ミセス・ロビンソンを聴きながら (エロくない体験談) 25736回

2007/09/15 15:34┃登録者:えっちな名無しさん┃作者:名無しの作者
母が若すぎて困る。
私が高校生の時の家族写真を恋人に見せたら、妹さん可愛いねと言ってきた。そんなに私は老けてますかorz
父曰く「今の君が大好きだ。」と新婚時代に言ってから、全く変わらないのだそうだ。
態度も全くその頃のままで、私と父が将棋を指していると母が「私とも遊んで。」と父に擦り寄ってくる。
父「後でな。」
母「今、今い〜ま。」
父「とりあえず将棋でも見てろ。あ、その香車待って。」
しぶしぶ盤面に目を落とす母。
私「母と父は仲いいよね。」
母「大仲良し!」
父「普通だろ。」
母「つれないわ〜。昔はあんなに・・・(甘々セリフ)とか言ってくれたのに。」
赤面父「今いいとこだから少し黙ってろ。大祐(私の名前)、その角成り待ってくれ。」

段々飽きてくる母。
父の左頬を人差し指で一突き、
母「ねえねえ、今何指で触ったと思う?」
盤面から目を離さず
父「知らん!」
母、父の頬にキス。
母「今のはな〜んだ?」
父「・・・(無視)」

父の背中に回る母
母「ねえ、今から書く文字当てて。」
ゴソゴソと書き出す。
父「だ」
母「当たり。」
父「い」
母「せいか〜い。」
父「す」
母「次で最期♪」
父「け」
母「全問正解!正解は大祐でした〜。」
父「・・・」
母「期待した?」
私「王手。」
父「・・・ま、負けたのはお前(母)のせいだからな!!」
悔しそうに去ってく父とそれについて行く母。
お母さん、お尻の当たりにご機嫌尻尾が見えとりますよ。
お父さん、片付けは全部私ですか?そうですか・・・

パワプロしてる時も
父「俺と対戦しなさい。」
私「了解。」
父巨人、私広島。
父「先発ガルベス。」
私「ちょっ、なんで絶好調斉藤にしないの?」
父「・・・この前、あいつ(母)がかっこいいって褒めてた。」
私「嫉妬wwwwww」

試合開始。
四回ガルベス失投、江藤、先制スリーランホームラン
私「江藤は広島の怪物!!」
父「江藤はこれから全打席バントしてな・・・」ちょっ!
その後同点になるもガルベスの暴投で失点。
父「ガルベス・・・orz」
残りの回を大野スイスイ、結局私の勝利。
私「勝ち〜♪」
父「大野打てない。」悔しそうww
母「ご飯できたわよ〜。」

夕飯時、
母「味噌汁どう?」
父黙って味噌汁飲む。
母「斉藤よりもお父さんのが好きよ。」
父味噌汁ブー!!
私「聞いてたの?笑」
母「聞いてた笑」
お父さんその顔色は味噌汁つまってのチアノーゼですか?それとも・・・

就寝時、
私「お休みなさい」
母「お休み。」
父パワプロ特訓中。

ふと深夜に眼が覚め、何気なしにトイレに行くと、通り道にある父母の寝室からクスクス笑い声。
覗いてみると、
母「ちーくん。」
父「えっちゃん・・・。」
母「やっとスリスリできる〜。」
父「今日もお疲れ様。」
母「そちらこそお疲れ様。今日は大ちゃんばっかりで私の相手してくれなくてさびしかったよ〜だ。」
父「すまん。しかし、大祐の前でこんな風にべたべたするのはいかんだろ?」
母「私はしたい。」
父「しかし、父の威厳が。」
母「したい。」
父「威厳が。」
母「私は!」
父「はい、すいません。努力します。」
母「よろしい・・。チューしようチュー。」
そこで目を離す私。
他人の恋愛、特に親の恋愛はとっても生々しく見えると知った17の夜。



父の態度はその後も私がいる前では変わらなかったけど、相思相愛の夫婦であることは分かっていたので心配は無かった。
今で言うとこの父ツンで母デレだね。便利な言葉ができたものだ。

そんな普段は素っ気ない父も母の誕生日の時は母の大好きな苺ショート、そして誕生花一色の花束を贈る。
この日だけは父は絶対に定時に帰る。それをいつもよりちょっと豪華なディナーで迎える母。
それを存分に楽しんだ後、苺ショートを三人で食べる。
そして、最後に父は母に言う。
「愛してるよ。」
それを聞く母はとても満足そう、反面父は所在無さ気だ。

それは毎年毎年どんな時も欠かさず続けられた。
毎年毎年この日、食卓の中央には花が、そして苺ショートがあった。
それは場所を仏壇に換えてからも続けられている。

母が若すぎて困る。
遺影の中の笑顔な彼女は昔と何も変わらない。
一方皺の増えてきた感のある私の顔を見ると、高校時代兄妹と間違われてた関係が親子にまで開いていそうだ。

私は母がいなくなってから程なくして、結婚した。
その時、一人身の父を思い同居をしようと話したが父の答えはNo。
一人じゃ淋しいでしょ?と聞いた私に父は言った。

「いいか、どんなに何があっても変わらないものがある。それは愛の思い出だ。それがあり限り俺は一人じゃないし、淋しくも無い。」
赤面しながら言う父を見て、やはり昔のように天国の母は満足そうに笑っている。私はそんな気がしてならないのだ。

ふと見た仏壇の、中央にあるガーベラの花束が風になびき、カサッと鳴った。
それはまるで母が「そうなのよ〜」と返事をしたようで、不思議と嬉しかった。


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