母方の曾祖母の話。
身内で唯一の曾祖母で私が会いに行くと「アイスでも買ってお食べ」と毎回
1000円をくれた。
毎回お金をくれるし温和な性格だったから、しょっちゅう遊びに行ってた。
曾祖母と祖母は同じ家から嫁に来ていて(曾祖母が養女だったらしい)、
曾祖母は気の強い祖母にいつも気を使っていた。意見を通すことは滅多に無く、
いつの頃からか晩酌にコップ1杯の日本酒を飲んで不満を忘れようと
しているように見えた。
いつからか私が小声で話すのは聞こえても祖母に話し掛けられると
耳の遠いふりをするようになった。

曾祖母の体調が悪くなって入退院を繰り返すうち、祖母はだんだん厄介者扱い
をするようになり、寝ているベットにはあまり行かなくなった。
曾祖母はお風呂が大好きだったが、介護で入浴させることは大変だったらしく
あまりお風呂には入れていなかったようだった。
曾祖母が危ないという話だったので駆けつけてみると、うわごとのように何かを
呟いている。

私も上手く聞き取れなくて「ぴいばあちゃん、お風呂に入りたいの?」
と言うと、大きく頷いた。握った手をぎゅっと握り返してきた。
私は必死に「ぴいばあちゃん、お風呂に入りたいって言ってるよ、
入れてあげようよ!」と言ったが、何年も介護している祖母に対しては
言わなかったことらしく、
「もう何も反応も無いし、そんなこと言うわけ無いよ」と言われた。
半泣きで「お風呂に入れてあげようよ」と繰り返したが、聞き入れてもらえな
かった。
内孫でない私が言ったところで聞き間違えにしか取ってもらえなかった。
ぴいばあちゃん、ごめんね。私がもっと強く意見を言えば、もしかしたら
お風呂に入れたかもしれなかったのに。ごめんね。

曾祖母が亡くなって10年以上が経ちました。
たまに曾祖母の手の暖かさを思い出しては涙がこぼれます。

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