ』
『はい!それにしても、正真正銘のシロウト熟女妻とやれるなんて・・・しかもそこまで徹底的にいたぶれるなんて・・・夢みたいです』
『そうだろ。すぐに落としてやっからな。楽しみに待っとけよ』
『はい、竜一さん、よ、よろしくお願いします』

「堀田さん、驚かないで下さいよ」画面に食らいついている堀田に伊能が声をかけた。
「なに?」
「今、ビデオの中でサトルが言ったことですけど・・・」
「ふん」
「実際に全部実行させてもらいましたんで」
「なんだと!」
「中出しも、剃毛も、おしっこも全部です」
「そ、そんなことまでしろとは・・・」
「いや別に強要したわけじゃないですよ。全部奥さんの、紀子さんの意思ですから」
「そんな・・・紀子がそんな・・・」
「気づきませんでした?奥さんのあそこがツルツルに剃り上げられてるってこと。まぁ、年に1回のエッチじゃ、それも無理ないですかね。」
返す言葉もなく、堀田が口を半開きにしてはあはあと肩で息をしていた。


子供達を送り出してからしばらくして、玄関にスーツ姿の堀田が現れた。
『今日は、遅くなるの?』
『いいや、たぶん、昨日と同じくらいだろう』
『わかりました。じゃ、気をつけて。いってらっしゃい』
『ああ、行って来る』
堀田が車で立ち去った後、カメラがガレージのシャッターを閉める紀子の顔をアップで捉え、そこで静止画になった。
ゆっくりとタイトルが浮かび上がる。
『熟女妻牝奴隷・紀子40歳』
剃毛だと?、おしっこだと?、こんなに真面目そうな主婦が、そんな変態プレイを唯々諾々と受け入れたというのか?いったいどうやって?女を落とすということにかけて、この男の辞書に不可能という文字はないのか?われわれはやはり、大変な男に関わってしまったようだ。

タイトル画面が消えたあと、さっきとは打って変わった別の風景が映し出された。セルフサービス形式のコーヒーショップのようだった。カメラはカウンターでコーヒーを受け取る一人の女を捉えていた。肩までの黒い髪、オレンジ色のTシャツにベージュのチノパンというラフないでたち。紀子だった。想像以上の容姿であるとはいえ、こうして改めて眺めれば、これといって際立った特徴のないどこにでもいるごくごく普通の主婦である。腰周りの肉付きが40歳という年齢を物語っていた。当然ながら前回の美咲のルックスとは比べるべくもない。
コーヒーを受け取り、席に着こうと紀子が振り返った時だった、画面の手前方向から来た男が紀子にぶつかった。
“ガチャン!!”
『熱っ!』
『あっ!、すみません!』
ぶつかった拍子にトレイに乗せていたカップがひっくり返って、こぼれたコーヒーが紀子の手やTシャツに降りかかった。
『大丈夫ですか!?やけどしませんでしたか?!』
そう言って男がポケットからハンカチを取り出し、紀子に手渡した。
『ええ、大丈夫です・・・』
『ほんと、すみません。店員さん、コーヒーの替わりお願いします』と言って男が横を向いた。カメラがその顔を捉える。伊能であった。口端に不適な笑みが浮かんでいた。
こうして伊能が紀子に接触した。
これから数十分の後にはこのミスマッチな男女が、この大画面の中で思わず目を覆いたくなるほどの過激な変態プレイの数々を繰り広げることになるのだ。高まる期待に、私の股間は早くもズキズキとうづきはじめていた。



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[760] 品評会12 投稿者:ミチル 投稿日:2002/09/29(Sun) 00:38      

「サトルに調べさせたんですけど、紀子さんいつも買い物の前にこのコーヒーショップに寄るんですよ。今回はそこにねらいをつけました。ただ紀子さん、なかなか一筋縄ではいかないタイプなんで、ちょっと姑息な手を使わせていただきました。次ぎはこの翌日の映像です」

紀子がテーブル席に座ってコーヒーを啜っていた。そこへ伊能が現れた。
『こんにちは。昨日はどうもすみませんでした』と、伊能が頭を下げた。
『あらあ、こんにちは。こちらこそ、ちょっとぬれただけなのにクリーニング代までいただいちゃって』と紀子が愛想よく答える。
『シミになりませんでしたか?』
『いいえ、大丈夫です』
『よかったぁ』伊能がさわやかな笑顔を浮かべた。
『あのー、ここ、いいですか?』
『ええ、どうぞ』伊能が紀子と同じテーブルの斜め前の席に腰を下ろした。
『よくいらっしゃるんですか、ここ?』と伊能が訊いた。
『ええ、お買い物の前にはいつも』
その後、途切れがちに会話が進んだ。その間伊能が紀子に熱い視線を送りつづける。これを受けた紀子が何度もドギマギと視線を泳がせた。
『すみません。なんか見とれちゃって』
『えっ、あ・・・いいえ』
『あなたが、あんまり姉に似てるものですから』
『お姉さんに?』
『はい、去年、交通事故で亡くなったんですけど・・・』
『まあ・・・』
『実は昨日も、あなたの顔に見とれててあんなことになっちゃったんですよ。持っておられるトレイが目に入んなくて・・・』
『そうなの』
『あっ、すみません、余計なことしゃべっちゃって』
『いいえ、そんなことないですよ』
その後も何気ない会話がしばらく続いた後、伊能が自分の腕時計を見て、
『あ、もうこんな時間だ。それじゃ、僕はこれで』と席を立った。
『あのー』トレイをもちあげながら、伊能が言った。
『はい?』
『明日また今くらいの時間にいらっしゃいますか』
『え?あ、はい、多分来ると思います』
『よかったぁ。それじゃ、また』満面の笑みを浮かべながら伊能が立ち去った。
『どうも』と紀子が軽く会釈をした。

それから何日分かの会話の様子が映し出された。伊能の巧みなトークはここでも冴え渡った。今回は美咲の時にみせた遊び人風のホストトークが影を潜め、どこか朴訥な感じを残した、非常にさわやかなトークを展開した。“純情無垢な四十女”を前にして、淫獣の牙をひた隠しにしながら、伊能がまさにこれ以上は無いほどの真面目な好青年を演じていた。
最初Tシャツにパンツ姿という、いたってラフなものであった紀子の装いが、日を追うにつれ、よりエレガントなものへと変わっていく。化粧や髪型にもはっきりと変化が見られ、若い男との束の間の逢瀬に、心ときめかせている様子がひしひしと伝わった。


『そうやって紀子さんがそこに座ってたら、なんだか姉が生き返ったみたいですよ。なんかうれしくなっちゃうな』
『そんな風に言ってもらえたら、思いきって来た甲斐がありました。それにしても豪華なお住まいですのね。うらやましいわ』
画面が変わり、紀子が美咲を狂わせた悪魔のソファに腰を下ろしていた。上は薄いグリーンのシルク地のブラウス、下は紺色のスカート。髪を後ろで束ね、アップにしていた。うなじからムッとする熟女の色気を発散させていた。ビデオが始まって三十分、ついに紀子がこの部屋に足を踏み入れた。
難攻不落の紀子城。その落城がまじかに迫っていた。

『紀子さんが来てくれるってわかってからね、サイフォン買ってきて、たてかた練習してたんですよ』
『すごい、伊能さんてマメなのね』
『いやそんなことないんですけど、紀子さんには絶対おいしいって言わせてみたくて。インターネットでコーヒー通のサイト見て、一生懸命勉強したんですから』

しばらくして、伊能がトレイにコーヒーを乗せて、画面に現れた。
『さあ、どうぞ、召し上がってください』
『どうも、ありがとう。いただきます』
『緊張するなあ』
『私の方こそ緊張するわ。こんなに気持ちのこもったコーヒーいただくのはじめてよ』
そう言って、紀子がコーヒーを一口啜った。
『おいしい!』
『ほんと!?お世辞じゃない?』
『ええ、とっても、おいしい。コクがあって、香りも最高よ』
『よかったぁ』伊能が子供のような笑顔を見せた。

その後、二人の姉弟以上、愛人未満とでもいうべき、微妙なラインの会話が続いた。伊能が例によってどんどんと相手との距離を詰めて行く。だが前回の美咲のように、やすやすと伊能の軍門に下る紀子ではなかった。会話や物理的距離を縮めようとする伊能の小さな企てを次々と巧みにはぐらかしていくのだった。
痺れを切らしたのか、いきなり伊能が行動を起こした。

コーヒーを置いた紀子の手を掴むと、すばやくその隣に移動し、
『紀子さん・・・オレ・・・』と紀子を引き寄せた。
『あっ・・・だめ・・・伊能さん・・・』
『紀子さん!オレ・・・オレ・・・毎日、紀子さんのことばっかり考えてて・・・』
と紀子をソファの背もたれに押し倒す。
『や、やめて!伊能さん、お願いだからやめて!』
足をばたつかせ、顔をのけぞらせ、紀子が激しく抵抗した。
『紀子さん、好きだよ!オレ・・・紀子さんのこと・・・好きなんだよ!』
『やめて、夫がいるのよ私!お願いやめて!』
『じゃ、どうしてここへ来たんだよ!紀子さんもオレのこと・・・!』
『だめ、こんなことしちゃ・・・、だめだったらだめ!!』そう叫んで、紀子が伊能を突き飛ばした。
『紀子さん・・・』
床に後ろ手をつき、伊能が呆然と紀子を見た。

『私、あなたに熱心に誘われて、すっごく悩んだの。人妻である私が、一人暮しの男の部屋にのこのこ出かけていってもいいのかって』 紀子がゼイゼイと肩で息をした。
『だけど、少しの間だけでもお姉さんを亡くしたあなたの傷が癒えるならと思って、お邪魔させていただくことにしたの。でもやっぱり・・・、間違いだったみたい』
『紀子さん・・・』
『男性としてあなたのことを見ていなかったって言ったらウソになるわ。今日、ひょっとしたらこんなことになるんじゃないかって思ってた』
『それじゃ、どうして・・・』
『でもやっぱりだめよ。私には夫や子供がいるんですもの。あなたとあんな風になってはいけないわ』
『それに・・・』
『それに、なに?』
『あたしね、この際だから言うけど・・・あなたが今しようとしてたようなことに、ほとんど興味がない女なの』
『興味がない?』
『ええ。お恥ずかしい話しだけど・・・、夫とも、もう一年近くご無沙汰なの』
『一年近くも・・・。でもそれは紀子さんが、もうご主人を愛していないからではないの?』
『いいえ、そんなんじゃないわ。私、主人のこと、ちゃんと愛しています。でもそれとは別なの』
『紀子さん・・・』
『私、あなたとお話するのが、毎日とっても楽しみだったわ。でも、それだけでよかったの。お話をするだけで・・・』
『・・・』
『思わせぶりな態度で、あなたに誤解をさせてしまったみたい。私が悪いの。ごめんなさい。私達、もう逢うのはよしましょう。コーヒーご馳走様でした。とてもおいしかったわ。それじゃ、私これで失礼します』と立ち上がり、スタスタと玄関に向かっていった。その紀子の背中に向かって伊能が叫んだ。

『姉さん、待って!!』

紀子が歩みを止めた。
『姉さん、行かないで!!お願いだから、も、もう・・・僕を一人にしないで!!』
伊能が駆け寄り、背中から紀子に抱きついた。
『伊能さん・・・』
『ごめん、紀子さん。もうあんなことはしない。だからもう少し、もう少しだけ、ここにいて』
そう言って、伊能が紀子の両肩を持ってなだめるようにリビングに続くダイニングの椅子に座らせようとした。
紀子が観念したように、その椅子に腰をおろした瞬間だった。
伊能が紀子の両腕を椅子の背もたれの後ろに回し、ポケットから手錠らしきものを取り出して、ガチャリとその両手にはめてしまった。
『な、なにをするの?冗談はやめて、伊能さん・・・なに?なんなの?』
紀子があっけに取られた様子で、伊能の顔を見つめた。
伊能はそれに答えず、今度は梱包用のビニール紐を取りだし、紀子の両足を椅子の両脚にくくりつけてしまった。
『これでよしっと』 
『やめて!伊能さん!やめて、お願いだから!』
紀子が懸命に身体をくねらせ逃れようとした。が、身体はびくとも動かない。
『僕はね、紀子さん。セックスに興味がないなんて言う女を見るとね、どうしてもその女の本性を見てみたくなるんだよ』
『何言ってるの?!どうしちゃったの?!伊能さん!、ほどいて!やめて!大声出すわよ!』
『へへっ、生憎このマンション、防音効果抜群でね。ちょっとやそっとの声では、外には聞こえないんだよ。観念しなよ紀子さん』
『いや!ほどいて!いや〜〜〜!!』


「伊能くん!強要はしないって言ったじゃないか!これはなんなんだ!」
堀田が伊能に噛みついた。
「まあ、見ててくださいよ堀田さん。“やめて”が“やめないで”に変わる瞬間を、じっくりとね」
「“やめて”が“やめないで”に変わる・・・ほんとに・・・紀子が・・・」


『後悔させないよ、紀子さん。今日のこの日まで、自分でさえ気づかなかったあなたの本当の姿を、女の喜びを、これから僕がたっぷりと教えてあげるから』
そう言って、伊能が椅子ごと紀子を抱え上げた。

『さあ、“特別ルーム”にご案内だ。みんなが待ってるよ』

そう言い残した後、伊能が紀子を抱えたまま画面から消えていった。だれもいなくなったリビングに、紀子の叫び声だけがこだましていた。



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[777] 品評会13 投稿者:ミチル 投稿日:2002/10/09(Wed) 00:05      

画面が切り替わった。
今度は寝室だろうか。部屋の真中にあるキングサイズのベッドの上で、一人の女に三人の男が絡み付いていた。
女が四つん這いになって、ヘッドボードに腰かけている男のイチモツを口に含んでいた。別の男が背後から突き立て、さらにもうひとりの男が、頭だけを女の下に潜りこませ、乳首を吸い立てながら手で股間を愛撫していた。
『ほらもっと頑張ってカポカポしないと、今日は中出しお預けだよ。おらおらっ』
ヘッドボードの男が、女の髪を掴んで前後に動かし始めた。
『ふぁ、ふぁい・・・んごぉ・・・』咥えたまま女が返事をする。
『おら、サボってねえで、もっとケツふれよ!』後ろの男が女の尻を平手打ちした。

「美咲!」突然ソファから身を起こし、新見が叫んだ。
「ええ?!こ、これ美咲さん?!」驚いた私が声をあげた。背後からの映像で、顔が確認できなかった。
「はい、美咲です・・・」
「へへっ・・・さすがはご主人」おどけた調子で伊能が言った。

「堀田さん、新見さん、どうです?すごいでしょ。美咲さんに紀子さん、豪華二大女優、夢の競演ですよ」
「競演・・・」
「楽しみにしててください、このあとふたりのレズシーンがありますから」
「レズ?!」堀田と新見が同時に叫んでいた。
「ええ、二人とも互いのおまんことアナル、チュパチュパとそれはうまそうにしゃぶりあってますよ。ほんと圧巻ですよ。サトルのやつなんか、ビデオの編集しながらこのシーン見ては何度もオナッてましたから」
堀田と新見が唖然した表情で、互いの顔を見合わせた。

