ここはのび太の部屋。 複数のPC、モニタ、AV機器が整然とラックに納められ、鈍い作動音を発している。無停電装置まで完備したこの部屋は、のび太のぼんやりしたイメージには似つかわしくない、高度な電脳空間だ。 部屋の主、のび太はシステムに囲まれた中央に、革張りの豪奢なチェアに腰を下ろし、複数のモニタを睨んでいる。ドラ○もんは押入れの中。寝ているのではない。のび太にしっぽの非常停止スイッチを引っ張られ、機能停止しているのだ。 複数のモニタにはなにやら風景が写っている。浴室、脱衣所、トイレ。どうやら級友のしずかの家内部のようだ。画像は驚くほど鮮明で、ハイビジョン以上の解像度と思われる。 のび太がやおらマウスに手をのばす、するとどうだろう、脱衣所の画像のアングルが変わり、入り口を映し出した。どうやらアングル遠隔操作も可能のようだ。とそこに映し出される人影。のび太の級友、しずか登場である。すかさずのび太の手が、マウスを操作する。どうやら録画を開始したようだ。 「クククッ、今日もおまんこ全開でしっかり頼むぜ、子猫ちゃん。」 のび太の口から、彼のイメージには似つかわしくない、野卑なつぶやきが漏れた。マウスでアングル、ズーム等を調整。最適なショットを狙っている。 モニタの中のしずかは、ブラウス、スカート、シャツ、パンツの順で脱ぎ、全裸となった。そして浴室へ。 「フンフンフフフン、フンフフンフフン。バォォン、パラリラパラリラ。」 しずかはレディース風の鼻歌まじりで体を洗い出す。多数のカメラに撮影されているとも知らず・・。 そしてその指は股間へと伸び、一人遊びが始まった。 「うんっ、ああっ、オマンコ感じるぅ!」 嬌声を発し、股間をいじるしずか。のび太はすばやくマウスを操作する。モニタの画像は一気にズームし、しずかの指先とおまんこを映し出した。ピントあわせも恐ろしく早い。浴室の湯気でも曇る気配のない画像。カメラの高性能ぶりが伺い知れる。 「出来杉さん・・あたいのここ、イジッテ・・。」 のび太にとって、もっとも聞きたくない名を呟くしずか。のび太の目がすっと細くなった。マウスを素早く操作する。 「きゃぁぁぁぁぁっ、つめてぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!」 冷水を全身に浴びた、しずかの絶叫が響き渡る。給湯器と、蛇口の中に仕込んだ電磁弁を遠隔操作、しずかに冷水のおしおきを加えたのは、もちろんのび太だ。 「しずかちゃん、どうしたのっ!」 悲鳴をききつけたしずかのママが駆けつける。 「ううん、なんでもないのママ。間違えてお水浴びちゃっただけよ。」 瞬時に猫をかぶり、返事をするしずか。安心したママは、キッチンへと戻って行った。 「ったく、どうなってやがんだぁ?、コレ、壊れてんじゃねーか?」 ママが居なくなったとたん、素に戻るしずか。突然冷水を噴出した、蛇口を確認する。チェアの上で笑いで身をよじるのび太。だが、被写体にあまり怪しまれてはならない。それ以上のイタズラは控え、撮影に専念する。 突然、一台のモニタから小さな音でアラームが鳴り始めた。 「チッ、手が回らないぜ・・・。」 のび太は舌打ちを漏らしながらも、そちら側のマウスも操作し、アラームを止めた。どうやら、このモニタに写るのは、ジャイアンの家のトイレのようだ。モニタに写る人影。そう、先程のアラームは「被写体が現れた」事をのび太に知らせるものなのだ。 人影は、どうやらジャイアンのママ。下着を下ろし、和式便器に跨ると 「ふんん!」 とキバリ始めた。大のようだ。のび太の口から呟きが漏れる。 「デブ&スカトロか。マニアにゃたまらねぇネタだな。キバッて出せよババァ!」 またしても彼らしくない野卑な言葉。いったい彼はどうしてしまったのか? とそのとき。部屋の隅に追いやられた、チンケな学習机の引き出しが開くと、一人の少年が顔を覗かせた。 「おじいちゃん、おっぱー。」 死語となったフレーズと共に登場したのは、のび太の孫の孫、22世紀の住人、セワシだ。手にはエレガントなデザインのPC?を持っている。 「今月の分、受け取りに来たよ。」 にこやかに微笑むセワシ。そんな彼にのび太は素早く指示を出した。 「手が足りねんだ!セワシ、オメーそっちやってくれ!!」 と、しずかの入浴を写すモニターを指差す。そして自分は、ジャイアンのママの脱糞シーンにかかりきりとなった。 「えーっ、アングルなんてオートでやっちゃえばいいじゃない。それに僕もそっちの方が撮りたいな。」 とセワシ。のび太は操作を続けながら、 「ったく、オメーは、なんもわかってねーな。オートでマニア受けする画が撮れたら苦労は無いんだよ。それにおまえにゃまだ、脱糞シーンはムリだ。くおっ、ふてえぇぇっ!」 驚嘆の叫びを発するのび太。モニタの中では、アップで写されたジャイアンのママの肛門から、ぶっとい糞が「むりむりむり・・・」と出ている。高性能カメラは糞に含まれる、未消化のとうもろこしを写しだした。茶色と黄色のコントラストが鮮やかだ。そして締めくくりは、大音量の放屁。 「バボボボーーーーーーン、ドペペペペペペ。」 ニオイまで伝わってきそうな。凄まじい音圧。 「こいつぁ、いい画になりそうだぜ。」 のび太の表情が期待で輝く。