281 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/16(月) 14:20:49 窓からの光が、室内の塵に反射して瞬く。無機質で、どこか寒々しい病室。 そこに、ルパンがいた。 薄水色の病院服の上に赤いジャケットを羽織り、ベッドの上に腰掛けていた。 大きく息を吐くと、銭型は病室へと足を踏み入れた。ルパンを、逮捕するために。 捕まえる? この今にも死にそうな病人を? 長年夢見てきた事だというのに、銭型にとってそれは既に無価値だった。 「よく来たなぁ、とっつぁん」 人を食ったような態度でルパンが声をかける。 掠れきった声、扱けた頬、体中に繋がれたチューブは心電図へと繋がっている。 かつての面影は、ほとんど残っていない。 そこにいるのは、死を目前に控えた一人の病人だった。 「ルパン、何で貴様がこんな……」 「天下の大泥棒にも、勝てない物があったってことさ」 「一生をかけて追い続けて来て、こんな幕切れとはな」 「そんなら見逃してくれよ、とっつぁん」 「そればかりは出来ん相談だな。ルパン、貴様を……貴様を逮捕する」 「ごめんだね。俺ぁ逃げるぜ」 「今の貴様に何が出来る」 銭型の言葉に、ルパンはにやりと笑った。 「どうかな?」 ジャケットから取り出したのは、ワルサーP38。それを自らのコメカミに押し付けて言った。 「あばよ、とっつぁん」 銃声がコンクリートの壁に反響する。急激に乱れた心電図は、数刻の間にフラットとなった。 してやったり。 銭型の脳裏に焼きついたルパンの最期は、そんな、いつも通りの彼の姿だった。 「ルパンめ……まんまと逃げおった……」 銭型は、失われた何かが再び燃焼し始めるのを感じていた。 コートからガバメントを抜き、セーフティを解除する。 「逃がすものか。どこへ行こうが必ず捕まえてやるぞ、ルパン」 ========オチわからない人用============ 301 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/16(月) 23:24:26 >>281 どういうこと? 302 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/16(月) 23:57:06 >>301 ⊃後追い。 出典:2 リンク:2 |
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