『お待たせ』
その部屋へ紀子を抱えた伊能が入ってきた。
『おお、遅かったな』後ろから美咲に突きたてている男が、振り向きながら言った。腰の動きは止まらないままだ。
『ああ、楽しいティータイムが長引いちゃってさ。おおサトル、連れてきたぞ』
美咲の乳首を吸いたてていた男が体を起こした。
『ありがとうございます、竜一さん』
おそらく二十歳にもならないだろう、まだあどけなさの残る顔に、好色な笑みを浮かべた。
『伊能さん!なんなの!あたしをどうしようと言うの?!お願いほどいて!お願い!』
『まあまあ、落ち着いてよ紀子さん。みんなあなたが来るの楽しみにしてたんだよ。特にサトルなんか、この日をどんなに待ちわびていたことか。なあサトル』
『は、はい。紀子さん、こ、こんにちは・・・』
『こいつ、奥手なヤツでね。十八にもなってまだ童貞なんですよ。でね、今日はあこがれの紀子さんにじっくりと筆おろししてもらおうかと思ってね』
『いやよ!そんなの!絶対イヤ!ほどいて!伊能さん!お願い!』
『紀子さんさあ、さっきセックスに興味がないなんて言ってたけどぉ、それは単にノーマルなセックスじゃ物足りないってことなんじゃないの』
『違うわ!』
『いや、きっとそうだって。オレ、今までほんとたくさんの女見てきたからさ、話ししただけで、だいたいのことわかっちゃうんだよ。紀子さん、あなたは間違いなく、かなりの被虐嗜好の性癖の持ち主だよ。こうやって拘束されてるだけで、あそこがジュッと濡れちゃってるはずだよ。こんな風にして、たくさんの男に次ぎから次ぎへとヤリまくられるシーンを想像しながら、オナニーとかしたことあるでしょ』
『ないわそんなの!勝手なこと言わないで!ああ、お願いだから帰して!』
『へへっ、そんなこと言わないでさ、今日はみんなで楽しもうよ。おい正弘ぉ』
『ふん?』ヘッドボードに腰をかけている男が返事をした。
『紀子さんにもっとすごいの見せてやってよ』
『よーしきた。それじゃ美咲、そろそろ、二本行こうか』
男のペニスを咥えながら、美咲が何度も頷いた。
正弘が美咲の下に仰向けの状態で潜り込んだ。後ろから突きたてている男が美咲のヴァギナからペニスを抜き取ると、すぐさまその空家になったヴァギナへ正弘が挿入した。
『ああっ!』
もうひとりの男が美咲のアナルに中指を挿入し、前後に出し入れした。
『随分とゆるくなっちまったよなぁケツの穴、なあ美咲』後ろの男が言った。
『ああ・・・お願い・・・おちんちん入れて・・・』
『どこに?』
『そこに・・・』
『そこってどこ?』
『アナルに入れて!』
『もう、おまんこに入ってるじゃないか。ええ、まだほしいのかよ』
『ほしい・・ほしい・・二本ほしいの・・・二本・・・お願い、早く入れて!』
『よしよし、じゃ、自分でもっとケツの穴を広げて見ろよ』
肛門の括約筋が伸びきるほどに、美咲が自らの尻肉をかき広げた。
男がアナルにペニスをあてがった。

「ま・・・まさかそんな・・・同時に二本なんて・・・」
今夜は傍観者として参加したはずの新見だった。ところが、どうやら前回同様、いやさらにそれを超える痴態を拝まされることになりそうだ。今夜もまた、あの射精ショーが繰り広げられる事になるのだろうか。さらに今回は堀田が加わることになる。ああ、今宵の宴はいったいどんな結末を迎えるというのだろう。尋常な精神ではとうてい許容することのできない究極のデカダンス。その舞台の幕が今、切って落とされようとしていた。


『いくぜ、美咲』後ろの男が言った。
『来て、早くぅ・・・アナルに欲しい・・・二本入れてぇぇ・・・』美咲が振り返って、切ない声をあげた。
後ろの男が、あてがっていたペニスを一気に挿入した。
『アアアアアアアア!!いい〜〜!!感じるぅぅ〜〜!』
『何度やってもいいよなぁこれ!、おお擦れるぜ美咲ぃ、お前の腹の中で、隆志とオレのチンポが擦れあってるぜ』ヴァギナを犯している正弘が言った。
『二本入ってるぅぅ〜〜!あたしのお腹の中にぃ、おちんちん二本も入ってるぅぅ〜!もっとして!してぇぇ〜〜!』
『どっちがいい?美咲ぃ。おまんこか、ケツの穴か?』
『どっちもいい〜〜!』
『じゃ、ちゃんと言って見ろ』
『おまんこもぉ!、お尻の穴もぉ!両方とも感じますぅ〜〜!!だから、もっと!もっと!突いてぇ!!』

紀子が驚愕の表情で、ベッドの上の狂態を見つめていた。
『おお、おお、すげえなぁおい。美咲もすっかり牝奴隷ぶりが板についてきたな。紀子さん、この女もこのあいだまでは、あなたと同じ、ごく普通の生活送ってる主婦だったんだよ。それが見てよ、今じゃすっかりこいつらのおもちゃだよ。こいつら、この女のことなら頭のてっぺんから足の先まで、いやはらわたの中まで知り尽くしてますよ。ダンナなんかよりずうっとね』

『いい〜〜〜!もうだめぇぇ〜!イッちゃう〜!アアアア、気持ち、気持ちいぃ〜〜!んごぉ・・・』下になっている正弘が首をもたげて、叫ぶ美咲の口を塞ぐようにしてキスをした。

『んじゃ、こっちもはじめようか。おいサトル、ここ来いよ、特等席に座らせてやるよ。ここで、紀子さんの変化をじっくり観察しろ』
『はい!』
サトルが紀子の前に来てあぐらをかいた。
『さあ始めるぞ、サトル』
『は、はい。竜一さんオレ、もう心臓が破裂しそうです・・・今日のこの日をどんなに楽しみにしてたことか・・・、』
『そうかそうか、正真正銘のシロウト熟女の痴態、こころゆくまでたっぷりと味わいな』
『は、はい、お願いします!』
伊能の手が伸び、紀子のブラウスの第一ボタンにかかった。
『いやーーーー!やめてーーー!』紀子が激しく抵抗した。
『小娘じゃないんだからさ、ボタン一つはずしたくらいで大げさに騒がないでよ』
さらに第二ボタンをはずす。
隆起した胸の谷間が顔を覗かせた。想像以上の豊かな乳房だ。淡いピンクのブラジャーが、色白の肌に映えている。

堀田の息が荒くなってきていた。額からだらだらと汗が流れ落ちていた。それを拭うことさえ忘れ、我妻の変化の様子を一瞬たりとも見逃さじと、ただ黙って画面に見入っていた。

『サトル、胸の谷間に顔をうずめてみろ』
『はい!』
サトルがゆっくりと紀子の胸に顔を近づけて行った。
『ああああ!やめてぇぇ!あああ・・・』
サトルの顔面が紀子の乳房の谷間に埋められた。
『ああ、いい匂いだ・・・。竜一さん、オ、オレこれだけでイキそうっす・・・もうしごいちゃっていいっすか?』
『ばーか。まだ始まったばっかじゃねえか、もったいねえことすんな。そら、ブラウスのボタン全部はずせよ』
『はい、すみません』
サトルが残りのボタンをはずして行く。

『さあ、いよいよだぜサトル。今度はブラのホックだ』
『あ、はい・・・』
サトルがガタガタと震える手でフロントのホックを掴んだ。
『や、やめて!お願い!!ああ、やめてぇ!はずさないでぇ!』紀子が激しく首を振る。
サトルがさらにもう一方の手を添え丁寧にホックを外し、ブラの両の翼を左右に広げた。
その瞬間、支えを失った乳房が、引力に逆らえずに垂れ下がった。色白にしては色素沈着の激しい両の乳首もろとも、熟しきった紀子の乳房のすべてがカメラの前に露になった。
『ううっ・・・・』紀子が泣き顔を見せ、はぁはぁと荒い呼吸を繰り返した。
『うひゃー、随分と持ち上げてたんだね。こりゃまた見事なたれっぷりじゃないの。けど、熟女好きには、たまんねえんだよなあ、こういうの』
『はい、た、堪んないです・・・』サトルの熱い視線が紀子の乳房に注がれていた。
『どうだ、サトル。夢にまで見た、紀子さんの乳首だゾ』
『は、はい興奮します!』まさにかぶりつかんばかり、サトルが紀子の乳首を凝視する。
『どうだ、他になんか感想はねえのか』
『あ、はい、乳輪でかいです。それとこの黒いのが、もうたまんないっす』
『ああ、そんな・・・言わないで・・・恥ずかしい・・・』少しでも隠したいのか、紀子が懸命に両肩をすぼめようとした。
『揉んでみたいか?』
『そりゃもう』
『いいぞ、揉んでみろ。但し、乳首はまださわるなよ』
『はい!』
『いや、いやああ!、さわらないでぇ!いやああ!』
サトルが両の乳房を下から持ち上げ、円を描くようにゆっくりと揉み上げた。
『あああ・・・』眉間に深い皺を刻んで、紀子が喘ぎはじめた。
『もっと強く揉め』
『は、はい』
握り締めたサトルの人差し指と親指の円の中で、歪な形で隆起した乳房が赤く充血し、その中央に位置する大きめの乳暈が、いくつもの粟粒をこしらえながら、みるみるうちに収縮していく。
『もっと、強くだ』
『はい』
『だめぇぇ〜〜!やめてぇぇ!』
サトルがさらに力をこめると、徐々に尖りを見せ始めた乳首の先端から、半透明の液体が滲み出した。
『竜一さん、たいへんですぅ!お、お乳です!お乳がでてきましたぁ!』
『へえ、この年でもこんなの出んだなぁ。サトル、おっぱいしゃぶりてえか?』
『は、はい、お願いします!どうかしゃぶらせてください!』
『やれ。好きなだけしゃぶれ』
『はい!』
サトルが乳首を口に含んだその瞬間、紀子の声色が変わった。
『はうっ・・・あああ・・・だ、だめぇ・・・』
『うまいか?サトル』
『はい、お乳、甘いっす』

サトルが一心不乱に乳首への愛撫を続ける。左右の乳首を交互にしゃぶり、空いている方の乳首を指で弄んだ。
『どうだい・・・紀子さん。不思議な気持ちになってきたろ』
サトルの愛撫に加え、伊能が耳とうなじへの愛撫を開始した。
『ああ・・・やめて・・・だめよ・・・だめ・・・あうっ・・・』
ベッドの上では美咲が同時挿入の快楽にのたうちまわる。
『アアアア!狂っちゃう!狂っちゃう!もうなんにも考えられない・・・・アアア!いい〜!』

ふたりの執拗な愛撫、目の前のベッドで繰り広げられる淫蕩極まりない3Pショー。
これらの刺激によって、さっきまで拒否一辺倒であった紀子の様子に少うしずつ変化の兆しが見え始めた。
『はううっ・・・だめ・・・・だめっ・・・』
『そーら、だんだん感じて来たよ紀子さん。サトルお前なかなかやるじゃないか。んじゃ、おっぱいはこれくらいにして、いよいよおまんこ行くぞサトル!』
『はい!』

「紀子・・・」
「美咲ぃ・・・ああ美咲・・・」
堀田と新見が共に股間に手を添え、荒い呼吸を繰り返していた。



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784] 品評会14 投稿者:ミチル 投稿日:2002/10/20(Sun) 19:28      

伊能は、椅子の脚にくくりつけていた紀子の足を一旦ほどき、両膝を持ち上げて今度は椅子の肘掛けにくくり直した。大きくめくれ上がったスカートの中から、色気とは全く無縁のベージュのガードルが姿を現した。
『このくそ暑いのにこんなものはいてんだねぇ。サトル、おまんこの部分に手を当ててみな』
言いながら伊能が腰のスカートを完全に捲り上げ、紀子の下半身を丸出しにした。
『あああん・・・・』
サトルがおずおずと右手を股間にあてた。
『いやぁ!触らないで!ああ・・・』
『どうだ、熱くなってるだろ』
『はい、すごい・・・熱いです』
『指で擦ってみろ』
『はい、こ、こうですか?』
サトルがたどたどしい手つきでガードルの上から紀子の股間を擦り始めた。
『ちぇっ!違うよ、そんなんじゃねえよ、こうすんだよ』
紀子の背後に立っている伊能が上から手を伸ばし、ガードルの性器の部分を丹念に擦り上げた。
『アアアアッ!・・・・いや・・・・だめ・・・いや〜〜!』
『あ!、染みてきました!』サトルが叫んだ。
『だろぉ、愛撫ってヤツはこうやってやんだよ』
伊能がせっせと指を擦りつけているその部分が、見る見るうちに濃い目の色に染まっていく。
『あ・・・あ・・・あう・・・』
伊能の巧みな愛撫によって、次第、次第に紀子の顔が上気し始めていた。

『いっしょに!いっしょに出してぇ〜!あたしのおまんことアナルに、二人のザーメン一緒に出してぇ〜!』
ベッドの上では、美咲が佳境を迎えている。

「美咲ぃおまえ・・・自分から中に出してだなんて・・・!」
「新見さん、最近はいつも奥さんの方から中出しのおねだりなんですよ」
「そ、そんなこと・・・!」新見が気色ばんだ。
「ゴム付けようかって言うんですけど、絶対生身がいいって。中に出される瞬間の感触が堪らないらしいんですよ」
「美咲・・・おまえ・・・」
“取り返しのつかないことになりますよ”サウナでの伊能の言葉が甦った。今日の様子からして、新見夫婦がすでにその領域へ足を踏み入れていることは明らかであった。

『こんなばばくさいのさっさととっちまおう』
伊能がベッド横のチェストの引き出しからハサミを取りだし、サトルに手渡した。
『サトル、ここから切っちまえ』
紀子の腰骨の部分を指差しながら伊能が言った。
『なにするの?!やめて!やめて〜!』
“ジョキッ、ジョキッ、ジョキッ”サトルがハサミで両方の腰骨の部分を切り、ガードルを取り去ってしまった。
『めんどくせえ、ストッキングも破いちまえ』
“ベリッ!ビビビッ!ベリッベリッ!”
サトルが股間の部分に指を刺しこみ、激しい音をたてながらストッキングを切り裂くと、大量の淫液にまみれたレース地のショーツが剥き出しにされた。
『あああ・・・・ひどい・・・ああ・・・』