それからしばらくして、のび太とセワシは、それぞれの撮影を終了した。 「じゃ今月分見せてもらえる?」 とセワシ。のび太は一台のPCに手早くパスワードを打ち込む。さらにモニタ上の小さなカメラを睨んだ。この時代では、ほとんど普及していない網膜照合セキュリティだ。 さらに卓上の端末に手を載せた。これもほとんど普及していない静脈照合セキュリティ。これらの多重セキュリティで守られるものとは一体? 「そーら出た。今月は大量だぞぉ!」 のび太の声と共に、すべてのモニタに映像が写る。 しずか 入浴、オナニー、放尿、脱糞。 しずかのママ 入浴、オナニー、放尿、脱糞、旦那とのセックス。 スネ夫のママ 入浴、オナニー、放尿、脱糞、スネ夫とのセックス。 ジャイアンのママ 脱糞、脱糞、脱糞、脱糞、放屁、イボ痔治療。 「全て、オレが手動で撮影したものばかりだ。マニアの期待に十分応える出来だぜ。」 のび太が自信ありげに言うだけあり、どの映像も秀逸なカメラワークだ。いくらカメラが高性能でも、素人にはこうはいくまい。映像を見たセワシが真顔で呟く。 「うーん、おじいちゃん、ほんとに上手くなったよね。始めは僕が教えたのに・・。もうとても敵わないよ。好きこそものの上手なれ、かな?」 そう言いながら、持参したエレガントなPC?を開き、光通信でのび太のPCと接続した。画像、音声データの総量は数十テラバイトはあるだろう。その転送が1秒以下で完了。セワシは自分のPC?をしまい込んだ。 「おじいちゃんみたいな子供に協力してもらうのが、このプロジェクトのポイントなんだ。22世紀のやくざも同じようなこと考えて、この時代のやくざと手を組んでる。でもそういう連中はタイムパトロールがあらかじめ監視してるから、すぐにパクられてるよ。でもタイムパトロールも、まさか子供がって油断があるから僕らは上手くいってるのさ。ま、油断は禁物だけどね。」 やや、不安な表情を見せるセワシ。だがすぐに笑顔となり、 「でも、それだけの危険を冒す価値はあるよ。最近の売り上げ、月平均で6000万超えてるからね。そうだ、ハイ、先月の分。50パーセントね。」 セワシはそう言うと、分厚い札束の塊を取り出し、のび太に手渡した。その重さを両手で確かめるのび太。思わず笑みがこぼれる。 「クククッ、これだからやめられねぇな。無税のキャッシュで、年収約3億6千万か。オレまだ10歳だぜ。周りの目もあるし、まだ派手には使えねえが・・、10年後が楽しみだぜ。ハーレムでも作ってやるかなぁ。」 ・・・・・・もうおわかりだろう。これは、盗撮検知&防止技術が高度に発達し、盗撮がほぼ不可能になった22世紀日本のマニアのニーズを満たすため、セワシが発案した時代を超えた盗撮プロジェクトなのだ。まずセワシは、盗撮防止技術の無い、20世紀の日本にタイムトラベル。20世紀日本での土地勘の無さ、その時代の風俗、習慣の生の知識を補うため、その時代の人間から、協力者のび太を得る。そのアドバイスに従い、22世紀の最新の超小型カメラを、マイクロロボットを使い、盗撮スポットに埋め込む。 映像を加工、記録するシステムも22世紀の最新のものだ。怪しまれないよう、外観は20世紀のPCに似せているが、性能は比較にならない。それらを、タイムパトロールのマーク対象外年齢である、先祖のび太の部屋に設置。 「しずかの裸が見れる。」 「お金がたくさん手に入る。」 言葉巧みに、撮影の手順をのび太に教え込んだ。はじめはおっかなびっくりだったのび太。だが盗撮を続けるうち、彼の生来のエロ&野卑な性格が目覚めた。根が器用なのび太の事。たちまち撮影技術も向上し、セワシなど足元にも及ばぬほどとなった。 のび太の独創のカメラワークで盗撮した映像を22世紀のマニアに売りさばく。そして盗撮ものに飢えていた22世紀裏社会で、それは爆発的ヒットとなった。 セワシが22世紀に戻ったのび太の部屋。ちなみに撮影ワーク中は、セワシ以外部屋に入れぬよう特殊ロックが設置され、ママに踏み込まれる心配は無い。 のび太はPCなどのシステム一式と、包装した札束を、押入れの中で機能停止している、ドラ○もんの四次元ポケットに収納する。システムの表面には、指紋や皮脂が付着しない特殊加工が施してある。手袋をしているので、札にも指紋は付かない。万一タイムパトロールに発見されても、疑われるのはドラ○もん。アリバイ対策も万全だ。 全てを片付けたのび太はどらやきを皿に山盛りに用意すると、ドラ○もんのしっぽをひっぱり、機能停止を解除する。 「う、うーん。あれ、のび太くん。ボク、寝てたのかなぁ?」 起き上がり、怪訝な表情のネコ型ロボット。だがすぐに視線が、皿に山盛りのどらやきに吸い寄せられた。 「のののののび太くん、どどどどどどうしたのこれ?」 でかい口からはよだれが・・。 「ちょっと臨時収入があったんだ。よかったら食べて。ドラ○もん。」 皆のイメージどうりの自分を演じるのび太。いつもとかわらぬ日常。 「どらちゃーん。のび太ー、ごはんよーっ。」 ママが呼んでいる。 「はーい。」 二人は連れだって階段をおり、食卓へと向かうのだった。 |
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