788 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/12/04(日) 01:20:27.62 俺が高校出て就職して2年目、新卒の女の子が入ってきた。 俺より上は男しかいないようなむさ苦しい職場だったが、 俺以外の同期も後輩数名もみんな女の子で、一気に会社が華やかになった。 研修期間が終わり、秋。一人の女の子がうちの部署に配属となった。 横顔がタヌキみたいに見えた。なんかいつもピョンピョコフワフワしてた。 滑り具合に定評のある俺のギャグにも、顔をクシャクシャにして笑ってた。 めちゃくちゃ幸せそうに笑うもんだから、一発でその笑顔の虜になった。 その年の暮れの忘年会、偶然席が隣になったので、ここぞとばかりに沢山話した。 もうすぐ来るクリスマスがちょうど誕生日だと言うので、翌日プレゼントを買いに走った。 似合いそうな可愛いヘアピンを買った。クリスマスの日も仕事だったが、 渡すタイミングを伺ってたら、一日が終わってしまった。 結局渡せたのは年が明けてからだった。苦笑いと嬉しさが混ざったように「ありがとうございます」 と言ってくれた。翌日からずっとそのヘアピンをしてた。知ってる限りは毎日ずっと。 次の春、連休に食事に誘った。 「男性と二人で食事にいったことなんかなくて、緊張します」と断られた。 絶望したね、1ヶ月くらいハイパーブルーだった。 その年の夏、女の子は泣きそうになりながら、というか泣いてた。俺に話しかけてきた。 「もらったヘアピンを壊してしまいました」ものすごく落ち込んでた。 何を言おうか混乱して、おもわず告白してしまった。 恥ずかしいから内容は伏せるが、女の子は驚いた顔を見せて走って逃げた。 パワハラ兼セクハラをかましてしまったと思い、またハイパーブルーになった。 789 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/12/04(日) 01:24:33.90 翌日の仕事終わり、女の子から「食事に行きましょう」と誘われた。そして告白の返事をくれた。 「こんな私でいいんですか」とほざくので、自分の魅力を事細かに説明してやった。 ドン引きされるかと思いきや、また幸せそうに笑った。「今すごく幸せです」って。こっちのセリフだボケ。 強いて言えば、初めての食事くらい俺から誘わせろ。 それから何度もデートを重ねた。意味もなく散歩したり、海辺をドライブしたり、某川の等間隔に混じったり。 会社ではひたすら隠した。「いつバレますかね?」と彼女は笑った。 が、その年のクリスマス、ペアウオッチをあげた。とくに意識しないで会社につけていったら 彼女もつけていたので、そこでバレた。照れ笑いも可愛かった。冷やかされた。 それから4年、これといった騒ぎもなく時間が流れた。というかキスすらもしなかった。 そういう欲が無いわけではなかったが、手をつないで二人で歩くだけで幸せだった。 またクリスマス前にプレゼントを買った。初めてあげたヘアピンと同じ物と、指輪を。プロポーズしようと思った。 当日会ってみれば、彼女はそのヘアピンをしていた。「直して見ました」と笑った。 夕食の時、買ってきたヘアピンと指輪を渡すと、彼女は泣き出した。「やっぱり私は幸せです」と。こっちのセリフだアホ。 ついでに言えば、その日初めてキスをして、体を重ねた。恥ずかしいからカット。 お互いの両親や上司にも快諾を得て、式の準備、本番、ハネムーン。 それからの生活は本当にあっという間だった。 俺が昇進して、子供が生まれ、嫁も昇進して、また俺が昇進して。 今日飯行ってきたんだよ。 忘年会で席が隣になって、告白の返事を貰って、俺がプロポーズした店。 俺と嫁と娘の三人で。 目の前でおそろいのヘアピンをつける嫁と子供を見ていたら、俺はすごく幸せもんだと思った。 帰りの車の中、4歳の娘が「○○は今日しあわせでした!」というもんだから、つい笑ってしまった。 それを聞いて嫁が「お母さんのほうが幸せだよ」って言った。ちょっと涙が出てきた。 お父さんが一番幸せだっつーの、アホども。 出典: リンク:http://2ch.net/ |
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