「すいません、堀田さん。ちょっと手荒いんですけど、これも紀子さんの気持ちを盛り上げるための演出のひとつなんですよ。勘弁してください」
伊能が堀田に声をかけた。
「紀子は本当に、こういうことに喜びを感じる女だというのかい?それはつまり紀子がいわゆるM嗜好の女だということなのか?」
「ええ、まあそういうことです。それもかなりのレベルですよ。今までご自分でも薄々は気づいてらっしゃったと思うんですけど、頑なにそれを否定し続けてきたんだと思います。それがこの日、亭主以外の男の手によって白日の下に晒される・・・。次ぎから次ぎへと自分の内から湧き出してくる激しい痴情に戸惑い、次第にパニックに陥っていくんです」
まるで性に関するカウンセラーよろしく、淡々とした口調で伊能が言った。
「信じられん・・・」
「まぁ続きを見て下さい」


『さぁ、ついに来たぞサトル。この布地の向こうに、紀子奥様の麗しきおまんこ様がいらっしゃるんだゾ!どうだぁ、おい!』
『はい・・・も、もう堪りません・・・』
言いながらサトルがゴクリと固唾を飲んだ。伊能が人差し指をショーツのウエストの部分に引っ掻けて、中を覗きこんだ。
『あれれれれぇ〜、すごいことになってるよおまんこぉ。うわーほんとすげぇー。ちょっと擦っただけでこんなにぐちゅぐちゅにしといてさぁ、よくもまぁSEXが嫌いだなんて言ったもんだよなぁ』
『竜一さん、そんな自分だけ見ないで、は、早く僕にもお願いしますよぉ』
『まぁそんながっつくなって。ほれ、おまえこういうの好きだろ』
そう言って、伊能が紀子のショーツのクロッチの部分を細く絞って紐状にし、性器に食い込ませた。ショーツの脇から、淫蜜に濡れそぼった大量の陰毛が姿を現した。
『おおお、すげえ・・・』
『なぁサトル、オレが言ったとおりボーボーだろおまんこ毛。後で綺麗にツッルツルにしてやろうな』
『はい・・・』
『なにぃ?!いやよ!そんなことしないでぇ!いやぁ〜〜!』
『ほらもっと感じて、ほらぁ』
伊能がそう言って、紐状になったクロッチの部分を上下に動かし始めた。
『アアアアッ!だめ・・・だめぇぇ〜!』


『隆志いいかぁ、そろそろイクぞぉ!』
下から、美咲のヴァギナを犯している正弘が叫んだ。
『ああ、オレももうOKだぜ』
『んじゃあ、いくか』
その合図で、ふたりの腰の動きがさらに激しくなった。
『アアアアッ!いぐぅ!いぐぅ!いぐぅ!いぐぅ〜〜!あたしもいぐぅ〜〜!あああ、頂戴ぃ〜〜ザーメン頂戴ぃ〜〜!』
『出すぞ、美咲ぃ〜、おまんこに出すぞぉ〜!孕んじまうぞ!ほら、いいのかぁ!』
『いいのぉ!いいのぉ!頂戴、早く頂戴ぃ』
『これで孕んじまったら、三人の子だなぁおい!オレと隆志とおまえのよぉ。な〜にも知らない亭主が哀れだよなぁ〜!』
『イクゾ!美咲ぃ!』
『来て!来て!来て!来て!来てぇぇ〜〜!中に出してぇぇぇ〜!』
『うぅ・・・!あう・・・!あ・・・あ・・・あ・・・』
まず、アナルを犯していた隆志が果てた。
『アアアッ、入れたままにしといてぇ〜!アナルのおちんちん抜かないでぇ!!』
『出すぞぉ!出すぞぉ!』
『出してぇ〜〜〜!!アアアアッ!イ・・・イグゥゥ〜〜〜〜ッ!!』
『おおおっ・・・・』
正弘が果てながら、二度三度と大きくペニスをヴァギナに突き入れた。
『ぐぅ・・・ぐぅ・・・ぐぅ・・・』
その度に美咲が喉の奥から搾り出すようなうめき声を上げた。

「うう・・・」
と、突然隣に座っている新見がうめき、ローテーブルに用意してあったティッシュをすばやく抜き取り広げると、その上に大量の迸りを放った。どうしようもないジェラシーの迸りであった。


一方ベッドの横では、ご開帳前の愛撫が続けられていた。
『ほれ、紀子さん、どうだい?感じてきたかい?』
伊能が右手でショーツを揺さぶり、左手で乳首を捏ね上げ、耳の後ろに唇を這わせた。
『はぁう・・・あああ・・・いや・・・やめて・・・やめて・・・』

『さあてと、いよいよ拝むとするか、おまんこ様』
『はい、お願いします!もう、見たくて見たくて・・・チンポの先がぬるぬるです・・・』
言いながらサトルが股間を押さえた。
『よし、じゃ、さっきと同じようにここ切れ』
サトルが右の腰骨の部分にハサミを入れた。
『ほれ、こっちもだ』
今度は反対側を切る。ショーツが捲れ落ちないように、伊能が前部の布を押えていた。
『さあ、開けるぞ、サトル。紀子さんのおまんこ様だぞ。いいか』
『はぁ、はぁ、お、お願いします・・・』
サトルが犬のように息を荒げた。伊能が焦らすようにゆっくり、ゆっくり、ショーツの前部の布をめくっていく。
『い、いや・・・めくらないで!いや・・いやぁ!』
やがて伊能の言っていたとおり、濃い目の下腹部の毛が姿を見せ始めた。クリトリスがその大きな膨らみを見せ始めた時点で、伊能がショーツから手を離した。次ぎの瞬間、カメラの前に紀子の完熟した秘所のすべてが剥き出しになった。
『ジャ〜ン!』
『おおおおお!お、おまんこだぁ・・・紀子さんの・・・おまんこ・・・』
『あああ・・・』
ご開帳の瞬間、紀子が目を閉じて天井を仰いだ。
見つめるサトルの顔と紀子の秘所が画面いっぱいに大写しになった。さながら食虫植物のように、パックリと開いた秘口の中には満々とした量の淫液が湛えられ、溢れ出た液がボタボタと椅子の上に垂れていた。
『あああ・・・見ないで・・・・お願い・・・ああ・・・見ないでぇ・・・』
顔を歪ませ、紀子がうわ言のように同じ言葉を繰り返した。それは拒否の意思を示す言葉でありながら、その上気した顔の表情や鼻にかかった声の響きからして、私の耳には明らかに逆の懇願を訴えているように聞こえていた。“お願い・・・見て・・・私のあそこを見て下さい”と・・・。

『サトル、匂い嗅いでみろ』
『はい!』
小陰唇にあと数ミリの距離にまで鼻をよせ、サトルがクンクンと紀子の秘所の匂いを嗅いだ。性能の良いカメラは、ここまでの言葉攻めや執拗な愛撫によって、じゅくじゅくに濡れそぼった秘所の様子を克明に映し出していた。
『どうだ、どんな匂いがする?』
『なんか・・・甘酸っぱい匂いです。それとちょっと・・・おしっこの匂いが・・・』
『いやあ・・・言わないでぇ・・・!』紀子が激しく反応した。
『ケツの穴見えるか?』
『いいえ、よく見えません』
『よし、これならどうだ』
そう言って、伊能が紀子の尻肉を割った。乳首同様、かなり濃い目に色づいた菊の蕾が顔をのぞかせた。
『はい、よく見えます!すごい・・・』
『どうだ?オレが言ったとおり、肛門の周りもビッシリだろ』
『はい、すごいです・・・』
『そこも、匂え』
『ああ・・・いやぁぁ・・・恥ずかしい・・・やめてぇ・・・』
サトルがクンクンと鼻を鳴らして、肛門の匂いを嗅いだ。
『ここも、いいかおりです・・・』
『ウンチの匂いはしねえか?』
『は、はい、ちょっとだけ・・・』
『いやぁ!恥ずかしい・・・』
『おお、またドクドクおつゆが涌いてきました!』
『イヤらしいとこ見られて感じてんだね、紀子さん。このままこうやって眺めてるだけでイッちゃうんじゃないの?サトル、今度はショーツを見てみろ』
切り裂かれ、椅子の端からたらりと垂れ下がったショーツをサトルが手に取り、しげしげと眺めた。
『いやー!見ないでぇ!お願い!そんなの・・・・あああ・・・』
『この辺が黄色くなってます』
『あああ・・・』
『舐めてもいいぞ』
『はい』
サトルが両手でクロッチの部分を広げ、鼻を近づけ匂いを嗅いだ。
『ああ・・・なんていい香りなんだ・・・』
目を瞑り、サトルが陶酔の表情を浮かべた。
『ああ、やめて・・・そんなこと・・・お願い・・・ああ・・・』
鼻を近づけ匂いを嗅ぎ、唇を布に押し付ける。
『ああ!やめて・・・ううっ・・・』
紀子が目を瞑って顔を伏せた。サトルが思いきり舌を突き出して、ベロベロとそれは美味そうにショーツを舐めた。


『ほら、美咲ぃ、おまんことケツの穴からごちそうが漏れてるぞ、おい。もったいねえから、指で掬って舐めろ、ほら』
美咲が股間に手を伸ばし、漏れ出したザーメンを掬うと、躊躇無く自分の口へと運んでいった。人差し指から小指までを口に含んで、一滴のザーメンも漏らすまいとチューチューと音をたてて吸う。
『見てよ紀子さん、美咲のあの幸せそうな顔。紀子さんのあんな顔見てみたいなぁ』
そう言って伊能が紀子の両のこめかみを押さえ、ベッドの方向に顔を向けさせた。
『イヤッ!』
紀子が目を瞑り、顔を伏せた。

『さて、いよいよクンニの儀式に取りかかるとするか。サトル、ここからは選手交代だ』
『えぇ!そ、そんな・・・!』
『まぁ待て。後でゆっくりと堪能させてやっから、しばらくそのパンツで我慢しときな』
『は、はい・・・』

『美咲、いつもまでも余韻にひたってねえで、ちょっとこっちこいよ』

いよいよか?、ついに美咲と紀子の絡みが始まるのか?!高まる期待感に私の胸の鼓動が一層激しくなった。



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[833] 品評会15 投稿者:ミチル 投稿日:2002/12/12(Thu) 22:26      

横たわっていた美咲が起き上がり、ベッドに腰をかけた。
『美咲、おまえ一度レズりたいって言ってたろ。おまえのテクでさ、この奥さんの心と身体、やんわりとほぐしてやってくれよ』
伊能の言葉に大きく頷いた美咲が、ベッドから立ち上がり、紀子の前にひざまずいた。
『紀子さん、初めまして。美咲です。あたし、あなたが来るのをとっても楽しみにしてたの。これから一緒に楽しみましょ。よろしくね』
訝しげな表情で、紀子が美咲を見下ろしている。
『この人達、別に恐い人達じゃないのよ。安心して』
美咲は立ち上がって紀子の背後に回ると、その耳元に唇を近づけた。
『ねえ、リラックスして。恐がることなんかないわ。気持ち良くなることだけ考えて、後はあたしに任せて。じきに自分からおねだりするようになるから。わかった?紀子さん』
そう耳元で囁いた唇が、紀子の口元に近づいてゆく。
『ああっ!んむううっ!』
美咲の唇が紀子の唇に重なった。驚いたことに紀子は、いきなりの行為に目を白黒させながらも、顔をそむけることなく、美咲の挨拶代わりの接吻を受け入れた。
ぴちゃぴちゃと卑猥な水音をたてながら、美咲の唇が紀子の鼻や頬、顎を這い回る。美咲の執拗な愛撫に、固く閉ざされていた紀子の唇が少しずつその重き扉を開き始める。
『あはぁぁ・・・』すかさず美咲の唇が紀子の口内へと侵入し、彼女の舌をにゅるりと引き出すと、頬を窪ませながら激しくそれを吸引した。

「み、美咲ぃ・・・お、おまえなんてことを・・・」
妻の大胆な行為に驚愕の表情を浮かべながら、新見が呟いた。

『んんん〜!!』驚き、緩やかに首を振って逃れようとする紀子の頭を両手で抱え込みながら、美咲の愛撫が続いていく。美咲の唇が這い回ることによって、紀子の赤い口紅が広範囲に塗り広げられ、鼻から顎にかけての一帯がほんのりと朱色に染まっていった。

堀田が、うーうーと、荒い息とも、唸り声ともつかないものを吐き続けていた。目の前で自分の妻が同姓相手、しかも知人の妻相手に濃密なキスシーンを演じている。こんな異常な体験をする人間が果たしてこの世に何人いるであろうか。

『サトルくん』
『あ、は、はい』突然の呼びかけに、サトルが慌てて腰を上げた。
『ごめん、あたしの化粧ポーチからチークブラシ取ってぇ。・・・・・うん、その筆みたいなヤツよ・・・・そうそうそれそれ・・・』
美咲はサトルからブラシを受け取ると、それを紀子のうなじに這わせた。
『はうあああ・・・!あああああ・・・い、いや・・・』
『どお?紀子さん、くすぐったい?』
『あん!ああああん!あああ・・・・あああ!』ブラシがうなじから、首筋へと滑り落ちて行く。
『じゃあ、もっと敏感なところ、やったげるわねぇ』
美咲がブラシで紀子の乳首をそろりとひと撫でした。
『ひやああっ・・・!』一際甲高い声を上げながら、紀子が激しく身悶えた。
『イヤらしい乳首ねぇ。ちょっと撫でただけで、ほらこんなに尖ってきちゃった。あんなに大きかった乳輪もこんなにギュッと縮こまっちゃってるわ。じゃこれならどう』
美咲はブラシで乳暈をなぞるようにくるくると乳首の周りを撫でまわす。
『ああ、んっふ〜〜ん・・・・あうああっ・・・』
さらにもう一方の乳首を人差し指と親指で摘み、まるで紙縒りを縒るようにして捻りつぶした。
『いやっ・・・!ああっ!』
『相当、乳首弱いみたいね。もっともっと感じて』
美咲の唇が、捻りつぶされ平たくなった乳首を含む。
『あはああああっ・・・』女が女の乳首を吸う。なんと官能的な絵図であろうか。美咲はさらに、乳首を軽く前歯でコリコリと甘噛みすると、ときおりギュッと引き伸ばしては、プツンと離す動作を繰り返した。まるでつきたての餅のように極限まで伸びきった乳房が引き離される度、紀子が「あっ!」と短くするどい悲鳴をあげながら、“びくん”と全身を震わせた。その間も、片方の乳首にはさわさわとチークブラシの柔らかな感触が這い回っている。
『はうう・・・はあ・・・あ!・・・はあ・・・はあ・・・』
緩急を巧みに織り交ぜた美咲の攻撃に、紀子の全身が蕩けだしていた。


『さあ、みんな見てあげようよ、紀子さんのおまんこ』
伊能の言葉を合図に、四人の男が紀子の股の間に所狭しと座り込むと、めいめいに好き勝手な言葉を並べたてる。
『まるで生きたアワビだぜ。うまそうにひくついてやがるぅ』『おお、また、どくどく出てきちゃったよ』『うあああ、早くむしゃぶりつきたいですぅ』『おい、ケツの穴みてみろよ、ぽっかり口、開いちゃってるよ』

『ほら、紀子さん、みんなに見られてるわよ。おまんこの中もアナルも全部よ』
『あああ・・・い・・・あああ・・・み・・・な・・・み・・・ない・・・で・・・ああああ・・ううう・・』
洪水さながらに濡れそぼった性器、充血し毒々しいまでに赤みを帯びた肉壁や肉芽。自分より一回り以上も年の離れた男達に対し、すべての恥部を余すところなく曝け出し、激しい羞恥の念にうち震えながらも、次第、次第に淫らな獣に変貌していく女の様を、カメラは容赦なく映し出していく。

美咲の操るチークブラシが、乳房から腹部へと滑り落ちて行き、くりくりとヘソの穴を刺激した後、右の内腿へと流れて行く。男達の視線がブラシの後を追う。ブラシは、内股と性器の間の際どい部分を、ときおりアナルを刺激しながら右に左に滑っていった。が、いつまでたっても肝心の性器には触れる様子がない。
『ねえ紀子さぁん、クリちゃん撫でてほしい?』
『いやあああああん・・・』紀子がゆっくりとかぶりを振った。
『うっそ〜!して欲しくて堪らないくせにぃ〜!』
ブラシの先端がチロチロとアナルを刺激する。
『ダメ・・・!ひやあああ・・・はうう・・・』
どこかしら新たな刺激が加わるたび、膣口からはドクドクと淫らな汁が湧き出してくる。
『あらあら“娘さん”はこんなにだらだらと涎を垂流してるのに、頑固な“おかあさん”よねぇ。じゃあ、可愛い“娘さん”に免じて、少しだけ味見させて上げようかな』
アナルからクリトリスにかけての部分を、美咲がフワリとブラシで撫で上げた。
『アアアアアアアアアッ!!』と一声獣じみた咆哮を放ったあと、『うううううっ』と低くうめきながら、紀子が腰を上下にぶるぶると震わせ始めた。
『キャハハハッ!もう、紀子さんったら、期待どおりの反応してくれるからうれしくなっちゃう!』
紀子にキスをしながら美咲が言った。
『ねえ、下半身がジンジンしてきたでしょ。身体中の血液がこの辺りに集まってきてるわよ』
同性にいたぶられているというアブノーマルなシチュエーションが、被虐嗜好の性癖をさらに煽り立てているのであろうか、美咲の愛撫が始まってからというもの、紀子の形相が凄まじいものに変わってきている。『素直になったらたっぷりと楽しめるのよ。さあしてほしいって言ってごらんなさい』
人差し指と親指で割れ目を分けながら、美咲が再びブラシでクリトリスを刺激する。
『ひぃぃぃぃぃぃぃぃっ!、も、・・・もう・・・・アアッ・・・ダ・・・ダメ・・・』
ブラシの刺激に耐えかねて腰が上下に動くたび、ぼってりと厚い脂肪ののった腹部と臀部がタプタプと揺れ動いた。
『さぁ言ってごらんなさい!紐をほどいて思いっきりやってって!』
『アアアッ!あはあ・・あううあわ・・・ああ・・・いいい・・・』
『してほしいんでしょ!さぁ言うのよ!早く!!』

固く尖りきった淫核、弛みきった膣口、ガクガクと震えの止まらない腰。いすの上には失禁したかと見紛うほどの淫密が流れ出し、二筋、三筋、ツルツルと床にこぼれ落ちていく。
紀子に限界の時が近づいていた。『あ・・・・う・・・・・あ・・・うう・・・』唇をパクパクと開閉させながら、言葉にならない声を発しつづける。美咲との激しい接吻によって、顎の先にまで広がった赤いルージュが映像をより扇情的なものにした。
溢れ出た涎が、そのほんのりと朱にそまった顎の先を伝いながら首筋に流れ落ちたその時だった。ついに世紀の大転換の瞬間が訪れた。


[834] 品評会16 投稿者:ミチル 投稿日:2002/12/14(Sat) 02:26      

『そんなにいやなら、やめてもいいのよ。ねえやめるぅ?』
紀子の髪を撫でながら美咲が言った。
『どう?ほんとにやめちゃう?』


『・・・・・・・・い、・・・・や・・・・』
小さな溜息を漏らすように、紀子の唇がかすかに動いた。


『えっ?なに!?今、なんて言ったの?』


『やめないで・・・』


『うひょ〜〜〜!!ついに紀子さんがおねだりだ〜!』男達の歓声があがる。
『まだよ!ちゃんとおねだりするまでやったげない。さぁ、さっきあたしが言ったように言って』


『あああああっ!やめないでぇぇ・・・お、お願ぃぃ・・・してぇ・・・』


『だめよあたしが言ったように言うのよ!ほらっ!』


『紐を、ほ、ほどいて・・・・』


『紐をほどいてぇ。それでぇ?』


『思いっきり・・・』


『思いっきりぃ、思いきり、なんなの!』


『思いっきり、やってぇぇぇぇぇぇぇ〜〜〜〜!!あがああああっ!』


四十年間頑なに守りつづけた淑女の仮面が剥がれ落ちた瞬間だった。


「ああ紀子ぉ・・・」けっして“おちる”はずのなかった賢妻が、今、一匹の淫らな牝ブタと化した。拷問にかけられての痛みによる屈服でない、己が肉欲に屈っしてしまったのだ。待ち望んでいた瞬間とはいえ、あまりにも衝撃的な映像であった。
“あああ・・・これが・・・これが響子だったら・・・”
来月の今日、この画面の中に響子がいる・・・。考えるだけで、ドクドクと音を立てるほどに心臓が高鳴り、全身、総毛立つ思いがした。


『やっぱり我慢できなかったね紀子さん。それじゃクンニの儀式に取りかかるとするか』
そう言うと伊能は、紀子の身体を拘束していた紐を解きはじめた。
『おい、隆志、正弘、おまえら脚を抱えてくれよ』
『よっしぃ!』と、隆志と正弘が拘束の解かれた紀子の左右の膝を持ち上げた。
『サトルおまえ、そっちから抱えろ』
『あっ!あっ!こ、恐い!いや!ああ・・・』
伊能とサトルが上半身、隆志と正弘が下半身を持ち上げ、まるで神輿を担ぐように四人の男が素っ裸の紀子を抱え上げた。

伊能とサトルが乳房をもみ上げ、乳首を舌で転がし始める。
『ああああっ!あん!あ〜ん・・・!』
『よし、じゃ、おまんこ広げてくれ』
『おいっ』
隆志と正弘のふたりが左右の脚を開いていく。
『あああああ・・・・・』
長時間に及ぶ愛撫の末に、ドロドロに蕩けだしている紀子の秘所のすべてが晒される。隆志と正弘が、左右の大陰唇に指をあてがい、肉土手を潰すように割れ目を開いていった。そのとたん、膣口から淫蜜が溢れ、長い糸を引きながら床へと垂れ落ちた。
『さあ、美咲準備はいいぞ。思いっきりしゃぶってやってくれ』
男四人の手によって担がれた女体神輿。その股の間に招かれた美咲が、内腿に両手をあて、改めて秘所を覗きこんだ。
『うわあ〜ほんとすごいわねえ。クリちゃん、まるでおちんちんみたいに勃起しちゃってるわぁ。フフフッ・・・これじゃクンニリングスじゃなくて、フェラチオだよね』
『あああ・・・いや・・・は・・はやく・・・はやく・・・』
『わかったわよ。それじゃ、お先にいただきま〜す』
『きて・・はやく・・・』
“ぺちゃ・・・”。美咲が口をつけた瞬間だった。

『アアアアアアアアアッ!!はぁ!はぁ!おおああああああっ!!』
紀子の激しい嬌声が響き渡った。
“ちゅー、ジュルジュル・・・チュパチュパッ・・・!
『ダメェェ〜〜!!ダメェェ〜〜!!感じすぎるぅぅぅぅぅ!!アアアアアアアッ!アアアアアアアッ!』
猛烈な紀子の反応にも、表情一つ変えずに美咲が黙々と淫核を吸いつづける。
あまりの刺激に身体をくねらせ、紀子の両手が何かを掴もうとするように空しく宙を泳いだ。
『アアアアッ!イイイ〜〜!』
上半身を抱える二人による乳首、腋、うなじ、耳たぶへの愛撫も本格化し、加えて下半身を抱えた二人が、それぞれが抱える足のつま先から太股までを丹念にしゃぶりあげていく。五人の人間によって、身体中のありとあらゆる性感帯が同時に刺激を受けている。女にとってまさにこれは究極の愛撫の形であろうか。四人の男の腕の中で紀子の身体がくねり続けていた。

『いやっ!アッ!アッ!アアアアッ、そ、そんな吸っちゃあ・・・駄目っ!か、感じすぎちゃう!あ・・・ちょ・・ちょっと・・・まっ・・・てっ・・・アアアッ・・・!』
『いやなの?紀子さん。やめちゃう?ねえ?やめてもいい?』
『い・・・や・・・アアアッ!』紀子が激しくかぶりを振った。
『じゃあちゃんと言葉にしてよ。やめるの?やめないの?』
『あああっ・・・あああ・・・・』
『言わないならやめちゃうよ』
伊能が美咲にチラリと目配せをした。すると、突然美咲が紀子の股間から唇を離した。男達も次々と愛撫を中断する。
突然の中断に、紀子が驚きと切なさの入り混じった表情でキョロキョロと奉仕者達の顔を見まわした。
『い・・・いや・・・いや・・・お願い・・・』
『お願いって?』
『つ、続けて・・・続けて下さい・・・』
『続けるぅ?なにを?』
『いやん・・・愛撫です・・・愛撫を続けて・・・下さい・・・』
紀子が懸命に懇願する。伊能が顔を寄せ、さらに“誘導尋問”を続ける。
『どこを?』
『ち、ちくびとか・・・あそこ・・・』
『あそこって?』
『・・・』
『してほしいんなら、ちゃんとお願いしなきゃ』
『舐めて下さい・・・私の乳首とか・・・おま・・んこ・・とか・』
『もっと、元気よく!』
『アアアッ!舐めて下さい!私の乳首とおまんこぉぉ〜!!』
『そこだけか?』
『ほ、ほかも、ぜ、全部!身体中を、舐めまわして下さいっ!!』
『よーし。ほれみんな再開だぞ』
伊能の声に皆が一斉に愛撫を再開すると、紀子の狂乱ぶりは最高潮に達する。
『あああああっ・・・いいっいいっいいっあああっ!!』
『感じるかい紀子さん?』
『イイ〜!!イイ〜!!イイの〜〜!!ぎもちイイ〜!がんじるぅぅ〜!!』
『どうしてほしいのか、もう一回言って』
『アアア、舐めてぇぇ!吸ってぇぇ!乳首もぉ!おまんこもぉ!いっぱい!いっぱいしてぇぇ!!』
堰を切ったように紀子の口から卑猥な言葉が飛び出していく。
『アアアアッ!・・・ダメ・・・もう・・・・ダメ・・・・アアアアッ!で、出ちゃう、出ちゃうぅぅ〜!!』
そう紀子が叫んだ次ぎの瞬間、美咲が『キャッ!』と悲鳴を上げながら紀子の股間から飛びのいた。
なんと、紀子が失禁し始めたのだ。
“キシューッ!ぴちゃぴちゃぴちゃ・・・・・・・!”
細かな飛沫を立てながら小水がフローリングの床に広がっていく。
『ほら、サトルゥ!紀子さんのおしっこだぞ。もったいないぞ、早く受け取れ!』
『は、はい!』
抱えていた紀子の脇を伊能にあずけ、サトルが素早く紀子の股間に移動し、おしっこを顔面で受け止めた。
『いやあああ・・・アアッ!』
『サトルどうだ?おいしいか?』
『あああ・・・はい・・・紀子さんのおしっこ・・・最高ですぅ・・・』
ベロベロと舌なめずりをしながら、サトルが恍惚の表情を見せた。
『よおし、そのままおまんこを舐めろ』
『はい!』
サトルが残尿の滴る性器にむしゃぶりつくと、再び紀子の嬌声が復活する。
『アアアアアアアアアアッ!あぐうぅぅ〜あああ!』
まるで砂漠の放浪者がオアシスで水を貪るように、サトルが紀子の性器を吸いたてた。
『ジュルゥルルゥゥ・・・あふああ・・・た、堪らない・・・ジュルゥルルゥゥ・・・あふう・・・』
『アアアッ!!も、もうダメッ!!ダメ〜ッ!!』
突然、紀子の身体がわななきはじめ、両足をぴんと突っ張らせながら、がくがくと全身を震わせた。
『あっ・・・!!あっ・・・!!』そう二度叫んだ後、全身を弛緩させた。



『イッたねえ紀子さん。おめでとう。人にイカせてもらうのは始めてでしょ。どうだい最高だろ』
ベッドの上に投げ出された紀子に顔をよせ伊能が言った。紀子の顔が大写しになる。豊かな胸を波打たせながら、伊能の問いかけに小さく頷いた。
焦点の合わない目、鼻水にまみれた頬、半開きにした口からは大量の涎が溢れ出ていた。伊能が紀子の額に手をあて、乱れた髪をかきあげた。
『でも、クンニだけじゃ、ものたりないでしょ。ここまで来たんだ、やっぱ、抜き身を味わいたいよね』
コクリと紀子が首を縦に振る。
『じゃ、サトルの筆下ろし、協力してくれるぅ?』
『するぅ・・・』と、紀子が頷きながら、かすれた声を出した。



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[850] 品評会17 投稿者:ミチル 投稿日:2002/12/27(Fri) 00:37      

「いよいよ次ぎは高梨さんとこだね」
帰りの車中、後部座席でへたり込んでいる堀田が言った。頭を窓の方へ傾けたまま、目だけを私に向けている。眼窩の隈が極度の疲労を物語っていた。
「ええ・・・そうですね・・・」
「さっきのビデオに怖気づいて、自分だけ一抜けたはなしだぜ高梨さん」一瞬、堀田の目が鋭く尖った。
「あ、はい、それは・・・」
「今から楽しみだよ。あんたんとこの“完璧な”奥さんが、どんなふうにやられちまうのか。イヒヒヒッ」
「堀田さん・・・」
望んだこととはいえ、他の男の手によって、最愛の妻を完膚なきまでに陵辱し尽くされた男の悲哀。
“あんな若造になにができんの。アハハハッ!”
そうサウナで豪語していた強気の堀田とのギャップがあまりにも憐れであった。

それにしても、すごい内容だった。あれから、サトルの筆下ろしシーン、美咲とのレズシーン、風呂場での剃毛シーンと次ぎから次ぎへ、それは凄まじい映像が続いた。特にクライマックスでの伊能とのファックシーンは圧巻の一言であった。
“あれほどの衝撃に、果たしてオレは耐える事が出来るんだろうか?”
考えるだけで、ブルブルと身体の震えが止まらなくなった。



