俺は会社を経営している。
と言っても、社員数10名程度の零細企業だが・・・。
この度、事務社員が退職することになり(旦那の転勤)、
欠員募集をすることになった。
不景気なのか、こんな零細企業であっても、それなりに応募があった。
しかし、何人か面接したが、帯に短く襷に長い感じで、
いまいちピンと来る人がいなかった。
今日も面接があり、いい人が来ればいいな、と思って待っていると、
「社長、面接の方がお越しになりました。」と、山口(女性社員)より声がかかった。
「よし、行くか」と席を立とうとすると、まだ山口がそばで立ったまま、
何か言いたそうに、ニヤニヤしている。
俺「何か言いたいことあるなら、早く言えよ。気持ち悪い」
山「今日の面接の子、綺麗な子ですよ。社長のタイプだと思います。
もう採用決定ですね」
俺「いくら綺麗でも、スキルとか適正とか、色々見なきゃなんとも言えないよ。
ウチはあくまで人物重視!!」
とは言いながらも、内心ワクワクの俺。
会議室のドアをノックしてから、入室し、挨拶をしようとして、
応募者(以下、応)の顔を見てビックリした。
で、向こうもかなり驚いていた。
なんと、その子は同じマンションの、しかも同じ階の住人だった。
俺「・・・。405の方ですよね」
応「ハイ。403の方ですよね」
犯罪者でもないのに、番号で呼び合う二人。
俺「いや〜、驚いた。やっぱり無理だよね」
応「ハイ、私もそう思います。無理ですよね」
この時点で不採用決定!!
応「いきなり社長面接って聞いて緊張してたのに、社長が403って超ウケル。
しかもスーツ着てるし」
俺「確かに、会う時っていつもスウェットだもんね。
今朝、朝刊を取りに行ったときも、すれ違ったよね」
そんな会話から、どんな職種が希望なの?と言った就職相談、家族で
よく出かけてるけどどこ行ってるの?みたいな話が続き、約2時間。
応「これから、会った時、どうすればいいんですかね?」
俺「なんか照れるよね」
本当にいい子なんですよ、この子。
キチンと挨拶できて感じが良いし、綺麗だし、お洒落だし。
こんな子を社員として採用できたらな、しかも仲良くなって愛人に
できたらな(ちなみに俺、妻子持ち)、とか妄想したこともあったけど
本人じゃ駄目でしょ、本人じゃ。
無理だよ無理。ヘタレなのかな?俺。
面接終了後、席に戻ると、ニヤニヤしながら山口が近づいてきた。
山「やけに長かったですね。やっぱり採用ですか」
俺「確かにタイプ、それは認める。しかも、人物的にも問題なし。
だけど不採用」
山「なんでですか?」と腑に落ちない様子。
しつこいので、理由を説明した。
面倒だけど、説明しておかないと、こいつは勝手に面白おかしく
尾ひれをつけて周りに伝えるから。
そんな山口が実は愛人。って言う、オチではない。
みんなゴメン、オチはない。スマン。
出典:俺
リンク:応
面接
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