高校帰りの自宅前。
昼寝昼寝、などと考え僕が門を開けようとすると。
「ちょっと待って!」
遠くから、女性の大きな声が。
後ろを振り返ると、1つ年上の池内先輩が駆け寄って来る所だった。
色白の肌に長い黒髪。
166、7cmのスラッとした体型。
けど脚にはムッチリと、適度に脂肪がついている。
ちょっとエッチな体つきの人だ。
「はあはあ……」
エッチな体つきとは裏腹に穏やかで、清楚な女性らしい女の子。
そんな先輩が慌てた様子で、息を切らせて走ってきた。
……これは、ただごとではない。
そう、僕は直感した。
「お願い、聞いてくれない?」
そう言った先輩の声は、間違いなく震えていた。
僕と池内先輩の視線が正面で絡み合う。
先輩の真剣そのものの、まなざし。
思った通り、事態はかなり重大みたいだ。
心の準備は出来ていない。
受け止められる自信もない。
でも、先輩が僕を頼ってきてくれたんだから。
「……はい。僕に出来る事なら」
やれる限りの事はしようと思った。
「あの、ね」
もじもじと、言いづらそうな先輩。
あせらずに、僕は次の言葉を待った。
待つこと約5秒。
先輩は、意を決したように口を開いた。
「お……お手洗い、使わせて」
…………
「え?」
「急に行きたくなっちゃって……その、駅まで我慢できない、かも」
…………
「右に行って突き当りです」
家の中に先輩を招き入れ、僕はトイレの場所を案内した。
「ありがとう……本当に」
先輩は真っ赤な顔で僕に頭を下げると、トイレへ向かって歩いて行く。
やっぱり池内先輩でも、おしっこの力にはかなわないんだなあ。
当り前の事を考えながら、僕は柔らかそうな太股をこすり合わせるように内股で歩く、池内先輩の後ろ姿を見送ったのだった。
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先輩のお願い
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