結婚すれば平均して四年間は幸せです。
しかし逆にいえば、その至福は四年の命です。
多くの社会で、結婚して二年たつと離婚する人が増え始め、四年目にピークを迎えます。
四年目の浮気を乗り越えると、離婚率は減ります。

なぜ愛は四年で終わるのか。

四年たったらパートナーを変えた方が、子孫を多く残すのに有利だからです。
モンテーニュは「本人がどう言おうと、われわれは自分のために結婚するのではない。
むしろ子孫のために結婚するのだ」と言っていますが、結婚だけではありません。
結婚も離婚も浮気もすべて、優れた子孫を多く残すためなのです。

アメリカで最も著名な人類学者の一人、ヘレン・フィッシャーの学説を紹介します。
私たちの祖先は、どのような婚姻生活を送っていたのでしょうか。
今日の伝統的な社会を調査すると、子供が乳離れするのに必要な期間は、ほぼ四年です。
この数字が離婚のピークと一致するのは、偶然ではないでしょう。

今日のように核家族化が進んでおらず、複数の家族が集団で生活していた原始時代には、
乳離れした子の世話は周囲にまかせ、配偶者を変えて新しい関係を結ぶことができたと考えられます。
両親が異なれば子供の体質も変わりますから、伝染病が流行しても全滅は防げるかもしれません。

環境がころころ変わる厳しい自然界では、似たような子ばかり産むのは危険です。
日本では平成五年の冷夏で記録的な米不足が生じ、「平成の米騒動」といわれましたが、
人気のある品種ばかり作っていると、環境が激変したときに、ことごとく不作になります。
「新型インフルエンザ」など未知のウイルスが人類を脅かしていますが、
新しい伝染病に対抗して子孫を残すには、可能な限り多様な子供を残すべきでしょう。

子孫を増やすことだけ考えれば、子が離乳したらパートナーを変えるのが最適です。
この賢い戦略を、私たちの祖先は進化の過程で身につけたのではないでしょうか。

男女ともに離婚にふみきる数が多いのは、二十代の生殖能力が盛んな時です。
年齢的に「まだやり直せる」ので、別の人との再婚に期待をかけるのです。
特に女性の側が経済的に豊かで、夫に頼らず生活できると、よけい離婚率が高まります。

逆に子供が多くなるほど、また夫婦の年齢が上がるほど、
新しい生活を築いて子を産む負担が大きくなるので、離婚の動機も弱まるのです。
若く経済力のある女性と結ばれるのは、統計学的には最もリスクの高い結婚です。

出典: 
リンク: