子供の頃、父が飲んだくれだった我が家は極度の貧乏だった しかし明るい母は4人の子供とアル中の父を抱え朝は築地の魚市場、 昼は貝類加工場、夜は寿司屋の店員と3つの仕事をこなしていて 寝てる間に帰って来る、目が覚めるともういないの繰り返しで 1週間のうち、貝類加工場が休みの土曜日の昼間だけしか顔を見る事が 出来ない毎日だった。そんなある土曜日、母がまだ就学前だった私を 野草摘みに連れて行ってくれた。普段、母と過ごす時間が無い私には 春の野原で母と2人、つくしやフキを積んだ事が本当に楽しく嬉しかった。 それから数十年が経ち飲んだくれだった父は他界し子供達も大きくなった。 今では昔の苦労が嘘のような楽隠居生活を送る母に、ふっと野草積みの事を 思い出し「あ〜ちゃん(母の事)と野草積みに行ったよね!普段は顔も 満足に見られなかったから、あの時は本当に楽しかった!」と何気なく 言った私に「あの頃は貧乏だったからね…。あんな野っ原に生えてる 草まで食べさせて…すまなかったね。」と母が泣いた。 子供だった私には、ただの楽しい野遊びだったけど母に取っては 子供達を飢えさせない為の苦肉の策だったんだね。ありがとう。 それ以来、毎年この季節になると、あの楽しかった野草積みを 思い出しては、ちょっと胸がつまる…あ〜ちゃん長生きしてね! 出典:? リンク:? |
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