「ねえ、ママ、早くぅ〜。由香ちゃんも、卓巳くんも、もう行っちゃったよ、ねえったらぁ!」
品評会の喧騒から一夜明けた日の夕刻、庭先で浴衣を着せた娘と二人、響子の身支度が整うのを待っていた。
その日は近所の神社の境内で行われる盆踊りの日で、行く夏を惜しむという形で毎年八月の末に行われるこの盆踊りに、揃って浴衣で出かけるのが我が家の夏の恒例行事になっていた。
「ごめん、もうちょっとだから、待ってぇ」家の中から響子の声が聞こえた。
「しいちゃんさぁ、そんなに慌てて行っても盆踊りまだ始まってないよ」
「だって、早く行かないと金魚掬いの金魚さんも、ヨーヨーもみんな持ってかれちゃうよ」
「アハハハッ、なんだ、しいちゃんのお目当てはそっちかぁ。大丈夫だよ、そんなに早くなくなったりしないよ」
しばらくして、玄関に浴衣姿の響子が現れた。
「詩織ごめんねぇ、おまたせ、おまたせ」下駄箱に片手をかけ、並べてあった下駄を履く。
「ママきれい!」
「へへっ、どうもありがとう。さあ行こうか」と響子が詩織の手を引いた。

「そんな浴衣もってたっけ?」響子の浴衣を眺めながら私が言った。うすい茜色の生地に赤いトンボが飛びかっているという、夏の終わりのこの時期に、なんともふさわしい浴衣であった。
「うん、ずいぶん長い間、箪笥の肥しにしてたんだけど、一度着て見ようと思って」
「ふ〜ん。でもよく似合うよ。一番いいんじゃないの。なんで着なかったの?」
「う、うん、なんとなくね・・・」

私は、響子の浴衣姿が大好きだった。付き合って間もない頃だった、何度目かのデートで花火大会に出かけた時、初めて響子の浴衣姿を見た。
「なんですか?そんなにジロジロ見て。そんなに浴衣がめずらしいですか?」
「い、いや。だって、あんまりいつもと違うから・・・」
初めて響子とくちづけを交わした、生涯忘れらない日である。

それにしても、なんて浴衣姿の似合う女なんだろう。子どもを産んでも少しも変わらない。それどころか年々艶やかさが増していくようだ。神社までの道すがら、浴衣姿の妻を見て、何人もの男が熱い視線を投げかけていく。“どうだ、オレの女房だぞ、羨ましいか” そんな誇らしさを感じながらも、その浴衣の裾を捲り上げ、伊能の巨根を咥えこんでは淫らに悶え狂う妻の姿を思い描き、激しく胸を焦がす自分がいた。

「詩織ぃ、走っちゃ駄目よ」
「パパ、早くぅ、こっちこっちぃ!」
「はいはい、今いくよ」
神社の鳥居をくぐると、詩織が一目散に金魚掬いの屋台の前まで駆けて行った。
「うわあ、金魚さんまだいっぱいいるぅ」
「ほらね、パパが言ったとおりだろ」
「うん」
「たくさん掬えたら、明日金魚鉢買いに行こうな、しいちゃん」
「ほんと?!やったぁ。しいちゃん頑張る」
「よおし、パパも頑張るぞ!」言いながら浴衣の袖をまくりあげた。
「あなたしっかりぃ」後ろから響子が声援を送る。
「ママぁ」
「なあに?」
「おしっこ」
「えっ?!、もう、なにか始めようとするとすぐそれなんだからぁ。あなた、ちょっと連れて行ってくる」
「ああ」
「パパ、頑張っていっぱい掬っといてね」
「まかしとけって」

もしもこの時、詩織が「おしっこ」と言わなかったら・・・、もし響子ではなく、私が詩織をトイレへ連れて行っていたら・・・、私達家族にあのような悲劇は訪れなかったかもしれない。今更ながら私達に降りかかった数奇な運命を呪わずにはいられなかった。この一ヶ月の後、私はまさに劇的な形で、ある驚愕の事実を知ることになる。


「パパ、踊らないの?」
「うん、しいちゃん先にママと踊っておいで。パパも後で行くから」
「じゃ、詩織行こうか」 響子が詩織の手を引き、踊りの輪の中に入っていった。

「あの小さな女の子と踊っているご婦人は誰かな?」「高梨さんとこのお嫁さんよ」「ああ、あれが高梨とこのぉ。きれいな人だねぇ」「でしょう、うちの啓介にもあんなお嫁さんが来てくれたらねえ」
後ろにいる老夫婦の話し声が聞こえてきた。踊りの輪の中で、響子の美貌は一際目を引いた。ときおり後ろでちょこまかと踊りの真似事をする詩織を振り返り、やさしい笑顔を送っている。
“きれいだよ、響子。愛しているよ・・・”
溢れるほどの思慕の念と、それゆえ涌きあがる加虐の心。そんな倒錯した思いに酔いしれながら、私は何も知らず娘と二人、踊りつづける妻の姿を見つめていた。


「どうした?具合でも悪いのか?」
ひとしきり踊りを楽しんだ後の神社からの帰り道、さっきからなぜか無口な響子の様子が気になっていた。
「ううん」と響子がかぶりを振り、「なんだか踊り疲れちゃったみたい。去年まではあれぐらいなんでもなかったのに。やっぱり三十超えちゃうとだめねえ。すっかり体力も落ちちゃって」と微笑んだ。
「ねえ、ママ、さっきのお兄ちゃんだあれ?」
「え・・・?!」
詩織の言葉に、響子が狼狽したように妙な瞬きをした。
「しいちゃん、なにそれ?」響子のあまりに動揺した様子が気になり、私が娘に尋ねた。
「さっき、おトイレ行った時、しいちゃんがおしっこ終わって出てきたら、ママがしらないお兄ちゃんとお話ししてたの」
“まさかっ?!伊能じゃ?!”
「だれなの?」何食わぬ顔を装いながら、響子に尋ねた。わずかに語尾が震えた。
「え、う、うん知らない人。浴衣お似合いですねって、声かけられちゃった。へへっ」と引きつった笑いを浮かべた。
「詩織、どんなお兄ちゃんだった?」
「それが、すっごいかっこいお兄ちゃんだったよ。背がこ〜んなに高くって」詩織が片手を上にあげ、ジャンプしてみせた。
伊能だ!早くもヤツが動きだしたんだ。身震いが全身を駈けぬけた。今日から響子へのアプローチが始まるのだ。その初日から早くも伊能が始動したのだ。それにしても、響子のこの狼狽ぶりはなんだ?ひょっとして、もうすでにヤツの手に落ちてしまったというのか?!
私は立ち止まり、詩織の手を引いて歩く響子の後ろ姿を眺めていた。


「詩織ぃ、花火振り回しちゃだめよ。浴衣に燃え移っちゃうと大変よ」
帰りに寄ったコンビニで詩織にせがまれ花火を買い、さっそく家の前で三人で楽しんだ。
「ママ、これ見て!きれいでしょ!」
「あらほんと、きれいねえ。でもママはやっぱりこれが好き」
そう言って響子が線香花火に火をつけた。いっとき、シュウッと激しく燃え立ち、響子の白い頬を茜色に染める。
「夏も終わりねぇ」
「うん・・・」
音も無く最期の一花を咲かせる線香花火を片手に、響子が小さく呟いた。
“いいや、まだ終わってないぞ響子・・・。オレ達の熱い夏はこれから・・・これから始まるんだぞ響子ぉ・・・・”
線香花火の淡い光に照らされた響子の横顔を、二人の私が見つめている。消火用の水を入れたポリバケツの中で、晩夏の月が揺れていた。

[860] 品評会18 投稿者:ミチル 投稿日:2003/01/01(Wed) 01:43      

あの盆踊りの夜を境にして、響子の様子が一変した。口数がめっきりと減り、いつもの笑みが消え、なにか黒いベールで全身を覆い隠しているような、そんな正気のなさを感じさせるようになった。

「しいちゃんママ嫌い」
風呂に入れている時であった。詩織の口から突然、そんな言葉が飛び出した。
「どうしたんだい?、世界で一番好きなのはママなんだろう」
「今は、パパが一番だよ」
「そりゃうれしいなぁ。パパは絶対一番にしてくれなかったもんなぁ。でも、どうしてママのこと嫌いなの?」
「だってママ、この頃すっごくこわいんだもの」
「そうかぁ。でも、しいちゃんがお利口さんにしてたら、ママはおこんないだろ?」
「ううん」と詩織は首を振り、「このごろママずう〜と怒ってるもの。昨日なんか、ほんのちょっぴりご飯こぼしただけで、ほっぺひっぱたかれたんだよ」
「ええ?!、ほんと?」
「うん、ほんと。すっごく痛かったんだから」
まさか響子が子どもに手をあげるなんて・・・。これまでの彼女では考えられないことであった。


「おまえ、詩織ぶったのか」
夕飯を終え新聞を広げながら、キッチンで洗い物をしている響子に声をかけた。
「え?、ああ、うん。あの子、このごろわがままがひどくって・・・」
「でも、なにもぶたなくてもいいだろう。しかも顔をぶったって言うじゃないか。詩織は女の子だぞ」
「女の子だって、甘やかしてばかりいちゃだめよ。たまには厳しくしないと・・・」
「それなら口で言って聞かせろよ。体罰はよくない」
「毎日、毎日、髪振り乱して子育てしてるのよ!あたしだってたまにはカッとなることだってあるわ!」
「響子・・・」
突然の響子の激昂に面食らった私は、返す言葉もなく、ただ彼女の顔を見つめていた。
「ごめんなさい・・・」と響子が俯き、呟くように言った。
「おまえこの頃ちょっと変だぞ。身体の具合でも悪いんじゃないのか?」
その原因を作っているのはきっと私だ。言いながら自分の悪党ぶりに呆れていた。
「ううん、平気よ。ちょっと疲れてるだけ・・・。えらそうなこと言ってほんとにごめんなさい・・・」
瞳に溢れんばかりの涙を溜めながら、響子がうなだれた。
「あ、ああ・・・」
“間違いない。響子はすでに伊能の手に落ちてしまっている・・・”
この一件で、はっきりとそう確信した私であったが、この数日の後、ついにそれを裏付ける決定的な出来事が起きた。


その日私は、妻の裸身を伊能への激しい嫉妬のほむらを燃やしながら組し抱き、その悦楽の余韻の中でひさかたぶりの安眠の床についていた。
夜中にふと目を覚まし、隣の床を見てみると、響子の姿がなくなっている。
“どこへいったんだろう?”
その向こう側で、詩織がスースーと寝息をたてている。
“まさか、伊能と連絡を取り合ってるんじゃ・・・?!”
疑いというよりも、直感的にそう確信した私は、その現場を盗み見たいという激しい衝動に駆られ、静かに床を這い出した。
二階に気配はなかった。ドクドクと心臓が肋骨をたたく音が響く。私は、できるだけ足音を立てないように気をつけながら、ゆっくりと階下へ向かった。
一階まであと一、ニ段というところだった。リビングから聞こえてくる妖しいうめき声に足を止めた。
「あ・・・ああん・・・あう・・・」
それは、紛れも無く響子のあのときの声であった。
“響子、おまえ・・・?!”
オナニー?
私との勤めを終えた後で、伊能とのセックスを思い出しながら、満たされない身体を自ら慰めている?!
いやテレフォンセックスか?!
携帯電話を片手に、伊能の声の愛撫を受けながら悶え狂っている?!
私は、階段に腰を下ろし、次第に高まっていく妻の喘ぎ声に聞き耳をたてながら、股間に右手を忍ばせていった。
九月も十日を過ぎたというのに、夏がぶり返したように、やけに蒸し暑い夜の出来事だった。



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863] 品評会19 投稿者:ミチル 投稿日:2003/01/05(Sun) 17:51      

響子へのアプローチが始まってから半月が過ぎた。私の心と身体は早くも限界に近づいていた。夜はほとんど眠ることができず、ベッドの上で数限りない寝返りをうったあげく、結局そのまま朝を迎えてしまうことが何度もあった。仕事も全くといっていいほど手につかなくなり、つまらないミスを連発した。
「君を課長に推薦したのは、私なんだからね。しっかりやってくれなくっちゃ困るじゃないか」
部長に呼び出され叱責まで受ける始末だった。だが、最早自分ではどうすることもできなかった。考えまい考えまいとすればするほど、ついつい想像がそちらの方に転がって行ってしまうのだ。
“今、この時間に伊能の腹の上であられもない声をあげているんではないか・・・。あの四人の男達のペニスを次ぎから次ぎへとしゃぶらされているんではないか・・・。常にそんなシーンが頭の中を渦巻いていて、堪らず会社のトイレにかけこんで、自慰に耽ることも一度や二度ではなかった。
仕事は決して暇ではなかったのだが、とても残業などする気にはなれず、定時を過ぎると一目散に家へ飛んで帰り、寝るまでの間、始終響子の一挙手一投足を盗み見ていた。
新見も掘田も、一様に女房の様子にほとんど変化はないと言っていた。がやはり響子はあんな目に遭って平然としていられる女ではない。私を裏切ってしまったという自責の念に苛まれ、日々思いつめているのであろうか。日を追うにつれ、その様子はどんどんとおかしくなっていった。
“こりゃまずいぞ・・・。『取り返しのつかないことになる』か・・・。ほんとにこのままじゃ、家庭がめちゃめちゃになってしまう・・・。早く伊能に中止の要請をしなければ・・・”
がその度、私の中の淫魔がそれを懸命に阻止しようとした。
“見たくないのか!?紀子のように伊能にハメ狂わされた響子の姿を見たくはないのか!?ヒーヒーと鳴き喚きながら、施しを請う浅ましい姿を見たくはないのか!?”
結局最後には、そんな淫らな囁きに屈し、もう少し、もう少しだけと自分を納得させてしまうのであった。

“紀子のように伊能にハメ狂わされる”、“ヒーヒーと鳴き喚きながら、施しを請う”か・・・。
そう、あの時の紀子の狂態はまさに獣そのものであった。その凄惨な映像は、半月たった今も、しっかりと私の網膜に焼き付いていた。


『その前にちょっと、拡張しとかなくちゃね』
伊能が隆志と正弘に目配せをすると、二人が紀子を抱えあげ、ベッドのコーナーへと移動した。
『いや〜ん!な、なにをするの!?』左右に首を振りながら、紀子が不安な眼差しで隆志と正弘の顔を交互に見つめた。
『サトルのから竜一のじゃ、あまりに差があり過ぎるからね。ちょっとこれでならしとこうね』
ベッドの四隅には、先端に丸い飾りの付いた支柱が立っていた。なんと、そこへ紀子を跨がせようとしているのだ。
『そ、そんな!む、無理よ!い、いやあ!!だめっ!だめぇぇ〜!』
紀子の声を無視したまま、膣口が飾り部分にあてがわれる。
『いや〜!!やめて〜!やめてぇぇ〜〜!ひぃぃぃぃ〜!』
“ジュボッ” 湿った音とともに拳大の飾り部分が紀子の股間に埋めこまれた。
『あがァァァ〜〜!!』ズブズブと支柱が紀子の体内に没していく。
剃毛あとも生々しい赤黒い肉裂と、無機質な真鍮の柱との淫らなコントラスト。見つめる堀田の身体がぶるぶると震えだしていた。
ニ十センチは埋めこまれたであろうか、先端の飾り部分が完全に体内へ隠れたところで、紀子の身体がゆっくりと持ち上げられた。そうして再び先端部分が姿を見せ始めると、またもズブズブと埋めこまれていく。
『どうだい、紀子さん。最高だろ。病みつきなっても知らないよ』抱える隆志が言った。
『あう・・・!はあっ!や・・・あ・・・あぐっ・・・!』
『気持ちよさそうだねぇ。そんなにいいかい?』伊能が歩みより、紀子の顎の先をつまみあげ、言った。
『はあっ!はあっ!はあっ!』激しく喘ぎながら、ガクガクと紀子が頷いた。
『今、なにとファックしてるの?』
『ベ、ベッドの、は、柱です・・・』
『すごいねぇ。でも、もっと奥まで入れてほしいよな。足りないよな、こんなんじゃ』
剃り上げられ青々とした下腹部を撫で上げながら、伊能が言った。
『そう・・・、も、もっと入れてぇ・・・もっと奥まで入れてぇ・・・』
紀子の懇願に応え、隆志と正弘がさらに深々と柱を埋めこんでいく。
『アアアアアアッ!イイッ・・・!あたる!子宮にあたるぅ!!もっと掻き混ぜてぇ!』

『乳首、虐めてあげようか?』
『は、はい・・・お、お願いします・・・』
伊能が親指と人差し指で、左右の乳首を摘み潰した。
『アアアアアッ!感じるぅぅ〜〜!もっとぉ、もっとぉ、力一杯してぇ!』
左右の乳首が平たくへしゃげる。
『ひ、ひっぱってぇ!もっと、もっと・・・・・・、そう、そう!もっと強くぅ!』
伊能が、ひっぱりあげた乳首を紀子の口元へと運ぶ。
『ほら、舐めな』
鼻腔を広げ、はふはふと荒い息を吐きながら、紀子が貪るように己の乳首に吸いついていく。

『そろそろ、ほしい?紀子さん』
『ほしいぃ!ほしいぃ!伊能さんのおちんちんがほしい!』
『よしよし、それじゃそろそろいこうかな』
言いながら、伊能がベッドに仰向けになった。激しくいきり立った怒張が、天をつくようにそそり立つ。
隆志と正弘が紀子を支柱から抜き取る。膣から飾り部分が抜けた瞬間、「あっ!」と紀子が悲鳴をあげた。
『あらあら、こんなにベトベトにしちゃってぇ』
柱の先端部分がベットリと淫蜜に塗れ、てらてらと光り輝いていた。


『さあて、いよいよだよ紀子さん』
隆志と正弘が紀子の股間を伊能のペニスへと運んで行く。
『あっ!あっ!』
膣口をペニスの先端にあてがうと、ゆっくりと紀子の身体を沈めていった。
『ぎゃああああああああっ!!おっきいぃぃぃぃぃぃっ!!』
眉間に深い皺を刻みながら、紀子が天を仰ぎ、叫んだ。
『あっ!!ダ、ダメッ!動かしたらっ!あっ・・・!あっ・・・!』
恐らくヘソのあたりにまで達しているであろう。伊能の巨大ペニスが、最も挿入深度が大きいといわれる騎上位の体位で紀子の体内に埋めこまれている。
『どっちがいいの?紀子さん。旦那のとどっちがいい?』
『く、比べ物にならない・・・こっち、こっちぃぃ〜!!お、おっきいの好きぃ〜〜大好きぃぃぃぃぃ〜〜!!』
隆志が紀子の傍らに立ち、ペニスをその顔に近づけた。微塵のとまどいも見せずに紀子がそれを頬張る。
乳房、腹部、臀部の脂肪をうねうねと波打たせながら、紀子が前後左右に腰をグラインドさせ始める。
『アアアアッ!!気持ちいいっ!!突いて!もっと激しくしてぇ!もっとぉ!もっとぉ!』
『ああいいよ、それじゃこうしてあげる』
伊能が紀子の両のわき腹の脂肪をむんずと掴みとり、彼女の身体を上下往復させ始めた。
『うわああああああっ!!いいっ!いいっ!いいっ!堪らないっ!!』
“パンパンパンパン” 淫らな打音を響かせながら、紀子の臀部と伊能の太股が激しくぶつかりあう。打ちつけられる度、伊能の太股に流れ出た淫汁が、ぴちゃぴちゃと細かな水飛沫を上げた。
『ああっ・・・も、もう、死んでしまう!!いいいっ!!いいっ!!』
結合部分が大写しになる。伊能の巨根が激しく出入りを繰返しながら、溢れ出した淫汁を泡立たせている。

『今日からおまえはオレの奴隷だ!いいな紀子!』
『はいっ!はいっ!う、うれしいです!あたしは、あなた様の肉奴隷でございますぅ!』
『それじゃ、その証しを見せろ紀子』
伊能が紀子の髪を鷲掴みにし、その顔を引き寄せ、言った。
『オレの子種を受け取れるか?』
『は、はい・・・』
『それじゃお願いしろ』
『出して下さいませぇ〜〜!あたしの膣の中に、あなた様の子種を出して下さいませぇぇ〜〜!!』
『よ〜し、それじゃいくぞ、紀子ぉ!』
『はいっ!、はいっ!、出して下さいませぇ〜〜!お願い致しますぅぅぅぅぅぅぅ〜〜〜〜!!』


狂乱する紀子の姿に響子の姿をだぶらせながら、私は、刻一刻と近づいてくるその日に、身震いするのであった。


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[864] 品評会20 投稿者:ミチル 投稿日:2003/01/07(Tue) 23:46      

夜が明けた。結局一睡もできなかった。起きあがり布団の上に胡座をかいた。
「ついにこの日が来てしまったか・・・」
隣で詩織を抱くようにして眠る響子を見やった。手を伸ばし髪を撫で、背中に指を這わせる。
「いったい、どんなことをされたんだい・・・。どこをどんな風に攻められたんだい・・・。どんな過激なポーズをとらされながら、どんな卑猥な言葉を叫けばされたんだい・・・。なあ響子・・・」
指先が腰から臀部にさしかかったとき、突然響子がこちらに寝返りを打ち、ゆっくりと目を開けた。
「ごめん、起こしちゃったか・・・」
「ううん」まどろみの中、口端に僅かな笑みを浮かべながら、軽くかぶりを振ると、
「早いのね・・・。えっ、それともまた眠れなかったの?」と起き抜けのかすれた声で言った。
「ん・・・ああ、まあね。おまえはどうだい?」
「うん大丈夫。ごめんね、心配かけちゃって・・・」
「ああ・・・」
「今日はジム行くんでしょ」
そう訊かれただけで、首の後ろがカッと熱くなった。
「遅くなるの?」
“それはおれが聞きたいよ響子”
「うん、帰りに一杯やろうって誘われててね」
「そう。車なんだから、あんまり飲みすぎないでね」
「ああ、わかった」
それから、夕方の待ち合わせの時刻までの果てしなく長い時間を、ようやくの思いで過ごし、激しい不安と期待を胸に家を出た。


クラブのロビーに着くと、新見が一人、ソファに座ってタバコを吹かしていた。
「おお、主役の登場ですね」腰をあげ、タバコをもみ消しながら新見が言った。
「やあ、しばらく」
「いよいよですね高梨さん。どんな心境ですか?今」
「いやあ、心境もなにも・・・。頭は変な充血感があるし、口は苦いし、腹の中なんだか捩れちゃってるみたいでさぁ、熱もあるよ、たぶんいま・・・」
「アハハハッ、そうでしょそうでしょ。この前の掘田さんの奥さんの姿を見せられたらねえ。そりゃそうなりますよ。へへへっ、あの非の打ちどころのない奥さんが、どんな風にやられちゃったのか、楽しみだなぁ」
「おいおい、まだそうなったとわかったわけじゃないんだぞ」
「でも、あの男のことだ、ヘマはしませんよ。残念ながらというか、めでたくというか、やられちゃってますよきっと」
「うん・・・」
自分でもおそらくそうだろうと確信しているが、他人にそう断言されると、自分の妻がなんだか憐れに思えて、素直に返事をすることができなかった。
「ところで、堀田さんは?」
「たぶん今日は来ないと思いますよ」
「どうして?」
「それが・・・、堀田さんとこ、大変なことになっちゃったみたいなんですよ」
「大変なことって?」
「奥さん、出てっちゃったらしいんですよ」
「え〜?!まさか・・・?!」
「仕事中に奥さんから電話があったんですって。しばらくひとりになって考えたい、その間、子どもたちのことはよろしく頼むって」
「そんな・・・」
「うちの女房がなにか知らないかって電話がかかって来たんですけど、まさかそんなこと女房に訊くわけにもいかないし・・・。藁をも掴む思いだったんでしょうね。堀田さん、かなりパニクってたみたいですよ」
「まぁ、そりゃそうだろうなぁ・・・」
「実は、うちも他人事じゃないんですよ」
「というと?」
「昨日のことなんですけどね、会社から帰ってくると、女房が髪も化粧もぐちゃぐちゃのまま、放心状態でソファに腰掛けてるんですよ。ほんのさっきまでここで淫らな行為が行われていましたっていう匂いが部屋中に充満してて・・・」
「え?!それじゃ・・・」
「そうなんですよ。うちに男を連れこんでるみたいなんですよ」
「とうとうそこまで来たか・・・」
やはりやめておくきだった・・・。あんな男に関わるのではなかった・・・。これはもうゲームの域を越えている。響子もあの様子だといつどうなってしまうかもわからない。三つの家庭が今や崩壊の危機に瀕している。自分の中の淫魔に激しく突き動かされ、ズルズルとここまで来てしまったが、新見の生々しい話しを聞くと、今更ながら激しい後悔の念にとらわれていた。
「来ましたよ」
新見の言葉に、慌てて玄関の扉の方向に目を向けると、ガラス扉の向こう側に仁王立ちする伊能の姿が見えた。私を見つけ、ニヤリと口端に含み笑いを見せると、おもむろにこちらに向かって歩き出した。
ロビーのガラス扉が開く。
一歩、二歩、伊能とわたしの距離が縮まっていく。
ガクガクと膝が震え、口の中がカラカラに干上がっていた。私はまるで最終判決を待つ重犯罪者の面持ちで、目を閉じ下を向いていた。
伊能の歩みが止まる。
うっすらと開いた視界の端に伊能の紺色のスニーカーがあった。
「お待たせしました。さあ、行きましょうか高梨さん」



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[868] 品評会22 投稿者:ミチル 投稿日:2003/01/18(Sat) 00:25      

「え?あ、はいそうですが・・・」響子ではない・・・。私はひどく落胆した声で応えた。
『奥さんのお帰りをお待ちになっているようですが、ひょっとしたら奥さん、今日はお戻りにならないかもしれませんよ』
「なにぃ!?だれだ、あんた!?」
穏やかではあるが、ひどく威圧的な態度に腹立ちを覚え、思わず大きな声をあげていた。
『これは、申し遅れました。私、凪(なぎ)と申します。以前、お宅の奥さんと懇意にしていたものです』
「懇意にしてた・・・」その嫌味な言いまわしが、さらに私を不快にさせた。
「その凪さんがどうして・・・」
『今日は本当に残念でしたねぇ。奥さんの寝取られた姿を見ることが出来なくて。楽しみになさってたんでしょう?』
「な、なんのことだ!?」突然、ギュッと心臓を鷲掴みにされたような気がした。
『品評会ですか。なかなか面白い趣向ですなあ』
「何にぃ?!あんたどうしてそれを?!」
その時だった。電話の向こう側で男のうめく声が聞こえた。
“ぐえっ!、おごっ!も、もうやめてくれ・・・助けて・・くれ・・・!あがっ!ひい〜!”
“伊能?!、伊能の声・・・どうして・・・?!”
『それにしても、自分の女房を他の男に寝取らせて喜ぶなんて、まったく正気の沙汰じゃありませんね。まあしかし奥さんは無事でよかったですねぇ。あやうくAV女優にされちまうとこでしたよ高梨さん』
「AV女優!?」
『ええ、先のお二人の分はもう出来あがってるみたいで、近々発売だそうですよ』
私は男の言っている意味がわからず、口を半開きにしたまま受話器を耳に押しつけていた。
『その完成版のビデオがここにありましてね。えーなになに、“妻物語ボリュームワン、自分の妻を他人に寝取らせる、これほどの興奮が他にあるだろうか”、“中出し、アナル、二本同時挿入、夫の目の前で他人に弄ばれる妻”、“新妻・美咲、括弧仮名。それからもう一本はと・・・えー” 妻物語ボリュームツー“、”中出しに剃毛、つるまんにおしっこをかけられながら悶える妻“、”やらせなし!正真正銘のシロウト妻!“、”熟女妻・紀子、括弧仮名“とまあ、こんな調子ですよ。あなた方三人の間抜けな顔もしっかり撮られてますよ。目線入りでね。奥さん、こんなの見たらなんて言うでしょうねぇ』
ようやく男の言っている意味がわかった。われわれは伊能に嵌められたのだ。最初からそれが目的だったのだ。遊びにしては、手が込みすぎていると思っていたが、まさかアダルトビデオの撮影に参加させられていたとは・・・。
『しかもこれ、闇で裏ビデオとしても出まわるそうですよ。一本三万ですって。高梨さん、あなた犯罪の片棒担いじゃったんですよ』
「そ、そんな・・・」
『先の二人には他の作品の出演依頼が殺到してるらしいですよ。今じゃもう立派なAV女優ですよ。あ、それとこの男、元AVスカウトなんて言ってたらしいですけど、とんでもない。今でも現役バリバリです。なんでもこの作品が監督デビュー作だったらしくて、本人も相当気合を入れてたそうなんですけど。堅気の人間騙くらかしちゃいけないよなぁ。こいつら、どうしても奥さんをものにしたかったみたいで、どうも無理矢理手篭めにしようと計画してるみたいですよ』
「なんだって?!」
『私の大事な響子を、こんな虫けらどもに・・・。まあそんなんで、ちょっと痛い目にあってもらってますよ』
“あう・・・やめてくれ・・・も、もう、いいだろぉ、やめてくれ〜〜!”
伊能の叫び声がさらに逼迫したものになっている。あの自信の塊のような男がこれほど怯えた声をあげるとは・・・。この凪という人物はいったい何者なのか・・・?
『真面目そうなあなたなら、きっと響子を幸せにしてくれてると思ってたんですけどねぇ。八年ぶりに日本に帰って来てみたら、この有り様だ。見損ないましたよ高梨さん』
凪が響子を呼び捨てにしている。
「あ、あんた、一体響子のなんなんだ!?」
『だから、言ったでしょ、昔懇意にしてたものですよ』
「懇意にしてたなんてややこしいいい方しないで、はっきり昔の男だったと言えばいいじゃないか!その昔の男がなんだっていうんだ!響子を幸せにしてくれてると思ったんですけどだとぉ、きょ、響子はオレの女房だ!他人にとやかく言われる筋合いはない!なにをしようと・・・」言いかける私の言葉をさえぎって、男が言った。
『勝手だとおっしゃるんですか?・・・ふざけんじゃねえ!!』
男の声の迫力に、思わず受話器を耳から遠ざけた。
『八年前、オレがどんな思いで響子を手放したか、わかってんのかてめえ!!それを・・・、品評会だとぉ!ふざけんな!女房を他人に抱かせて喜ぶ変態野郎に、響子の亭主を名乗る資格はねえ!!」
一言もなかった。男の言うとおりだった。それはまさに、この三ヶ月間の私の愚行を糾弾する天の声であった。
『もうあんたには任せておけない。響子は返してもらう』
「なんだってぇ!?」
『響子は返してもらうっていってんだよ』
「なにを勝手な。そんなこと、できるわけないだろ!」
『フフフッ・・・』
「な、なにがおかしい!?」
『今、響子はどこでなにをしているんだろうね』
「な、なんだと・・・」
『さっき電話があったから、もうそろそろ着く頃だろうな』
「着くって・・・まさか・・・」
『ああ、今からここへ来るんだよ、響子が』
「響子が・・・そこに・・・そんな・・・!」
『そしてここで、あんたと別れて私のもとへ戻ることを告げるんだ』
「なにをばかなことを!響子がわれわれ家族を捨てて、昔の男のもとへ戻るというのか!あいつはそんな女じゃない!」
『あんたは、オレと響子がどんなに密な関係であったかを知らない』
「なんだとっ!」
『あんた、自分といる響子が本当の響子の姿だと思っちゃいけないよ』
「なにぃ、どういう意味だっ!」
『響子が本当はどんな女か、あんたはなんにもわかっちゃいないって言ってんだよ』
「何を言う!俺は響子の亭主だぞ!響子のことなら、なんでも・・・なんでも知ってるさ!」
『アハハハッ!笑わしてくれるね高梨さん。もう一度言う。今日響子は、あんたと別れて私のもとへ戻ることを告げる。必ずだ。賭けてもいいよ』
「な、なにを・・・!?、あっ!、あんたまさか、品評会のことを響子に・・・!?」
『そんな、姑息な真似はしない。それに七年も連れ添った亭主がそんなとんでもないことを企んでいたなんてこと、響子が可哀想でとても言えないよ』
凪のその言葉に、私はまたもや返す言葉を失ってしまった。

