俺はもう2年ばかり、ある有料ネトゲを続けている。
派遣社員7年目、嫁と二人暮しで余裕もそこそこあるからだ。
今や俺の第二の生活空間といえるそこには、ひとりの相棒がいる。
ゲームIDは琉希(ルキ)。
大学2年だという彼女は、ゲームを始めたその日から約一年、
俺がマスターを務めるギルドで生活している。
今やサブマスターの彼女は、いわゆる姉御肌だ。
さばさばした性格で、厨臭い下ネタでも下品にならない様にうまく盛り上げる。
いつも明るくて面倒見がよく、俺が気付かないギルメンの機微にも鋭い。
そのくせ心無いプレイヤーの暴言を受けると、すぐに塞ぎこむ繊細な面もある。
本人は普段どおり振舞っているつもりでも、
ムードメーカーの異変に気付かない奴はいない。
彼女はメンバー全員に「おねーさん」と慕われているが、
俺にとっては、可愛い妹のような存在だった。
恥ずかしい話、俺は女の子に初めて「中身」で惚れた。
嫁も“趣味が合った”というのはあるが、やはりルックスが大きい。
琉希は容姿の話題を避けるため、そう可愛い方ではないのかも…と
密かに思っていた(失礼)が、それでも人間として尊敬でき、可愛らしかった。
彼女は俺なんかよりずっと良いリーダーだった。
何か不備があると、婉曲表現を使わずビシバシ指摘してくる。
耳が痛かったが、その方法は変な誤解を与えない。
会話のセンスといい、彼女はとんでもなく頭が切れる。
名参謀のおかげで、俺のギルドは混沌とした時代を乗り切る事ができた。
それでも一時、ギルドは解散を余儀なくされた時期があった。
ちょっとしたトラブルから、濡れ衣の汚名がサーバー中に轟いた為だ。
俺もなんとかしようと頑張ったが万策尽き、諦めかけた。
そのとき、彼女はなりふり構わず知人に頼み込み、
なんとかギルドを存続させようと奔走したらしい。
後に人づてに聞いて感謝すると、景気良く喋っていた彼女は急に黙り込んだ。
ギルメンの話では、バトル練習用のカカシをバシバシしばいていたそうだ。
その時俺は、照れる彼女に心底惚れた。
前置きが長くなったが、彼女には書ききれないほどの魅力がある。
事のはじまりは、大阪に住む俺が、千葉に住む最古ギルメンと
梅田で初オフ会をしようと話していた時。
京都に住む琉希が、自分も逢いたい!と参加してきた。
日時を決め、いざ会おうとなった前日。千葉の奴が仕事で来れなくなった。
そのため二人で会うことになった訳だ。
俺は、当日まで琉希の見た目を知らなかった。
彼女は男性恐怖症らしく、写メ交換とも言い出せない。
語り口調から、強姦やストーカーといったレベルのトラウマだと思う。
最低限の特徴だけを聞き、待ち合わせ場所を細かく指定してぶっつけ本番。
彼女は見た目は普通だといっていた。
俺も平凡な女子を想像して当日を迎える。
だから、待ち合わせ場所に行って驚いた。
なんと 彼女はネカm
ではなく、はるかに俺のイメージを超えていたから。
続編:Unreal その2
http://moemoe.mydns.jp/view.php/5677
出典:不明
リンク:不明
Unreal その1
(・∀・): 46 | (・A・): 35