『返してほしいか?』
「なにっ!?」
『響子を返してほしいかって言ってんだよ』
「・・・」
『返してほしいなら、今から奪いに来い!』
「な・・・なっ・・・!?」
『響子の前で、少しは男らしいところを見せてみろ!そんな勇気もないんだろうがっ!この変態マゾ野郎!』
私は、黙って歯を食いしばり、拳を握り締めていた。
『それじゃあな。そこで、昔の男の腹の上でヒーヒーヨガリ声をあげる女房の姿を想像しながら、せいぜいマスでもかいときな!』
「ま、待てっ!」
『ん?少しは怒ったか?この腰抜け亭主が』
「どこへ行けばいい!」
『ほーこりゃ驚いた。来るつもりか?まったくの腰抜けだと思ったが、少しは見なおしたよ』
「あんたと響子がどんな関係だったかは知らん。だが、響子はオレの女房だ!誰にも渡さん!」
響子を失うこと、それは私にとって死に等しい。どんなことがあっても響子だけは手放すわけにはいかない。
男は私に自分の居所を伝え、電話を切った。
あの盆踊りの日から一ヶ月、響子が塞ぎこんでいる理由がこれでわかった。凪に言い寄られて激しく揺れていたのだ。それじゃ、あの夜の喘ぎ声は、凪に対する・・・?それにしても、あああ、なんということだ・・・・。私は思わず両手で頭を抱えこんだ。後悔が汗となって首筋を濡らす。もどかしさで気が狂いそうになってきた。
“オレはなんて愚かな事をしてしまったんだ!”
淫らな快楽のために一番大切なものを失おうとしている。私は、自分の中に巣食う淫魔の存在を激しく呪った。
『へたすりゃ取り返しのつかないことになりますよ』
伊能の言葉が皮肉にもこんな形で現実のものになろうとは・・・。へなへなとダイニングの椅子に座り込んだ。
“響子・・・響子・・・響子ぉ・・・”
涌きあがる激しい思慕に、不覚にも涙が溢れ出た。机の上のタルトケーキの箱が涙で霞んで見える。だが、泣いてる場合じゃない、行かなきゃ・・・。行って響子を奪い返さなければ・・・。私は机の上に置いていた車のキーを握り締め、家を飛び出した。
“響子ぉ・・・待ってろよ・・・今迎えにいくからな・・・”
行く手にとんでもないワナが待ちうけているとも知らず、私は車を一路、凪の住む海沿いの街へと向かわせた。


1] 品評会23 投稿者:ミチル 投稿日:2003/02/01(Sat) 22:14      

「まったく、なんてところに住んでやがるんだ」
目の前にそそり立つ鉄格子を見上げながら、吐き捨てるように言った。立ち向かっていく敵の大きさに対する畏怖の念が口をついて出たのだった。その巨大な鉄格子の遥か向こうに、まるでヨーロッパのシャトーを思わせる建物が見える。
悲痛な思いで家を飛び出し、車を走らせること一時間。カーナビが導いたゴールポイントは、海を見下ろす小高い丘の上に建つ巨大な屋敷であった。
車から出た私は、インターフォンのようなものがないか、門の周りをウロウロと探しまわった。右の門の中ほどの高さのところに「NAGI」の表札が見える。
結局それらしいものは見つからず、はて、ここから大声で叫んでみようかと思っていたときだった。突如その巨大な門が、ギギギッという軋んだ音を立てながら重々しく開き始めた。鉄格子の上にとまっていた数羽の鳥が、一斉に飛び立った。
「おお・・・」
“ギギギッ、ギー” ゆっくり、ゆっくり、門が開いていく。それはさながら、私を飲みこまんと、あんぐりと口を開ける巨大な怪物の姿であった。私は今、無謀にもその体内へ乗り込もうとしているのだ。
“行ってどうなる? それで事態は好転するのか!?” 
わからない・・・。
だが、じっとなんてしていられない。このままやすやすと響子を譲り渡すわけにはいかないのだ。そのためならなんだってやる。なりふりなどかまってはいられない。泣き喚き、地団駄を踏む醜態を見せてもいい。いざとなれば、ヤツと刺し違える覚悟だってできている。響子は私の命だ。この先、響子のいない人生など何の意味があろう。誰にも、誰にも渡すもんか!
そんな悲壮な決意を胸に、私は再び車に乗りこみ、大きく口をあけた“怪物”の中へと突き進んで行った。


屋敷の中へ入ってもさらに道は続き、くねくねと右へ左へ曲がりくねった末に、学校のグラウンドほどはあろうかという広場のような庭に出た。目の前に、門の外から見えていた灰色のシャトーが聳え建っている。その建物の前で車を止めた。
私が車から降りると玄関の扉が開き、一人の男が現れた。
“こいつか?!こいつが凪なのか?!”
男はゆっくりと私に歩み寄り、「ようこそお越しくださいました。旦那様がお待ちです。こちらへどうぞ」と深く腰をおりながら、玄関の方を指し示した。
“凪ではないのか・・”
恐らく執事のような仕事をしている男なのだろう。私はフーッと長い溜息をつきながら歩を進め、男に促されるまま、館の中へと足を踏み入れた。


玄関ホールは、まるでホテルのロビーだった。5、6人の大人が横に並んで昇れるほどの巨大な階段がホールの中央に位置し、右にカーブを描きながら二階へと続いていた。
あまりの威容に呆然と立ち尽くす私を尻目に、男はスタスタと歩を進め、階段の下でチラリと私に一瞥をくれると、「こちらでございます」と階上を指し示しながら、ゆっくりと階段を上っていった。
男の後について二階へあがる。広く長い廊下がまっすぐに伸びていた。玄関ホールがホテルのロビーなら、この廊下はさながら美術館だった。見るからに値打ちのありそうな絵画が、廊下の左右の壁面に等間隔で飾られている。
“何なんだ、ここは・・・!?響子は、こんな屋敷に住む男と関係があったのか?!”
“夢なんだ、きっと・・・。オレは悪い夢を見ているんだ。”

やがて廊下の終点に辿り着き、男が右手にある扉に手をかけた。
「こちらでございます、どうぞお入りください」と男が扉を開けた。私は、男の言葉に従い部屋の中へと足を踏み入れた。
畳にして十畳ほど、この館のスケールからすれば、かなり小さな部屋であった。部屋の真中に、ポツンと椅子が一脚置かれている。奇妙なことにそれ以外、家具や装飾の類は一切なく、まるで無音室のような寒々しい空間であった。訝しく思い、男に話し掛けようと、後ろを振り返った瞬間だった。突然、目の前に二人の大男が現れた。
「な、な・・・・あっ!」
なんと、その大男共が、いきなり私に掴み掛かってきたのだ。
「な、なにをするんだ!?や、やめろっ!」
激しく抵抗するものの、男達の圧倒的な力の前になす術がなく、たちまちのうちに押さえつけられ、部屋の中央にある椅子に座らされた。
「なんのマネだ!離せぇ!」
大男どもが私を押さえつけている間に、案内の男が私の手足を縛りはじめた。手は背もたれの後ろに、足は椅子の両脚に、それぞれ括り付けられ、口にガムテープが貼られた。何のつもりか、頭にはヘッドフォンをかぶせられ、それだけの作業を終えると、男達はさっさと部屋を出て行った。“ガチャリ”とカギのかかる音がした。

“どういうことなんだこれは!? 夢か?、それとも手の込んだいたずらか?”
自分の置かれている状況が理解できないまま、あれこれと思いを巡らせていると、突如、ヘッドフォンから聞き覚えのある男の声が聞こえてきた。
「ようこそ、高梨さん」
凪の声だった。
「手荒な歓待をお許し下さい。今日は是非あなたに、本当の響子の姿を見ていただこうと思いましてね」
“本当の響子の姿??どういうことだ!?・・・・・あっ!、な・・・なんだ!?”
突然、“ウィーン”という軽いモーター音とともに、目の前の壁が左右に割れ始めた。
“なんなんだ?・・・こ、これは一体・・・”
次ぎから次ぎへと起こる到底現実とは思えぬ異常な出来事に、私は何が何やら、全く思考が纏まらなくなってきていた。
開いた壁のすぐ向こうはガラス張りになっていて、その向こう側に巨大な空間が広がっていた。
応接間であろうか、なんとも広い部屋である。天井もおそろしく高い。悠に四メートルはあろうか。部屋の奥には暖炉があり、その前には豪華な織物張りのソファセットがゆったりと配置され、床には見事なペルシャ絨毯が敷かれていた。
そのソファセットの横に、ひとりの男が立っていた。ブロンドの長い髪、ライトグレーのマオカラーのジャケットにアイボリーのスラックス。かなりの長身だった。

「始めまして、高梨さん。凪 ユキトです」
“この男が凪・・・。響子の昔の男・・・”
なんと美しい男なのだろう。伊能の俗っぽい美しさとは違う、一種荘厳な感じのする独特な美しさを全身に漂わせていた。
「そろそろ、響子が着く頃です。そこから、じっくりと私達の性戯を楽しんで下さい」
“性戯を楽しむ??まさか、そんな・・・!?”
「心配要りませんよ。こちらからそっちは見えませんから。それ、只のガラスじゃないんですよ」
“???”
「マジックミラーですよ」
“マジック・・・ミラー・・・”
「うちの父が、あなた方と同じ人種でねぇ、自分の愛人を他の男に寝取らせて、そこから覗き見てたんですよ。そのためにわざわざそんな部屋を造ったんですから、ほんと筋金入りの変態ですよ。他に寝室もこんな造りになってましてね。でも、まさかその部屋がこんな面白いことに使えるとはねぇ。始めて父に感謝しましたよ」
言いながら、凪がゆっくりとソファに腰を下ろし、足を組み上げた。
「私には、あなた方のような人種が全く理解できなくてね。もう、見てるだけで虫唾が走るんですよ。だからね、ちょっと虐めてやりたくなるんだなぁ、これがぁ」
そう言って、低い声で笑った。
「椅子に縛りつけられ、身動きがとれないうえに、声も出せない。目の前では、最愛の妻が他の男のイチモツを咥えこみながら獣の嬌声をあげ、随喜の涙に濡れそぼる。あなた方にとってはまさに涎の出る最高の演出でしょ。楽しみにしてた品評会がおじゃんになっちゃったんだ。その分まで、たっぷりと楽しんで下さい。ビデオなんかとは桁の違う本物の興奮を味あわせてあげますよ。なんたってライブなんですからね、ライブ」
そう言った後、凪の眼差しが鋭くとがり、
「決して快楽なんかじゃない。心底愛しいものを他人に奪われるということが、どんなに辛く、苦しいことか、骨の髄にまで、たっぷりと味あわせてやるよ」と、吐き捨てるように言った。

その直後だった。扉をノックする音が聞こえてきた。
「なんだ?」
「旦那様、響子様がお見えになりました」
“なにっ・・・!響子が!ほ、ほんとに、来たのか・・・。響子・・・”

「さぁ高梨さん、品評会最終章、只今開演だよ」
ヘッドフォンからの凪の囁きに、背筋が凍った。



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[4] 品評会24 投稿者:ミチル 投稿日:2003/02/08(Sat) 04:00      

右の扉が開き、さきほどの案内の男が入って来た。
男は開いた扉のノブに手をかけながら、左手で室内を指し示し、訪問者を招き入れる恰好を見せた。

“本当に・・・本当に響子がここに・・・”

これが誰かの手の込んだいたずらで、実は響子はすでに友人との用事をすませ、詩織と一緒に家に帰って風呂にでもつかっているんではないか。ああ、そうであったらどんないいいだろう。
ことここに及んでも、いまだそんな儚い望みにすがりついていた私であった。だが、その望みが無残に打ち砕かれてしまうのに時間はかからなかった。その僅かの後、扉の陰から響子が姿を現したのだ。

「響子・・・おまえ・・・どうして・・・・」

胸がU字に切れ込んだクリームイエローのワンピースを身にまとい、響子がおずおずと部屋に入ってきた。ほんの数時間前まで一緒にいたはずなのに、もう長い間逢っていないような奇妙な錯覚に囚われていた。
「やあ、遅かったね。心配したよ」と、凪がソファから立ちあがった。
俯き、両手を軽く身体の前で重ね、黙りこくったまま響子が扉の前に佇んでいる。
「さあ、そんなところに突っ立ってないで、こっちに来てすわってよ」
凪に促され、「失礼します」と消え入るような声を発した後、響子がゆっくりと歩き出した。
私の目の前を横切り、凪の向かい側のソファに腰を下ろす。俯いた横顔が蒼ざめて見えた。
右に凪、左に響子、私の目の前で二人が対峙した。

「ちっとも変わらないね響子。こうして君がそこにすわっていると、まるで八年前にタイムスリップしたみたいだよ」
響子が相変らず固い表情のまま、下を向いている。

「決心してくれたんだね」

凪が乗り出すように両肘を膝の上にのせ、両手を組み合わせながら言った。
“どんな・・・どんな答えを用意して来たんだ響子・・・”
ドトッ!ドトッ!心臓の音がはっきりと聞こえてくる。緊張のあまり、腋の下がじっとりと汗で濡れてきた。

「誤解されては困ります。今日は、もうこれ以上あたしに構わないでほしいということを伝えにきたんです」

顔を上げ、カッと目を見開き、響子が言った。これほど頑なな表情をした響子は見たことがなかった。
“やった・・・。”その瞬間、全身の力が抜け、心の底から明るい気分がふつふつと湧き出してくるのを感じた。
“ありがとう響子・・・。やっぱりおまえは私の知っている響子だった・・・。ありがとう。ありがとう”
心の中で何度も礼をいい、目頭を熱くした。

「フフッ・・・きっと、そう言うだろうと思った」
そう言って、凪がローテーブルの上に置いてあったシガレットケースを持ち、響子に向けて差し出した。
「いらない」
「やめたのか?」
“タバコっ・・・?、響子はタバコを吸っていたのか?”
次ぎの瞬間、響子が意を決したように、顔をあげ叫んだ。
「あたしは変わったの!もう凪さんが知ってるあたしじゃないの!あたしは高梨響子なの。もう君原響子じゃない!」
その響子の激昂をこともなげに受け止め、凪が言った。
「変わった・・・、いや変わったと思っていた。一ヶ月前、オレに再会するまでは。そしてこの一ヶ月の間に、結局あの頃のまま、なんにも変わっちゃいない自分に気づいた」
「何言うの!、違うわ!それに、あのときのあたしを本当のあたしと思わないで!あの時は病気だったの。あなたという病原菌に冒された病人だったのよ!」
「病原菌か・・・よく言ってくれるよ。その病原菌にもう一度冒されたくて、こうして訪ねて来たんじゃないのか」
「ばかなこと言わないで!自信過剰もそこまで行くと滑稽ね」
「あの盆踊りの夜に声をかけてから今日までの一ヶ月、どうやって過ごした?憂い、戸惑い、苦しんで、昔を思い出しながら、一人悶々とした日々を過ごしていたんじゃないのか。亭主とのセックスの後で、満たされない身体を一人で慰めてたんじゃないのか!」

“盆踊りの夜・・・・?そんなことがあったのか・・・いつ???・・・・・・あっ・・・!あのとき・・・、詩織の言ってた・・・”
『それが、すっごいかっこいいお兄ちゃんだったよ。背がこ〜んなに高くって』
“お兄ちゃんて・・・あの時はてっきり伊能のことだと思っていたが・・・そうか、この男のことだったのか!”

凪の言葉に動揺したのか、響子の目が落ち着きを失った。実際、凪の言葉は、いみじくもこの一ヶ月の響子の様子を要約していた。
“やはり、あの夜の自慰行為は、この男とのセックスを思い出しながらのことだったのか・・・。それにしても、私の知らない響子とはいったい・・・?”

「図星だな。きみは、なんにも変わっちゃいないんだよ響子。病気なんかじゃない。あれがほんとのきみの姿なんだよ」
「違う!勝手なこと言わないで!」
「きみの身体はオレにはまるように出来てるんだよ。きみはオレと融合するために生まれてきたんだよ響子。回り道をしたけど、オレたちは、こうして結ばれる運命にあったんだよ」
「どうして私があの人と別れなくちゃいけないの?!私はあの人を愛しています。あの人は・・・」
「だめだ、あの男はおまえを幸せにすることはできない」響子の言葉を遮り、凪がきっぱりと言った。
「なぜ?!私は高梨といて幸せなの!あの人は心の底からあたしを愛してくれているわ!あたしは今の生活がいいの!もうあの頃には戻りたくない!お願いだから私のことはほっといて!」

響子を傷つけたくないと、品評会の件は伏せると言っていた凪であったが、このまま響子が頑なな態度をとり続けていると、結局最後には伝家の宝刀のごとく、それを暴露するに違いない。そうなると破滅だ。私はなにもかも失ってしまうことになる。
“あの人は心の底からあたしを愛してくれているわ!”
響子の言葉に、あらためて自分のしでかした事の愚かさに身がすくむ思いがした。私はただ、身体を縮こませ、ことの成り行きを見守るしかなかった。

「君はまだ裕子のことを気にしているのか?」
「関係ない・・・」
「あれはオレ達の責任じゃない」
「いいえ!裕子さんを・・・、あなたの奥さんを死に追いやったのは、あたし達よ!あたし達が彼女を殺したようなものよ!」
「違う!、違うよ響子・・・、あれは裕子が・・・」
「あの日、離れの鴨居にぶら下がった裕子さんを見た瞬間、あたしの中ですべてが燃え尽きてしまったのよ・・・」
「きみのせいじゃない・・・」
“鴨居にぶら下がるぅ?!首吊り自殺・・・?!奥さんを死に追いやった・・・不倫・・・?”
そんな衝撃的な体験をしていたのか・・・?!穏やかな家庭に育ち、私同様いたって平凡な人生を歩いてきたと思っていた響子が、こんな屋敷に住んでいる男と深い関係にあり、その上かほどの愛憎劇を演じてきていたとは・・・。手を伸ばせばいつも手の届く存在だった響子が今、はるか遠い存在になっている。

「運命を感じないか?」凪が言葉を続ける。
「運命?」
「そうだ。八年ぶりに日本に帰ってきたその日に、偶然君に逢うなんて、しかも一番好きだった浴衣姿の君に逢うなんて。その上、その浴衣が僕がプレゼントしたものときてる。これが神の思し召し以外のなんだって言うんだい?」
“そうだったのか・・・あの盆踊りの日・・・あの赤トンボの描かれた浴衣が・・・”

「どう思っていただこうとそれはあなたの勝手です。でもそれに私を巻き込まないで下さい!何度も言うけど、今の私には高梨との幸せな生活があるんです。お願いだからもうそっとしておいてください!」
響子の声に怯えが感じられた。まるで声に出して拒否の言葉を吐きつづけなければ、凪の魔力に吸いこまれてしまう。そんな畏怖の念が響子の声帯を震わせ、言葉となって吐き出されているように思えた。

「とにかく、そういうことですから、あたしはこれで失礼します」響子がソファから立ちあがった。
「さようなら、もうお会いすることはありません。お元気で」と、小走りに入り口の扉へ向かう。

「おまえ、本当にそれでいいのか!」

凪の叫びに、扉の前で響子が立ち止まった。
「おまえはよくても、それでおまえの“身体”を納得させることが出来るのか!?」
俯き、両肩をいからせながら、響子が両の拳を握り締めていた。
立ちあがり、凪が一歩、二歩、響子に近づいていく。怯えきった表情で響子が振り返って凪を見た。

「こ、来ないで!」響子が叫んだ。

その叫びを無視したまま、凪がじわじわと響子との距離を縮めていく。
それとともに、響子がズルズルと後ずさり、やがては背中が扉につくまでに追いこまれてしまった。

「来ないで!お願いだから、来ないでぇ!来ちゃだめっ!」

凪は響子の目の前に辿り着くと、その顔を挟みこむようにして、両手を扉につけた。
「あああ・・・・」
眉間に深い溝を刻み、固く瞳を閉じながら、響子が斜め下に顔を伏せた。ピクピクと睫の震える様子が見える。
凪が、ゆっくりと響子の髪に顔を埋めていった。
「ああ・・・懐かしい・・・響子の香りだ・・・」
“やめろ凪!それは・・・それはオレの香りだぞぉ!!”
顎の先に指をあて、凪が響子の顔を持ち上げた。眉間の皺がさらに深くなり、ガクガクと膝を振るわせる響子の姿を、私は祈る思いで見つめていた。
“逃げろ響子ぉ!何をしている!は、早く逃げるんだ!このままじゃ・・・きっと・・・あっ・・・!や、やめろ凪ぃ!”
固く結ばれた響子の唇に、凪の唇が近づこうとしていた。

運命の時は、すぐそこに迫っていた。



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901] 品評会25 投稿者:ミチル 投稿日:2003/02/22(Sat) 03:11      

“や、やめろっ!凪っ!おれの女房になにを・・・!”
私は堪らず、渾身の力を込めて身体を前後左右に捩った。ドタバタと椅子が激しく揺れ動く。
“こんちくしょう!やめろ!ああ、やめろ!”
だが、所詮は無駄な努力であった。固く締めつけられた縛めはびくともしない。
“逃げろ響子!なにをしてるんだ!はやく逃げろぉ!”
私の混乱をあざ笑うかのように、凪の唇が殊更にゆっくり、ゆっくり響子の唇に近づいていく。
“やめろっ!ああ!やめろ凪ぃ!”
あとわずか数センチのところだった。そのまま響子の唇に重ねられるものだと思われた凪の唇が、突然
方向を変えた。
「あっ!!」
次ぎの瞬間、感電したように響子が激しく身体を震わせた。凪が響子のサイドの髪をかきあげ、耳たぶに
しゃぶりついたのだ。
「あああ・・・いやぁ・・・」
固く閉じられていた口元が緩み、響子が溜息とも、喘ぎとも、分かちがたい声を吐き出した。
「はあああ・・・うううう・・・」
“ぴちゃぴちゃ”と淫らな水音を響かせながら、凪が響子の耳たぶを丹念にしゃぶっている。
響子の耳には、去年の誕生日に私がプレゼントしたピアスが飾られている。凪の舌の上で、私の“思い”
がコロコロと転がっていた。

“ちくしょう・・・!あああ・・・”
耳たぶにしゃぶりついたまま、後ずさりしながら、凪がソファの位置にまで響子を引き戻して行った。
両肩を掴まれている響子がヨタヨタと足を引きずって行く。
「いや・・・やめて・・・離して・・・」
身体をくねらせ、激しい抵抗を繰り返す。
ところが・・・。
凪の唇が耳から首筋に滑り落ちた瞬間だった。響子の様子が一変した。突如として身体の動きが緩慢
になったのだ。
「ああ・・・や・・・・め・・・・・て・・・」
著しく声のトーンが下がっていく。
「ここは滅法弱かったよなぁ」うなじに舌を這わせ、熱い吐息を吹きかけるようにして凪が言った。
「はあっ!だめ・・・!ああぅぅぅ・・・」
凪の愛撫に響子の身体の捩れがどんどん緩やかになっていく。 
“なんだ?!どうしたんだ、響子ぉ!さっきの強気はどこへ行ったんだ?!”
まるで吸血鬼だった。凪は見る見るうちに響子の首筋から精気を吸い取り、さっきまでの強気の態度を急
速に萎ませていった。
「あううっ・・・」
私の目の前で、凪が響子の身体をやさしく解体していく。
「はあっ・・・ん・・・んっ・・・だ・・・め・・・」
執拗な攻撃に響子の身体がどんどんと溶け出していくのが手に取るようにわかった。
“頑張れ響子ぉ・・・!このままじゃ、凪の思うツボじゃないか・・・!”
いつしか私は、まるでKO寸前のボクサーに声援を送る観客よろしく、凪の巧みな攻めによって陥落を間
近に迎えた響子の憐れな姿を見守っていた。

凪の手が背中のファスナーにかかる。
「いや・・・・やめ・・・て・・・」
焦らすように、じわりじわりと引き下げていく。
凪が、私の気持ちを逆なでしようとしているのは明らかだった。

凪の手がワンピースの襟元にかかる。
「さあみせてくれ、おまえの本当の姿を」
言いながら、かろうじて両肩にひっかかっているだけになったワンピースを勢いよく引き下げた。
「ああああ!いやああ!」
まさに一瞬の出来事だった。下着姿にされた響子が両手で胸を抱えながらその場にうずくまった。
「いや・・・・・いや・・・・・いや・・・・」
うめくような声を吐きながら、ガタガタと体を震わせている。
「響子ぉぉぉ・・・」

そうしてしばらく、うずくまる響子を見下ろしていた凪が、おもむろに次なる行動に出た。
「さあ、はじめようか響子」
手を引き再び響子を立ち上がらせると、その両手を高々と持ち上げた。
「あああ・・・・」
“なぜだ!?なぜもっと抗わない!”
まるで操り人形のように凪にされるがままになっている響子がもどかしく、また不可解に思った。
凪の言うように、本当に響子は、ヤツに犯されるためにここへやって来たのだろうか?

「あああ・・・うううう・・・・」
凪は、左手の中に響子の両手を結わえると、腋窩の窪みに舌を這わせた。
「あああああああああっ・・・!はううあああああ!い・・・や・・・・あああああ」
突然響子がそれまでとは異質な声で鳴き始めた。
「相変らず、ここが弱いのか響子」
「ああああ・・・・だめ・・・!ああああ・・・・」
時折、軽い甘噛みを加えながら、ねっとりと凪の舌が響子の腋の下をしゃぶりつくして行く。
「あああうあああ・・・はああああ!だめ、そこはっ!あうああ!」
響子の腋の窪みに凪の唾液のきらめきを見た瞬間、突如として私の中にとてつもない興奮の波が
押し寄せてきた。
「ん・・・んん・・・・ん」
うめき声を上げながら、許される範囲で腰を前後に微震させた。とてもじっとしていられる状態では
なかった。じゅくじゅくと溢れ出したカウバー腺液によって、下着の中が冷たくなっていた。


「あああん!もう・・・もう・・・だ・・・め・・・」
「ほら、腋だけでイクのか響子。ほら、ほらっ、これならどうだ」
言いながら、凪が長い舌を思いきりつき出し、乳房の膨らみから、腋の窪み、肘のあたりまでを一気に舐めあげた。
「いやあああああ・・・・や、やめて・・・いや・・・」
空いている手が純白のブラジャーに包まれた乳房に近づいていく。
“あああ!さわるな!やめろ!“
凪の指先がブラジャーに触れる。
「ああああ・・・・」
カリカリと指先で布越しの乳首を刺激する。
「くふっ!はあああ!」
まるで、SMの攻め技のような愛撫だった。凪の手にぶら下げられ、響子があられもない声を上げながら、
くねくねと体を捩じらせている。
凪の手がブラのホックにかけられた。
“ああああ・・・逃げてくれぇぇ!響子ぉぉ!もう・・・これ以上は耐えられない・・・・”

最愛の妻が他の男に寝取られる・・・。
積年の夢が、皮肉にもこんなにも最悪の形で、現実のものになろうとしていた。
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